仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「ほら、着いたぞ」
あの後、晴人さんに連れられて辿り着いたのは1件の家。
そこには、面影堂と書かれており、そのままドアを開けた。
「ただいま、おっちゃん、コヨミ」
ドアを開けた晴人さんは、そのまま慣れた感じで入っていく。
「あぁ、おかえり、どうだったんだ、戦いは」
そう、晴人さんに対して、きさくに話しかけている人物。
どうやら、この家の家主というべき人物らしい。
「あぁ、いや、その、少し面倒な事になってな」
「面倒?それって一体」
そう、おっちゃんと呼ばれた人物は、晴人さんの言葉に対して首を傾げている間に、店の奥にいる女性が俺を見ていた。
その女性がおそらくは晴人さんが言っていたコヨミさんだと思うが。
「晴人、そこにいるのは、まさかファントム」
「えっ」
「俺の正体、分かるんですか」
一目見ただけで、俺の正体が分かる。
それに対して、驚きながらも、俺は尋ねる。
すると、コヨミさんはそのまま晴人さんに詰め寄る。
「晴人、一体どういうつもりなの」
「落ち着け、今から事情を話すから、とりあえず、オルフェウスも入ってこい」
「・・・はい」
そのまま、俺もまた促されるがままに面影堂に入る。
同時にソファに座ると共に、ゆっくりとこちらを警戒するように見る2人。
「それで、そのファントムをなんで連れてきたんだ」
「あぁ、なんというか、俺達の仲間になりたいと言ってきたんだ」
「仲間に?一体どういう事なの?」
「俺、その、人間を襲うのが嫌だから。嫌われたくないから。だから、魔法使いだったら、嫌われないと思って」
「嫌われないって、それだけで?」
「それでも十分なんです、おっちゃんさん」
「おっちゃんさんって、俺は輪島繁だよ」
「えっ、でも、晴人さんはおっちゃんって」
「それは、まぁ愛称みたいなもんだから」
「そうなんだ」
俺はそれを聞いて、納得する。
「なんだか、少しズレているわね」
「あぁ、俺も最初は戸惑ったよ、何よりも、こいつ、あの日よりも前の記憶がないらしいんだ」
「それって、もしかして」
そう、輪島さんは、コヨミさんの方を見る。
それは、コヨミさんの方もまた、驚きで、一瞬、目を開く。
だけど。
「嘘をついている可能性があるのに、信用なんて、出来ないわよ」
「嘘って、言われても、俺は、本当に記憶はないんだ、それに」
そのまま、俺は俯きながら、どうすれば良いのか分からなかった。
「なんというか、今までとは違うファントムだな」
「だから、俺も驚いているんだ。それに、このまま放っておいて、何をするか分からないからな」
そう、俺の事を話していた。
その最中で、俺はどうすれば良いのか、分からなかった。
ファントムと人間の違いって、一体何なのか。
それが、分からない。
けれど。
「・・・」
こちらをじっと見つめるコヨミさん。
どこか不満げであった。
「・・・まぁ、とりあえず、腹も減ったし、何か食うか。お前はどうする」
「食べ物」
それは、俺にとっては未体験だった。
ファントムには食事は必要ない。
だから、いならいと思っていた。
だけど。
「・・・食べてみたい」
「そっか、それじゃおっちゃん」
「あぁ、別に構わないよ」
そう、輪島さんは、すぐに用意してくれる為に奥へと向かってくれた。