仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「これが、魔法使いの力」
木崎さんはそう、自分が変身した事に驚きながらも、自身の姿を見る。
だが、そうしている間にも2体のファントムが、木崎さんに迫る。
「木崎さん!」
俺の声に気付いた木崎さんは瞬時に構える。
右手と一体化している銃は、大人一人分はあるだろう大きさもあり、それも相まってか、迫る攻撃を防ぐ事も簡単に行えた。
だが、それを防がれたのを見ると2体のうち一体は警察署にいる直己君を狙いを定めたようで、走る。
「させるか!」
すると、その前に木崎さんは、防御を行いながら、ファントムごともう一体のファントムへと突っ込む。
「ぐっ!?」
先程までの冷静な判断とは違い、まさしく決死の覚悟のように立つ。
「俺は、あの時、先輩を死なせてしまった。だからこそ、俺は先輩が残した彼を、決して死なせない!」
それと共に、右手の銃をファントムの一体に構える。
その周囲には被害が出ない事を既に想定しており、かつ周囲の人々を庇うように立っている。
そして、その引き金を引く。
それと同時に放たれる銃弾には、魔力が込められているようだ。
それにより、銃弾を放った方向にいるファントムの動きを止めることに成功する。
しかし、この攻撃ではダメージを与えられなかったのか、再び動き出した。
しかも、二体がかりでの連携で片方からの攻撃を防ぎつつ、もう一方から攻撃を仕掛けてきた。
だが。
「それは、既に知っている」シューティングストライク!
同時に、木崎さんは既に魔力を多く貯めた銃弾を、ミノタウロスに似たファントムに向けて放った。
その一撃は、見事に命中したようだ。
それによって、ファントムを倒す事が出来た。
同時に、そのファントムから流れる魔力が、俺が吸い込む。
「木崎さん!」
「あぁ!」パワー! ナウ!
鳴り響く音声と共に木崎さんは、真っ直ぐと蟹を思わせるファントムに向かって行く。
銃を持たない方の手を真っ直ぐと、殴る。
ファントムは、その一撃に対して、すぐに防御する。
だが、木崎さんはなんと、馬乗りになって、そのまま殴る。
「たとえ! 俺のこの身がどうなろうと! 守って見せる!!」
まさしくそれは、俺が見ていた人間の姿だと。
それと共にファントムを倒す事に成功したように、俺の身体に魔力が吸い込まれる。
そして、木崎さんもまた変身が解かれる。
「木崎さん!」
変身が解除されると、木崎さんの身体はボロボロだ。
「これは、思った以上にきついな」
「もしかして、俺のせいで」
本来の魔法使いの方法ではない。
だからこそ、彼に大きな負担をかけてしまった。
それに対して、罪悪感を抱く。
すると。
「……君が気を病む必要はない。俺が望んだ結果だ。何よりも、君のおかげで俺は守りたい者を守れた」
そう、木崎さんは笑みを浮かべる。
すると。
「木崎さん」
そこには、警察署にいた直己君がいた。
「直己君、君は「父さんの事を見捨てた訳じゃなかったんですね」っ」
それは木崎さんには驚きを隠せなかった。
「あれだけ大きな声でしたから、聞こえました。そして、警察署の人から聞きました」
「あいつら」
すると木崎さんは、そちらの向かなかった。
「ずっと父さんとの約束を守ってくれたんですね、それなのに、俺は」
「……気にする事はない。俺はただ、自分のやるべき事をやっただけだ。それに、奴等が現れなければ、俺もこんな事はしなかったさ」
そうして、木崎さんはそっぽを向いていた。
「……オルフェウスだったか」
「はい」
「お前は、確かにファントムで怪物だ」
「……はい」
俺には、それに対して受け入れるしかない。
「だが、人々を助ける為に動いたのも、お前だけだった。だから、このまま信じさせてくれ」
「っはい!」
その言葉だけでも、俺はこの戦いを行った価値は確かにあったと思えた。