仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「見えないのですか、こちらの方が数は圧倒的に有利なのを」
「あぁ、そうだな、けど」『スペシャル!プリーズ!』
「彼らのこれからの門出を邪魔させる訳ないだろ」
その音声が鳴り響くと同時に、晴人さんの後ろには翼が現れる。
翼の見た目は、これまでの魔法とは異なり、巨大なドラゴンを思わせる翼。
「・・・」
それが、晴人さんの体内にいるファントムが現実に現れた。
その謎は、今の俺には関係ない。
「「はああっぁぁ!!!」」
俺と晴人さん。
同時に駆け出す。
それは、以前の晴人さんのハリケーンスタイルとは違い、その出力はかなり高い。
だけど、それは、反対に俺も自分の力を思いっきり出す事が出来る。
「えっ」
「とりあえずは、こっちからだな!」
晴人さんは、そのままヴァルキリーが連れてきたファントムの一体である紫色の虎を吹き飛ばす。
それによって、宙を舞った所を、俺がウィザードソードガンを構え、斬る。
「がぁぁぁ!」
真っ二つに斬り裂かれた事によって、そのファントムは消滅。
同時に、そのファントムを吸い込む。
それによって、そのファントムの魔力を吸収する事に成功する。
「これは、なかなかに丁度良いじゃないか」
「ぐっ」
すぐにヴァルキリー達は、その場から逃げだそうとしたが、俺はすぐにその魔法を指輪に変え、ベルトに翳す。
「逃がすかよ!」『ソニック!ナウ!』
鳴り響く音声と共にヴァルキリー達に向けて、風の刃が放つ。
高速で、数え切れない程の刃によって、ヴァルキリー達の翼を斬り裂く。
「なっなっなっ!?」「これじゃ」
空を逃げる事が出来なくなった。
だからこそ、晴人さんもまた既に必殺の一撃を放つ準備をしていた。
「フィナーレだ」『サンダー!プリーズ!』
それと共に、ヴァルキリー達の周囲を何度も旋回しながら飛行する事で電撃を付加させた竜巻を起こし、竜巻で拘束したヴァルキリーの上空に発生させた雷雲からの強力な落雷。
奴らには、既に逃げ場がなかった。
その落雷から逃げる術はなく。
「「ぎゃぁぁぁぁ!!!」」
その絶叫と共に、俺はそのファントム達の魔力を吸い上げる。
「・・・」
「どうしたんだ、オルフェウス」
そうして、戦いが終わった後、晴人さんは問いかける。
「・・・なんだか、不味くて」
「ファントムに味がするのか」
「その、なんというか」
そのまま舌を掃除したい気分だった。
「いつも、嫌な味ですよ。最初に魔法を得た時から」
「・・・」
「あいつらからは、人が死んだ時の嫌な記憶がずっと固定されているような気がするので」
「人が絶望したのが、ファントムだからな」
そう考えると、俺も。
「だったら、食べに行くぞ」
「えっ」
すると、晴人さんは、俺の肩を叩く。
「ファントムの味なんて忘れる程の美味しい饅頭が待っているだろ」
そう、晴人さんは笑みを浮かべる。
「・・・はい」
そう、絶望では決して作れない美味しさを。
俺は求めるように、歩き始める。