仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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メドゥーサの誘い

「今日は、美味しいお鍋、お鍋」

 

 その日の晩ご飯の買い出しをしていた俺は、うきうきとした気分で買い物をしていた。

 

 本格的に寒くなってきたこの季節、晩の食事に、鍋という提案が出た。

 

 俺にとっては、初めての鍋という事で、わくわくした気持ちで、お鍋の材料を買っていた。

 

「それにしても、鍋って、一体どういう物なんだろう、楽しみだなぁ」

 

「あら、そんなに楽しそうにしているなんて、変わったわね」

 

 そんな、俺の幸せの気分を崩すように聞こえた声。

 

 同時に、俺は振り返る。

 

 そこに立っていたのは、黒髪の女性ではあったが、その女性の正体を、俺は知っている。

 

「メドゥーサ、なんでここに」

 

「あら、あなたに会いに来たと言ったら、不満かしら」

 

「勿論、不満だよ」

 

 俺はそうしながら、メドゥーサに向かって、睨み付ける。

 

 そんな俺に対して、メドゥーサは笑みを浮かべる。

 

「別に良いわよ、あなたとここで戦っても、けど、良いのかしらねぇ」

 

 そう、周囲を見渡す。

 

 それの意味を察した俺は、舌打ちをするしかない。

 

 周囲に人々がいる以上、ここで戦えば、大きな被害が出る。

 

 メドゥーサは、それを分かっての行動だ。

 

「私も無闇にゲートの可能性のある人間を殺すつもりはないわ。けど、あなたと戦うのならばねぇ」

 

「……何が目的だ」

 

 メドゥーサは、他のファントムとは違い、かなり賢い。

 

 俺自身をここまで育てたのは、他でもないメドゥーサである事は間違いない。

 

 だからこそ、メドゥーサの狙いがまるで分からない。

 

「デートしましょう、タナトス」

 

「……なに?」

 

「デートよ、指輪の魔法使いから聞かなかったのかしら」

 

 突然の言葉に、思わず困惑する。

 

 しかし、そんな俺を無視して、メドゥーサは言葉を続ける。

 

「なんで、そんな事を」

 

「さぁね、安心しなさい、別にあなたをそこで倒そうとは思わないから」

 

「……ワイズマンの所には行かないぞ」

 

「それは、お互いに望まない事よ」

 

 俺はそうしながらも、メドゥーサを睨み付ける。そんな俺を見てか、メドゥーサは肩をすくめる。

 

「そんなに警戒しないでも、別に何もするつもりは無いわよ」

 

「信じられるか」

 

「あら、随分嫌われたものねぇ」

 

 そんな会話をしている間に、メドゥーサは歩き始めている。

 

「何が目的だ」

 

 そう、俺は改めて、メドゥーサに対して問いかける。

 

「目的ね、あえて言えば、このデート自体が今の私の目的よ」

 

「なに?」

 

 その言葉に対して、俺は首を傾げる。

 

「この時間を独占すると言ったら、信じるかしら」

 

 俺は、メドゥーサの言う事が、まるで理解出来ない。

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