仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「まぁ、今日はちょっと簡単な物しか作れなかったけどな」
そう、輪島さんが持って来てくれた物に目を向ける。
机の上には、用意してくれただろう食事に目を向ける。
「これは?」
それに対して、俺は思わず首を傾げる。
茶色い水は暖められているのか、湯気が出ている。
その中には黄色い細い糸のような物があり、上には様々な物が乗っている。
「ラーメンだけど、まさか知らないのか?」
「うん、知らない」
晴人さんからの言葉に頷きながら、ゆっくりと、そのラーメンという物を見つめる。
輪島さんと晴人さんは、その手に持つ二つの棒を挟んでいる事から、おそらくはそれがラーメンの食べ方だろう。
恐る恐る、俺もまた2人の真似をするように二つの棒を掴み、そのままラーメンと呼ばれる黄色い糸を掴む。
そのままゆっくりと、口の中に入れる。
「っ!」
瞬間、口に広がったのはなんとも言えない味だった。
まず最初に感じたのは、まったりと舌に絡みつくような濃厚さで、そして次に感じるのはピリリとした辛みだ。
だが、決して嫌ではない。むしろ癖になる様な美味しさがあった。
そして何より驚いたのは、今まで食べた事がない食感だ。
まるで麺自体がスープに絡まっているかのように、歯応えがある。
そして噛む度にスープの味が染み出してくる。それはもう、凄く美味しい。
こんなにも美味しくて温かい食べ物が存在するなんて……! それにこのスープも、また美味しい。
濃厚なのにしつこくなく、それでいて深い味わいを感じる。
これならいくらでも食べられそうだ。夢中になって食べていると、ふとある事に気づく。
あれ? 2人とも、全然食べていない。
それどころか、何故かこっちを見て固まっていた。
どうしたんだろう? そう思いつつも、俺は目の前にあるラーメンを食べていく。
「どうひぃたんでふぅかぁ」
「ぷっ、いや、別に、まさか、そこまで夢中になって食べるとは思わなかったから」
「んっ?」
その言葉に対して、俺は思わず首を傾げる。
「なんだか、ファントムと言われても信じられないな、こんな子供が」
「そう言えば、あれはお前の姿だったのか?」
そう、晴人さんが尋ねた。
「……あれは、晴人さんの姿を見て、真似ただけだから」
「俺の? それじゃ」
そうしていると、コヨミさんが店の奥から出てきた。
「晴人っ、ファントムが出たわっ」
「全く、さっき倒したばっかりだと言うのに」
それと共に晴人さんがそのまま飛びだした。
俺は、一瞬、ラーメンをどうするべきか迷ったが、置く。
「ごめんなさい」「あぁ、良い良いよ」
俺は輪島さんに謝ると共に、すぐに晴人さんの後を追う。
晴人さんは既に急いでいたので、その場から去って行った。
だけど、俺自身、ファントムの気配は分かる。
「……そう言えば、晴人さんがここに来るまでに乗っていたのバイク」
そのまま、俺は周りを見渡すと、そのまま棺を一つ、引き千切り、バイクを造りだした。
俺は、そのままバイクに乗り込んだ。
そのまま、俺はファントムの気配がある場所に向かう。
すると、そこでは、ファントムが一体いた。
周囲は泥を操っており、そのままゲートだと思われる人間に向かって、その攻撃が襲い掛かる。
「っ!」
魔法使いの姿では、間に合わない。
俺はすぐにファントムの姿となって、ファントムの攻撃から、人間を守る。
「貴様はっ、タナトス!」
「ゴルムか」
俺は、そのまま睨み付ける。
同時に、ゲートを見る。
「だいじょう」
そう、俺が手を伸ばすが、その目に映ったのは、恐怖だった。
俺は、やるせない気持ちと共に。
「さっさとここから逃げろっ」
俺は、思わず叫んでしまった。
同時に、そのままゲートは恐怖と共に逃げていった。
分かっていたはずなのにな。
「裏切り者の貴様が、なぜ」
「黙れ、俺は」
俺は、変わらなかったのか。
そう、手を強く握り締めていた時だった。
「お前らからゲートを守りに来た。そうだろ」
「えっ」
横を見ると、そこには晴人さんがいた。
「結構、早く走ったつもりだけど、そっちの方が速かったんだな、驚いたぜ」
「……俺は」
そのまま、俺は晴人さんの顔を見れなかった。
俺は結局。
「お前がどういう奴か分からない。けど、少なくとも、目の前にいるファントムとは違う事だけは分かる」
そのまま、俺の方へと拳を向ける。
「頼むぜ」
その言葉に、俺は嬉しくなる。
同時に、その言葉に合わせるように晴人さんから流れ込んだ魔力が赤く燃え上がる。
「これは?」
「んっ、なんだこれ、俺の魔力が?」
そう、俺達は疑問に思う。
だけど、ゴレムの奴はこちらに向かって、攻撃を仕掛けようとした。
「まったく、せっかちな奴だな、行くぜ!」「うん!!」
同時に、俺達は、ドライバーを起動させる。
「「変身!!」」『フレイム! プリーズ! ヒー! ヒー! ヒーヒーヒィー!!』『ボルケーノ! ナウ!』
それと共に、俺達は、魔法使いの姿に変わる。
「さぁ、ショータイムだ」
「それは?」
その言葉に、俺は思わず疑問の声に首を傾げる。
「まぁ、決め台詞かな」
「そうか、だったら」
そのまま、俺は、ゴレムの方へと目を向ける。
「俺が、お前の最後の絶望だ」
そう、ゴレムの方へと向ける。
「なんだか、それ、悪者っぱいぞ」
「そうなのか」