仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
俺は、メドゥーサの言う事が、まるで理解出来ない。
メドゥーサは、そのまま俺を先導するように歩く。
その姿を見ながら、俺はどうするかを考える。
このままついて行っても問題無いかもしれない。
だが、相手はファントムであり、油断していい相手ではない。
「何を企んでいるんだ」
「言ったでしょう、私はデートしたいだけって」
「……」
そんな風に話している内に、俺達は目的地に着いたようだ。
そこは、商店街にある小さな喫茶店だった。
中に入ると、お洒落な雰囲気のある店だった。
「コーヒーと紅茶、どちらが良いかしら」
「いや、そもそも金を持っていない」
「あら、それなら心配要らないわよ」
メドゥーサはそう言いながら、店員を呼び止める。
そして、メニュー表を見せてもらう。
「ケーキセットでお願いします」
注文を終え、一息つく。
その間、俺は店内を見渡す。
「良い雰囲気ねぇ」
メドゥーサはそう呟く。確かにそうだとは思う。
ただ、今はメドゥーサを警戒しなければならない状況である為、素直に同意する事は出来なかった。
「それで、私とのデートの感想はどうかしら」
「どういう意味だ」
俺は、メドゥーサの言葉の意味が分からず聞き返す。
すると、メドゥーサは微笑む。
「いえ、単純に興味があるのよ」
「……ワイズマンの指示で、人間を絶望させる事にしか興味のない奴が」
「人間を絶望させるからこそ、人間の感情は理解しないといけないのよ」
そうしながら、注文して、置かれた紅茶をメドゥーサは飲みながら言う。
その言葉には確かに一理あるように思えた。
だが、やはり俺はメドゥーサを信用出来ないと思う。
俺にとって、メドゥーサとは恐ろしい存在である。
「それにしても、貴方も随分と変わったわね」
「何?」
「だって、昔のあなたは感情はまるでなかったわ。
でも今は違う。人を愛する事を知って、愛される事を知った。だから今の貴方はとても良い顔をしているわ」
「…………」
そんな事を言われても嬉しくはない。
「……何が目的なんだ」
「あら、言ったじゃない、私は今のあなたの時間を独占する事が目的だって」
そう、変わらない笑みを浮かべる。
「あなただって、ファントム。人間とは違う存在なのよ」
そうしながらも、紅茶を飲むメドゥーサ。
「指輪の魔法使い達が特別なだけで、あなたを受け入れられる存在はいない。そんな孤独に、あなたは果たして耐えられるのかしら」
そう、メドゥーサは続ける。
まるで、俺を締め付けるように。
「ファントムは」
そんなメドゥーサに対して、俺は睨む。
「ファントムは、人間の絶望から生まれた。だったら、ファントムが人間にだってなれるはずだ」
不可能ではないと、思う。
そもそも、俺も人の形になれたのだ。ならば、人になる事は不可能じゃないと思う。
それに、俺には。
そう、ふとスマホが震えるのに気づいた。
俺はそのままスマホを取り出すと、その通知に目を向ける。
それと共に、メドゥーサを睨む。
「メドゥーサ、お前っ」
「言ったでしょ、あなたの時間を独占する事が目的だって、けど、今はもう関係ないわね」
そのままファントムの本来の姿へと変わる。
「あなたをここから連れ出しましょうか」
「行くかよっ変身!」
俺はすぐに変身する。
同時に、アクマイザー・タイマーを起動する。