仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「はははぁ、怒っているじゃないか、タナトス」
「黙れ」
俺はそう言いながらも、その手にあるウィザードソードガンを構える。
眼前にいるフェニックスは、決して許してはいけない事をした。
「けどさぁ、俺からしたら、今のお前は弱点丸出しだから、本当に戦いやすいよなぁ」
「っ!」
すると、フェニックスの炎は、今度は達郎さんに向かって、襲う。
俺は瞬時に棺を出して、フェニックスの炎から守る盾にした。
「あぁ、確かに厄介だけどな、けどさぁ、それって、どれぐらいあるんだろうなぁ」
それと友にフェニックスは、その炎を周囲にまき散らした。
「お前っ」
その炎が、建物に当たれば、この周辺は火事になる。
だからこそ、俺は棺での防御を建物に当たらないように集中して、行う。
だが、そこに意識を向けたら。
「がら空きだぜぇ!」
「っ!」
フェニックスの、その剣が俺に襲い掛かる。
フェニックスは、周囲の被害を気にせずに攻撃を行う。
それを無視すれば、確かに俺は勝てるかもしれない。
だけど。
「放っておけないよなぁ!人間を守る事に集中しているお前にはなぁ!」
「フェニックス!」
その言葉は間違いではない。
実際に、俺は周囲を見捨てる事は出来ない。
さらには、スタイルチェンジも、魔法を使う隙も与えない。
手にしたウィザードソードガンで防御を行いながらも、棺で周囲を守る。
そうしている間にも、ダメージは蓄積していく。
「さぁ、ここで「何をしているのかしら、フェニックス」なぁ?!」
そんな俺を助けたのは、なんと。
「メドゥーサっ」
なんと、フェニックスを縛り、離したのは、メドゥーサ。
その事に驚きを隠せずにいた。
「なんのつもりだっ」
「あら、ピンチになっていたから助けてあげたのよ」
「お前がなんで、そんな事をっ」
「さぁね、気まぐれかもしれないわね」
そう、こちらに怪しい笑みを向けるメドゥーサ。
「おい、メドゥーサ!てめぇ」
「黙りなさい、タナトスに手を出すなと言ったはずよ」
「ちっ」
そう、メドゥーサは俺に向けていた表情から一変し、冷たい目でフェニックスに向ける。
「それに、ゲートは既に絶望しかけている。もぅここには用はないわ」
そう言い、彼らは人間の姿に変わる。
「タナトス、それがファントムが生まれる瞬間よ、その目に焼き付けておきなさい」
それと共に奴らは消えていった。
追いかけようかと一瞬考えたが、それよりも達郎さんだ。
「達郎さん!」」
俺はすぐに達郎さんに寄り添う。
だけど、その身体からはファントムの匂いが僅かに漏れ出る。
「そんな、どうすれば」
俺がそう、悩んでいる時だった。
「ホーホッホホ」
「えっ?」
突然聞こえた声に対して、俺は思わず振り返る。
そこにいたのは、赤い服に白い髭のお爺さんがいた。
「えっと」
「メリークリスマス」
「あっはい」
そのまま、その人が何か渡した。
疑問に思い、受け取ると、そこにはなんと指輪が。
それも見た事のない指輪が。
「これは、えっと」
疑問に感じながらも、俺はそのまま指輪をドライバーの前に翳す。
すると。
『メリークリスマス!ナウ!』
「えっ」
鳴り響く音声。
それと共に、俺の身体から飛び出る魔力。
それは、フェニックスによって、燃やされたクリスマスプレゼントに降り注ぐ。
すると、クリスマスプレゼントはなんと燃やされる前に戻っていた。
「プレゼントが」
「戻った」
それには、俺達は驚きを隠せなかった。
達郎さんは、そのままクリスマスプレゼントに近付き、笑顔になっていた。
「これで、間に合うっ」
「これが、サンタクロースの」
だからこそ、クリスマスを祝っていたのか。
俺は、その力の凄さに感心しながらも、すぐにクリスマスプレゼントをつばさ園に持って行く。
プレゼントを無言で、そのまま入り口前に持って行く。
「・・・」
「さて、行くかって、オルフェウス?」
俺はすぐにその場を立ち去った。
すると、つばさ園の入り口から出てきたのは、どうやら園長だと思われる。
そして、その人との会話が少し遠くで、聞こえにくかった。
だけど。
「受け入れて貰えた」
その事に、俺は嬉しく思えた。
達郎さんが、自分では相応しくないと思っていた。
資格はないと言っていた。
だけど、家に資格も必要ない。
その園長の言葉が、俺には嬉しかった。
「けど、俺に家は」
そう考えていた時だった。
電話が鳴っていたので、俺は手に取る。
「おい、オルフェウス、今、どこにいるんだ?」
「あぁ、その、達郎さんを家まで届けました。たぶんですけど、ファントムはもう襲わないと思いますよ」
「そうなのか、だったら早く帰ってこいよ」
そう、晴人さんの、その何気ない言葉に。
「良いんでしょうか?」
「何を今更言っているんだよ、お前が帰ってこないとパーティが始まらないんだぞ」
「今日は鍋だけじゃなくて、クリスマスケーキも用意していますからぁ!」
「ちょっと、飾り付けがまだ終わっていないわよ俊平君!」
そう賑やかな声が聞こえてくる。
「はい、すぐに帰ります」
俺はその声に笑みを浮かべる。
家族というのは、今でもよく分からない。
だけど、血が繋がっていなくても、家族だと言える。
それが分かっただけでも、俺は良かったと言える。