仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「・・・」
これまで、数々の奇妙な光景を目にしてきた。
だが、どうしても、眼前にいる人物を、どう対処するべきか、俺は困惑を隠せなかった。
「腹、減ったぁ」
世に言う、行き倒れという奴だろう。
だが、俺が困惑を隠せなかったのは、この人の状況だった。
「んっ?」
それは、これまで出会った、どの人間とも違う。
ファントムではないのは、分かる。
だからと言って、人間なのかと言うと、素直に頷けない。
「マジで餓死しそう」
果たして、敵なのか?
それとも味方なのか?
一体、どうすれば良いんだ?
「いや、ずっと見てないでくれるか?」
「あっ、ごめんなさい」
俺がそう見つめ続けていると、その人物がこちらに目を向ける。
「あの、お腹空いているんでしたら、良い店ありますが、行きますか?」
「マジで、助かるわぁ」
俺が、そう誘うと、その人物は笑顔で答える。
話している感じだと、悪い?人ではなさそうだ
俺は、そのまま、その人を案内して、とある店へと連れて行く。
「おぉ、これはこれは!!」
「なんだか、最近になって、こっちに来た風麺というお店なんですよ」
こことは少し遠い地にある風都と呼ばれる場所でしか売っていない名産ラーメン。
期間限定という事で、本当ならば、晴人さん達と一緒に来たかったが、どうやらあまり興味を持って貰えなかったらしい。
「良いねぇ、それじゃ頂きます!!」
すると、その人が懐から取り出したのは。
「んっ、それは?」
「見て分からないのか、マヨネーズだ!」
「えっ、いや、それは分かりますけど」
「これをこうやってぇ!」
俺の疑問を答えるように、そのままラーメンにマヨネーズをかけまくっている。
その量は、俺の常識を越えていた。
「こっこれは」
「俺の食べ方だぜ!どうだ、お前も!」
マヨネーズをこちらに押しつけてくる。
「・・・これが、食べ方か?」
疑問に思いながらも、俺はラーメンにマヨネーズをかける。
そのまま、一口。
「はむはむぅ、これは、まぁまぁですかねぇ?」
「おぉ、お前、分かっているなぁ!俺は仁藤攻介だ、よろしくな!」
「あはははぁ」
変わった人に気に入られてしまった。
苦笑いしながら、俺は答えていると、携帯に連絡が来た。
「んっ、俊平さんから?」
俺はそのまま電話に出る。
「たっ大変だよ、オルフェウスさん!!晴人さんが晴人さんが大変なんですよ!!」
「えっ、大変って、何が?」
「晴人さんが、毒で大変な事になっているんです!」
その言葉を聞くと、俺はすぐに立ち上がった。
「親父さん、これお代です!この人の分も!」
「えっ、ちょ」
俺はすぐに、そのまま店から出て行った。