仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「・・・」
「おやぁ、いきなり警戒しているけど、そんなに僕は君に警戒するような事をしたのかな?」
陽気な笑みを浮かべる男性。
だけど、その正体は俺は理解している。
この気配は、間違いなく、ファントムである事を。
「おっと、戦う気はないよ、今日はちょっとしたお使いを頼まれたからね」
「っ」
そうしていると、そのファントムは懐から何かを取りだし、俺の方へと投げる。
すぐに俺は受け止めるが、そこにあったのは魔法石。
色を見る限り、黄色であり、そこから感じる魔力は、膨大だ。
だからこそ、警戒を強くする。
「なんのつもりだ」
「だから言っただろ、お使いだって、まぁもう一つは」
そうファントムが呟くと同時に、姿を消した。
だが、それは俺の目の前というだけであり、すぐに後ろに回っていた。
「君とは1度だけ会ってみたいと思ってね」
「俺にだと?」
「あぁ」
そう、ファントムは笑みを浮かべる。
奴の顔は笑顔であるのは間違いない。
だけど。
「僕としては、結構びっくりしているんだよねぇ、ファントムって、皆、人間には興味なくて、ほとんどが絶望をさせるとか言っているのに、君だけはファントムなのに、人間を守ろうとしている」
「それが、どうかしたんだ」
「なに、同じ、変わり者同士、仲良くしたいと思ったと言えば、納得してくれるかなぁ?」
奴のその奥では、ファントムとはまるで違う不気味さを感じる。
「本当に、面白いね、君は、だからこそ、ワイズマン達も君を始末しようと考えないのか」
「・・・」
それに対して、俺も疑問ではあった。
裏切り者であるはずの俺に対して、あまりにも対応が甘すぎる。
ワイズマンは何を考えているのか分からないのもあるけど、あのメドゥーサもまた以前と変わらない態度で接している。
「気になるよね、気になるよね!だって、君だって自分の事を知りたくて仕方ないよねぇ!」
そんな俺の態度を面白がるように、こちらに詰め寄る。
「まぁ、今は教えないけどねぇ」
「・・・別に、教えなくても良い」
「へぇ、なんでかなぁ?」
「お前は、ここで俺に喰われるからだ」
そうして、俺は指輪を取りだし、構える。
「えぇ、いきなり暴力かい?酷いなぁ、僕達は同じ仲間なのに」
「巫山戯るな、俺達が同じファントムだろうと関係ない」
同時に俺は真っ直ぐと見つめる。
「お前の匂いも、その態度も、まるでファントムと変わりないからな」
「・・・へぇ、そう言うんだ」
俺のその一言に対して、ファントムの態度は少し変わった。
先程まで笑顔しか浮かべていなかったはずの、その顔はまるですとんと仮面が落ちたように、変わる。
「剥がれたようだな」
「君とは仲良く出来ると思ったんだけどなぁ、まぁ、最初の挨拶は失敗だし、とりあえずは」
それと共に、その姿はファントムとしての姿に変わる。
「少し、お仕置きをしないといけないようだね」