仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「はぁぁぁ!!」
凛子さんの、時間が後僅か。
もしも、治療が遅れてしまったら、死んでしまう。
一刻も早く、フェニックスを倒して、その魔法を得なければならない。
「ちっ、こいつはっ」
俺の攻撃に対して、フェニックスは徐々に後ろに下がる。先ほどまでの炎の剣による連撃も段々と緩み始めていた。
それだけではない。明らかにダメージが蓄積しているようだった。
いくら不死身と言っても無敵じゃない……そんな事を思い浮かべた瞬間だ。
不意にフェニックスが笑うと俺に向けて攻撃をしてきたのだ。
炎で作られた拳で殴りかかってくるのだが、正直なところ遅い。
俺は難なくそれを掴む。
「なっ」
「この低度かよっ!」
掴んだ腕を引っ張ると、あっという間にバランスを崩したフェニックスは床に投げられる。
そうすると簡単にマウントポジションをとる事が出来たのであった。
これで決着がつく。俺はフェニックスの命を絶つために、その手にある刀を振り下ろす。
「ぐっ」
フェニックスは、その背中から炎の翼を出して、俺の視界を遮った。
だがそんな事をすれば当然のようにバランスを崩し、そのまま地面に倒れるしかない。
俺は、倒れたフェニックスの体を上から押さえつけるように跨いだ。
フェニックスは俺を睨むと、両手を突き出して、そこから火炎放射のように炎を吐き出す。
その炎は、床や天井に当たり、辺りは煙に包まれた。
炎による攻撃は、俺がフェニックスに仕掛けたものと同じであった。
だからこそ、これは単なる時間稼ぎだと分かる。
煙で視界が悪いが、俺は自分の感覚を頼りに、フェニックスに向かって走る。
そして煙の中を突き抜け、奴の首元を斬りつけようとした。
しかし。
「怒りで、周りが見えていないようだなぁ!」
「五月蠅い、殺す」
そう、俺は刀を構える。
すぐにでも、フェニックスから、魔法を。
「オルフェウス! 無事か!」
「おいおい、俺を余所に何をしているんだよぉ」
「晴人さん、仁藤さん」
見ると、そこには2人が来ていた。
ここで2人が来てくれたのは、嬉しい事だが。
「魔法使い、邪魔しないでくれるかしら? 今は裏切り者の粛正をしている所なのよ」
「お前はメドゥーサ、オルフェウス、これは」
「このフェニックスを早く倒して、魔法を奪わないと、凛子さんが」
「凛子ちゃんがっ」
すると、晴人さんも、その視線の先で、凛子さんを見つめる。
かなり危険な状態である事は分かる。だからこそ。
「おいおい、だったら、俺に任せろよ」
「仁藤さん?」
「忘れたのか、俺にこれがある事を」『ドルフィ! Go! ドッ ドッ ドッ ドルフィ!』
それと共に仁藤さんが放った青い光。
その光は、そのまま凛子さんに降り注いで怪我を治した。
「んっ」
「凛子さん」
それに、俺は思わず目を見開く。
「まさか」
「治癒の魔法だぜ、まったく、焦るのは分かるけど、慌てるなよ」
そう、仁藤さんの言葉に対して、俺は落ち着きを取り戻した。
「余計な事を」
何やらメドゥーサが言っているようだけど、関係ない。
「さて、治癒の魔法は魔力を喰うからな、オルフェウス、その分はあの野郎から喰うぞ。晴人も、それで良いよな!」
「あぁ、構わないよ、むしろさっさと喰って欲しいからな」
そう、晴人さんも仁藤さんも同時に構える。
「行くぜ、仁藤、オルフェウス」「おぅよ」「はい!」
それと共に、俺達は、同時に構えた。