仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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育ての親

 数多くの戦いを潜り抜けたはずだ。

 

 その最中で、ファントムへの対抗の為に、多くの知識を持っている。

 

 俺自身、多くの事を学んだはずだ。

 

「えぇい」

 

「……」

 

 だが、なぜだ、理解が出来ない。

 

 仁藤さんがなぜか、女口調で、戦っている事に。

 

 俊平さんとお婆さんに近づこうとしたグールを倒しながらも、どうしたら良いのか分からずにいた。

 

「あの子、大丈夫かしら?」

 

「あっ、いやぁ、大丈夫ですよ、ただ、うん、まぁ」

 

 そして、俊平さんは、何か事情を知っている様子だった。

 

 そうして、困惑を隠せない最中で、戦いは瞬く間に終わった。

 

「あらぁ、逃げられてしまったわぁ、それじゃ、これで失礼しますねぇ」

 

 そうして、仁藤さんは、すぐにそこから離れていった。

 

 何が起きたのか、終始困惑を隠せない様子。

 

 すると。

 

「オルフェウス君」

 

「凛子さん、これって、どういう状況なんですか」

 

 それを呼ぶ人物、凛子さんにすぐに事情を聞いた。

 

「実は、あの人は、仁藤君のお婆ちゃんなの」

 

「お婆ちゃん?」

 

 その言葉に対して、俺は思わず首を傾げる。

 

 それと共に、面影堂にて、その話を聞く事にした。

 

 どうやら、仁藤さんのお婆ちゃんである育ての親だという敏江さん。

 

「仁藤さん、あっえっと」

 

「まぁ気にしないで、オルフェウス君だったね、さっきはありがとうね。

 

 良かったら飴ちゃんいる?」

 

「あっどうも」

 

 そうしながら、敏江さんから飴を貰い、そのまま舐める。

 

 こうして話してみて思ったけど、とても良い人だし、なぜ仁藤さんが怖がるのか分からない。

 

「お前は叱られた事がないからな、本当に」

 

「そうなのか」

 

 そう、仁藤さんは言うけど。

 

「……俺は正直に言うと、仁藤さんが羨ましい」

 

「んっ?」

 

「なんでもないです」

 

 そうしながら、俺は仁藤さんから目を逸らしながら言う。

 

 俺には、記憶はない。

 

 人間だった頃の記憶は。

 

 そして、仁藤さんと似て、俺を育てたのは、メドゥーサだ。

 

 メドゥーサが何を考えているのか、最後まで理解出来なかった。

 

 だけど、そこにあったのが愛情だったのか、他の何かだったのか。

 

 未だに分からない。

 

 だけど、ファントムは人間の絶望から生まれた。

 

 それ故に、メドゥーサは、俺を他のファントムのように人間を絶望に陥れる事を考えている。

 

 それを考えれば、メドゥーサは俺を何かに利用する為に育てたのだろう。

 

「とにかく、俺はあんまり婆ちゃんと関わりたくないから、そこの所、頼むぞ、オルフェウス」

 

「えぇ」

 

 まるで厄介事を押しつけるように仁藤さんは呟くと共に、そのまま去って行った。

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