仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

73 / 105
ピンチはチャンス

俊平さんが攫われた。

その事に対して、俺は動揺を隠せなかった。

 

「グレムリンの狙いは間違いなく、婆ちゃんだ。だけど、なんで婆ちゃんはあの場で出てきたんだよ!」

 

そのまま仁藤さんは敏江さんに向けて言う。

 

「だってお前は、ファントムを食べないと死んでしまうんでしょう?」

 

「っ!?」

 

その言葉に対して、その場にいた全員が動揺を隠せなかった。

これまで、仁藤さんが必死に隠そうとしてきた事。

だけど、既に敏江さんにはバレていた。

 

「じゃあ、まさか、ご自分の命と引き換えにファントムを生み出そうと…?」

 

「キマイラの…、仁藤の餌に?」

 

「馬鹿じゃねえの!?意味分かんねえよ!わざわざ婆ちゃんが絶望しなくたって他にもファントムは…」

 

「私はもう十分に長生きしました。攻介、私を連れて行きなさい!」

 

それと共に黙り込んでしまった。

 

その後、仁藤さんが瞬平さんのバッグに使い魔グリフォンを仕込んでいた事。

そこから見られた映像から、俊平さんが、今、どこに囚われているのか分かった。

 

すぐにでも行動をしようとしたが。

 

「攻介、私を連れて行きなさい」

 

敏江さんは、変わらなかった。

 

「ちょっと待ってよ、おばあちゃん。瞬平は俺が助けるから、変なこと考えないで、頼むから…」

 

それに対して、晴人さんは制止するが、仁藤さんは、そのまま出て行った。

 

「仁藤さん」

 

俺は心配になって、思わず仁藤さんについていく。

 

「何でだよ!?…魔法使いの事がばれたら今までみたいに怒られるもんだと思ったのに…何で急に…」

 

そう、仁藤さんは俺の存在に気づかないように、1人で愚痴りながら言っていた。

それに対して、俺は。

 

「・・・きっと、怒っていたのは、仁藤さんの為ですよ」

「・・・」

 

俺は思わず呟いた。

俺には、仁藤さんのような愛情を受けていたとは思えない。

周囲にいたファントムは、自分の欲望のみだった。

メデューサに関してはよく分からない。

 

「・・・」

 

奴は、どこかねっとりとした感覚だった。

まるで、自分の物にするような執着。

それは、先程の敏江さんが仁藤さんに対して行った自分の身を犠牲してでも守ろうとした。それとは、明らかに違った。

 

「・・・仁藤さん」

「はぁ、本当に、なんで大切な事に気づくのを、俺はいつも気づくのが遅いんだろうな、オルフェウス」

 

そう、仁藤さんは、俺に背を向けながら呟く。

 

「まだ、遅くないですよ」

「オルフェウス」

「まだ、敏江さんは生きています」

 

俺はそう、仁藤さんに言う。

 

「ピンチはチャンスですよ」

 

そう、いつも、仁藤さんが言う言葉を、伝える。

それを聞くと、仁藤さんもまた。

 

「あぁ、そうだよな、ピンチをチャンス!婆ちゃんも俊平も、絶対に助けてやるよ」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。