仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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ファントムの絶望

 眼前にいるメドゥーサの狙い。

 

 それは俺ではなく、その後ろにいる真由さんに攻撃を向けていた。

 

 特徴的な、その蛇を、杖から撃ち出す魔力弾。

 

 それらを俺を通り過ぎるように。

 

「やらせるか!」

 

 俺は、その手に持つウィザードソードガンで対抗する。

 

 迫る蛇は、ウィザードソードガンの刀身で斬り裂く。

 

 魔力弾は、ウィザードソードガンの銀の弾丸で貫く。

 

「メドゥーサっお前!」

 

 まるで、俺の事を眼中にないように。

 

 いや、違う。

 

 真由さんを殺す事に先決にしている。

 

「まったく、タナトス。あなたの強さ、相変わらずのようね」

 

 それと共に、俺への目は、どこか気味が悪い。

 

 まさしく、蛇が獲物を喰らうような執着。

 

「ファントムに対して、絶望を与えるのも可笑しいかもしれないけどね」

 

 そう、メドゥーサは。

 

「あなたの絶望する顔、少し興味があるわ」

 

 メドゥーサは、そう笑みを浮かべる。

 

「みっ美砂ちゃん」

 

 そんなメドゥーサの行為に慌てる真由さん。

 

 確かにこれはマズイ状況だ。

 

 このまま、護り続けても、果たして、守り切る事が出来るのか。

 

「大丈夫です、真由さん。ここは俺に任せて、貴女は」

 

「う、うん……でも」

 

「大丈夫ですよ。貴女には指一本触れさせませんから」

 

 俺の実力では、メドゥーサに勝てない。

 

 メドゥーサの攻撃を、どうにか防ぐ事は出来るが、それでも、いつまでも保つ訳じゃない。

 

「あら、タナトス。アナタ、まだ分からないの?」

 

「なにを」

 

「私にとって、そこの女を絶望させるのは、そう難しくない事を」

 

 そのメドゥーサの言葉と共に、蛇たちが動き始める。

 

 その動きは、明らかに真由さんを狙っていた。

 

 このままでは。

 

 そう思った時だった。

 

「待たせたな、オルフェウス」

 

 聞こえた声に、俺は目を向ける。

 

「ちっ、指輪の魔法使い」

 

 そこに現れたのは晴人さんだった。

 

 ここに来ての増援に、俺は安堵する。

 

「……まぁ良いわ」

 

 すると、メドゥーサは、興味が無くなったかのように呟く。

 

 そして、再び、真由さんへと視線を向ける。

 

 だが、晴人さんが真由さんを守るように、立ち塞がる。

 

 しかし、そんな事を気にした様子もなく、メドゥーサは再び蛇を操る。

 

「またね、真由、タナトス」

 

 その言葉を最後に、メドゥーサは消えた。

 

「美砂ちゃん!」

 

 そんなメドゥーサに手を伸ばす。

 

 だが、その手が届く事は無かった。

 

 既に、彼女に、全ての事実を話した時点で、俺の役目は終わっている。

 

 「だけど、結局、メドゥーサは一体、何を企んでいるんだ」

 

 未だに奴が、メドゥーサが何を企んでいるのか。

 

 俺はそれをまだ知らなかった。

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