仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
絶望の化身であるファントムと、悪魔としての悪意。
その二つを最大まで発揮した力であるオール・デビルとしての本能と共に、眼前にいるメドゥーサに襲い掛かる。
「メドゥーサァァァァ!」
剥き出しになった本能と共に振り下ろした爪は、すぐにメドゥーサを斬り裂く為に放った。
メドゥーサは、その爪による斬撃に対して、その手に持った杖で受け止めると同時に、頭部から生えている蛇を俺の身体に絡め取る。
「ガァァァァァ!!」『エレメント! ナウ!』
絶叫と共に口を大きく開くと共に、叫び声が周囲に震わせる。
それと共に、身体から溢れ出した電撃が、絡まった蛇を焼き尽くす。
「あはははぁ、凄いわぁタナトス!」
俺の電撃を受けながらも、惚けた笑みを浮かべるメドゥーサ。
「さすがは、タナトス! あなたは、やはりワイズマンの後継者になれるファントムよ!」
「俺は、そんなのになるつもりはない!!」
そんなメドゥーサの言葉を否定し、爪に魔力を籠めて、その身体に斬り付ける。
しかし、メドゥーサの身体には傷一つ付かなかった。
どうやら、この女の身体は魔法か何かで防御しているみたいだな。
なら。
身体に巻き付いた蛇の拘束を振りほどき、メドゥーサと距離を取る。
すると、その瞬間、俺の居た場所に、メドゥーサの蛇が追跡してく。
それに対して、俺は跳躍し、メドゥーサに向けて腕を伸ばす。
それと共に放たれた魔力の奔流が、その蛇を消滅させる。
これで、メドゥーサの蛇を何とか対処できる。
けど、このままじゃ、真由さんのアンダーワールドに行けない。
晴人さんか仁藤さんがいれば、専念出来る。
だけど、それが出来ない。
「俺は、お前を絶対に許さない!」
「あら、何をかしら?」
「お前の姿も、心も全部だ!」
それと共に、俺はメドゥーサを睨む。
「あぁ、分かっていたさ! 分かっていたつもりだった! メドゥーサ! お前もファントムだって! だけど!」
嫌悪感があった。苦手意識はあった。どこまで行っても、嫌いだった。
どこまでも、俺の事をファントムとして見ているメドゥーサ。
「俺が求める人間ではなく、ファントムとしか見てないあんたの事を俺は心底嫌だった! けど、俺が人間になりたいと気づかせてくれたのは、他でもないあんたが教えてくれたから!」
仁藤さん達の関係を見て、もしかしてと思った。
真由さんが、メドゥーサになる前の美砂さんという人物を聞いたから、希望を持てた。
けど、メドゥーサは、それを悉く裏切った。
「人間である事になぜ拘る。あなたはファントム。そして、いずれ最強のファントムとなれる」
「そんなのになるつもりはない! ただ、もしもあるとしたら!」
俺は、その思いを真っ直ぐと叫ぶ。
「美砂さんを利用したお前を絶対に許さない! 真由さんの家族を奪ったお前を絶対に!!」
それと同時だった。
「美砂ちゃんっ」
聞こえた声。
同時に、俺とメドゥーサは思わず振り返す。
そこにいたのは、先程までファントムになりかけていた真由さん。
だけど、既にファントムになっていない。
「真由さん?」「そんな、馬鹿な、なぜ!」
それに対して、俺もメドゥーサは驚きを隠せない。
「美砂ちゃんのふりをしたあなたなんかに分からない! オルフェウスさんの言葉の意味もっ!」
「真由さん」
それと共に、俺は真由さんに目を向ける。
俺の中にある憎悪が、僅かに収まったその時。