仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「ファントムが盗んだっていう証言があるんだよ! この場で、俺のベルトを盗む極悪ファントムはてめぇしかいねぇんだよ!」
そう仁藤さんは、グレムリンに向かって、叫ぶ。
「えぇ、酷いなぁ、僕はそんな事をしていないのになぁ、それにそれって、ファントム差別じゃないのかなぁ」
「差別じゃねぇよ! オルフェウスが盗む訳ないだろ! だとしたら、この場でベルトを盗むのはお前だけだろ!」
仁藤さんは言う。
けど。
「可笑しい」
「えっ?」
そもそも、俺は。
「グレムリンが、こんな事をするはずがない」
「何を言っているんだ、お前?」
「へぇ、僕をわざわざ庇うのかい?」
そう、グレムリンは言う。
けど。
「いいや、俺が言いたいのは、お前がわざわざ、こんな分かりやすく出て、自供する訳がないだろ!」
俺が知っているファントムの中でも、知識では、かなり厄介な奴だ。
そんな奴が、こんなに簡単に分かりやすく出てくるはずがない。
「何よりも、ここまでの間に、お前の気配は感じなかった。どんなに気配を消していても、さすがに気づくはずだ」
「ふふっ、どうだろうねぇ」
その態度で、明らかに怪しい。
それを感じた仁藤さんもまた怪しむ。
「確かに、この態度、なんか変だ」
「だとしたら」
それと共に聞こえたのは、悲鳴。
それは外からだった。
「この声は中本さんっ!」
「だったら」
俺は、すぐにアクマイザー・タイマーをすぐに構えた。
「ザビタンさん! イビルさん! ガブラさん!」
「あぁ、分かった!」
俺はすぐにアクマイザーの三人を呼び出す。
同時に三人には、中本さんを救う為に向かってもらった。
そうしている間にも、俺は眼前にいるグレムリンに集中する。
「ふふっ、オルフェウス君はねぇ、人間の綺麗な所しか見ていないから、人間を信じられるんだろうねぇ」
「何が言いたい?」
俺はグレムリンを睨みつける。
「ゲートを守っているようだけど、そのゲートが全て善人だと思っているのかい? それとも、オルフェウス君はゲートが全て、善人であるとでも思っているのかい?」
「たとえ、善人じゃなくても、守る価値はある!」
「本当に、そう思っているのかなぁ」
グレムリンは俺に尋ねる。
だけど、俺は。
「いいや、思う!」
俺は答える。
その言葉を聞いた瞬間、グレムリンは。
「ふふっ、どうだろうねぇ」
その言葉と共にグレムリンは、その姿を消した。
周囲を見回しても、既に消えていた。
「くそっ、あの野郎!」
その言葉と共に、この場での戦いは終わった。
仁藤さんは、そう悪態を吐く。
だが、俺は、この場での全ての状況から、既に犯人は分かっている。
それでも。
「俺はゲートを、人間を信じたい」