仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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ファントムが生まれた場所

ファントムとして、久し振りにこの姿に戻った。

本来ならば、魔法使いとしての姿で戦いたかったが、このアンダーワールドでは、それが許されないようだ。

それがなぜか、疑問に思うよりも先に目の前にいるファントムが、襲い掛かる。

 

「グルルルッ!」

 

ファントムは、その巨大な体格を生かし、角を真っ直ぐとこちらに向かって来る。

それに対して、俺はその角を片手で掴む。

角から分かるその威力は、想像以上に高い。

 

「アンダーワールドの中だからこそかっ」

 

この世界は、奴にとっては生まれ故郷であり、最も戦いやすい場所。

だからこそ、こうして受け止めるのも、難しい。

 

「だがなぁ、この程度でなぁ!!」

 

握り絞めた角ごと、地面にファントムを叩きつける。

叩きつけられた事で、ファントムは一瞬悲鳴を上げる。

だが、俺はそのままファントムを、足で押さえつける。

ファントムを、ここで逃したら厄介だからだ。

 

「ッ」

 

ファントムも、こちらが行おうとした事を察し、逃げようとした。

しかし、俺はそれよりも口の中に溜めた魔力の狙いを、真っ直ぐとファントムに向ける。

同時に、その口から放った一撃は、そのままファントムへと叩き込む。

ファントムは、その一撃から逃れる事が出来ず、そのまま、塵へとなっていった。

瞬く間の決着。

その証のように、俺の身体からまた一つ、指輪が生まれる。

 

「・・・なんとかなったのか」

 

そう呟くと共に、変化が起きた。

先程まで壊れそうになっていたアンダーワールド。

それが、ファントムがいなくなった事で、元の光景に戻った。

 

「・・・これが、希望なのか」

 

同時に俺にとっては初めての光景でもあった。

ファントムは、人間の絶望を糧に誕生する。

そして、ここで再生しているのは、そんな絶望の元凶となる希望。

見ると、そこには1人の女性が男性に抱きついている。

あれが、人間の父親なのか。

そのままゆっくりと、流れるような光景。

それは、その男性が、多くの人を救う光景。

それに対して、少女が憧れている光景。

 

「・・・そうか、人間も、俺も同じなんだ」

 

俺は、人間に憧れた。

人間、そのものに。

けど、今の俺には、そんなアンダーワールドはない。

なぜならば、それを破壊し、誕生したのが、俺だから。

 

「・・・だったら、俺は一体、どんな希望を壊して、生まれたんだ」

 

他のファントムと違って、俺は記憶はない。

だからこそ、どんな人間だったのか、知らない。

これと同じ光景を、壊して誕生した俺が、ファントムが。

今は。

 

「たまらなく、怖い」

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