仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
「大切な人を? 俺が、そんな事を思う資格なんて」
「資格とか、そんなのは関係ありません。何よりも、面影堂にいる皆さんはあなたの事を大切に思っています。このまま、本当の怪物みたいな事をしたら」
「俺はっ、晴人さんから希望を奪ったっ! 俺は、所詮、ファントムでっ、人間になる資格なんて」
そう、彼は叫んだ。
けど、私は、このままにしてはいけないと分かっている。
このまま、彼を放っておけば、オルフェウス君は、私と同じ家族を失う悲しみを味わう。
私は、そんなオルフェウス君に寄り添う。
「あなたのその力は確かに不幸にさせる事もある。けど、どんな力だって、あなた次第で変わる」
「けど」
「何よりも、あなたのおかげで救われた人は多くいたから。私も、その1人だから」
その言葉に少しだけだが、止まった。
同時に、私の使い魔が何かを見つけた様子だった。
これは。
「晴人さんとコヨミさんがっ、ファントムにっ」
「っ」
それを聞いた瞬間、オルフェウスさんは、その事で詰め寄る。
「場所はっ」
「海ですっ、このままじゃっ」
それと共に、既にオルフェウスさんの姿はなかった。
同時に、見つめた先は、使い魔が映す景色。
見ると、そこにはファントムが、晴人さんを完全に脚で踏んでいた所。
そこに向かって。
「離れろ!!」
叫びと共に、ファントムを吹き飛ばしたのは、オルフェウスさんだった。
その姿は本来のファントムとしての姿だった。
「ほぅ、まさかお前が直接来るとはな」
ファントムは、そう言いながら、オルフェウスさんに向けて、睨む。
「また、ファントムとしての絶望を味わいたいのか」
そう、ファントムは挑発するように言う。
だけど。
「違う、俺はただ、守る為に来た」
「守る為に?」
そう、ファントムの言葉から正面から否定する。
「俺なんかが無責任かもしれない! けどっ誰かが目の前で悲しんでいたら守るっ! それが俺のっ希望だぁ!」
その言葉と同時だった。
「……そうだったな」
すると、オルフェウスさんの後ろにいた晴人さんが立ち上がった。
「俺は……俺は諦めない。命がある限り……コヨミの命も諦めない!! 何よりも!!」
その言葉と共に、晴人さんはその言葉と共に立ち上がる。
「何よりも、魔法が使えるから絶望しないんじゃない。絶望しなかったから、魔法を手に入れることができたんだ。そうだろ」
それと同時だった。
晴人さんの身体から感じたのは魔力。
それは。
「ドラゴンが、蘇った」
その瞬間、晴人さんの手には、新たな指輪が現れた。
それは、ダイヤモンドを思われる輝きの指輪。
「変身」『イィィンフィニティー!! プリーズ! ヒースイフードー! ボーザバビュードゴ──ン!!』
鳴り響く音。
晴人さんの身体は、変わる。
淡い水色のような白銀の魔法使い。
魔力を失ったはずの晴人さんが、再び姿を変えた。