仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス   作:ボルメテウスさん

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生まれながら

周囲の建物を駆け巡りながら、この時、俺はファントムとしての姿を露わにしている。

それは、真っ直ぐと、獲物を狙って。

そこは古いビルであり、俺はその手にある刀を真っ直ぐと穿つ。

 

「っ」

 

それに気づいた奴は、こちらを見た。

その手に持つ鋏は、目の前にいる女性を斬り殺そうとしていた。

それよりも前に、俺はそいつごと、その場から離れた。

 

「痛っ、いきなり何をするんだい、オルフェウス君」

「・・・殺す」

「殺すって、いきなり野蛮だなぁ、僕は人間なのに」

「違う」

 

俺はただ、一言、奴に告げる。

 

「君も、聞いていたと思ったんだけどなぁ、僕は人の心を持ったままファントムとなった。

だから、そういう意味では、君にとっては僕は先輩じゃないのかなぁ、ファントムなのに人間になろうとしているから」

「・・・違う」

「違う違うって、さっきから何が違うのかなぁ?」

 

そう、奴は呟くが、関係ない。

俺は刀を真っ直ぐと。

 

「お前は、滝川空という人間だと名乗っている。自分が人間だと言っている。けどな」

 

これまでの奴の行動を見て、なんで迷っていたのか分からない。

けど、今ならば確信を持って言える。

 

「お前が人間だと自称しようがやってる事はファントムと変わらない。だからこそ、お前はファントムだ。ただ単に人格が変わらなかっただけのな」

「・・・ふぅん、そうか、だったら良いや」

 

グレムリンは、そう呟くと共に、その身体をファントムへと変わった。

 

「君とはどうやら仲良くする事は出来そうにないからね」

「安心しろ、俺も同じだ。そして、お前はここで殺す」

「物騒だね、本当に。そうだね、ここまで僕を不快にしたお礼だ。君にとっておきの事を教えよう」

「俺にだと?」

 

それと共にグレムリンは笑みを浮かべる。

 

「そう、君がとっても知りたがっていた、君のゲートの事を」

「俺のゲート」

「あぁ、言っておくけど、これは嘘じゃなくて本当だよ。けどねぇ、これを知っているのは、たぶん、僕とワイズマン、それにミサちゃんぐらいだからね」

 

グレムリンは、そう呟いた。

 

「君はね、世にも珍しいゲート。赤ちゃんのゲートだったんだよぉ」

「赤ちゃん」

 

その言葉に、俺は何を言っているのか分からなかった。

 

「ゲートの中に、まだ生まれていないゲートがいた。そして、あの儀式が行われた。

その時にあら、不思議。ゲートからファントムが生まれた瞬間、そのゲートの中にいた赤ちゃんもまたファントムになった。

同時に、そのファントムは、自分が生まれる為に親だったファントムを食い破って、出てきたんだよぉ」

「ぇっ」

 

俺は、頭が真っ白になった。

 

「君は言ったよね、僕が生まれながらにして、怪物ならば、君は生まれた瞬間からファントムを食らい怪物だよねぇ!」

 

そのグレムリンの笑い声が木霊した。

けど、俺は。

俺は。

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