仮面ライダーオルフェウス/ファントムタナトス 作:ボルメテウスさん
あの時ワイズマンが言っていた事は、何を意味するのか。
分からない事は多かった。
だけど、なぜだろうか。
『無駄な好奇心は時として不幸を招く。時に、真実は知らないほうが幸せなのだよ。そうだろ、タナトス』
あの時の、ワイズマンの言葉が、頭から離れない。
あの言葉には、まるで嘘は感じられなかった。
「俺はどうすれば」
未だに考えが纏まらない。
自分の中に何があるのか。
恐怖を、紛らわすように、俺は外を歩いていた。
そんな、考えをしていた時だった。
「何を悩んでいるのかしら、タナトス」
「っ」
その声に、俺は振り返る。
そこには、メドゥーサが立っていた。
「メドゥーサ、なぜ」
「決まっているじゃない、あなたがファントムとしての力を受け入れた事を祝う為よ」
そう、まるで自分の事のように喜んでいた。
「俺は、この力を、希望の為に使う」
「いいえ、あなたのそれは絶望の象徴よ、何よりも、それを見た私は、そう確信しているわ」
メドゥーサは、そうしながら、ゆっくりと近づく。
「サバトで、タナトス、あなたが誕生したあの時から私は確信していたのよ、あなたはきっとファントムの王になると」
「っ」
メドゥーサは、優しい笑みを浮かべる。
その下から感じるのは、ドス黒い何かを。
「ワイズマンへの忠誠心もある。けどね、私はそれ以上にタナトス、あなたを愛しているのよ」
「歪んでいるっ」
「失礼ね、純愛よ」
それと共にメドゥーサは、俺の方に詰め寄る。
「さぁ、タナトス、愛し合いましょう。あなたと私で」
俺は、それに。
「させないわ」
「ちっ」
聞こえた声。
それと共に、俺は振り返る。
「真由さん」
「真由、わざわざ死ぬ為に戻ってきたのかしら?それとも、タナトスを絶望させる為に?」
「いいえ、違うわ、オルフェウスさんを絶望させる為でも、死ぬ為に来たんじゃない。私は、メドゥーサ、あなたを倒す為に来たのよ」
そう、真由さんの腰にあったのは手。
俺や晴人さんと同じドライバーであるのは理解出来た。
「まさか」『ドライバーオン!ナウ!』
それには、俺は覚えがあった、
だが、その光景に、俺とメドゥーサも驚きを隠せなかった。
「変身!」『チェンジ ナウ!』
鳴り響いた音声と共に、真由さんの姿が変わる。
その顔は、晴人さんと同じように宝石を埋め込まれたような顔。
左腕が巨大な鉤爪が特徴的なその魔法使いとしての姿に。
「必ず倒してみせる……お姉ちゃんの命を……奪った貴女を!」
その言葉を合図に、真由さんは、真っ直ぐとメドゥーサに向かって突っ込んでいく。