魔法少女リリカルなのはstrikers~夜天の荒鷲~ 作:梟森つつじ
※はイメージBGMとしてACEAttacker ver.w
でお願いしますがらあくまで推奨です
機動六課 演習フィールド
「2人ともお疲れ様~あいた」
「増やすなら事前に連絡入れやがれ、次やらかしたらデコピンな」
模擬戦を終えて戻ってきたアルフィリオスとヴィータをなのはは笑顔で出迎える。するとなのはの額をアルフィリオスは小突いた。
ゴッと鳴り響きなのは思わず額を抑えると、肩を竦めながら言う。どちらかと言えば増やされたより報告がなかった事を注意していた。
「にゃはは、ゴメンなさいでも増やすように言い出したのはヴィータちゃんからだよ?」
「こういう場合は最終的に承認した奴に責任ってのはあるんだよ、んで満足したか?」
「うん、これからよろしくねアルさん」
怒るという感じではない雰囲気に苦笑を浮かべながらヴィータも噛んでいた事を伝えるが、目を細めながら返し実力を見るのは十分だったかと言う意味合いで尋ねるとなのはは手を差し出してきた。
握手を求められアルフィリオスは仕方ないと息をついてからから握り返すのであった。
握手を終えたなのははスバル達へ目を向ける。
「それじゃあ今からフォワードメンバーでガジェットを倒して貰うよ、数は10機くらいにしようかな」
「いや、多すぎる5機、いや8機くらいだな」
「それは、私達じゃアルフィリオスさんのようにはいかないって言いたいんですか!?」
なのはが倒す数を提示するが目を伏せて聞いていたアルフィリオスが口を挟んだ。
Bランクのアルフィリオスが楽々撃破した相手なのに数を減らされた事にティアナは不満を口にして食ってかかる。
それに対してアルフィリオスはハッキリと頷いた。
「ああ、個人と小隊行動は別モンだ、ならそうだな…10分以内に全滅させたら数を追加する、それでどうだ?教官」
「うん、そうだね、それで良いと思うよ」
「わかりました、なら証明してみせますよ!」
手すりに身体を預けながら返すと、制限時間を設けてなのはに確認を取る。
最終的な判断を任せられたなのはは頷いて答えるとティアナは背を向けて演習フィールドへ降りていく、スバル達も同じようについていった。
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「……」
「ねぇ、ティア」
「やるわよ、私達なら10分なんて楽勝よ」
「うん!やろう!」
自作の銃型デバイスを鬼気迫る表情で調整するティアナにスバルは落ち着くように声をかけようとするが、ティアナはハッキリとした口調で返した。
ティアナの言葉にスバルは彼女の事情を知っている為に力強く頷くのであった。
それと同時にブザーが鳴り響きガジェットI型が展開していきティアナ達はデバイスをかまえた
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フォワードメンバーが戦闘を開始したのを眺めながらアルフィリオスはチラチラと視線を向けてくるなのはとヴィータにげんなりした表情を浮かべる。
「聞きてぇ事があるなら素直に聞いてくれ…集中できねぇから…」
「そう?なら個人と小隊についてアルさんの意見が聞きたいかな」
「あ、それはアタシも思った、エリオ、キャロは実戦経験がねぇから分かるがコンビ組んでたスバル、ティアナあとお前の部下のレキがいて10分は楽勝じゃないか?」
このまま無視を決め込もうかと考えたが、仕方なく尋ねるとなのはが面倒くさがり屋だと聞いてるからと付け足してから尋ねてくる。
更に隣にいたヴィータが、補足として説明をしていく。
現に今はティアナの指示の元でスバルが先行、そのバックをレキとエリオ、ティアナとキャロはその後方に控える五角形の構えを取っていた。
現状のメンバーからなら最適とも言えるフォーメーションである。しかし、アルフィリオスは息をついてから口を開く。
「簡単だ、連携がグダるからだ…統率が取れない部隊ってのは始末が悪い、今は安定してるがスバルが突出している
大方なのはに良いとこ見せようと先走ってんだな」
アルフィリオスの言葉に2人がモニターに目をむけると確かにスバルが段々とフォーメーションから離れていきだした。
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「よし、見つけた!ティア!仕掛けるよ!」
《はぁ!?ちょっとスバル待ちなさ》「おぉりゃあ!!」
廃墟都市郡の荒道を進むスバルは、前方にガジェットを見つけティアナに報告を入れながら速度を上げて右手のリボルバーナックルを構えて殴りかかる。
ガジェットI型の装甲が凹み、瓦礫に叩きつけられた。
「よし!えっ?うわわわ!?」
爆散したガジェットI型にスバルはガッツポーズをするが次の瞬間、物陰から3機のガジェットがビームを放ってきた。
慌ててシールドを張るが一斉攻撃に押され出していた。
「ティア!援護して援護!?」
《バカ!!あんた1人で突っ込んでるから射程外なのよ!だから待てって言ったじゃない!!》
ティアナへ援護を要請するが、ティアナは遥か後方でいくらシューターポジションでも射程外であった。
そこへレキとエリオが駆けつけてくる。
「エリオ、君は自分の正面のガジェットを!僕はスバルさんを援護する」
「はい!」
槍型のデバイス、ストラーダをかまえたエリオにレキはツインセイバー型のデバイス、リヒトヘーンヒェンを構えつつ指示をだす。
エリオはストラーダのブースト機能を使いガジェットI型へ突撃するがガジェットは易々と回避し、刃は瓦礫に刺さってしまう。抜こうとするがその前にガジェットのケーブルがエリオを弾き飛ばした。
吹き飛ばされたエリオにレキは思わず気を取られてしまい、ガジェットの装甲を僅かに斬り裂くだけだった。
そして後方に控えていたガジェットからのビーム攻撃を受けて弾かれてしまう。
「エリオ君!レキ君!」
「キャロ、アタシにブーストして!」
「は、はい!」
追いついたティアナはまずスバルを助けようとサポートポジションのキャロへ指示を出す、レキとエリオを気にかけていたキャロは言われた事を果たそうとティアナにブースト魔法をかける強化を受けたティアナはまずスバルを助けるために魔力弾を放つが、エリオとレキを迎撃したガジェットがAMFを張り魔力弾を打ち消してしまう。
「はぁ!?AMFってこんなに強力なの?」
「うわぁ!!ゴメン…ティア…」
「一旦下がるわよ!レキ、エリオ立てる?」
「はい!」「なんとか」
AMFに驚くティアナの所に耐えきれなくなったスバルが吹き飛んできた。
ティアナは苦虫を噛み潰したように食いしばると、全員に後退を指示した。
レキとエリオはそれぞれに答えながら倒れたスバルを連れて引いていく、ガジェットI型はある程度離れれば追わずにその場に停止した。
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「やっぱりな」
「なるほどな確かにコイツは厄介だ」
一連の流れを見ていたアルフィリオスはため息混じりに呟くとヴィータも納得したように頷く。
「スバルの一撃は悪くなかったんだけどね」
「一機倒して終わりじゃないからな…仕留め方としても目に付いた奴からじゃなくって、後方から来る奴らが仕留めやすいように立ち回るべきだな」
「エリオは仕方ねぇがレキもなんか動きがイマイチだな」
スバルの先制は評価するがなのはとアルフィリオスはそこからの動きの方を気にしていた。
モニターを見ながらヴィータは不満げに2人の動きに口をだしていく。
「レキもある意味経験がないんだよ、実力が下、もしくは同じくらいの奴らとの連携がな
大抵は俺やギンガが打ち漏らした奴やサシでやれる状況しか経験ないから、周りがやられて失敗って経験がないんだ、だから切っ先が鈍る、フォローしなきゃってな」
「ティアナもAMFを甘く見ていたみたいだね、ブースト魔法は良かったけどガジェットが固まっていたらブーストしていても解除されちゃうね」
「ただ引く判断はいいな、アソコで踏ん張ってたら赤点だが、まだやれそうだ
やっぱりセンターはちゃんと見れるやつにやってもらいたいもんだな」
頭をガシガシとかきながらレキの欠点を上げつつ周りはみれていると評価する。
なのはがティアナの攻略に関して悪くはないが状況が悪かったと評価をしつつも、アルフィリオスが引き際を見誤っていない事を言う。
一応制限時間を確認してからなのははアルフィリオスへ目線を向ける。
「どうしようか、アドバイスを送る?」
「いやもう少し見ようぜ、それでわかる」
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全員が退避出来たのを確認してからティアナはタイマーを確認する、ファーストアタックが失敗した事と退避で既に5分は経過していた。
残り5分で、ガジェット7機を撃破しなければならないが今の調子で撃破できるとは到底思えなく唇を噛み締めるだけであった。
(考えろ、ここから打開する方法を…なにかなにか)
「ティアナさん、いいですか?諦めましょう」
「は!?諦めるってまだやれるわ!時間だってまだ!」
必死に思考を回すティアナにレキが声をかけて提案をしてくる、諦める…その言葉に強く反論をするがレキの迷いのない表情に言葉を止めた。
それは決して弱気や逃避という負の一面ではなく、しっかりとした強い表情をしていた。
「いえ、無理です…あの人は言っていた、個人と小隊は違う
小隊は自分の手足を他人に動かしてもらう事であるとそれは一朝一夕ではなく長い時間をかけて紡がれるものだと
今日であったばかりのボクらには不可能な事だ、そしてあの人があえて制限時間を設けたのはティアナさんの思考を単調化させることにある」
「思考を?」
レキはアルフィリオスより教えられた理論を口にしていく、自分も話半分だったと付け加えながら話せば、アルフィリオスの意図を伝えた。
「あの人はボクらが考えてる以上に個人の素性を調べ着くした上でティアナさんに出来そうな目標をあえて提示してきたんです
でも、逆にそれは冷静なれば打開できると計算したからです
だからボクは今自分ができる事を伝えます、ボクを使ってください」
「レキ…」
「ティア、さっきはゴメン、今度はちゃんと指示を聞く」
「僕も!」「私も!」
レキの言葉にスバル、エリオ、キャロがそれぞれに答えていく。
今できる最大限の献身にティアナは冷静にならざるおえなかった。
※
「わかったわ時間は気にしない、その代わり絶対倒しきるわよ!」
「うん!」「「「はい!」」」
目標を全滅に切り替えてティアナは作戦を立てていき、スバル達は行動に移すのであった。
最初に交戦した場所からガジェット達は移動をせずに待機していた。そこへスバルが単騎で向かってくる、ガジェットI型はスバルに向けてビームを放ち迎撃をしていく。
「リボルバー、シュート!!」
ビームをかわしながらスバルはリボルバーナックルのギアを回転させて、衝撃波をうち放つ。だがその一撃はガジェットではなくその手前の瓦礫を吹き飛ばし砂塵を巻き上げる。
「ティアナさん、配置に着きました!」
《了解、こっちでも確認したわ牽制をお願い!エリオは準備を》
《了解しました!》
砂塵が巻き上がるのをビルの上にいたレキが確認し、自分の頭上に魔力球を展開する。
それは地上にいるティアナと中継されて降り、砂塵の形からガジェットの位置を把握し次の指示をだす。
牽制の指示にレキはリヒトヘーンヒェンを分離させて銃型へと変形させれば魔力弾をティアナがマーキングしたガジェットに向けて撃っていく。
上からの射撃にAMFを展開しガジェットは身を守る。しかしそれこそが狙いだった。
AMF使う際はガジェットはその場からは動かない、それを逆手に取りエリオが砂塵の中へと突っ込んでいく。
ガジェットの居場所はレキの攻撃でわかり、魔力弾に至ってはAMFが誤射を防いでおりエリオの切っ先がガジェットを貫いた。
「キャロ!」《エリオとスバルは退避!》
「はい!フリード、ブラストフレア!!」
ティアナが次の指示をキャロへと出す、キャロは愛竜フリードリヒへ魔力を送り白き小竜フリードは火炎弾をガジェットI型へ放つ。
スバルとエリオはティアナの指示に従い砂塵より離れる。次の瞬間、砂塵が連鎖的に引火し爆発を巻き起こし残ったガジェット3機を巻き込んでいく。
「よし!残りを討伐するわよ!!」
ガジェットが爆散したのを確認してからティアナは残りの撃破へと移るのであった。その後残りを打ち倒す事には成功したが時間は10分を過ぎていたのであった。
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「それじゃあ明日から訓練に入るから今日はしっかり休んでね?」
「「「「「はい!!」」」」」
戦闘が終了し、なのははフォワードメンバーに明日からは本格的に訓練を始めると伝えてから解散した。
宿舎へ帰る途中にティアナはアルフィリオスへ声をかける。
「よぉ、お疲れさん」
「戦闘前に話したのが仕込みだったと聞きましたが、貴方の予測では冷静になるまで計算していたんですか?」
夕暮れの基地内にてティアナに話しかけられると手を軽く上げて挨拶をすると、前置きを無しに話を始めるティアナ。
全てが計算ずくだったかと問われるとアルフィリオスは苦笑を浮かべた。
「いや、制限時間は越すかなとは思ったけどレキが良い仕事したな
現場の指揮官に従うだけじゃないってのが見えて嬉しいよ
それに、指摘されて直ぐに受け入れられるのもな、頭の硬い奴じゃ無理だなって思ってた、頼もしいくらいだよ」
「もしも私が固執して時間を過ぎていたらどうしてました?」
「別に日が暮れるまでやってたら少しアドバイスはしたかな、後は」
予想とは大分違っていたと話してレキやティアナが良い働きをしていた事を褒める
頼もしいと言われたが、その全てを予想していた相手に言われても複雑だと思いながらも、気になった事を尋ねる。一応その流れも考慮していたとは口にすればわざと言葉を止める。
「後は?」
「とりあえず1週間くらいは弄り倒してたな、よぉ自信満々なティアナさんってな」
「んな!?」
「とりあえず今日は早く寝れよぉ、明日は早いからなあ」
言葉を止めた事にティアナが食いつくと、意地悪い表情を浮かべてアルフィリオスは返し、シュミレーターの方へと忘れ物を取りに行くと歩き出した。
呑気に歩く背をみながらティアナはレキがこちらの事考えていますが、基本あの人の性格悪いですよという言葉を思い出すのであった。
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演習シュミレーター
日が落ちたシュミレーターにてなのはが楽しげに打ち込む姿があった、恐らく明日からの訓練メニューの調整だろう。
30分くらい見ていたが、切り上げない姿にアルフィリオスは短くため息をついた。
「お前には労基って言葉を教えるべきかね?高町教導官」
「アルさん、どうしたの?」
「もう夜だぞ?灯りがあるなら見に来るっての」
まるで今来たばかりというような態度でなのはへ声をかける。不思議そうに首を傾げるなのはに時計を見せながら呆れたように返す。
夢中になっていた事になのはは苦笑を浮かべながらも手は止まらずにいた。
「にゃはは、ゴメンなんかあれもこれもって思ったら止まらなくて」
「なら今のうち止まっておけ、そういうのは身体を壊すもんだ
少なくとも今日明日でアイツらを育てなきゃならないわけじゃない、なら少しゆったりでいいと思うぞ?それとも首根っこ捕まえてベットに縛り付けるか?」
「…はぁい、わかりました」
手を走らせるなのはに、厳しい言い方をしてアルフィリオスが止めに入ると壊すという単語になのはの手が止まり、コンソールを閉じて首根っこは嫌だからと宿舎に戻りだした。
「次、夜中まで仕事してたら待たずに連行するからな」
「もう意外に心配性だね、アルさん」
「経験則だよ、誰か見てなきゃイケナイタイプだお前は」
後ろから追い越すように話しかけるアルフィリオスに、なのはははやてから聞いていた話しにはなかった事に少しばかり意外そうにすると、ポケットに手を入れながらアルフィリオスはぶっきらぼうに返した。
「おはようからお休みまで監視されたくなかったら気をつけとけ、ワーカーホリック」
「もうそれだと変態さんだよ?」
「うるせぇよ」
目を伏せながらも宿舎前まで送り届けると、釘を刺すように言うとなのはは大袈裟だといいながらからかいを入れる。
早く入るように促した後、背後へと目を向ければそこにはヴィータが腕を組んで立っていた。
「心配なら声かけても良かったんじゃないか?」
「仕方ねぇんだよ…」
アルフィリオスが演習シュミレーターへ来た時から遠くで見守っていたヴィータに、一応声をかけると歯切れの悪い言葉で返してきた。
「そうかい、しかし模擬戦を仕掛けてくるなんて珍しいじゃないか」
「お前だって普段なら面倒とかやる気でないとか言うだろ」
「そりゃあ断らせないみたいな雰囲気のお前を見たら弁えるさ」
それ以上は詳しく聞く事はせずに、昼間のガジェット戦に模擬戦をしてきた事を話せばヴィータも珍しいとアルフィリオスが言いそうな言い方を真似して尋ねてくる。
それに対して、雰囲気から察したと返し、恐らく印象の悪いアルフィリオスの為に実力を証明して挽回させたかったのだと話した。
「人には舐められる位が丁度いいんだよ、その方が動きやすい」
「アタシが嫌なんだよ、認めてる奴がバカにされんのは…」
「ヴィータ…」
自分には自分のやり方があり、印象が悪いのは悪いので使い道があると返すとヴィータは顔を赤くしながら呟いてきた。
そんな彼女にアルフィリオスは肩に手を置き
「そんなにファンなのか?お前、なら手にヴィータちゃんへってサインしたろか?」
「っ!!」「おぐぅ!?」「寝る!明日は遅れんなよ!?」
笑顔で文字を書く仕草をしながらからかうとヴィータはアルフィリオスの足を蹴り飛ばし、怒りながら宿舎へと帰っていくのであった。
そんな彼女に礼を感じながらも、アルフィリオスは自分の寝床へ戻る事にした。