召喚とかいう無から生物が出現する現象を個性の一言で片付けるのやばない? 作:そるしあ
なげーサブタイトルだぁ。
どっきりどっきり DON DON!
モヤから人間湧いたらどーしよ!?(どーする!?)
歌ってる場合じゃないんだよな。
なんか、ちょっと離れたとこに黒いモヤが急に現れたと思ったら、そこから禍々しいカッコした連中がワラワラと湧いて出て来たんよ。
どゆことなの。
こわ。
「フシャァァァアアア!!!」
「ひと塊になって動くな! 13号、生徒を守れ!」
ぴこちゃんはさっきから物凄い剣幕で威嚇しとるし、先生達はなんか臨戦態勢やし。
これはあれか、緊急事態ってやつか?
( ゚∀゚)o彡゚
やってる場合でもないんだよな。
「なんだありゃ?」
そう呟くツンツン髪君を筆頭に、クラスメイト達に未だ緊張感は見られない。
ただ、先生とぴこちゃんの様子から、ただならぬ事態が起きていることは薄々勘づき始めているようだ。
何名かのクラスメイトが様子を確認しようと一歩前に踏み出す。
「動くな!」
それに対し、相澤先生が依然としてモヤから一切目を離すことなく、様子を見ようと動いたクラスメイト達を強く怒鳴りつけた。
その様子を見て確信する。
あ、これマジのマジにマジカルヤバイやつだ。
マジカルヤバイ2024だ(?)
先生達の態度から見て、これはいよいよもって未曾有の危機的状況にあるとみて間違いないだろう。
加えて、あの泰然自若なぴこちゃんがこれ程までに警戒を露わにしているのだ。
つまり、これらの状況を鑑みるに、あの怪しげなオニーサン方は───
「───あれは、ヴィランだ」
そういうことである。
アイエエエエ! ヴィラン!? ヴィランナンデ!?
ここ雄英! 雄英高校! ヒーローの巣窟!
そもそも、何故よりにもよって俺らひよっこ一年生の授業中、しかも監督者に非戦闘員の先生方しかいない時に現れるんだ。
雄英バリア(笑)はなにしとーと!?
いきなりのヴィラン襲撃とかやばたにえんの無理茶漬けなんですけど!
翔華は錯乱している。
隣同士あなたとあたし錯乱坊だ(?)
「13号にイレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここに居るはずなのですが」
大勢いるヴィランの内、黒いモヤみたいな見た目をしているやつがそんなことを呟いた。
それはつまり・・・・・・こないだのマスコミ侵入事件、あれあんたらの仕業ってコト!?
あの事件のせいで俺は百ちゃんからデコピンを貰うことになったんだぞ! 許せねぇ!*1
「やはり先日のはクソどもの仕業だったか」
「むむ、せんせぇ口悪いですよぉ」
「言ってる場合ですか!」
ぼかぁいつ如何なる時も品を欠いちゃいかんと思うね。
崇高な精神は崇高な言葉遣いに宿るんだ。
俺を見習ってくれてもええんやで。
「オールマイト、平和の象徴。居ないなんてな。子供を殺せば来るのかな」
は? なんだあのおクソ野郎さんは*2。
子供に手をかけようとは何たる外道。
お客様(?)とて許せぬ。
我が子達の餌にしてやるからな。
・・・・・・いや、お腹を壊したら大変だからそれは却下だ。
そんなことを考えていると、ようやく状況を理解しきったのか、クラスメイト達がにわかに騒ぎ始めた。
「ヴィラン!? バカだろ! ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「先生! 侵入者用センサーは?」
「もちろんありますが・・・・・・」
そう、問題はそこなのだ。
我が雄英高校には、雄英バリア(爆笑)の他にも、侵入者用センサーを初めとした様々なセキュリティが施されている。
にも関わらずそれらが反応していないということは、ヴィランはそれらを回避する術を持ってここに現れているということだ。
加えて、事前にカリキュラムを把握し、そこを狙って出撃をかけるという用意周到ぶり。
紅白男子曰く「バカだがアホじゃねぇ」。
つまり、これは何らかの目的を持って画策された奇襲ということになる。
先生やチャラ男君が外部への連絡を試みているが、言うまでもなく何かしらの方法で妨害されているだろうことは想像に難くない。
こうなれば、保護対象たるクラスメイト達を安易に危険に晒せない以上、取れる手段は一つに限られる。
迫り来るヴィラン達を足止めしつつの避難だ。
逃げるんだよォ!
だが、生憎とこちらの戦力はヒーロー科生徒を除けば非戦闘員寄りのプロヒーロー二名のみ。
生徒達には避難を優先させなければならないため、足止め役に生徒が当たるということは極力避けなければならない。
そして、話を聞いてる限り13号先生が避難の誘導役に回るようなので、実質的な足止め要員は相澤先生一人ということになる。
「先生は一人で戦うんですか!?」
無謀とも思えるその行動に、緑谷君が懸念を呈する。
曰く、相澤先生の個性は一対多の正面戦闘には向かないと。
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
そんな緑谷君に対して、相澤先生は泰然と自信の表れとも言える言葉を返した。
策はあるから心配は要らないと言外に告げたのだ。
かっこよ。
相澤先生ってそゆとこあるよな。
恐らく、彼ならば心配せずとも単身で十分な足止めを果たしてくれることだろう。
だが、いくら心配してもしすぎることはないのも確か。
万全を期すべく、今にも飛び出していきそうな相澤先生に制止の声を掛ける。
「せんせぇ、ちょいとお待ちいただけないでしょうかぁ」
「っ! どうした、俺のことはいいからお前は早く避難しろ!」
そんな相澤先生の勧告を受け流しつつ、翔華はその特徴的な杖を両手で握り締め、祈るようにして目を瞑った。
『来い! れむちゃん!』
そう心の中で告げると同時に、れむちゃんが大きな地響きを鳴らしながらその姿を現す。
そのあまりの巨体に、ヴィラン達全員がその足を止め、れむちゃんを見上げていた。
どうだヴィラン共!
れむちゃんの強大さに恐れ慄け!
その日人類は思い出せ!(?)
「あぁ? なんだあのでかいの」
「恐らく生徒の一人の個性と思われます。見たところゴーレムでしょうか。4メートルはありそうですね」
「は? なんだよそれ、随分な強個性じゃねぇか・・・・・・ムカつくなぁ」
れむちゃんの姿を見ても幹部と思われる二名は落ち着いた態度を崩していない、が。
「な、なんだありゃあ!」
「でかすぎるっぴ!」
「あんなのが居るなんて聞いてないぞ!?」
その他大勢のヴィランには少なくない動揺が走っているようだ。
「せんせぇ、この子も連れてったげてくださいなぁ。せんせぇの言うことならちゃんと聞きますし、きっと役に立ってくれますよぉ」
唐突なれむちゃんの登場に僅かばかり瞠目していた相澤先生にそう語りかけると、暫しの逡巡を挟んだ後、彼はその首を縦に振った。
「・・・・・・要らんお節介だと言いたいところだが、助かる。少し借りてくぞ」
「いえいえ、お礼なられむちゃんにどうぞぉ」
「お前、俺に付いてきてくれるか」
その言葉を受けて、れむちゃんは承知したとばかりに両腕を大きく振り上げる。
「ありがとな。───後は任せた、13号」
相澤先生はそう言うと勢い良く飛び上がり、降下しながらもヴィランの元へと真っ直ぐに突っ込んで行った。
それに続き、れむちゃんもドスンドスンと地面を大きく鳴らしながら相澤先生の後を追って行く。
「皆さん、ここは彼らに任せて避難しましょう!」
「「「はい!!!」」」
足止めに向かったれむちゃん達のことは気になるが、今は13号先生の号令に従って避難を急ぐべきだろう。
彼らが獅子奮迅たる活躍をしている姿を軽く見届けた後、翔華もクラスメイト達と共に出口へと駆け出す。
「!」
その直後、ぴこちゃんが何かに反応したのか、僅かに毛を逆立たせながら前方を注視し始めた。
・・・・・・一番厄介そうなのが抜けてきたか。
「させませんよ」
その言葉と共に、黒いモヤのようなヴィランが、出口へと向かう俺達の前に立ちはだかった。
「初めまして。我々は “ヴィラン連合”」
そう名乗るヴィランに対し、各々が臨戦態勢を取る。
相手の個性の全容が掴めていない以上、無闇に手出しが出来ないのが辛いところだ。
だが、そんなことよりも。
「僭越ながら───」
「安直な名前だねぇ。雄英バリアといい勝負じゃないかぁ」
ネーミングにあまりにも捻りが無さすぎる。
うーん、27点。
ついつい本音が零れてしまうのも仕方が無いというものだ。
「組織の名前ってのは大事だよ君ぃ。凡庸な組織名だとこーゆー名乗りの時に締まらないじゃないのさぁ」
敵とはいえ指摘しないのも薄情だろう。
そんな善意のつもりで話しかけたのだが。
じとーーー
何故だかヴィランを含めたここに居る全員から何とも言えない視線が送られてきた。
なんすか。
「・・・・・・こほん。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
そしてヴィランは何事も無かったかのように話を続け出した。
キレそう。
他の皆も何事も無かったかのようにヴィランの言葉に驚愕してるし。
なんやねん。
「本来ならここにオールマイトがいらっしゃるはず。ですが、何か変更があったのでしょうか。まぁ、それとは関係なく、私の役目はこれ」
そう言ってヴィランが動き出そうとした、その瞬間。
相手の動きを封じるべく13号先生───ではなく、爆豪君とツンツン髪君がヴィランの元へと飛び出して行った。
いや何しとん。
今13号先生が動き出そうとしてたでしょうがぁ!
二人の個性がヴィランに叩きつけられると共に、爆発音と衝撃音が辺りに響く。
「その前に俺達にやられることは考えなかったか!」
そうツンツン髪君が啖呵を切るが、そんないかにもフラグっぽい行動が易々と通用するはずもなく。
「・・・・・・危ない危ない。そう、生徒と言えど、優秀な金の卵」
見事にフラグ回収されることとなりました。
「ダメだ、どきなさい二人とも!」
ついでに、件の二人が先生とヴィランとの間に飛び出したことにより、13号先生の個性が発動できなくなるというオマケ付き。
どう見ても戦犯です。本当にありがとうございました。
「私の役目は・・・・・・貴方達を散らして、嬲り殺す!」
ヴィランはそう言うや否や、その身体に纏っていた黒いモヤを一気に広げ、俺達を囲うように放出した。
退避ー! 退h・・・・・・ぴゃぁあああ!
そうして翔華達は瞬く間に黒いモヤの中に囚われてしまった。
咄嗟にぴこちゃんを抱きしめたので、この子と離れ離れになることはないだろうが、依然として絶体絶命の大ピンチである事に変わりは無い。
助けてえーりん!!!(?)
散らして嬲り殺すという事は、何処ぞに散り散りに転移させられてから集団リンチでもされるのだろうか。
どうしてそんな酷いことができるの。
人の心とかないんか?
恐ろしい光景を想像した翔華は、恐怖に身体を震わせた。
え、今からでも入れる保険があるんですか!?
翔華は錯乱している。
そうして黒いモヤが晴れて。
翔華が転移させられた先で見たものは。
まぁまぁ高い位置から見た時の地面だった。
・・・・・・へ?
ひゅーん。
そのまま落下する翔華。
どしゃ。
「へぶぅ!?」
そうして翔華は顔面を強打した。
かわいそう。
そして。
「お、ようやく来たな」
「へっへっへ・・・・・・待ちくたびれたぜェ」
「ヒャッハー! 嬲り殺しの時間だァ!」
そんな可哀想な翔華に、更なる悲劇が迫ろうとしていた。
投稿が遅くなり申し訳ございません。
夜逃げしたモチベーションをふん縛って引き摺ってくるのに苦労していました。
許してください! 何でも許してください!(厚顔無恥)
▼以下、軽い装備紹介。
名前:杖
機能:召喚補助
・コスチュームの一部でもあり、召喚を補助してくれるサポートアイテムの一つ。
・先端に接合された球体の中には翔華の血液が入っており、召喚の際にはそこからコスト分を消費する。
・従来の召喚方法よりも迅速かつ高効率で召喚を行うことが可能。