召喚とかいう無から生物が出現する現象を個性の一言で片付けるのやばない? 作:そるしあ
前回のあらすじ!
なんか突然目の前にようわからん生物が現れた!これが俺の個性!?
いろんな生物が喚べるってんで、いろんな子と戯れてたらめっちゃ愛着湧いた!一緒に過ごすためにもいろいろ頑張るぞ!
あらすじ終わり!
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個性ってマジで最高よな。
目の前で、大量のクッションの中から飛び出してきた狐っぽい何かが、ふりふりと尻尾を揺らしてるのを見ながらそう思う。
こいつは俺の個性で喚び出された激かわもふもふ生物。
るんるんといった感じで、こちらにとてとて歩いてきた。
たまらんな、おい。
この子は、今俺の個性で喚ぶことができる子達の中でも一番小柄で、五歳の幼子である俺の体格でも抱え上げられる程度の大きさのもふもふ生物だ。
すりすりしてきた。
かーわヨ。
うちの子半端ないって。
そんなんかわいすぎるやん普通、そんなかわいいことある?言っといてや、そんなかわいいんやったら・・・・・・。
なんだお前嬉しそうに尻尾振りやがって、こんにゃろめ。ほれほれ、ちこうよれ、ちこうよれ。うへへへへ。
寝転がしてお腹に顔を埋める。
すぅ、ふぅ、すぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
あっ、ちょっと嫌そうな顔された・・・・・・。
今後は吸うのは控えめにしよう。
やめるとは言ってないが。
すぅぅぅ。
さ、エネルギー補給によって多少の冷静さを取り戻したところで、現状を整理していこう。
まず、個性で喚べる生物たちについて、その呼称を病院の先生の提案で"眷属"とすることにしました。
かっこよ。
前世が男だった俺としてはグッとくるものがある。
でも眷属って聞くと、吸血鬼とかそれに類する存在の下僕ってイメージあるよね。
うちはもっとアットホームやぞ!
もっとなんか"召喚獣"とか、"お友達"とか、"マイラブリーエターナルパートナー"とかの方がいいんじゃないか。
そう思ったが、眷属と聞いたうちの子が心なしかキリッとした表情になり、どこか嬉しそうに胸を張っていたので、呼称は眷属と相成りました。
うちの子が幸せならOKです!
もちろん、それとは別にそれぞれの子に名付けはしました。
おかげで愛着が天元突破した。
なんてかわいさだ・・・・・・信じられん・・・・・・。
いや、お前が信じるお前を信じろ(?)。
で、目の前のこの子の名前は"ぴこ"ちゃん。
ぴこぴこ動く耳が非常に愛らしいからというのもあるが、最たる名前の由来はぴこちゃんの特殊性にある。
なんかこの子、触れた物質の性質をコピーすることができるみたいなんよ。
コピーから長音符を取って、ひっくり返して、ぴこ。
氷に触れれば冷気を振りまくことができるし、鉄に触れればカッチカチに固くなることができる。
ピコータス、お前もか?
ただの激かわもふもふ生物なんて居なかった。
非日常は既にあなたのすぐ側まで、後には引けぬところまで来ている。
くそ、背水の陣だ!
──あんた一人で"陣"なのか?
幻聴まで聞こえてきやがる。
でも、よくよく考えればそれって凄い能力なのではなかろうか。
異能力要素のある物語で、コピー系の能力は大抵が猛威を振るっていたイメージがある。
まぁ、うちの子ができるのは物質の性質のコピーであって、人の個性のコピーなんかはできないけど。
つまり、何が言いたいかというと、うちの子は最強ということだ。
おいおいおい、かわいい上に最強とはどういうことだおめーさん、よーしよしよしよしよし。
ぴこちゃんは嬉しそうに撫で回されている。
翔華は親バカだった。
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ところで、現在翔華がぴこちゃんと戯れている場所は自宅のリビングだ。
その近くで、ソファに並んで座る両親が微笑ましげにその様子を眺めている。
そして、カメラのシャッターを鬼のように連打している。
両親も親バカだった。
この状況が意味することはなにか。
親バカは遺伝するとかじゃなく。
病院での検査以外でも、眷属と一緒に過ごす許可を貰えたということだ。
まだぴこちゃん限定ではあるが。
翔華は個性が発現したその日から、少しでも早く愛しの我が子達と一緒に過ごしたいという一心で、積極的に検査に協力し、眷属との付き合い方の確立に努めてきた。
なんかちょっと病院の先生が引くくらい頑張った。
眷属と触れ合う翔華のテンションにも引いた。
その努力が結実し、一足先にぴこちゃんを紗守名家の新たな一員として迎え入れることができたのだ。
やったねしょうかちゃん、家族が増えるよ!
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ふぅ。
結局あの後、日が暮れるまでぴこちゃんと一緒にはしゃいでしまった。
遊び疲れたのか、目の前ですぴすぴ眠りこけるぴこちゃんを見て思わず顔が綻ぶ。
両親から強奪したカメラを構える。
パシャシャシャシャシャシャシャ
カメラのシャッターを押す速度、なんと一秒に十六回。
紗守名名人と呼んでくれ。
そのまま起こさないようにそっと抱えあげ、ぴこちゃんのために買い込んで積み上げてある大量のクッションの中に収納する。
気分はオーブンにパイ生地を入れる時のシェフだ。
食べちゃいたいくらいかわいいってことよ。
うふふふふふふ。
ちなみに、こうしてクッションで囲っているのは、寝ぼけてか何かの拍子で"コピー"が発動してしまった時のための対策だ。
クッションの性質をコピーする分には構わないからね。
もふもふがもふもふをコピーしたところで、もふもふはもふもふのまま、もふもふを維持し続けるのみである。
もふもふがゲシュタルト崩壊すっぞ。
クッションで囲ってしまうことで、世界一かわいい寝顔を眺められなくなるのは少しどころではなく残念だが、仕方ない。
さて、こうしてぴこちゃんだけでも一緒に過ごすことができるようになったのだが、愛しの我が子達、もとい眷属達はもっと居る。
その全員と、とまでは言わないが、特に触れ合う機会が多い三匹とは早いとこ一緒に過ごせるようになりたい。
だが、残りの二匹に関しては体が大きく、簡単に人を害することが出来てしまうので、未熟な子供である俺に任せるには問題が多いのだ。
それに、眷属達も個性の範疇なので、法律により外に出すことができない以上、この狭い自宅で窮屈な思いをさせてしまうことになるだろう。
そもそも、今の個性の練度では、常に二体以上を同時に喚び出し続けることは難しい。
課題が多すぎる。
ぴえん。
鼻の中の粘膜に炎症が起こるのは?
びえん。
やかましいわ。
俺は諦めんぞ。
必ずや大所帯を実現し、ビックダディならぬビックマムになってやるんだ。
その光景を思えば、自然と笑いが込み上げてくる。ママハハハハ。
しかし、さっきも言ったように課題が多すぎるな。
何か、眷属達を扱うに足ると判断され、外に眷属達を連れ出せるようになり、ついでに個性の練度を高めることができるいい方法は無いものか。
条件きっつ。
ホールケーキひとりで食べ切るくらいきつい。
どこぞの青いタヌキ型ロボットでも喚べたら解決出来るのに。
どら焼きを触媒にすればいけないかな。
そんな風にアニメのことを考えていたので、自然とテレビに目が向く。
その画面には、平和の象徴とまで呼ばれるヒーローであるオールマイトが映っている。
あの人だけ画風違いすぎん?
こわ。
漫画でもないのに画風の違いって何だ、とは俺も思ったが、そうとしか表現出来ないくらい画風が違う。
北〇の拳とち〇かわくらい違う。
というか、ふむ、ヒーローか。
仮にヒーローになれたとしたら、先ほどの条件を全て満たせるのでは。
天啓きちゃ。
有名なヒーローになれば、愛しの我が子達の素晴らしさを世間に広めることもできる。
そしてグッズとか作ってもらうんだ。
愛しの我が子達のグッズに囲まれ、目の前には本物の我が子達。
・・・・・・。
( ◜¬◝ )
はっ。
い、意識が飛んでいた。危ない、危ない。
とにかく、俺の目指すべきところは決まった。
あぁ。憧れのヒーローに。
なりたいな。
ならなくちゃ。
絶対なってやるぅぅぅぅぅううううう!!!
関係ないけど、眷属達を従えて戦うのってポ〇モントレーナーみたいだよね。
俺はこいつと旅に出る。
ぴこちゅう〜。
自重。
ひとりで盛り上がっている傍らで、ばすばすとクッションが崩れる音が聞こえた。
寝苦しかったのだろうかと、クッションが積んである方を見やると、クッションの隙間から顔だけ出して寝ているぴこちゃんが見えた。
かわっ・・・・・・。
・・・・・・。
( ◜¬◝ )
しょうかはㅤめのまえがㅤまっくらにㅤなった!
あけましておめでとうございます。
この小説はスマホで執筆しているのですが、その最中に緊急地震速報が爆音で鳴って死ぬほどビビりました。
心臓がノミ。
▼以下、軽い眷属紹介。
名前:ぴこ
能力:コピー
・触れた物質の性質をコピーする。
・コピーした性質の効力や範囲等は、翔華の個性の練度による。
・個性はコピーできない。
外見:もふもふの狐っぽい動物
・通常時は耳と尻尾の先端以外はほぼ白色。先端は黒。
・能力使用中はコピーした性質に応じて色が変化する。