お嬢様ポケモン世界を往く! ~ポケットモンスターdarkcatastrophe⇔snowwhite~   作:十二の子

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 ナノハナ鉄道、ホウオウ駅。

 日平均乗車人数が100人を切った、ローカル鉄道。

 減らされる融資、老朽化する路線。

 鉄道少女は、奮闘していました。

 手を貸したのは、通りすがりの令嬢姉妹。

 新規ターゲットは誰も目を付けなかった「鉄道不要者」、立ち向かうは人々のパートナーポケモン。

 見たこともないイベントに、相次ぐ闖入者、設備の整備不足。

 それでも少女たちの想いは、レールの上を走り出しました。

 今回のプロジェクトYは、ユキコシ地方に新風を吹き込んだ、ホウオウ渡りし普通列車駅の物語です。


#15 鉄道少女の町おこし(上) ”プロジェクトY”

ー*-

 

 快晴のホウオウタウンに、姉妹は立っていた。

 

 「さすがに、山越えはつらいものがあるね。」

 

 カグヤは、そうぼやいて振り返った。

 

 真後ろでは、白い着物を汗でわずかに透けさせて、彼女の姉が息も絶え絶えに壁にもたれかかっている。

 

 (中身がまだお姉ちゃんの魂じゃないのに悔しいけど、お姉ちゃんの身体だから汗もかぐわしいな...)などと益体もないことを考えながら、カグヤはそのシンプルな赤いドレスに似合わぬペットボトルを取り出し、それからボールからグレイシアを出す。

 

 「グレイシア、ちょっとお願いできる?」

 

 冷気がペットボトルを冷やす。氷がわずかに浮かぶペットボトルを渡された蒼玻は、キンキンに冷えたそれをわたわたとお手玉してからゴクゴク飲み干した。

 

 「お姉ちゃん、もう少しお姉ちゃん(お嬢様)やって。もう一回特訓する?」

 

 「い、いえ、けっこうですわ...」

 

 「それを決めるのはお姉ちゃんじゃなくてお姉ちゃんのこれからの行動と私だけどね。

 

 それはひとまずいいや。そろそろランチタイムにしよっか。」

 

 (ひええテーブルマナー見られる...)

 

 ポケモントレーナーとしてもお嬢様としてもすっかり序列が決まってしまっている、かわいそうな姉(?)であった。

 

 「さてと、ランチランチ...」「せっかくならおいしいものを食べたいですわね、旅の醍醐味と言えば食事ですわ。」

 

 蒼玻の身体の本来の持ち主(アオバ)は山海の珍味を食べ放題な立場だったかもしれないが、それは知ったことではない。人生の意義すら持っていなかった前世の蒼玻に旅の経験など修学旅行くらいのもので、この旅で感じる旅情に彼は地味に感動していた。

 

 「おいしいおいしい…『ホウオウタウン おいしい』検索っと。」

 

 「『まいもんの里ホウオウ駅』...道の駅みたいなものかしら?」

 

 「…道の駅?なにそれ...」

 

 (あ、この世界に道の駅もサービスエリアもないのか...まあ前世でも道の駅行ったことないけど。)

 

 道の駅を認定する国土交通省が存在しないのだから仕方がない。それに、ライドポケモンのおかげでモータライゼーションがそこまで発達していないし、そのおかげもあってパーキングエリア・道の駅的なニッチにはポケモンセンターが収まっている。

 

 「『まいもん』は半島弁の『おいしいもの』だって。とりあえずホウオウ駅に行けばいいのかな…?」

 

 「カグヤが一人で旅した時はどうしましたの?」

 

 「ヌレバタウンからコンジキシティは半島の西の海沿いをハネバミタウン経由で南下したから、ホウオウタウンを通ってないの。それに私一人ならポケモンセンターで適当な軽食食べればいいでしょ?」

 

 -お姉ちゃんの身体に質の低いもの食べさせたら、お姉ちゃんの魂が戻った時に悪いじゃない...心の声が聞こえてくるようである。

 

 「私だってヌレバからホウオウの山越えなんてしたくなかったよ。でもアテのおじいちゃんがナノハナキャッスルに行けって言うじゃない?ナノハナタウンは東側だもん。」

 

 汗をかいて山を越えたのも、それではしたない飲み方をしたのも全部蒼玻の自己責任である。

 

 そんな話をしながら、フロックス姉妹はホウオウ駅へと訪れた。瓦が映える小さな駅からは、確かにおいしい香りがする。もう昼時も遅い時間帯であるし、食事にはちょうどいい。

 

 姉妹は駅舎の脇ののれんをくぐり、店に入った。

 

 「シェルダーとナマコブシ、味噌とかぶが名産のようですわね…?」

 

 「シェルダーうどん!?成長ホルモン(アルギニン)が取れそう!お姉ちゃんこれにしよ!」

 

 (貧乳だもんね…ってかヤドンの頭脳だけじゃないんだ成長するの…)

 

 「わたくしはカブト味噌のラーメンに致しますわ。」「そんなジャンキーな…あっ、汗かいたから?」

 

 余談だが、この世界にはアクエ〇アスも〇カリスエットも販売されていない。運動後の電解質摂取は大事。

 

 パチン、箸を割る。いただきます。

 

 「いい香り。海の幸だね。」

 

 「うーん、おいしいですわね。スープもほんのり辛味噌が効いてますわ。でもどうしてカブト味噌?」

 

 「化石ポケモンを使っているのかな…?でもそんなわけないよね...?」

 

 「いいえ、カブト味噌はポケモンのカブトとは関係ありませんよ。」

 

 いつの間にか向かいの席に座っていた少女が、落ち着いた口調で応えた。

 

 「…そうなの?

 

 あ、私はカグヤ。こっちはお姉ちゃんのアオバ。」「アオバと申します。貴女は?」

 

 黒いスーツ、スカート、タイツ…帽子をかぶれば鉄道員にしか見えないだろうその少女は、頭を下げ、応える。

 

 「相席失礼しました、私、ホウオウ駅駅長のササユリと申します。」

 

 まだ20歳にもなっていない、鉄道系萌えキャラみたいな少女はやや恐縮そうですらある。

 

 (あー、駅長だから仕事があって昼食をずらしてるのかな?だから俺たち以外いない時間に...)

 

 「それで、ではどうして、カブト味噌はカブトの名を冠しているのかしら?」

 

 「理由はシンプルですよ。ホウオウタウンの東側は、合併前はカブト村だったのです。ちなみにカブト村はポケモンのカブトではなく侍の兜ですね。」

 

 どうして兜の名を冠しているのかはわかりませんが、そのカブト村、今のホウオウタウンカブト地区で作られている手作り味噌なのです…ササユリは会話の合間にもテキパキと食べ進め、後から食べ始めたのにあっという間にごちそうさましている。

 

 「それはそれとして、お二人にお願いがあるのです。食事しながらでかまいませんので、お聞きいただけませんか?」

 

 「なにかしら?」「何?」

 

 「…お二人に、我がナノハナ線への御融資を、お願いしたいのです。」

 

 深々、鉄道少女は頭を下げた。

 

 

ー*-

 

 まぎらわしいことに、ナノハナ線と名前の付く路線は、そもそも2つある。

 

 この周辺随一にしてユキコシ第二の大都市であるコンジキシティにある西列島鉄道ユキコシ本線コンジキシティ駅からYRコンジキ鉄道コンジキ鉄道線によってつながるアサザタウン駅、そこをを始点とする西列島鉄道ナノハナ線、これがまず1つ目。

 

 そしてもう1つが、西列島鉄道ナノハナ線終点であるナノハナ駅を始点とし、半島の北にあるホウオウ駅を終点とする、ナノハナ鉄道ナノハナ線である。

 

 鉄道少女が駅長を勤めるホウオウ駅は、ナノハナ鉄道のナノハナ線であった。ジョウトに本社を置き東はユキコシ西はホウエンまで鉄道網を敷く西列島鉄道(株)や、コンジキシティ等沿線自治体及びフロックスホールディングスが共同出資し西鉄から路線をもらい受けた第三セクターのYRコンジキ鉄道と異なり、沿線自治体と地元財界からの出資だけで運営されているナノハナ鉄道はローカル私鉄なのである。

 

 そして、ただでさえ後ろ盾も財力も弱いローカル私鉄にも関わらず、ナノハナ線沿線自体も路線を支える基盤としては脆弱だ。もともとこの半島は山がちな僻地、最近は都会に憧れる若者はコンジキシティなどに人口流出している。相次ぐ反転暴走からの線路防衛や修繕はともかく、そうでなくとも海沿いの路線なので経年劣化も早い。

 

 要するに経営状態が悪いし乗降客数・輸送密度が増える兆しもないのだ。そしてそれは出資者の自治体や地元企業も同じで、彼らが資金を引き上げるとナノハナ鉄道は一気に座礁する...

 

 ーというようなことを、ササユリは語った。

 

 「ポケモンバトル対応の最高級素材の着物にドレス、お二人はさぞ立派な名家のお嬢様とお見受けいたします。どうか、我がナノハナ鉄道に御融資を…!」

 

 無礼は承知の上です、どうか、どうか…鉄道少女は土下座せんばかりの勢いで頭を下げる。

 

 (...当たってるなぁ…フロックス家って確かユキコシ一の資産家でユキコシ有数の由緒正しい名家だったよなぁ…)

 

 蒼玻はカグヤと顔を見合わせる。そしてどちらともなくひそひそ声で話し始めた。

 

 「お、お姉ちゃん、どうする?」「どうする...と言われましても…これ、フロックスへの融資依頼ですわよね...?」「そうだよね...ノブレス・オブリージュ的には断れないんだよね...」

 

 (そうだよな、鉄道路線一つをはした金ケチって潰すのは資産家名家の令嬢がやることじゃないよな…)

 

 「西鉄からYR引き受けた時もいざとなったらウチが全額出すって言ってやったんだし、別にできるんだよね...経営規模の桁が違うんだから…」「〇菱みたいなものですものね…」「…いや、なにそれ…」

 

 ト〇タにとって田舎のローカル線など兆円と億円の差がある、そういうことである。

 

 「でも...

 

 すみません、今の私には、融資はできません。」(えっ!?)

 

 「そんな...

 

 いえ、申し訳ございません。私たちに、何か、至らぬ点がありましたでしょうか…?」

 

 「ううん、ササユリさんは悪くないの。

 

 私たちがそこそこお嬢様なのはあたりで、目の付け所は悪くないんだけど...私たち、今家出中だから…」

 

 「あっ、そうでしたわね…融資を実行するために実家(本社)に連絡をするわけにはいかないのでしたわ。

 

 ポケットマネーでよろしければ、出せないことはありませんけれど…」「さすがに全然足りないと思うよお姉ちゃん。それに出資のために税務士や弁護士を雇ったりするの?」

 

 旅で困らないように持っているお金はポケットマネーとしては巨額だが、さすがに鉄道会社をどうにかするには桁が足りないし、下手やってフロックス家令嬢が脱税捜査をくらってもたまらない。

 

 「そうでしたか…訳アリなのですね…聞かなかったことに致します。」

 

 「ササユリさん、そうはいかないよ。

 

 確かにお金は出せないけど、でも、ここで放置するのは私の信条に反するよ。

 

 お姉ちゃんも、そうだよね?」

 

 「ええ、もちろんですわ。何かできることはありませんの?」

 

 「…失礼な言い方ではありますが、ニャースの手も借りてみるべき状況なのです。私たちにはない視点、いただければ幸いです。」

 

ー*-

 

 ホウオウ駅に隣接した2階建てのどこにでもありそうなビル、それがナノハナ鉄道の本社だ。

 

 その2階の会議室で、ササユリとフロックス姉妹は向かい合って机の上に資料を並べていた。

 

 「お見せできる資料はこのあたりです。どれも公開されているものですが、何かお気づきのことがありましたら…」

 

 「…それはそうとしてササユリさん、あの、社長室ですわよね...?」

 

 自分たちより少し年上、下手したら女子大学生くらいでしかない鉄道少女が挨拶もせず社長室に入り、資料を持って出てくる…蒼玻からするとわりと意味が分からない状況である。

 

 「社長はアカマツ、キリシマ、ナノハナ、ホウオウの市長町長の持ち回りなのです。ここにはいません。」

 

 自治体が最大出資者なのでーササユリがそう告げる。

 

 (ってことは名前だけの責任者!?現場トップはこの子!?)

 

 駅長でも驚きだが、実際にはもっと偉いらしい...慌てて頭を下げかけたが、カグヤが「いや私たちも偉いからね…?」と止めた。転生憑依してから何もしていないので忘れがちだがアオバ・フロックスこそ17歳にしてユキコシ最大財閥の名目上のトップなのである。

 

 「…もともと、ナノハナ線は私のおじいちゃんが作った路線なのです。父と母が急逝して、私がこの会社を引き継いだ時に、私一人でこの路線を安定させられるまでの約束で、出資自治体の皆様に負担を引き受けていただいているのです…」

 

 焦りがにじむ声色で、ササユリはそう言った。

 

 「一人で、おじいちゃんが建てて父と母が守った路線を動かして、沿線の皆様に安心していただきたい、そう思ってきたのですが…っ」

 

 状況はむしろ悪化している、というわけだ。

 

 「わかっているのです。私はまだ若い女、おみや巡り七成就もユキコシではひとかどの名士の称号ですが、ユキコシの外では通用しない…!

 

 デボン系の資本には断られました。」

 

 7つのおみやを巡ればユキコシではもう立派過ぎるトレーナーで、人格者で、大人だ。旅は人を育てるからこそ、そこらの壮年よりも上でさえあるーそれが、ササユリが重責を背負うことを許される理由だった。

 

 「フロックス系は?」

 

 おそるおそる、カグヤが聞く。 

 

 「…副会長直々に」ササユリが首を横に振る。

 

 「…だから、ユキコシ資本がもうダメだから、別地方の資本の融資を受けるために、最高経営責任者を自治体に引き受けてもらったんだね。」「はい…けれど、ユキコシを出れば、名も知られぬ田舎の町であることは変わりなく…いっそダイゴ・ツワブキにバトルで勝てば路もあったのかもしれませんが…」

 

 BREAKワザが使えない他地方でのバトルは勝手が違う、これが強者揃いのユキコシのトレーナーが他地方で伸び悩む理由だ。しかもメガシンカもハンデになる。

 

 「そういうわけで、新たな融資は得られませんし、乗降客数は漸減しています。このままでは…」

 

 (若くして受け継いだ路線、おみや巡りを7つ成就させられるバトルの実力…

 

 …活かせないか…?)

 

 「カグヤ、何か、気づきませんかしら?」

 

 「気づくことがないわけじゃないよ?

 

 ワカナエに比べて、というかコンジキ周辺に比べても、輸送密度が悪いの。」

 

 「それは当たり前ではありませんの?人口が違い過ぎますわ。」

 

 「そうじゃなくて...ちょっとwiki見て沿線人口で乗降客数割ってみて。」

 

 (wiki…あぁ、ネット百科事典か。検索検索…)

 

 「ね?人口も少ないけど、人口あたりの乗客も少ないの。」

 

 「…そのとおりです。弊社でも把握しています。」「その差は?なんで、大都市と比べて乗らないの?」

 

 「…それは...路線が不便だから、ではないかと。駅も少なく、本数も少ないわけですから…」

 

 「いや、そうではありませんわ。いえ、それもありますけれど。

 

 原因はポケモンですわ。」

 

 「「ポケモン?」」

 

ー*-

 

 考えてみれば簡単だ。俺の前世でローカル鉄道・バスが追い詰められた原因ってのは、つまり一つは過疎化、もう一つは自動車社会だ。田舎なんてみんな自動車を持ってるんだから、免許のない通学需要以外を取り込むのは大変だ。

 

 この世界だと、ライバルにポケモン、ライドポケモンが加わる。免許も要らないし自動車よりコストも安い。そして何よりこの世界はそれなりに危険な野生ポケモンが郊外にもそこそこ出没する。

 

 「大都市なら強いポケモンを持たなくても生きていけますが、このあたりだと、市街地を離れることがあるのなら強いポケモンの1体くらいは持っておいた方がいい、そうではなくって?」

 

 「はい。確かに、皆様誰もがおみやを1か所か2か所挑戦なさっています。」

 

 ちょっと人気のない場所に行けばリングマ、いやガチグマすら出没する。そりゃそうだ。

 

 「そして、ライドポケモンも持っている。カグヤは持ってないですものね?」

 

 「…あっ、そっか、大都市だとライドポケモンサイズを飼えないことも多いし、飼わなくても交通機関がある…でも自動車かライドポケモンを飼うのが、ほぼ義務なんだ...!」

 

 「…まったくそのとおりですね。住民の多くはポケモントレーナーで、ポケモントレーナーが絆を結んだライドポケモンを選ばないでナノハナ線に乗る理由はない…

 

 …でも、どうすればよいのでしょう...?」

 

 ポケモントレーナーが多いから、人口の少なさ以上に需要が少ない。ってことは、俺たちが着目するべきがどこかは明白だ。

 

 「『ポケモントレーナー需要の喚起』。カグヤも、ササユリさんも、薄々察していたのでは?」

 

ー*-

 

 「でも、そんなの…!

 

 『ポケモントレーナーは鉄道に乗る必要がないしパートナーよりも鉄道を選ぶ欲求もない』、ササユリさんもさっき言ったよね?」

 

 -だから、ポケモントレーナーの多さという根本的原因に蒼玻だけが着目したし、ポケモントレーナーを新規客にしようという発想に辿り着いた。そもそも、ポケモン世界の人間には、それが無理であることは明確過ぎて、無意識に検討から外していたから。

 

 「けれど、私はササユリさんと関係者の皆さんの想いについてはもうお聞きしましたわ。

 

 皆さんが努力した結果として行き詰っているのなら、根本的に、構造的に問題があって、今までのやり方ではにっちもさっちもいかない、そうではありませんかしら?」

 

 「それは...そうですが…しかし…」

 

 わざわざお金を払わなくてもパートナーポケモンに乗せてもらえばいい、そして絆を結んだ彼らより鉄道を優先する理由もない…どこに需要を喚起しろと?

 

 「カグヤカグヤ...」「なあに、お姉ちゃん?」

 

 これは転生知識案件かな、とカグヤは小声で応えた。

 

 「お姉ちゃん、素人考えでポケモントレーナーなんて言うのはいいけど、お姉ちゃんの(ポケモンがいない)世界とは違うんだよ…?」

 

 「カグヤ、ならば...

 

 …どうして、自動車はそれなりに普及しているのかしら?わたくしの世界ほどではありませんが…」

 

 「…どうしてって…だって、心がない自動車のほうが貸しやすいじゃん。それに荷物も乗るし体調に左右されないし。」

 

 -でもそれは鉄道には当てはまらない。確かにパートナーライドポケモンよりずっと「誰でも乗れる交通機関」だしライドポケモンタクシーよりもずっと「乗り慣れ不要の交通機関」でポケモンと違い体調もないが、それはつまりいざという時のバックアップでしかない。それに鉄道は自動車と異なり路線があり私貨物は多く持ち込めない。

 

 「…ダメですのね…」

 

 「着眼点は悪くないと思うんだけどさ、ポケモントレーナーがわざわざ鉄道を選ぶように呼び込むのはやっぱり難しいよ…旅経験者なんてちょっと隣町まで歩くくらいの苦労とかなんとも思わないし…」

 

 「…ポケモントレーナーを呼び込む…バトルイベント、などはいかがでしょうか?」

 

 「バトルイベントは...うーん、おみやまで延伸する?バトルコート増やす?やってもいいけど...でも特別なバトルじゃないなら別にどこでやっても同じような気もするし…」

 

 カグヤもササユリも頭を悩ませる。そして、蒼玻も。

 

 (ポケモン…バトルイベント...鉄道…なんか、なんかなかったっけ...あったような…うーん...

 

 くそっ、こうなるってわかってたならもっとピク〇ブ百科事典読んでおくんだった!)

 

 そこでゲーム原作ではないから、このニワカ令嬢はいつまでたってもニワカなのである。

 

 「…ここは文明の利器に頼りますわ。」

 

 なんかそんな感じのなんか、があったことは転生知識で知っている。存在を知らないよりはネットでたどり着きやすいだろう。

 

 「『ガラルの鉄道網』、違う。

 

 『ガラル鉄道員の攻略法』、これも違う。

 

 …『イッシュ地下鉄へようこそ』...?」

 

 

 そして蒼玻は、ついに、その一言を呟いた。

 

 「『バトルサブウェイ』これですわ!」

 

 「「バトルサブウェイ??」」




 誤字報告ありがとうございました 

 のと鉄道の早期復旧とローカル線の地方創生を応援しています。

 「ト〇タにとって田舎のローカル線など兆円と億円の差がある(なお当の〇ヨタが出資している愛知環状鉄道は補助金込み純利益黒字)」

「BREAKワザが使えない他地方でのバトルは勝手が違う、これが強者揃いのユキコシのトレーナーが他地方で伸び悩む理由だ。」

↑「りゅうのまい使わないの?」「その暇があるなら先制BREAKワザで1体倒したほうが早いぜ!」「ユキコシ人そういうとこやぞ」(ゲーム数値換算で威力300以上あってかつ「誰かが使うとしばらく周囲のみんなが使えなくなる」仕様なのが悪すぎて、積みワザ使っている間にBREAKワザをされると目も当てられないので致し方ない。BREAKワザ後の継戦や能力がメガシンカ並に上がるBREAK進化ポケモンへの対策としての積みワザ戦法はメジャーだが、耐久してBREAKフィールドリチャージを待つのもありではあるので…)


 今話はポケモン世界の鉄道事情を少しばかり考察しました。「ポケモンがいるから余計にみんな鉄道に乗らない」の答えに、鉄道の中ですらバトルしたがるバトル狂人イッシュを持ちだします…次話は、サブウェイマスターならぬ駅長(ステーションマスター)ササユリの奮闘です!

ホウオウタウン=穴水町(鳳至郡に由来)

基底現実ではのと鉄道七尾線の終点であり能登線(廃線)の始点である穴水は、この世界でも鉄道の終点です(能登線に当たる路線は廃線ではなく元から存在しない。日本国鉄道省が存在しない上にポケモンライドがあるこの世界では、地元民の熱意では穴水ー七尾間の山越え路線も穴水ー珠洲蛸島間の奥能登路線も通せなかったらしい)


運動後の電解質摂取は大事(救急搬送経験者より)。私のオススメは「アクエリアスを口に含み、アクエリアスの味が濃いと感じたら水を、濃くないと感じたらアクエリを飲む」。なおこの世界ではポケモンの回復ワザやきのみで応急措置ができます。
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