お嬢様ポケモン世界を往く! ~ポケットモンスターdarkcatastrophe⇔snowwhite~   作:十二の子

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コンフリー「もうお前ら『ウキクサと愉快な仲間たち』でいいんじゃないの」


#21.5 幕間劇「三頭軍政」

ー*-

 

 「やっとゲットできた。大捕り物にもほどがあるでしょ。」

 

 女はボールでお手玉しながら器用にスマホを肩と耳で挟んだ。

 

 「はーいこちらハッカ。聞こえてる?」

 

 「はい。どうでしたか?」

 

 「あんたの言う通り。『ペーパーカンパニー経由でゴフク屋を雇ってヌレバ線を荒らさせたら出てくる』なんてね。」

 

 「よくわからない伝承と伝聞に頼った願掛け、気休めみたいなものですよ。大変だったでしょう。」

 

 「ううん、こっちにはいきのいい鉄砲玉もいたしね。じゃ、あたしは原稿書くから。」

 

 ぷちっ、通話アプリを閉じる。

 

 「そ、それがしは...」「ん?」

 

 手を揉みごまをすり、平身低頭のサムライを、ハッカと名乗る女は一瞥した。

 

 「ホープ団への亡命、認めていただけますかな…?」

 

 「あんたねぇ、ナノハナキャッスルで失敗したんだから手柄がないでしょ?」

 

 「こ、この大捕り物、一番活躍したのはそれがしのドドゲザンではありませぬか!」

 

 「ふーん?

 

 じゃあ望み通り、あんたに褒美をあげる。

 

 おいで、ホウオウ。」

 

 虹色の羽を撒き散らす翼が、ハッカとツグミツを睥睨する。

 

 「それがしに褒美…

 

 …羽ですかな?それとももしやホウオウそのもの…!?」

 

 「いい、よく聞きな。ホープ団ではユキコシ人への褒美は一つしかないと決まってるのよ。

 

 初陣よホウオウ、せいなるほのお。」

 

 「そんな、あんまりだアギャァァァァー!」

 

 「さて、汚物の消毒も終わったことだし、カンヅメにでもなろっかな。」

 

 

ー*ー

 

 「そうですか、負けましたか…」

 

 「奴らめ、おなごのくせしてドンドン力を付けていやがる。一回目は単独行動中で不意、二回目は漁夫とはいえ、三回目は正面からやりあうことになるかもしれねえな。」

 

 「貴方がそれだけ執着するトレーナーとなると、よほど実力と天運に恵まれたトレーナーなのでしょうね。

 

 しかし問題はありません。私たちも強くなればいい、それだけの話です。だいたい貴方は切り札を私に預けっぱなしでしょう?」

 

 「ん、あー…そうだっけかァ?」

 

 「そんな適当だとハッカにチクりますよ。」

 

 「おゥそいつァ勘弁だぜ。お前が海外にいる間にアイツドンドンおっかなくなってよゥ。」

 

 「海の英雄ウキクサをそれだけビビらせたら大したものですよまったく。」

 

 「チッ、他人事みたいに。

 

 じゃあまた、今度はユキコシで会おうぜィ。」

 

 「では。」

 

 男は通話アプリを終了させ、それから初めて、やっと思い出したかのように、壁にもたれて座り込んでいたその人物に声をかけた。

 

 「お待たせしました。少々、同志から連絡があったもので。

 

 それで、質問があるそうですね?」

 

 「貴方、それを、どうするつもりなの…?」

 

 「どう...とは…?

 

 あぁ、ユキコシにしかもう残党が残っていないあの危険集団みたいなことをするつもりか、という話でしょうか?まさかまさか。私は彼のような形而上学的なことに興味はありませんよ。戦勝のための軍事的実力、2体に要求するのはそれだけですから。」

 

 「…だとしても、世界を滅ぼすつもりがないのなら、どうして2体を(チャンピオン)から奪ったのかしら?」

 

 「貴女方が悪いのですよ?私は再三、私たちが故地を奪還する聖戦に加わるべしと、そう呼びかけたではありませんか。それに何も答えず、貴女方は私たちが故地を追い出され2000年もの間山を、海を、()つ国を彷徨うのを見て見ぬふりをしてきた。つまり敵なのです。

 

 侵略者には何をしてもいい、当然でしょう?命までは奪わないであげますから伝説のポケモンくらいでガタガタ抜かさないでくださいよ、ねぇ、前チャンピオン?」

 

 メガネの奥から純粋無邪気な笑顔を覗かせ、男は百戦錬磨の彼女に否やを言うことを許さない。

 

 「…そう...

 

 貴方がそう思うなら、そうなのかしらね、貴方にとっては。」

 

 「別に理解していただこうとは思っていませんよ。これが私たちの在り方というだけです。」

 

 「ええ。この地方では誰も理解しないでしょう。私と彼が勝てなくても、この地方にはたくさんのトレーナーと、絆を結んだポケモン達がいる。飛行機だって乗せてはくれないでしょう。貴方の正義がいつまで続くか、楽しみだわ。」

 

 「…いつ、私が飛行機に乗ると言いました?

 

 私はホープ団『空軍中将』アルソミトラ。

 

 飛べない空軍はただのドードーなんですよ。

 

 カモン、ルギア。」

 

 白い翼が、アルソミトラと前チャンピオンの前で、2人を吹き飛ばさんばかりに羽ばたく。

 

 「さて、早くルギアをウキクサに返して、いっしょにハッカにガミガミ叱られることにしましょうか。では、ごきげんよう前チャンピオン。」




ホープ団三将軍+オマケ

アルソミトラ

 ホープ団空軍中将。海外から全然帰ってこないメガネの優男。最近の悩みはホープ団グループチャットに流れてきたウキクサ×アルソミトラのBL漫画にハッカがいいねしてること。一人海外は寂しいのでSNSで呟く時に位置情報と特定ワードと機密ワードを除外してくれる拡張機能を開発してホープ団に配った。

ハッカ  

 本業はホープ団ナマモノBLサークル代表、副業はホープ団陸軍中将。ショートパンツで雪山に冬ごもりできる異能を持つ女傑。この前ゴフク屋の構成員を叩きのめした後でそいつが尊敬する同人作家だと知って、お詫びにアクロマ×ゲーチス本をその場でネット購入した。今は意気投合して科学者攻めボス受けのサークルの副代表をし、ルザミーネにSNS上でキレられたりしている。

ウキクサ

 ホープ団海軍中将。かつてSNSでユキコシ住民とレスバしたら大炎上してアジトを特定されかけたのでそれ以来一切SNSをやっていない。おかげでホープ団界隈でフリー素材化しているのはもちろん知らない。最近のトレンドがTSFなのも知らない。

フロックス・インターネットサービス(株)

 フロックスホールディングスグループのネット会社。自社のSNSサービスで侵略ゲリラ組織ホープ団がグルチャを始めたので爆笑しながら見てみたらナマモノBLサークルグルだった。だいたい三将軍2人が実名で場末のSNSに入り浸るわけないだろ釣り乙。
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