お嬢様ポケモン世界を往く! ~ポケットモンスターdarkcatastrophe⇔snowwhite~   作:十二の子

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#52 「心は2つ、景色は1つ」 アオバ/蒼玻・フロックス

ー*ー

 

 「あっはっはっは!」

 

 奇跡的に動いていた監視カメラから医療棟内部を遠望していたトチュウは、彼女を見た瞬間、今まで抱いてきた憤りなど捨て、爆笑した。

 

 自分と彼女では、まさしく格が違うのだ、魂の格が、人間としての格が、覇気が。

 

 「しょせん凡人の俺に、アンタの意図も、秘めているモノもその価値も見抜けなかったわけだ!

 

 …思うさま生きるがいい、当代のフロックス。」

 

 俺は完敗だ...自嘲が、柄にもなく漏れた。

 

ー*-

 

 「お、ねえ、ちゃ、ん…?」

 

 「ええ、カグヤ、貴女の最愛の姉であり/ともに旅をした仲間の蒼玻/アオバですわよ。」

 

 「そっか、お姉ちゃん、そっか、お姉ちゃん...

 

 うわぁぁぁぁん!!!」

 

 「よしよしよし/…」

 

 号泣しながら袴に縋りつくカグヤを、アオバが優しく撫でている。

 

 姉妹の傍らには、盟約の血筋の証であり代々の友、メガディアンシーが立っていた。

 

 いや、メガディアンシーでは、なかった。

 

 「馬鹿な…

 

 …た、確かにカロスには、ディアンシーの姫がメガシンカらしき現象で作ったダイヤによりイベルタルを押しとどめたという伝承があります…しかし、これはBREAK個体のBREAKワザ!それに伝承によれば...」

 

 「ええ、存じておりますわ。カロスのディアンシー伝説では確か、ゼルネアスのフェアリーオーラによって覚醒し、イベルタルに対抗できたのですわよね?

 

 /まあ盟約の血筋の伝承と言えども素面でイベルタルのBREAKなんて流石に無理だろうな。けども、」

 

 ”「私、自ら言うのは僭越ですが、今や今までとも並のディアンシーとも違う、そう確信しています。」”

 

 ハート形のダイヤの上、頭上で、ナノサイズのダイヤが無数に舞いキラキラと輝き、まるでティアラのようにディアンシーを飾っている。

 

 頭から後背を覆う、ほぼ透明なヴェール。

 

 スカートのように垂れ下がる、12個×2層のピンク水晶、その層の狭間からはオーロラの如くピンクの光があふれ、下半身を完全に覆い隠している。

 

 その姿はどこか、ウェディング(契約)ドレスのようだった。

 

 「後学のために、キミらの驕りが何なのか、教えていただきましょうか。」

 

 「絆、だよ。」

 

 「絆?」

 

 ”「ただの絆ではありません。私と」”

 

 「俺たちの/わたくしたちの、絆ですわ。

 

 そうですわね、名を冠するなら...

 

 デュアル(二重)メガディアンシー」

 

 たったひとりの口から発せられたはずなのに、それはどこか奇跡的に荘厳なハーモニーを感じさせる声だった。

 

ー*-

 

 「絆…

 

 …絆ですと?

 

 下等、下劣、卑劣なるユキコシ民の絆を何重塗り重ねたところで...ッ!

 

 イベルタル、ゼルネアス!」

 

 叫びとともに、黄金の怪鳥は翼を大きくはためかせた。

 

 ーイベルタルBREAKの デスウィングBREAK(わざわいのよる)

 

 自分以外誰もいない孤独な暗闇に、ひとり取り残されてしまったのではないか…「夜」がもたらす重厚な錯覚、それはリアルな「死」を突きつけ迫る。

 

 ーデュアルメガディアンシーの ダイヤストーム!

 

 頭上にナノダイヤが渦をなし、迫りくる「夜」その邪気を弾いて燦然輝く。

 

 ーゼルネアスBREAKの ジオコントロールBREAK(サンクチュアリ)

 

 ゼルネアスBREAKがもたらす無限にも等しい生命力が、イベルタルBREAKを駆動する。絶えることなき「夜」は、生命が闇夜に対し覚える根源的恐怖とともに、命を脅かしながら、ダイヤの輝きを塗りつぶしていく。

 

 「…オリセクト、がんせきほうッ!」

 

 ”「私を打ちだしてください。」”

 

 ボールから出された瞬間に「夜」に包まれたことに太古のポケモンはうろたえたが、しかし同時に理解したージブンが初めて従った人間が、蒼玻が、目の前の少女に宿っている、と。だから、言われた役割を果たすことに滞りはなかった。

 

 ーオリセクトの がんせきほう!

 

 背中側に伸びるアームの先の兜状の部分、ゲノセクトであればテクノバスターを撃っていた砲口…そこにデュアルメガディアンシーのドレスに包まれた基部がハマる。そしてオリセクトは、しなるアームをバネとして、デュアルメガディアンシーを勢いよく投石した。

 

 ナノダイヤのヴェールが光を放ちながら急速に消えるのと引き換えに、デュアルメガディアンシーが「夜」を裂いて闇の向こうへと突っ込んでいく。

 

 標的は、イベルタルBREAK…否。この死神に無限に等しい耐久力を与えているゼルネアスBREAKこそ、まっさきに倒すべき相手だ。

 

 デュアルメガディアンシーは、ゼルネアスBREAKの黄金の身体に衝突する間際、その手にピンクの光を凝縮させ交差する大小の光筋となした。

 

 ーデュアルメガディアンシーの ラディアント・レイピア…

 

 ゼルネアスBREAKの首の下、胸元に深々と、光の細剣が突き刺さる。しかしゼルネアスBREAKは身じろぎもしない。そればかりかイベルタルBREAKに供給されるエネルギーはますます増え、「夜」がデュアルメガディアンシーを闇に呑み込もうと包み込んでいく。

 

 「いくらまぼろしのポケモンでも、特殊個体でも、生き物であることに変わりありません。

 

 こちらはBREAKの伝説ポケモン、生命を司る神格ですよ?通常の生き物の範疇を出ない存在では、いかな抵抗も、かなうはずがないでしょう?」

 

 「/あら、そうかしら?

 

 ひとつ…ディアンシーがどういうポケモンか、忘れているのではなくって?」

 

 「…何?」

 

 デュアルメガディアンシーの両の掌の内側が、再び輝いた。今度はピンクの光ではない…白熱だ。

 

 「/ディアンシーは空気中の二酸化炭素を圧縮してダイヤモンドにするポケモンだ。ダイヤモンドってのは、本来は、プレートの沈み込み帯から地殻中に取り込まれた海水中の二酸化炭素が、数百万年から数億年の時間をかけて結晶するものらしいな。

 

 /悠久の時が生み出すダイヤモンドを、刹那のうちに手中とするディアンシー…ならば、生命の摂理に囚われないタイムスケールを持っていると言えるのではなくって?

 

 「アクセラレーション!」

 

 ーデュアルメガディアンシーの ラディアント・レイピア・アクセラレーション!

 

 瞬間だった。そして、瞬間の間だった。

 

 ゼルネアスBREAKの体内を、神格であるはずの、カロス最強のポケモンであるはずのゼルネアスがあろうことか耐えきれないほどの、莫大な力の奔流が駆け巡った。

 

 細剣の先、わずかに一点、たった数十マイクロセンチぶんの空間…細胞ひとつばかりの空間ーたったそれだけの空間に起きたのはしかし、地質学的な(ダイヤが自然生成するほどの)時間経過だった。数億年の、永劫にも思える時間ーいくらわずか数十マイクロの空間と言えども、その期間にゼルネアスがそこで生成するであろう「生命のパワー」はあまりに膨大で、いかなゼルネアスBREAKといえども、その全身を以てして受け止められるものではありえなかった。

 

 四肢から地面へ、角から空中へ、にじむようにして力があふれ出し、「夜」を振り払い、発電所の敷地中に広がっていく。

 

 慈愛に満ちたフェアリーオーラが染みわたるやいなや、石像は人やポケモンとしての色合いを取り戻して動き出し、建物は石片から鉄筋コンクリートへ戻ってあたかも時間を巻き戻すかのように復元される。

 

 (...あれやっぱり、「生と死を司る力」ではありませんわね/エントロピーとかの操作じゃないか…?)

 

 あまりに強い力に耐えかねたのかゼルネアスBREAKのまとう金色のBREAKオーラは霧散し、そしてイベルタルBREAKはと言えば復元されゆく白き医療棟天井によってその金翼が見えなくなっていった。

 

 完全にイベルタルBREAKが天井で隔てられる前に...アルソミトラが、驚きのあまりに抜け落ちた表情でゼルネアスをボールへ戻しつつ、叫んだ。

 

 「あくのはどうですッ!天井を吹き飛ばせッ!」

 

 金色の粒子を帯びた、闇の波導。閉ざされようとしていた天井を、ひとたまりもなく吹き飛ばして大穴へ変える。

 

 「…同志ウキクサが、コンフリーが言っていたように、貴女方はあまりにも手ごわい。

 

 認めましょう。現代のフロックスは衰退著しいいにしえの名家などではなく、我がホープ団1000年の聖戦の最終段階で立ちはだかる、最強の敵かもしれないと。

 

 ですが私たちはそれを凌駕する!凌駕しなければならない!故郷に舞い戻るために!

 

 イベルタル...BROKEN進化ァ!」

 

 叫びとともに、回路で構成されたルービックキューブが、宙を舞った。

 

 飛び散る、黒い粒子(フィールドホール)金の粒子(BREAKオーラ)

 

 「頭痛薬(アスピリン)が欲しい…/なんて言ってる場合ですらございませんわよ…」

 

 禍々しくも黒と金を振りまく、死を司る怪鳥...BREAK進化を超えたBREAK進化、伝説を超えた伝説...

 

 「やるのです、イベルタル_BROKEN!わざわいのよる!」

 

 ーイベルタル_BROKENの わざわいのよる_BROKEN!

 

 ありとあらゆる生命から生を剥奪する、生命の循環を逸脱せし破壊と死の化身が、濃密な「夜」を解き放った。

 

ー*-

 

 ディアンシーとつながりあった時だった。

 

俺もアオバちゃんも、「新たな力」がディアンシーからあふれ出してくるのを感じてはいた。

 

 進化、深化、そして真化…ずっと離れない絆が俺らにある、そう心と体で感じあえたその瞬間、降り出す流星群のように鮮やかに、その実感が奔った。

 

 言葉で説明することはできない「本質」ー両の手のひらの内から一瞬で無数のダイヤモンドを生み出すという秘技。ずっと、ダイヤモンドアンビルセル的な原理で加圧しているのだと思っていたけれど、それにしても圧力も生成時間も生成数も多すぎる、その秘密。

 

 ”ダイヤモンドは「永遠」の輝き(時を超える)”-前世に於いてただの透明な石だったダイヤモンドを至宝の宝石へと変えたデビアス・ダイヤモンド社のキャッチコピーのとおりだ。生物が及びもつかない、永遠にも等しいタイムスケール...定命のポケモンながらもそれを文字通り手中にできるディアンシーが持つ権能の正体は、しょせん100年ばかしの寿命しか持たない存在では想像もつかなくて当然のものだった。

 

 きっと、この力をギリギリ理解できたのは、掌握できたのは、メガシンカが古代の力を呼び覚ますものと言われていることもさることながら、デュアルメガシンカがすさまじいものであることもさることながら、俺が時間どころか世界を超えた存在でかつ前世でいろんな異能モノに触れて想像力を育ててたからだろうな。想像できない能力は使えるはずがないってやつ。

 

 (ゼルネアスを無力化した以上、来ますわよ、イベルタルの最大出力。)

 

 (ああアオバちゃん、たぶん来るとしたらBROKEN進化だろうな。コンフリーを攫ってるし、あの無茶苦茶なパワーアップをわざわざさせたくはないだろうけど最後っ屁としてなら可能性は高い。)

 

 ”(どうします?ムーンフォースではとても倒せません。何か手段は…)“

 

 そうだ。ディアンシーの時間操作(ジオスケール)は、あくまで地質時間的現象を生物時間に落とし込むもの。膨大な時間を顕現させてもその間ワザを使い続けられるわけではないし、むしろやられるまでの数秒を数ナノ秒に加速(アクセラレーション)しかねない。

 

 (…加速できるならば、減速もできますわよねこの力。)

 

 (…なるほど?

 

 「永遠(ダイヤ)を一瞬のうちに作り出す権能」と対に、「一瞬の間に永遠(ダイヤ)を生み出す能力」か。)

 

 永遠を一瞬にするか、一瞬が永遠になるのか…捉え方の違いというやつだ。

  

 “(やってみます。けれど、もう一度時間操作(ジオスケール)を使ったら、私もお二人も、保ちませんよ…?)”

 

 (大丈夫、俺の仲間を/信じておりますわよ。)

 

ー*ー

 

 ーイベルタル_BROKENの わざわいのよる_BROKEN!

 

 夜。

 

 およそ生あるものすべてが根源的に恐怖を抱く、自分以外誰も見ることのできない果てなき暗闇。死の一歩手前。

 

 そのただなかで、二人と一体は、お互いが見えなくても、心でつながっていた。 

 

 ”「…いきます!」“

 

 「ああ/よろしくってよ!」

 

 暗闇の中、ぼうと、デュアルメガディアンシーの豪奢な体が燦然と輝き始める。

 

 「「ダイヤストーム・ディセラレーション!」」

 

 両手の間…集められた二酸化炭素は、永遠と悠久を顕現するがごとき超圧縮によって凝縮された。

 

 ーデュアルメガディアンシーの ダイヤストーム・ディセラレーション!

 

 愛、そして永遠を顕す宝石が、豪風をなして吹き舞う。ピンクの白熱が、刹那を永久へと閉じ込める。

 

 イベルタルという、容易く一国をも滅ぼし石に変えてしまう神威…その、限界を超え矛盾をも突破したBROKEN進化体。かの畏るべき神格がもたらした「死」は、確かに蒼玻/アオバとデュアルメガディアンシーを包み込み、呑み込まんとするーだが、その神威は、彼女たちに届きはしない。

 

 ダイヤというカタチで顕現した永遠は、数秒のうちに数十年の愛の誓いと数百万年の地質史を秘める。はるかな闇たる神威すらも、桁違いの地質学的タイムスケールに囚われては、向かう先にその力を顕すことはできない。

 

 「な、にが…」

 

 ありえませんありえませんそんな馬鹿な…アルソミトラがただただうろたえるその最中。

 

 蒼玻がここへと導いてきたパートナーたちは、「夜」の中から空中へと放り投げられた金色のカケラ、ユキコシ地方を護るよりしろさまたちが受け継いできた強き力と志を、然りとその身に宿した。

 

 ーオリセクトの はんえいのいしずえ!

 

 ークリムガンの サンドスローイング!

 

 ーブロスターの ヤマタのげきりゅう!

 

 ーシャンデラの ごう・みっかみばん!

 

 島史を象徴する黄金インゴットが、熾烈な生存競争の舞台たる砂でできた柱が、山をも穿つと謳われし龍のレーザーが、文武を極め戦乱に消えた大都市の怨念が、侵略の手先としてはるか彼方から連れてこられた黄金怪鳥を一斉に襲った。

 

 イベルタル_BROKENはボロボロに傷つきながらもしかし、墜ちない。怒り狂う死神は「夜」を縮めて光線となし、凝縮した死闇として打ち出した。

 

 ーイベルタル_BROKENの デスウィング_BROKEN!

 

 死という概念そのものが、ドス黒いビームとなり、ポケモンたちを追い回す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 神にも間違いはある。ゼウスがぽんぽんと浮気し、フーパがうっかり戒められたように。このイベルタルもまた、間違いをおかしていた…我を失うほどの激昂という。怒りは、注意力を奪い、そして背後を見えなくした。

 

 ーカハリヤツカゲ(イーブイ)の ブイブイBREAK!

 

 背後から迫る8つの虚像が光の球をなして突っ込み、その中央を爆発的な光をまとってイーブイがアタックする。

 

 BREAKオーラをかき消す黒い粒子(フィールドホール)も、BREAKオーラでパワーアップしたイーブイの突撃力そのものまでは消せない。

 

 炎、水、草、電気、氷、悪、エスパー、フェアリーの力がイベルタル_BROKENを貫き、直後、イーブイ渾身の体当たりがイベルタル_BROKENを天井の大穴から医療棟内へ突き落とした。

 

 金色と黒色の粒子を振り撒き、イベルタル_BROKENが叫ぶ。怒りで両の目を血走らせ、前を睨む…その先にいる白き令嬢の、青と蒼の瞳を睨む。

 

 「あらあら/おいおい…」

 

 冷や汗が純白の髪から伝う。もはやデュアルメガシンカの維持は不可能で、令嬢は生贄も同然だった。

 

 イベルタル_BROKENから、死を象徴するダークオーラが世界を侵食し、「夜」となって蒼玻/アオバへ迫った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 守護の紫電は唐突に、天空から降り落ちた。

 

 ーマイイカヅチの…

 

 そこにいなくとも関係ない。獅子舞のように纏うレントラーは透視能力を与えるのだから。

 

 異郷の神であろうとも下しうる。彼もまた、身を擬するライコウにも等しき電気の化身、伝説なのだから。

 

 ーてんらいのへきれき!

 

 空気が破壊され、衝撃波が爆裂し、爆心から地下へと数億ボルトが通電する。その超電圧は、まさに飛び立とうとしていたイベルタル_BROKENを打ち据えた。

 

 黒い粒子が薄れて消え、続いて金色の粒子が空間に溶けていく。煙を上げながら、イベルタルがYの字に翼を広げひれ伏していた。

 

 「くっ…

 

 …撤退です!」

 

 「逃げられるとでも/思っていますのかしら?」

 

 「…っ…

 

 …いえ…バクフーン。」

 

 イベルタルと入れ代わりに、ボールからヒスイバクフーンが飛び出す。

 

 ーヒスイバクフーンの えんまく!

 

 「…それでは…

 

 …いつか、貴女達を殺しに、また…」

 

 煙の向こうへ、イケメンが姿を消す。

 

 「深追いは禁物か/そうですわね…」

 

 ホープ団もカロスの伝説も、その脅威は決して去ったわけではない。状況は決して予断を許さない…けれど今日は、再会と勝利の喜びをわかちあってもいいではないか…蒼玻/アオバは、イーブイを抱きしめ微笑んだ。

 

 




ー次章予告ー

 「学園島?

 /蒼玻くん、わたくしたちがパルデアの沖に持っているポケモンスクールの所在地ですわ。」

 「そこに、ステラーシステムがテラパゴスのBREAKオーラなんて持ってたことの手がかりがあるんだよね?」

 ラスト団が残した謎を解きに、令嬢姉妹ははるかパルデア沖の孤島へ飛ぶ。しかし姉妹を待っていたのは、想像をはるかに超える事態だった。

 (どこかで見おぼえがあるような.../どこでかしら?/...TwitterのTLで)

 「きみには消えてもらいます。」

 そして姉妹は、時を刻む塔を目指す。

 「これほどのオーラ...ユキコシ地方が2000年かけて作り上げたものを一瞬で世界を覆うなんて、歴史への冒涜だよ」

 「行かせるわけにはいきません。ガラルの無限の繁栄と栄光のために」「舐めないでよね。お姉ちゃんの手を煩わせる価値もない。未来も可能性も信じない貴方なんて相手にもならない。」

 「おねがい、行って。あたしじゃ、勝てんけん。」

 当代の名族を待ち受けるのは、当代の最強。

 「あなたは、あたしの闇。」

 「過去には戻れない、やり直しなんて赦されない」「止めて見せますわ、わたくし/俺たちが」

 謎が明かされるとともに浮かび上がる、全世界の危機。

 「ならば、改変は宇宙自身にやらせればいい。」「あなた(あたし)にはなにもない。そしてあたしはこれからすべてをゲットする。」

 「でも、ひとつ言っておくよ。因果は収束する(チャンピオンタイム、イズオーバー)

 「助けは必要ですか?」「もう、遅いよ…」

 今、世界の運命を賭けた究極のバトルが、はるか西の海上で幕を開ける!

 転生ポケモン令嬢外伝「少女たちの無限夢路(サマーコスモス)

 「ムゥゲンダイィナァァァァ!!!」

 -今、常夏の島から、新たな旅は始まる…!

 ※本編(第漆章、サンゴジュおみや編)の更新はしばらくお休みとさせていただきます

 
 


・デュアルメガディアンシー フェアリー/いわ 特性:ジオスケール/きらめきヴェール

 ディアンシ―が二重にメガシンカした姿。

 当然ながらデュアルメガシンカという現象は記録上前代未聞であり、「2人の人間と絆を結び、かつその絆のパワーが完全に同調する」ことでしか発生しない。蜜月のカップルあるいは夫婦ならば理論上は可能だがメガシンカタイミングをあわせない限り二重のメガシンカは起きえない(メガシンカポケモンをさらにメガシンカさせることは、例え2番目メガシンカのキーストーンの持ち主が異なろうとも不可能であり、完全に同時に2つのメガシンカを行わなければならない)である。同じ身体を2つの心が共有する二重人格者ならばこれは「2人の人間がタイミングを合わせてのメガシンカ発動」が可能に思われるが、二重人格ではジキルとハイドのように同時に2つの人格が表出することはなくそれどころか記憶を引き継ぐことすらできないとされているので、二重魂魄という極めて特殊な状況が起こしたイレギュラーと言える。

 メガシンカの二重化の補正は乗算である。すなわち(この世界ではカクミガシ博士がギリギリ辿り着きつつあるがまだ未発見の)種族値という概念を用いると

HP攻撃特攻防御特防すばやさ
ディアンシー5010010015015050600
メガディアンシー50160160110110110700
デュアルメガディアンシー1102562568181110894


 という圧倒的なものとなる(連絡しているアオバ/蒼玻が二重魂魄の都合上判断速度にラグがあるためすばやさは上昇せず、そのぶんHPが圧倒的に上昇している)。

 これは合計種族値と攻撃系種族値でメガミュウツーをも超える圧倒的な数値であり、同じく特異状態であるムゲンダイマックスに次ぐ合計種族値を誇る。防御力に関しても低く見えるが相手の攻撃を相殺できる火力があるため本体防御力は机上数値に過ぎず、トリックルームを覚えている都合上すばやさもいかようにでもなる。まさにチート。こうなるとデュアルメガシンカのシステム上脆弱であるトレーナー側の精神力が唯一の弱点だが、盟約のディアンシー一族の「害意・邪気を阻む」特性が残っているためウスベニ怨霊クラスでもなければ言葉以外の精神攻撃も不可能。当然公式バトルでの使用は自省必須。

 本個体がまぼろしポケモンの中でも特別なディアンシーであるため能力上昇に耐えられるが、神格ではない以上オーバースペックであり、またトレーナー側も魂的には一重分の負担であってもそれを実際に演算している脳神経回路への負担が二重にかかるため、この形態は言わずもがな切り札。

 なおバトルポケモンとしてのスペックであり、神格の権能には及ばないため、種族値上劣る伝説のポケモンに必ずしも勝るわけではない。


 特性「ジオスケール」:数百万年から数十億年かけて結晶するはずのダイヤモンドを瞬時に作りだせる地質時間加速力(アクセラレーション)と、30億年以上ものあいだ姿を変えず眠り続けるダイヤモンドのように変化をゆっくりとさせる地質時間的減速力(ディセラレーション)を使い分ける、いわば時間操作能力。

 致命的な欠点として、生物が化石になるほどの時間を基本スケールとする地質時間と数ミリ秒の解像度を持つ生物時間では数桁以上の差が存在するため、生物の感覚ではアクセラレーションはタイムスキップ(キング・クリムゾン)に、ディセラレーションはタイムストップ(ザ・ワールド)にしか見えないほどのピーキーな時間操作しかできないことが挙げられる。それでいて時間を消し飛ばしたり止めたりしているわけではなく超高速あるいは超低速で進行しているだけであり、時飛ばしや時止めと異なりこの能力単体では勝てない(夏休みを伸ばしたり解答速度を上げても、それだけで夏休みの宿題がなくなるわけではないように)。融通が利かない能力。なお「すばやさ」が上がるわけではない(ワザの発動速度で上回るために使うにはあまりにも時間操作の桁が大きすぎるため)。
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