お嬢様ポケモン世界を往く! ~ポケットモンスターdarkcatastrophe⇔snowwhite~ 作:十二の子
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「我々はゴフク屋加盟、ギンガ団残党!あかいくさり、ちょうだいする!」
(いやさ、GCM社が悪の組織のフロント企業って可能性は高いと思ってたけどさ...)
「…ラスト団じゃなくてそっちにつながってたかー」
(言われてみれば、ギャラクシー・キャピタル・マネジメントのギャラクシーってギンガだもんな!誰か気づいとけよ!)
何者かがアオバのメールアカウントを装って、カグヤにCCして気づくようにするカタチで、ヒスイ分家にあかいくさり譲渡を持ち掛け...そしてヒスイ分家からのCC返信にカグヤが気づくことで、このあかいくさりを巡るフロックス姉妹の旅は始まった。その当初からカグヤも蒼玻/アオバも、アオバのメールアカウントを装った何者かのワナを疑い、犯人がいるとすれば行方不明のラスト団総帥クワズ容疑者ーなにしろ旧フロックス・ホールディンクス副会長だったのだからフロックスグループとフロックス家のセキュリティホールを知られつくしているーだと思った。そしてラスト団残党は取り締まりつくされたのを確認してやってきたのだ。だが事件の黒幕はラスト団残党ではなくギンガ団残党であった。
(まあクワズだもんな...全然関係ない組織を掌の上で踊らせて「ギンガ団残党でもラスト団の役割は『代替』できるッ!」とか言いそうだよな.../本当、何処にいるのかしら...コンフリーが『効率』を重視して手足両方ともサイボーグにしていたのですもの、上司のクワズは『代替』のために肉体のポイ捨てをしてもおかしくはありませんわね…)
組織が崩壊してなお厄介な相手だと、フロックス姉妹はクワズへの憤りを新たにする...今はその時間ではないが。
「…ありがとうございます、アオバさん、カグヤさん。」
レプトシフォンが頭を下げる。
「御心配御迷惑をおかけしました。あかいくさりはお譲りします。」
「いえ...こちらこそ、やりすぎではなかったかと心配していますわ。もしあの生徒会長のことが好きでしたら、個人であらためて婚約なされる分には仲人を務めてもいいくらい。」
「いえ、まったく。それに少し、家に振り回され過ぎました。
重ねて、お礼を」
「礼は不要ですわ。頼まれもせずお節介をしただけですし…
...それに、そんな場合じゃございませんもの。」
「そうですね。
数百年ぶりの本家との共闘、なんだか私、わくわくしてまいりました。」
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夜会が行われていたパーティー会場でも、搬入業者に変装していたギンガ団残党が一斉にポケモンを出している。
「おっと、厨房に侵入しようとは、ぼくら料理部を舐めているのかい?
いいさ、厨房を預かるぼくらの辛さ、存分に舐めて見てくれよ。スコヴィラン、リーフストーム!」
「マホイップ、援護です!デコレーション!」
まき散らされるしびれごなやねむりごなを葉っぱの竜巻が換気口まで巻き上げ、マホイップが生徒たちのポケモンの攻撃能力をアップさせる。
まず、厨房に侵入しようとしていたギンガ団残党たちが料理部によって拘束された。ギンガ団残党はといえば、ハバネロエキスを吹き付けられて催涙弾を受けたかのようなみじめなありさまを晒している。
十数名の料理部が、部長副部長を先頭にしてパーティー会場へなだれこむ。同時に 新聞部の腕章をつけた数人がタギングルに率いられて突入する。
「あーもうあの部長は人遣い荒いんだから…
とっつかまえて独占インタビューしないとドヤされるよ!」
先制的な攻撃を受けたパーティー会場の生徒たちも、増援のおかげでショックから立ち直り、来賓席を守りながら応戦を始めている。
立て直してしまえば、名門ポケモンスクールたるパーシモン・ゼミナール生徒は、そこらの組織したっぱに後れを取りはしない。
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バトルコートでも、戦いは続いている。いやむしろ、バトルコートが戦いの本場だった。ギンガ団残党にとって夜会の場は「ハイペリオンとアオバの決闘を見に行かなかった生徒と来賓だけ」であり、戦力的に大したことがなさそうである上にフロックス本家・ヒスイ分家の人質的価値に比べると生徒の価値が低いのだ。
「ドダイトス!あいつ負けたばっかりだぜ、やっつけろ!」
ギンガ団残党のドダイトスが、ハードプラントで巨重量の植物をぶつける。
「僕らの学び場を侵害したこと、後悔させてあげよう。
僕は『生徒会長』ハイペリオンだ。かかってきたまえ、生徒を代表して相手してやろう...
ハガネール、メガシンカ!」
鋼岩の巨体が身体をしならせ、無数のステルスロックをばら撒きながらギンガ団残党のドダイトスめがけ直進し、ハードプラントを激砕してドダイトスと質量のぶつかりあいをする。
「ならばわたくしも、あくまで一生徒としてですが、本気を出さねばなりませんわね。
イーブイ、はつげんちょうせい『カハリヤツカゲ』!ブロスター、BREAK進化!」
「へっへ、
ギンガ団残党のゴウカザルが、怨みの焔で燃やし尽くすBREAKワザを発動させる。だがイーブイが繰り出す8体の進化系の幻影は焔に突っ込んで、ゴウカザルに至近距離からワザを叩きこんだ。ブロスタ―BREAKからの狙いすましたみずのはどうはギンガ団残党を吹き飛ばして生垣にうずめ、残党の掌の上のボールは開かれずに転がり落ちる。
「蹂躙して、マハリハグルマ!」
ユキコシ地方でないから、
「怯むな!全員ガキだ!やっちまえエンペルト!」「世間知らずの坊っちゃん嬢ちゃんたちだぜ!悪党が負けるかよ!ドラピオンやれっ!」
「本家に世話になりっぱなしというわけにはいきません!
キラフロル、出番!」
「ギンガ団にもGCMにも俺と姉貴はプッツンキテるんだ…コノヨザル、ふんどのこぶし!」
姉弟のタッグは、空中と地上からギンガ団残党のポケモンを追い詰める。
すべては順調、そう思われた。
「あー、あー…
…
ータイプ・ヌル<Copied_LegendⅡ.Emulated_”Arceus”>の Emulated_”さばきのつぶて”!
学園島の空に、光弾が現れるまでは。
ー*ー
「お初にお目にかかります。
ギャラクシー・キャピタル・マネジメントCEOを務めます、アンドロメダと申します。
それとも、こう申し上げたほうがよろしいでしょうか?ギンガ団会計総責任者兼暫定ボス、アンドロメダと。」
慇懃無礼に告げるその男が持っていたのは、18色に輝く、正二十面体のカケラ。
「よりしろさまのカケラ…ですがアレは何をよりしろさまにして…」
思わず跪きたくなる神々しさを輝かせるソレを、アオバは直視できない。
「キミ、いったい何を…」
唯一アンドロメダと面識があった人物であるハイペリオンが、カケラから目をそらしながら問いただす。
「簡単にお答えしましょう、ビジネスですから。
アカギ様が目指された、新世界の創造ですよ。ディアルガ・パルキアそしてアルセウスを直接使うのではなく、アルセウスのプレートを使ってのね。」
アルセウスのプレート…シンオウ神話で言うところの、アルセウスのかけら。すなわちそれは疑似BREAK力場下ではアルセウスのBREAKオーラを放ち、アルセウスの権能を授ける...テラパゴスで、ムゲンダイナで、ジガルデで見てきたことが、最凶最悪のシチュエーションで起きていた。
「ステラーシステムプロジェクトに加わってBREAKオーラの扱いを学び、プレートを18枚集めて全タイプ分のアルセウスのオーラを精製し、いやはや大変でしたよ。
でもおかげで、アルセウスの権能を、手に入れることができました。まだあかいくさりで制御していないので創造的な使い方は不可能ですが、この世界をみなさんが消えた世界にするには充分です…さばきのつぶて!」
ータイプ・ヌル<Copied_LegendⅡ.Emulated_”Arceus”>の Emulated_”さばきのつぶて”!
学園島中に、神光が降り注ぐ。
山嶺はえぐれ、海は蒸発し、建物は砕け散る。それはまさに神の怒りのエミュレートだった。
ー*-
生徒たちが逃げ惑い、教師たちが慌てて応戦を試みるもさばきのつぶて迎撃すらできずに引き下がっていく。
パーシモン・ゼミナールのメイン施設である校舎、寮、バトルスタジアム、夜会会場の大ホールはガラル地方のスタジアムやフロックスセンタービルと同じく
が、建物の影で、諦めていない者たちは多く。
そしてその中に、彼ら彼女らもいる。
「アオバさん、僕に対してキミが思うところがあるのは理解しているつもりだ。
その上で、僕に任せてはくれないだろうか?」
「秘策が、あるのですわね?」
「ああ。
...あの力がアルセウスに由来していると言うのなら、シンオウ神話でアルセウスと戦ったと言われるポケモンなら、勝ち目がある。
僕らアトラスタルのレジギガス、信じてくれ。」
「…先ほどわたくしが倒してしまったばかりで、模造品とはいえ創造神に立ち向かえるのかしら?最盛期でも負けているのですわよね。」
だいたいアトラスタルは新興の家柄、アトラスタル家がその家名を名乗る…つまり
「それについては心配ありません、本家の皆さん。
クレセリア、出番」
レプトシフォンが登場させた三日月の化身が、羽を振りまく。
「みかづきのいのり」
クレセリアから月光が満ち溢れてハイペリオン生徒会長のポケットのボールへと吸い込まれ、代わりにクレセリアは色つやを失ってくたりと倒れた。
「…ヒスイ分家の象徴2体の片割れ、だよね...?それを即戦闘不能にしてまで...レプトシフォンさん、ハイペリオンくんと、実はけっこう相性いいんじゃない?」
「いえ、必要だからそうしただけですよ。」
姉に倣い、ヒスイ分家当主のミクロステリスもボールを取り出す。
「どうせならもう片方も見たいよな?来い、ダークライ、ダークホール!」
フロックス本家が「盟約のディアンシー」を象徴とするように、フロックス家ヒスイ分家がクレセリアとともに代々受け継ぐ象徴的ポケモン、ダークライ。その生み出した黒々たる闇が、建物の影から飛び出してアンドロメダのタイプ・ヌルへと飛んでいく。
「時間稼ぎには充分なはずだ。それで、どうする?」
「レジギガスのスロースタートの解除には充分じゃない。それに、例え解除しても、アルセウスの模造品ともなれば勝てるかは疑問があるね。
だから、アオバさん、カグヤさん、レプトシフォンさん、ミクロステリスくん。僕に、力を貸してくれ。」
答えは、一つだった。
「「「「もちろん」」」」
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建物の影から躍り出る。
「タイプ・ヌル、審判を下すのです。さばきのつぶ」「こっちのほうが早いッ、ダークホールッ!」
いくらアルセウスの権能をエミュレートしていようがタイプ・ヌルの身体そのものは神でもなんでもなく、ダークホールに呑まれれば眠ってしまう。やむなくアンドロメダは「さばきのつぶて」をキャンセルし回避するよう指示を出す。
「誇り高き俺達の燦然、誰にも超えられはしないさ!
/直視すること能わざる高貴なる輝きに、ひれ伏すのですわ!」
-ディアンシーは デュアルメガシンカした!
-ハイペリオン生徒会長は レジギガスを くりだした!
「
-デュアルメガディアンシーの トリックルーム_アクセラレーション!
時間加速空間に、デュアルメガディアンシーとレジギガスが取り込まれる。その地質的時間スピードの中では、生物的時間リミットである「スロースタート」の期限など一瞬だった。
-レジギガスの スロースタートは 解除された!
トリックルームに、ミクロステリスがテラスタルクリスタルを投げ込んだ。
「高級品だが価値はあるはずだ!そのタイプに対応するプレートをアルセウスは持ってねえ!なんてったってそのタイプのポケモンはいねえんだからな!」
「っ、恩に着るよミクロステリスくん!」
-レジギガスは ステラタイプに テラスタルした!
「だったらこれも!テラクラスターを使える、テラパゴスのカケラだよ!」
カグヤがハイペリオンに渡したのは、フロックスセンタービルのステラーシステム心臓部に備えられていたテラパゴスのBREAKオーラ結晶、その結晶片だった。
「キラフロル、おきみやげで弱体化させてください!」
-キラフロルの おきみやげ!
-キラフロルは ひんしになった!
-タイプ・ヌル<Copied_LegendⅡ.Emulated_”Arceus”>の こうげきと とっこうが ぐーんとさがった!
「さて、僕らの決着、つけさせてもらおうか!」
「神を、アカギ様の目指す理想の世界の完成を、邪魔するんじゃぁないですよォッ!」
レジギガス<テラスタル:ステラ>の テラクラスターBREAK!
巨人が色とりどりに点滅・閃光し、その胸から目もくらむ極光が迸る。
ータイプ・ヌル<Copied_LegendⅡ.Emulated_”Arceus”>の Emulated_”さばきのつぶて”!
模造神の後光がビームとして集束し、思わずひれ伏したくなる神威を伴った神光が撃ち出される。
「やってしまうのですヌル!
神話の再現をここに!神の力の御前であるのですよ!」
極光と神光が衝突し、膨大な光量に誰も目を開けられず、ただアンドロメダだけが網膜を焼かれながら叫ぶ。
「そして神の御代が訪れるッ!」
「レジギガス!変えろ!お前自身の力で『仕方がない』を!
神を、神話を超えて見せろッ!」
神の威光に目をつぶされてか、巨人の巨光に目をにぎりつぶされてか、アンドロメダの永久に消えた視界では、その光景は映らなかった。
ーレジギガス<テラスタル:ステラ>の ギガインパクト!
デュアルメガディアンシーによる時間加速の影響を受けているレジギガスの巨体は、物理法則を無視した超高速で、タイプ・ヌル<Copied_LegendⅡ.Emulated_”Arceus”>に衝突した。
キノコ雲。
爆風に吹き飛ばされ、アンドロメダは新世界の夢を見ながら気を失った。
ー*-
ー「どうやら、姉妹は狙い通り、あかいくさりを手に入れたようだな。。」
「クワズ様の、電子の海を漂ってもなお策謀を続ける悪党魂、このヌスビト、感服ですな。」
-「ヌスビトこそ、これからギンガ団派に粛清の雨を降らせるつもりだろう?」
「まさか。我がゴフク屋は悪の互助組織。構成員の悪業を助けこそすれ懲らしめなどしないのですな。
ただ、たまに大それた企みが失敗して懲りたとしても、それは全然知ったこっちゃないのですな。」
-「ヌスビト、お前の話は話半分に聞いておくよ。やりすぎて懲りるように裏で仕向けてるだろういつも。」
「それより、あかいくさりをフロックス家に手に入れさせたという事は、それを使う何かの役割を彼女たちに『代替』させるつもりですな?
ネット空間を漂う電子意識になった今のクワズ様には、あかいくさりは扱えませんですからな。」
-「いいやヌスビト、もともとこれは俺の役目じゃない。
因果の輪は、閉じられなければならないだろう?
2000年前に古代ユキコシ文明を消し去った『闇から顕れし破壊神』。それを封じるのは、古代ユキコシ文明の末裔たるフロックス家でなければならない、それが歴史のロマンというものではないかね?」
次章予告
あかいくさりを携え、ユキコシへ舞い戻ったフロックス姉妹。
「いいところに来るじゃねぇか。」
「なにしろ、せっかくならキミたちにも、見てほしかったからね、この光景を。」
だが、事態は急転直下していく。
「…さあお出ましだ、闇から顕れし破壊神…ギラティナ!」
時を同じくしてはてやま山頂を訪れたホープ団、そして、2000年前にユキコシ地方を時空ごと破壊した伝説のポケモンが、ついにその姿を顕した。
判明する真相、蹂躙される現代ユキコシ。
「早く。もうこんなじゃ、私は助からないから…」
「討ち死にするなら城を枕に、とでも言いたいのかの?」
そして、災禍は世界へと拡大する。
「ゲンシカイキだ。この星に住む者として、きみたちはホウエンで一番強くてすごいぼくに、勝てるかな?」「ギラティナを倒さなければ世界は終わってしまうわ。アルセウスを召喚するしかない。」「ガラルチャンピオンとしての責務だよ。あなたたちには、負けられない。」
世界が滅亡の危機に瀕するさなか、転生者と令嬢姉妹の物語はクライマックスへと奔る!
「お姉ちゃん、これが私の、
「だったら悪役令嬢でもなんでも/やってみせようじゃありませんの!」
~次章、転生ポケモン令嬢最終章「雪解け花開けユキコシよ!」~
ー(だって、わたくしたちは将来を誓い合ったんですもの)
乞うご期待!