気がついたら無敵だった、そして勃起も止まらなくなっていた。だから俺は裏でこそこそ生きていく。   作:でぃくし

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熱風乾燥犬②

「……そうか、ロボットさん。それはきっとありがたいという感情だよ!」

 

「ありがたい?」

「ああ、こんなことはありそうにもない。有ることが難しい、だから有り難いと言うんだ。……しかし、ロボットさんと呼ぶのもなんだかおかしいな。君にはなにか名前はないのか?」

 

「いいえ、特には……」

「物資クレールとかでいいんじゃね」

 

「い、いや、そういうのはちょっと……ええと、そうだな。君の機械の体には何か名前があったりはしなかったか?プロジェクト名とか?それを呼び名としようか」

 

「この機体はアラミサキシリーズのX83型と呼ばれていました。アラミサキは視覚に特化した偵察用ドローン、通称目玉こぞうの設計思想をベースに……」

 

「ならドロンめだ丸で」

 

「あ、い、いや、それだとあんまりというか……そ、そうだ!アラミサキから名前を取って、ラミッサというのはどうかな!?」

 

「ラミッサ……ですか?」

 

(ミサキじゃないのかよ)

 

取りあえず俺のセンスは最悪のようで一切受け入れられなかったものの、ロボットはケンドーマスクが与えた名前をいたく気に入ったようで独り言のようにぶつぶつとくり返していた。

 

「ラミッサ……私はラミッサ……ああ、とても素敵です。これからはそう名乗りますね!」

 

こうしてロボットの名前はラミッサに決定したわけだが……まあ、どうでもいいよな。

 

ケンドーマスクはテントからドライバーを取り出すとペン代わりに地面に何か文字を書き、そしてうんうんと頷いてみせる。

 

ラミッサ、とでも書いたのかと思ったら違った。

 

「こうして書いて見るとX83型の83って、おっぱいとお尻に見えるな!」

「……」

 

「ケンドーマスク様はおっぱいとお尻が好きなのですか?」

「そりゃ好きだとも!!」

「好きなんだ……おっぱいとお尻が……」

 

「おい、そんなことより物資の話だろうが……」

 

「そ、そうだった!ラミッサちゃん、君が蓄えていたという物資ってのは何なんだいっ?」

 

「金塊です」

 

「「金塊!!?」」

 

俺とケンドーマスクはほとんど同時に驚きの声をあげていた。

 

「そ、そりゃ大変素晴らしいがどこからそんなものを……?」

 

ケンドーマスクの質問にロボットの残骸改めラミッサが答える。

 

要は犯罪組織の取引で金が使われることが多いらしく、密輸された貴金属だの山林に埋められた延べ棒だのをドローンを使い、セントラルを刺激しない範囲でこそこそと回収していたのだという。

 

「ははは、よかったなケンドーマスク。悪党どもの金だとさ……これで気がねなく無駄遣いができるな」

「い、いやあ……ゴホンっ、も、もちろん君と私とで山分けだぞ」

 

「いらねーよ。全部あんたのもんだ」

 

「なっ、な、なー何を言ってるんだ君わぁ……き、金塊なんだぞ……」

「俺よりあんたの方が困ってるだろ」

 

「で、でも……ほ、本当にいいのか?」

「ああ」

「本当に、本当にかっ!?」

「いいよ」

「後になってあの時の金塊を寄こせ!とか言われても困るぞ!」

「言わねーよ」

「ぴかぴか光ってるのをいざ目の当たりにしたら心変わりしてしまうかもしれないぞ!」

 

「しつけーな!別にいいよ。気にすんな」

 

物資はロボットが自由を得るための協力費という名目で、そして俺は別に協力者でもなんでもないしな。

 

しかしそんな俺の考えとは裏腹に、ケンドーマスクは俺の態度にショックを受けたのか、剣道の面を脱ぎ捨てると両手を地面につき、ボロボロと涙をこぼし始めた。

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