琥珀色の夢幻はどこまでも   作:makoron

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現実世界からアニメのポケモン世界にトリップし、色違いのラティアスになってしまった所から始まる物語
ラティアスになってしまった以上この姿で生きていくしかない、だけどどうすれば良いのか全く分からない
ラティアスの身体の事はラティアスやラティオスに聞けばいい、そう考えて彼女はラティ探しの旅に出る

前後編を予定しております。今回は前編です。


水の都編
琥珀色の夢幻はどこまでも 前編


~目が覚めたら森の中だった~

 

私は元々は日本という国で生きていた一人の人間である。毎日仕事をして、たまの休日にポケモンのゲームで遊んだりアニメを見たりと、普通に暮らしていた。

ある冬場の朝に出かけようとアパートの階段を降りていたら、凍結していた階段に滑って転落してしまった、地面に激突する直前まで覚えはあるがそれ以降から今までの記憶がない、死んだのか、あるいは気を失って病院に搬送されたはず

 

 

『そう思ってたんだけどな、ここってどう見ても森よね?』

 

記憶を辿っても転落してから先の記憶は今ここにいる森にしか結びつかない

それにさっきからなんか身体が動かし辛い、自分の身体じゃないみたいで変だ

 

『って、え?これって…』

 

ふと自分の両手を見たら人間の手はそこになかった、楕円形の黄色い腕の先に

大きな3本の爪があった

 

ガサッ

 

横の草むらの中から音がしたので目を向けたら

 

『…キャタピー?』

 

そこにはポケモンのキャタピーがいた

 

『え、どういうこと?ここってポケモンの世界で私は転移したってことなの?』

 

信じられないと何度も頭の中がぐるぐるする、これは夢?と考えもするけど

明晰夢にしては意識はハッキリとしている

 

『それにこの身体ももしかしてポケモンで、私はポケモンになっちゃったってこと?』

 

自分の身体を見てみるとお腹の所には緑色の三角形の模様があり、背中にはジェット機のような黄色の翼が生えている、こんな身体を持っているポケモンは1つしか思い浮かばない

 

『わ、私ラティアスになってる…?しかも色違いの!?』

 

本日何度目かの衝撃を受ける、ここまでを通して考えてみると私は元の世界で転落した時にショックで死んだか何かのはずみにここポケモンの世界に吹っ飛んで、何故か色違いラティアスになってしまったと

 

『改めて羅列すると意味が分からない、それにこのラティアスってひょっとしてコハクなのかな?』

 

コハクとは、私がポケモンのゲームで愛用していた色違いラティアスのニックネームだ、ORASでゲットしてからポケモンバンク、ポケモンHOMEを経由して剣盾や最近DLCで解禁されたSVでも連れてきて一緒に旅をした程のお気に入りポケモンだった、流石に廃人勢だったり、対人のランク戦をやり込むようなガチ勢ではない、あくまで楽しんで遊ぶエンジョイ勢だから別にレベルカンストとか厳選とかやり込むようなことしてない、まぁ色違い出るまで粘ったくらいか

SVではシンクロシステムという機能によりプレイヤーがラティアスとシンクロして

彼女を操作出来た時は凄く爽快だったな〜、でもまさか本当に自分がラティアスになるなんて思いもよらなかったけど

 

『…?これは、ラティアスナイトとキーストーン?』

 

ORASを遊んでた時に持っていたものだ、やはりこのラティアスの身体はコハクなんだ、色々気になることはある、何故コハクの身体に憑依したのか?とか、このコハク自身にあったはずの人格…いやポケ各?意識はどうなったのか?とか

もしもコハクの意識を乗っ取ってしまったのならと考えると罪悪感が重くのしかかってくる、しかし本当にそうなったのかどうかを確かめる術はなかった、重くなった気を取り直して改めて現状を考えてみる

この身体がコハクであるなら、ここはホウエン地方なのかな?でも、キャタピーはホウエンにはいなかったはず、ということはカントー、ジョウト地方になるのかな?カロス地方のハクダンの森とかアローラ地方とかガラル地方のワイルドエリアとかの可能性も色々考えられるけど…

 

『このままじっとしていられないよね、それにこの身体だとロケット団とかに目をつけられたら危ない』

 

ただでさえレアな伝説ポケモンであるラティアスなのに、その色違いとなれば悪の組織やポケモンハンターに目をつけられたら非常にまずい、ラティオスやラティアスはそれに対策できるように特殊な羽毛で透明になったり人間に変化したり出来た筈だ、これはアニポケでもそうだったし、ポケスペでも人に変化してメイドになってたりしてたから、だけど…

 

『……いや、どうやったら出来るのそれ?わからないよ』

 

分かるはずがない、突然人間からラティアスになってしまったのに技や変身のやり方なんて

 

『まずは飛ぶところから覚えよう、変身や技はその後にしよう』

 

ラティアスのことを聞くなら他のラティオスやラティアスに聞くのが1番だろう、でも野生のラティアス達が何処に生息してるかなんて分からない、ホウエンなら南の孤島に行けば会えるかもしれないけど生憎ここはホウエンではなさそうだ、アローラだとすればウルトラワープライドじゃないといけない所だし、ガラルなら冠の雪原だ、他の地方でも特定のアイテム持ってないと会えないし、徘徊型だったりとどれもこれも出会うまでが難しい

流石に伝説ポケモンだから気軽に会えるわけはないのは確かだが

 

『あとは、アルトマーレくらい?』

 

アルトマーレとは劇場版アニメポケットモンスターの『水の都の護神ラティアスとラティオス』に出てきたジョウト地方のヒワダタウンから南に行った海の真ん中にある街だ、あそこの街の隠された秘密の庭園にラティオスとラティアスの兄妹が住んでいるはずだ、無論この世界がアニメの世界か、あるいはゲーム世界でも描写はされてないがアルトマーレが存在している事が前提だけど

 

『兎にも角にもまずは移動手段を覚えないと、人に見つからないように飛ぶ練習をして、情報収集もしないと』

 

とりあえずさっきからこちらを観察してるキャタピーに話を聞いてみよう

 

『えーと…そこのキャタピーさん?聞きたいことあるのだけれども、大丈夫かな?』

 

「…!!」ビクッ

 

『あ、いや大丈夫大丈夫、危害を加えたりしないよ、質問したいだけだから』

 

「…」フリフリ←頷いてる

 

『ありがとう、とりあえずここって何処なのかな?』

 

あれからキャタピーから色々聞いたところ、やっぱりここはジョウト地方のようだった、そしてこの森はウバメの森ということも分かった。にしてもキャタピーの言葉が理解できるあたり、自分がポケモンになってしまったと改めて思い知らされる

 

『となればここからヒワダタウンは隣だし、そこから南に行けばアルトマーレがあるかもしれない!』

 

そうと分かればまずは飛べるようになったらアルトマーレを探してみよう、ラティオスやラティアスは映画での描写を見てると水中も移動出来るので水の中を渡って行けば人に見つかるリスクも少ないはずだし、森や川に身を隠しながら移動することにした

 

『キャタピー君ありがとうね、それじゃまずは飛ぶ練習から始めないと』

 

教えてくれたキャタピーにお礼を言い、別れた後は飛ぶ練習を始める

まずは翼を動かしてみようとするけど

 

『ラティアスって翼で羽ばたくような飛び方じゃないよね、どう見てもそのまま浮いてたよね』

 

ゲームやアニメのラティアスは普通に浮いて、進む時は飛行機のように進んでた

やはりエスパータイプもってるからサイコキネシスみたいな不思議パワーで飛んでいる感じだと思う

 

『じゃあ、念じてみるとか?』

 

『(浮いて…浮いて…飛んで!)』

 

頭の中で反芻するように念じる、すると

 

フワ〜

 

『……やった、浮かんだ!……っとと!?』

 

その場で少しだけ浮遊出来たので喜んだが、その拍子にバランスを崩して落ちそうになる

 

『ちょっと油断すると落ちそうになる、反復練習するしかないかな』

 

しばらくは上手く浮かぶ練習を続ける形になりそうだ

後の問題は食べ物と寝床だ、食べ物は木の実を探すとして、ここで練習している間の寝床は確保は優先事項だ、森の中で目立つ所に寝転んでいたら野生のポケモンとトラブルになったり旅のトレーナーに見つかったらゲットされるかもしれない、トレーナーが良い人なら大丈夫かもしれないが、性格に難がある人とか悪の組織なら…考えたくもない、仮に普通のトレーナーでも、リーグ優勝とかを目指してる人ならたとえ伝説ポケモンといえど戦えない私に業を煮やして「使えないな」とか言って捨てられたりとかあるかもしれない、メガシンカアイテムまで持ってるのに私はバトルはする気にはなれない、痛いのは嫌だ

 

『見つかりにくい木の上とか木の洞とかにしとこう』

 

そう考えて寝床探しのため陸の上のラプラスみたいに這って移動する

 

『早く自由に飛べるようにならないと』

 

改めてそう決意した

 

探してる途中にモモンの実やオレンの実など木の実を見つけた時は飛ぶ練習も兼ねて

浮遊して取っていく、持ち歩くにも嵩張るのでその場で食べる

 

『甘くて美味しい〜、こんな味なんだ木の実って』

 

オレンの実はオレンジに、モモンの実は桃に似た味だった

マトマの実は、口から火炎放射出そうだから見つけたとしても止めておこう

何度か飛ぶ練習してるうちにある程度は横方向にゆっくりとではあるが移動出来るようになってきた、これならハイハイ移動に頼らなくてもよさそうだ

 

『あ、あの辺りの木の上とか良さそう』

 

良い寝床になりそうな所を見つけたので確かめてみることにした

木の上の葉っぱを退かして中を覗いてみると

 

「スピ?」

 

そっと閉じた

 

 

……

 

 

 

ブウゥゥーーーン!!

 

 

『イィィーーヤァァァァ!!!ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!スイマセーン!!』

 

複数のスピアーに追いかけられて泣き叫びながら必死に逃げる

エスパー技使えればこうかばつぐんで撃退出来たかもしれないが生憎使えないので

ひたすら逃げる、さっきまでゆっくりとしか飛べなかったのに信じられないくらいの速さで飛行しているが必死なので気付いてない、それでも本来のラティアスの速度には及ばずスピアーを振り切れないでいる、追い付かれたらヤラれる!どくばりとかどくばりとかどくばりで!

 

『痛いのはイヤーーー!』

 

必死に逃げていくと川が見えてきた

 

『!!水の中に逃げ込めば!』

 

ドブン!!

飛んでいる勢いのまま川に飛び込み、流れに沿って下流に逃げる

流石にここまでは追ってこないのかスピアー達は諦めて帰っていった

 

『ッッ…!ハァ〜〜死ぬかと思った、まさかスピアーが居るなんて思わなかった』

 

ある程度下流に行ったところで川から上がり息を整える

そこで冷静になった所で気付く

 

『あれ?今結構な速さで飛べた?』

 

どうやら火事場の馬鹿力的な感じで飛べたようだ

試しに普通に飛べるか試してみる、さっきの感覚をイメージして飛ぶと

 

ひゅいーーん

 

それなりの速度で飛べるようになっていた

 

『やったー!怪我の功名かも!』

 

ハルカみたいな言い回しで喜ぶ、飛べるようになったなら早速ヒワダタウンに向かうべきか?

 

『…いや、もう少しだけ練習してからの方が良いかもしれない、調子に乗って途中でバテたりとかになると洒落にならないし、それに技も分かりやすいやつならそれっぽく出来るかもしれない』

 

ノーマル技の一部くらいなら見様見真似で何とか使えるかもと考えてみる

すてみタックルとか、とっしん……

自分も痛いやつばかりしか思いつかなかった

 

『あれ私も痛いからヤダ、10まんボルトにするー!(某名探偵風)………出来ないけど』

 

冗談言ってる場合じゃない、事は死活問題だから真面目に頑張ろう

改めて周囲を探策し、川のそばに良さそうな木の洞を見つけたのでそこを拠点にしてしばらくは飛行と技練習の日々に費やす……

 

数日間くらいはそんな生活をしていたが、特にトラブルに遭うこともなく技や飛行も何とか形になってきた、飛行はともかく技はとっしんだけだけど…ダンバルかな?

 

『そろそろヒワダタウンに行こう』

 

そう決めて出発の準備をする

 

『みんなありがとうね、私もそろそろ出発しないといけないから』

 

ここ数日間で仲良くなったあのキャタピーを初めとしてお世話になった森のポケモン達にお礼と挨拶をすませた後、森や川の中に身を隠しながらウバメの森から出発していった

 

 

side S

 

 

主人公が出発した少し後

 

「はやくコガネシティに行って次のジムバッジもゲットだぜ!」

「はは、あんまり張り切りすぎてガス欠になるなよ」

「そーね、いつもそれで調子に乗って痛い目に遭うんだからね」

「なんだよ2人とも〜、ひとまずこのウバメの森を抜けないとな」

 

「カモネギ!"いあいぬき"だ!」

「カモ〜……」

「どうしたんだよカモネギ!"いあいぬき"だよ!」

 

「ん、いあいぬき?」

「確かにそう聞こえたな」

 

 

彼らとの運命が交差するのは、もう少し先のお話

 

 

side out

 

 

 

ここまでの登場キャラクター

・主人公

現代日本からポケモンの世界にトリップして何故かゲームで愛用していた色違いラティアスの姿になってしまった、トリップ前は普通に会社勤めのOLで休日にはポケモンのゲームで遊んだりやアニメを見てた、ゲームはガチ勢やランクマ勢等ではなく普通に楽しむエンジョイ勢、ラティアスがお気に入りポケモンでORASで色違いをゲットしてからHOMEやバンク等経由して剣盾やSVにも連れて行った、色違いラティアスのニックネームはコハク(琥珀)

 

・通りすがりのキャタピー

ウバメの森に生息していたキャタピー、急に主人公(ラティアス)に声をかけられててびっくりしたが敵意がないのが分かって質問に快く答えてくれた優しい子、キャタピー曰く主人公は急に何も無い所から光って現れたとのこと。

 

・スピアーさん達

木の上に巣を作っていたスピアーさん方、急に覗き込んできた主人公のことを縄張り荒らしに来た敵と判断し一斉に襲いかかる、相手が思ったより早く、更に水の中に逃げ込まれたので、もうこれで来ないだろうと考えて撤収、アニポケではお約束の展開

 

・主人公(ラティアス)と入れ違いになった旅人御一行

言わずと知れた超有名人の少年達、ヒワダタウンからコガネシティを目指しているようだ、この後、炭焼き見習いの少年とカモネギに出会う

 

 

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~ウバメの森の道中~

 

出発してからウバメの森を進んでいくが同じような景色ばかりで本当迷いそうになる

道行くポケモン達(大人しめの子達)に道を確認しながら人には見られないように

ゆっくりと進んでいく

 

『少しずつしか進めない、人に見られない雲の上まで飛んで一気に進んでも良いけど、でも方角がハッキリ分かる訳じゃないし変な方向に進む危険あるからやめとこう』

 

時間はかかるがあまり目立たたないように進む方を選ぶ

時々木の上に登り、こっそり頭だけ出して周りを見渡し自分の位置を確認する

すると、遠くにうっすらとだが街らしきモノが見えた

 

『あ、多分ヒワダタウンね、良かった……道は間違えてなかったみたい』

 

後は街の方向に向かって進むだけだ

しかしまだ距離はある、一気にひとっ飛びすればすぐ着くと思うが

誰に見られるか分かったもんじゃない、姿さえ消せればそんな苦労は無かったけど

確か特殊な羽毛で光を屈折させて姿を消したり人間に変化してるらしいね

自分の身体を改めて見てみると全身モフモフの羽毛が生えている

ゲーム最新作のSVで初めてラティオスラティアスの身体中は毛で覆われている表現が

された、グラフィックの進化って凄いよね、ミロカロスには鱗がちゃんとあったし、クレセリアもモフモフだった。

 

『うーん…羽毛でどうにかするって言っても、やっぱりやり方を知らないとやりようがないよね』

 

アレコレ試してはみていたが身体が透き通るような事は起こせなかった

知ってるラティ達に教えてもらうしかないな〜と改めて思った。

木の上で思考の海に沈んでいると…

少し離れた辺りでガサッと茂みが揺れる音がした、野生のポケモンかな?と

思ったが、その後に続いて人の話し声が聞こえてくる

 

『!! 人だ、姿見られたらまずい…!』

 

急いで反対方向へなるべく物音が鳴らないように飛んでその場から離脱する

 

 

side R

 

「いてて、また結構な距離吹っ飛ばされたな」

「ったくもう何でいつもこうなるのかしら!」

「あ〜、お腹すいたのニャ〜」

「ん…何だ?」

「ちょっとどーしたのよ、木の上なんて見て」

「あ、いや何か見覚えないポケモンがいたような気がしてさ」

「どこよ?何にもいないじゃない」

「うーん…見間違えたかな?何か黄色かったしスピアーか?」

「ニャニー!それは危ないニャ!早く離れるニャ!」

「そーよ!また追いかけ回されるなんてゴメンだわ!それにジャリンコ達にはやく

追い付かないと行けないし、とっととこの森を抜けるわよ!」

「わ、分かったって引っ張るなよー!」

 

ドタドタドタ!

 

胸に大きなRの文字が付いた服を着た男女と喋るニャースの3人組はその場を後にしていく

 

 

side out

 

 

『危なかった…見られたら騒ぎになるかもしれなかったし』

 

急いで離脱したから誰が来たのかまでは姿を見てないので分からなかった

 

『多分旅人かポケモントレーナーだろうな、街も近くなってきたし気を付けて行こう』

 

今まで以上に警戒しながらヒワダタウン目指して森を進む

ここまでは順調に来たけど、このまま何事もなく着くといいな

…フラグじゃないよ?

 

そろそろ日も暮れる、街に付く前に夜になりそうだ

私が人間だったなら街に急ぐところだが、あいにくポケモンなので

ホテルやポケモンセンターに泊まることは出来ないから急ぐ理由はない

出発前と同様に野宿することにした

木の実を採って夕飯を済ませ、適当な寝床を探す

最初の時のようにうっかりスピアーさん達の巣にお邪魔しますとかしたりしないように注意は忘れない

手頃な木の洞があったのでそこに葉っぱとかを沢山集めてそこに埋もれるように身体を入れる、木の洞の前にも生垣みたく葉っぱや小枝を積んで、パッと見だと分からないように細工してから眠りに付く、寝てる間に誰かに見つかったら洒落にならないからね

 

翌朝

 

『ふわぁぁ〜、もう朝かぁ』

 

寝ぼけ眼で目を開けて木の洞から抜け出す、一応昨日作った生垣の陰から周りに人気が無いか確認してから外に出た…が、少し様子がおかしい、何だか森がざわついてるような…?

 

レビィィーー……!

 

森の奥…私が今まで移動して来た方向から何かの声が聞こえた

その声は以前に聞いた事があった、この世界に来る前の話だけど

 

『セレビィ?いやまさかね…』

 

確かにウバメの森には固定でセレビィが出現する

祠にGSボールを置けば出てきたはずだ

 

『ゴールドかクリス(クリスタルの主人公)がボールを置いてセレビィを出したとか?』

 

考えられるのはそのくらいだ、ということは今の時間軸は金銀あたりになるのかな

確証は持てないけど思わぬ所で今の時間が知れた、かもしれない

 

『セレビィ…か、気にはなるけど関わる理由は特に無いよね』

 

セレビィという幻のポケモンを直に見てみたいなという気持ちはあるが

わざわざ人に見つかるリスクを負って見に行く必要性は無い

生で伝説ポケモンを拝めるチャンスというのは確かに魅力的だが

 

『鏡見れば済むだろ?ってツッコミが入りそうだけど』

 

今の身体はラティアス(色違い)だ、下手なレアポケモンよりレアだもんね

 

『とりあえず今は街を目指して進もう』

 

寝床の後始末を済ませ出発した。

 

side G

 

マサラタウンから来たという少年達から預かったこのGSボールというものは

全くもって不思議なボールだった、かのオーキド博士やウチキド博士が調べても

結局解明されなかったという代物だ、ボール作りの職人としては興味がそそられるのは当然だった、あれから調べてみたがやはり大した事は分からなかった

そこでふと思い出した事がある、ウバメの森の一角には祠が建てられてて

祠の中にはボールを置くような土台が設置されているという話だ

 

「ものは試しと置いてみたら、まさかああなるとはな」

 

GSボールを祠に置いたら、なんとセレビィが現れたのだ

祠にまつわる伝説はこのことだったのか…

現れたセレビィはそのまま北の方向へと飛び立って行った

 

「あの方向は…エンジュシティとアサギシティの間辺りか」

 

ワシはすぐにオーキド博士に連絡を入れた

 

「何!セレビィじゃと!?」

「ああ、どうやらGSボールとやらはセレビィに深く関わりがあるようじゃった

 セレビィはそのままエンジュシティの先の方向へと飛び立っていったようじゃ」

「……そうか、そういうことじゃったか」

「ぬ?何か心当たりでもあったか?」

「あ、いや何でもない、調べてもらって感謝するぞ」

 

プッ(テレビ電話を切った)

 

オーキド博士の脳裏には数十年前の思い出が蘇っていた

 

「こういう繋がりだったんじゃな、このあとお主は時を渡って来るんじゃろう?

 のう、セレビィ…」

 

side out

 

 

ここまでの登場人物ほか独自設定について

 

・男女と喋るニャースの3人組

こちらも言わずと知れたラブリーチャーミーな敵役

某ピカチュウと珍しいポケモンを狙って昨日も今日もわるだくみ

果たしてホワイトホール…白い明日は待っているのだろうか

 

・ボール職人のお爺さん

ゲームでもアニポケでもGSボールと関わる人物

マサラタウンの少年にはルアーボールを作ってあげた

後々そのルアーボールには踊り好きなワニノコが入る事になる

 

・オーキド博士

ゲームでもアニポケでも有名なマサラタウンに住むポケモン研究の第一人者

よく川柳を詠む、そしてポケモンにスキンシップをとって手痛いお礼を

かまされるがいつも無事である、この人も紛うことなきスーパーマサラ人

セレビィとは過去に深いつながりがあるらしい

GSボールの件は何か分かれば某少年にも共有するつもりだったが

セレビィの件は何やら複雑な事情があるらしくあえて伝えないことにした

 

・GSボールについて

アニメでは結局解明されないまま完結してしまい永遠の謎となったボール

ポケモン金銀クリスタルverのセレビィ出現用アイテムという設定を持ってきた、現れたセレビィはこの後エンジュシティの先のハテノの森という所に移動し時渡りをする、時渡りをした先でセレビィはある少年と出会う事となる

 

色々矛盾点とかあるが細かい事は目をつぶって下さいませ…

 

 

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~ヒワダタウンからアルトマーレへ~

 

『…やーっと着いたぁ!遠かったよ〜』

 

森の中を隠れ隠れ進んできたのでえらい時間がかかった

ようやく街の外れ辺りに到着した

 

「やぁん?」

 

『あ、どうも…』

 

通りすがりのヤドンに声をかけられたので挨拶を返す

街の至る所にヤドンが居る、この街ではヤドンは特別な存在のようだ

 

『さーて、ここからアルトマーレは真南だったはず、まずは港の方に行こう』

 

人目を避けつつ海の方へ移動する

しかし、真南と言っても港からアルトマーレが直接見える程近いわけじゃない

確かアルトマーレに渡るにはヨシノシティ近くからフェリーが出てるって話だったはず、ならそのフェリーを見つけて海の中からこっそり付いて行くのが確実かな

まずはヨシノシティの方向へ行ってみよう、確かヒワダタウンから北東だったはず

海の中に入ればそこまで人目を気にせずスピード上げて移動できるし

海の中から北東方向へと移動する。

 

しばらく水中飛行で陸地から付かず離れずの場所を進んで行くとフェリー乗り場らしき場所を見つけた

 

『あった!多分あれがアルトマーレ行きのフェリー乗り場…だよね?』

 

はっきりそうだとは断言出来ないが十中八九そうだろう

行き先の看板を見てみようと思ったけど…

 

『あ、そうだ…ポケモン世界の文字って全然分からないんだった』

 

発している言語は日本語だが文書や字はそうではない

なんとももどかしいが、ならば聞き耳を立ててみると

アナウンスでアルトマーレ行きだと言われているので確信を得た

 

『よし、あとは海中からフェリーの後を付ければ大丈夫そう』

 

ようやくアルトマーレに行ける目処がたったので安心する

フェリーが出発するまでまだ時間があり、暇なので周りの野生の水ポケモンと交流する

 

『へぇ〜、ヨシノシティではそんな事があったんだ』

「トッサキィ~ん」

 

何だか姐さん気質のトサキントさんに雑談気味に情報を聞いてみる

…改めて思うけど、ポケモン同士だと普通に言葉が分かるんだね

耳で聞く分には鳴き声にしか聞こえてないのに不思議と何を言ってるのか分かる

ポケモンってやっぱり不思議な生き物だ

 

ここまで友好的なポケモンと多く接してきたため油断してたんだと思う

最初の時のスピアーみたいに他のポケモンに襲いかかる危険なポケモンもいるって事をあまり考えてなかった、まさかこの後あんな事になるなんてこのときの私は思いもしなかった…

 

『あ、そろそろフェリーが出発するみたい、ありがとう〜トサキント姐さん』

 

ブンブンと手を振ってトサキント姐さんと別れ、フェリーの後方にスタンバイする

間もなくフェリーは出発し、後から付いて行く

あまり海面に近づき過ぎないかつ遠すぎない深さの位置を保ち進む

海面近すぎると影でフェリーの人に気づかれちゃうかもしれないからね

特に何事もなく水中飛行していたが、とうとう島が見えてきた、いや島というより海上都市だ、水中からでも分かる、とても綺麗な水の都だ、あれがアルトマーレなのだと

 

『凄い…本当にヴェネツィアみたいだ、水の都って感じ』

 

ここまでくればフェリーの先導も必要ないのでフェリーから離れ

何処から街に入るか探ってみようと街の外側を散策する

 

『水路があちこちにある、まるで迷路みたいだ、どうしようかな…』

 

やみくもに入っても迷路のような構造を抜けて秘密の庭園に行けるとは到底思えない

どうにかして庭園にいるラティ達にコンタクト取れれば良いんだけど

アルトマーレに着いたは良いがその後の事は深く考えてなかったのがイケなかったな

色々どうしようかなと考えて散策してたのが災いした

 

ドンッ!

 

前をよく見ずにいたのもあって何かにぶつかってしまった

 

『いたっ!な、何?』

 

ふと前を見たらゆっくりとこちらを振り返るポケモンがいた

 

『……ドククラゲ…?』

 

ぶつかってしまったのはドククラゲのようだった

そしてその表情は明らかに敵意を持っていた

当然だ、相手からしたらいきなり身体をぶつけられたのだ

攻撃されたと認識してもおかしくはない

 

『あっ!ごめんなさい…!違うの、決して攻撃しようとかそういうの、じゃ…!?』

 

問答無用とばかりに触手を振って攻撃を仕掛けられる、慌てて避けるが

身体を少し掠めた

 

『…!!ッッッ』

 

ポケモンは怖い生き物です。

 

ふと頭に浮かんだのはレジェンズアルセウスに出てきたラベン博士の言葉だ

野生のポケモンは時として平気で人や他のポケモンを襲う

当たり前の事だ、アニメだとその辺りはぼかしたり、コミカルに描いてたりすることが多いが現実は違う、普通に生き死にが伴う弱肉強食の世界

キャタピー等がポッポやピジョンに捕まった後、どうなるかは想像が付く

つまりは"そういう目的"のために捕獲するのだろう…

 

『…!に、逃げないと!』

 

慌てて逃げようとするが、背を向けると攻撃が飛んできて当たりそうになる

バトルの経験なんてないから勝てる気はしない

どうする…?どうする…!?

一撃与えてその隙に離脱する

考えてもこのくらいしか出てこない、これでやるしかない!

 

『こっ…のぉ!』

 

ウバメの森で練習したとっしん(もどき)を全速力で当てに行く

ラティアスの素早さ値はドククラゲより早い

その差もあって攻撃を当てることに成功する

ドククラゲがノックバックしてる隙に全力で逃げる!

 

『よし!このまま水路の先に逃げよう!迷うとかそんなの考えるのは後回し!』

 

そう考えて逃げに徹する…だが

 

ドシュッッッ!!

 

『ーーー!!!!ッッ〜〜〜!!』

 

背中に衝撃と激しい痛みが走る!

背中を見たら紫色の粘液がべっとりと付着していた

 

どくどく

 

相手を猛毒状態にするどくタイプの技だ

そんな技をドククラゲは撃ってきて命中させてきた

直撃したので猛毒状態になったのだろう身体中を痛みと怠さが襲う

しかし動かなければ更に追撃を食らうのは確実だ、痛みを押して

逃げる、水路内を当てずっぽうに曲がって離脱する

流石にそこまで逃げればドククラゲは諦めたのか、追うのを止めて違う方向へと泳いでいった

 

『…良かった、なんとか撒け…た…けど』

 

しかし逃げれたといえど今は猛毒状態、段々と痛みが酷くなり身体も重くなってきた

もう進むのも辛い…

 

『そ…んな…やっ…とアル…トマーレ…に着いた…のに』

 

モモンの実も毒消しも持っていない、このまま水中で力尽きてしまうの?

意識が遠のいていく、もう…動けない…

 

『……?』

 

ふと上の方に何か見えた…青い…何だろう、透き通って…?

しかし確認する前にもう意識は途切れてしまう

 

 

めのまえがまっくらになった

 

 

side LO

 

いつものように妹と2人でアルトマーレの街を見て回る

身体は透明に擬態してるから誰かに見られる心配はない

いつもと変わらない日常、そう思って飛んでいたが

 

??

 

何かが水路内をかなりの速さで飛んでいくのが見えた

何だろう?気になったので後を追いかける

すると黄色の何かは徐々に速度を落としていき最終的には止まった…

いや違う、倒れたんだ

更に近づき様子を伺うと

その何かは妹と同じ姿…いや色が違う、妹は燃えるような赤色だが、その子は

煌煌とした黄色だった、同族だ…!しかし毒に侵されていて顔が青くなっている!

マズイ、助けなければ!

後をついてきた妹も状況を把握したようだ

すぐさま妹は彼女の体にいやしのはどうを送り込む

しかしそれだけでは回復しない、猛毒を治さなければ…

庭園にモモンの実があったはずだ、それを食べさせないと

倒れた彼女を背中に乗せて水中をかける!

途中途中で妹にいやしのはどうをかけてなおしてもらい彼女の体力を保たせる

 

……

 

庭園まで運んだら中の木に成っているモモンの実を彼女に食べさせようとするが意識が無いので上手く飲み込めそうにない、しかし時間がない!こうなったら…

すまん妹よ、ちょっと後ろを向いててくれ

モモンの実を自分の口に入れて柔らかく砕く

そのまま彼女に直接………

 

side out

 

 

ここまでの登場人物

 

・挨拶したヤドン

ヒワダタウンに沢山いるヤドンの一匹

とてもゆる〜い、見てるとこっちもゆるゆる〜になりそう

 

・トサキント姐さん

ジョウト地方の海で生活してるアネゴ肌なトサキント

主人公と色々世間話をした

 

・ドククラゲ

アルトマーレ周辺にいたドククラゲさん

気ままに散歩してたら後ろからいきなり体当たりをされたと思って激昂した

これはよそ見飛行していた主人公の責任なので彼に非はない

 

・水の都に住む兄妹

ご存知むげん兄妹、同族の主人公が倒れているのを見て慌てて治療を施す

体力は回復させても猛毒状態なので意識は戻らない、ポケモンセンターに行くとか不可能なのでモモンの実で回復させるしかなかったが主人公の意識がないので上手く食べさせられなかった、それ故にお兄ちゃんはある手段を用いてモモンの実を食べさせた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~水の都のむげん兄妹~

 

なんだろう…歌…?歌が聞こえる

心地良い…綺麗な歌だ、凄く…安らぐ…

 

『………?う…ん…』

 

目が覚める、何だか日の光が眩しい、前がよく見えない

 

きゅぅ…?……ひゅあ!!

 

すぐ横で声がした、声の方向に目を向けると、目に入ってきたのは赤色と白色、そして独特の飛行機のような姿をした生き物

ラティアスだった、そう…今の私と同じポケモンである伝説の、そして私とは違って原種の色である赤色の体毛である

 

『ここ…は』

 

ひゅあひゅあ、きゅぅう

 

ここは秘密の庭園だと彼女は言った、どうやら無事に着けたようだ、でもどうやってここまで来たの記憶がない

確か毒にやられて水路の中で意識を失った、そこまでの記憶しかない

 

『もしかしてあなたが助けてくれたの?』

 

ひゅーあ、くぅぅ

 

私とお兄ちゃんで助けたんだよと言っている、ここまで運んでくれたのもお兄ちゃんだと、お兄ちゃん…つまりラティオスの事だろう、ここに住むラティ達はやはり兄妹だったようだ

最初はどうやってここに住むラティ達に会おうか考えていたが、思わぬ形で出会う事が出来たようだ

ただ、いきなり迷惑をかけてしまったようで申し訳がないけど

 

『助けてくれてありがとう…それと手間かけせてごめんね』

 

きゅ、ひゅあひゅーあ

 

気にしないでと言ってくれている、本当優しい子だ

 

ひゅいーん…

 

後ろの方から何かが飛ぶ音が聞こえた、振り返るとそこには木の実を抱えているラティオスがこちらに向かってきていた

 

ひゅあ!くぅん、きゅうぅー

 

しゅわ、くぉう…!

 

私が目を覚ました事と話していた事を共有しているようだ、話が終わったらこちらに来たので改めてラティオスにもお礼を言う

 

『あなたもありがとう、あなた方は命の恩人です』

 

くぉー…くぉう、くぉ?

 

それは気にしないでと彼も言ってくれている、その後に続くのは、どうしてあの場で倒れていたのか?という質問だった

色々考えて、ここまでのあらましをかいつまんで2人に説明する、転生云々の話は言わないけど、信じてもらえなさそうだし

 

纏めるとこうだ

 

私は気付いたらウバメの森というところに居た、それ以前の記憶は曖昧で、どこでどうしていたのか?親兄弟はいたのか?等は一切分からなかった、自分の存在がラティアスという珍しいポケモンのそれも色違いである事は近くに居た優しい野生のポケモンに聞いた、そしてそういう存在故に悪い人間に狙われるかもしれないという危険性も説かれ、私は身を守る術をしるべく、同族を探していた、風の噂でここアルトマーレにはラティ達の伝説が残っていて、それを頼りにここまで来たけど途中で野生のポケモンに襲われて毒を浴びてしまって逃げていた、そしてここに至る…と

 

全部が全部嘘ではない、ただし転生した事と、ラティ達の存在を物語で知っていた事等の突拍子も無い話は言わなかっただけだ

ここまで話した所で急に妹のラティアスに抱きしめられる

 

ひゅぅあ…きゅうん…

 

辛かったよね、一人で寂しかったよね…と抱きしめられて彼女にそう言われる…

ラティオスもそっと寄り添って頭を撫でてくれる…

 

え…?いや違う…違うの、決してそんな同情を得ようと身の上話をしたわけじゃない、ただただ生き残る為の術を教えてほしくて会いに来ただけで……でも、何でだろう?凄く心があったかくなる、同時に目が潤んでくる…

怖かった…?確かにいきなり身一つで知らない…いや厳密には知ってはいるが勝手の分からない世界に放り込まれて

伝説ポケモンという存在になってしまい、狙われる危険が常に付きまとい、危険な野生ポケモンには襲われて死にかけた

私はずっと安心して過ごせる場所が欲しかった…、元の世界にも帰りたい気持ちも当然ある、でもどうすれば良いのか分からない

そんなグッチャグチャな感情に押し潰されないようあえて考えない様にしていた…のかもしれない

 

ひゅあ…

くぉん…

 

今は泣いてもいいんだよ、私たちがそばにいるから、と2人は優しく包み込んでくれた

 

『う…ぅぅううぅ…………うわぁぁぁぁぁぁーーーん!!!』

 

その日、私はこの世界に来て初めて大声を出して、大粒の涙を流して、泣いた

どっと押し寄せる感情の波が一気に決壊した

そんな私は2人はずっとそばに居て慰めてくれていた、とってもとても温かい、愛情というものに包まれて

 

 

side LA

 

いつものようにお兄ちゃんと一緒にこの街を散策していた

時々彼女に化けて、人に紛れて街を歩くのは好きだったけど、お兄ちゃんは前々から

そういうのは危ないから控えなさいと注意を促してくる、分かってはいるけど、人になって街を歩くのってとっても楽しいんだもん

勿論、危ない所とかには近づかないようにしてるし、人の言葉は喋れないから話しかけたりは出来ないけど…

私たちの同族には人に化けてかつテレパシーで人と話せたりする個体もいるらしい、それでめいど?とか、じゃーなりすと?っていうものになったりしてるって聞いたことがある、ちょっと羨ましいなぁ

そんなことを考えていたらお兄ちゃんが水路の中を見つめいたと思ったら急に移動した、慌てて付いていくと水路の底に私たちと同族の子が倒れていた、色は私と違っていて黄色の体毛をしている

 

きゅう!?

 

毒に犯されている!?大変だ!お兄ちゃんがすぐにこの子を庭園に連れていくと話す

私は頷き、彼女にいやしのはどうをかける、私が使える技で体力を回復させてくれる能力だ、でもそれだけじゃ毒は治せない、お兄ちゃんは庭園に生っている毒消し効果のある木の実を食べさせるとのことだ

私はお兄ちゃんが背負っている彼女に時折いやしのはどうをかけて体力を保たせる

しかし使い過ぎるとこっちも疲れてくるし(PP切れ)、過剰な回復は悪影響になるので適度に施す

 

庭園まで運び、急いで取ってきた木の実をお兄ちゃんが食べさせようとするが彼女の意識は朦朧としていて

上手く飲み込めないようだ、マズい…これじゃあ毒が治せないよ

どうするかと悩んでいたらお兄ちゃんが何か決意したような顔をして私にちょっと後ろ向いててとお願いしてきた

 

??? 理由は分からないけど必要な事らしい、私はその場で後ろを向く

 

少しして、どうやったのか分からないけど彼女に木の実を食べさせられたらしい

お兄ちゃん、なんか顔が赤くなってたけどどうしたんだろう?

まぁいいや、これでひとまず安心かな

あとは彼女が目覚めるまで看病しないとだからお兄ちゃんと交代でそばにいることにした

 

~♪~♪

 

看病している途中、私が小さかった頃にお父さんが子守歌として歌ってくれた歌を口ずさむ、とても落ち着く歌だったから彼女も気が安らぐようにと歌った

お父さん…今はこの水の都の為にしずくになって皆を見守ってくれている、しずくのそばに居るとお父さんがまたそばにてくれるような安心感があって私はよくしずくのそばでお昼寝してた

 

『………?う…ん…』

 

…! 彼女が目を覚ましたみたいだ、まだショボショボした目付きで周りを見ている

私は安心してもらうように話しかける、自分が助かった事、助けてもらった事を彼女は理解して、私は気にしないでと言った、お兄ちゃんも後でそう言った、苦しんでいる仲間が居たら助けるのは当然だもん

 

きゅうぅ…

 

その後、彼女からこれまでの経緯を聞いて息を呑んだ…

全部が全部本当かどうかは分からないけど悪意のある嘘はついていないと直感で分かる、私たちみたいにえすぱーたいぷ?を持っていると感情をなんとなく読めるんだってお兄ちゃんから聞いた

それにしても何と言うか…

彼女はとっても辛い思いをしてきたようだった、いきなり知らない所に何も知らないまま放り出され、危険な人やポケモンに

狙われる恐怖に怯えてずっと隠れていたって、羽毛を使って姿を隠したり変化したりする技も分からないから

それを知りたくて本当かどうか分からない噂話をすがって私たちを頼りに来たと…その途中で死にかけるような目にあったと

話している彼女はあくまで説明している体ではあったけど言葉の裏にこもった感情はとても辛い、悲しい、そんな感情が僅かに感じ取れた…

たまらず私は彼女を抱き寄せる、辛いよね、悲しいよね、いきなりそんな怖い思いをして理不尽な目に遭うなんて、私だったら同じ状況になったとしてどうすればいいのか分からない、いつもお兄ちゃんが寄り添ってくれた

お父さんが守ってくれた、お母さんは物心付いた頃にはもういなかったけど…

でもいつも守ってくれていた家族がいた、彼女にはそれが無い、それがどれだけ辛いのか想像が付かなかった…

お兄ちゃんも同じように彼女に寄り添い頭を撫でていた、昔私にしてくれたように…

 

ひゅあ…

くぉん…

 

だから、ため込まずに泣いて良いんだよ、ここには悪い人間も怖いポケモンもいないから、そう言うと彼女はグッと私の胸に顔を寄せて大声を上げて泣いた、涙が溢れていた

私とお兄ちゃんは彼女が落ち着くまでずっとそばにいることにした…

 

 

side out

 

 

ここまでの設定について

 

・元々水の都にあったこころのしずく

映画では砕かれてしまった方のこころのしずく

日本版では詳細は分からなかったが米国版の水の都映画ではラティ兄妹達の父親であるラティオスがしずくになったものだという設定がある、今回はその設定を使わせていただきました。

米国版はその他にも例の2人組の怪盗がロケット団だったりと設定が変わっていたりする

 

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~家族になろうよ~

 

ひとしきり泣き続け、ようやく落ち着いて離れると

今度はちょっと恥ずかしい気持ちが出てくる

 

『ご、ごめんなさい、お恥ずかしい所見せちゃって』

 

きゅうきゅう…!

くぉう…!

 

2人とも首を横に振って大丈夫だよと言ってくれている

 

『ありがとう…それで改めてお願いしたいんですが…色々と技を教えていただけませんか…?』

 

くぉん

 

お安い御用だとラティオスは快く引き受けてくれる

その日から早速始めたいと思っていたが流石に病み上がりだしそれは明日からで

今日は体を休めようと促された、それに顔合わせもしたほうが良いと言われる

 

『??? 顔合わせ?他にもラティ達が居るの?』

 

と聞けば、どうやら違うらしい

先ほど妹のラティアスが呼びに行ったとのことでしばらく待つと…

 

「…!あなたは、ラティアス…なの?」

「こりゃあ驚いた、ワシらの知るラティアスとは色が違うのう」

 

!!!!

現れた人達を見て絶句する

私はこの人達を知っている、何故ならこの人達は…!

 

「ラティアスが凄く急かしてくるから何事だと思ったけど…初めまして、私はカノン」

「ワシはこの子の祖父のボンゴレじゃ」

 

挨拶を受け、そして名前を言われ確信した

この人達は劇場版「水の都の護神ラティアスとラティオス」に出てきたゲストキャラの2人だ

この人達がいるって事はある可能性が一気に高くなる

 

それは、この世界はゲームのポケモンではなくアニメの世界だと、この世界は1人の少年の旅が基点の世界なのだと、いや…まだ絶対とは言えないけど、ゲームにも描写がされてないだけで存在自体はしているという可能性もある

だが、ここで問題なのはこの世界がアニポケ時空だとこの後この街では大きな事件が起きる事になる…

そう、それが劇場版の水の都の護神の物語だ…

その結末はアニメの物語の中でも珍しく完全なハッピーエンドではない

何故なら”街を護る為に兄のラティオスが犠牲になった”終わり方だった

アニポケの中でも殆ど描写がされてない中で、はっきりとポケモンの死を描いた映画だった

 

つまり今ここで寄り添ってくれていたラティオスが………

 

「…?どうしたの?びっくりしたような顔をして」

 

!! 固まっていたので不思議に思ったカノンに声をかけられた

慌てて、いやなんでも無いよとジェスチャーで伝える

改めて挨拶をする私

 

『えと…初めまして、よろしくお願いいたします…?』

 

たどたどしく挨拶をする、勿論声はカノン達にはラティアスの鳴き声にしか聞こえてないので何を言ってるのかはニュアンスで感じてもらった

 

「うん、よろしくね。君もここに住むの?」

「ううむ、それにしても色違いのラティアスとは…珍しいのう」

 

それぞれ思った事を話す

カノンには頷いておく、実際色々ラティオス達から教えてもらうなら住み込みでって事になるだろうし

ボンゴレさんの疑問はちょっと申し訳ない、普通は居ないんですよ、私は特殊なパターンでこの世界に生まれた色違いだから

アニポケの世界ではラティアスの色違いは一度も出てない、映画でも本編でも、設定上いるとは思うけど

 

「じゃあ、この子達とも家族になるのかな」

 

そう言われて驚く、…家族…家族?

 

『え、いや急にそう言われても』

 

私はただ生きる為の術を教えてもらいに来ただけで、そんな図々しい事を求めてきたわけじゃない

ただの居候みたいな感じで、勿論何か手伝う事があれば手伝うし無駄飯食らいにはならないようにするつもりだ

 

くぉん…!

きゅうん…♪

 

そんな事気にする必要無いよ、一緒に居るんだからと2人はそう言う

ううう…2人の笑顔が眩しい…!

 

「そうじゃな、一人でいるよりその方がずっと良い」

 

ボンゴレさんにも促される

 

「君って小さいから一番妹になるのかな?」

 

カノンにそう言われる、改めてラティアスの身体と比べても私の身体は小さい

普通のラティアスが140cmに対して私は120cmくらいだ、大体XSサイズって所かな

 

きゅうん

くぉ

 

2人とも新しい妹が出来て嬉しそうしてる、なんかこそばゆいなぁ…

でも嬉しい…この世界に来てからずっと一人だったから、途中途中で助けてくれたポケモンもいたけどここまで優しくしてもらえるなんて思わなかったな

あ、そういえば…

 

『ところで、私って猛毒状態だったけどどうやって治してくれたの…?』

 

ポケモンセンターではないのは確かだ、この水の都でラティアスは伝説の存在、そんな存在がいきなりポケモンセンターに運び込まれたら大騒ぎになるのは必至だ、となると技で治すか木の実か毒消しを飲ませてもらった事になる、私自身は毒を治せる手段はない、アロマセラピーとか使えないし、ラティアス…いやもうお姉ちゃんになるのかな?

お姉ちゃんが何か技をかけてくれたのかと思ったが、お姉ちゃんはいやしのはどうしかしてないって言う

まさかいやしのねがいをしたわけじゃないよねと思ったけどお姉ちゃんは使えないって言ってたし、仮にそれで治してもらったとしても

なんだか申し訳ない…(※いやしのねがいは回復と状態異常治す代わりに使用者がひんしになる)

となれば残るは毒消しとかモモンの実、ラムの実等のアイテムだけど…意識なかった私がどうやって?

質問すると何故かラティオス…お兄ちゃんが顔を赤くして目をそらした

??? まぁいいや、なんにせよこれからは家族として一緒に過ごすことになるから改めて言わないと

 

『えと…ふつつかものですが、よろしくお願いします』

 

ひゅあ!

く、くぉう…

 

あれ?お姉ちゃんは普通によろしくね!って感じで喜んでくれたけどお兄ちゃんが微妙な顔してる

言い方間違えたかな?

 

くぉ!

 

天然か!ってお兄ちゃんにツッコまれた、なんでぇ?

 

 

ここまでの登場人物

 

・カノン

劇場版水の都の護神に出てきたゲストヒロイン

庭園に住むラティ達と色々交流している

映画のラストシーンは果たしてカノン本人なのか?それとも変化したラティアスだったのかはアニポケ最大の論点の一つだろう、作者は後者を推したいが、公式にはっきりと答えを出してほしくもない、謎のままだからこそ魅力的なシーン

 

・ボンゴレ

同じく劇場版水の都の護神に出てきたカノンの祖父で、アルトマーレにて観光ガイドやゴンドラ修理工をしているが彼とカノンの先祖は秘密の庭庭とこころのしずくを守っている一族であり、ラティ達と深い関わりを持っている

なんだかハッチ○ッチステーションで実写で出てきそうな声をしている

 

 

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~アルトマーレでの日常~

 

皆と家族…兄妹になってから何週間も経った

あれからお兄ちゃんにはエスパータイプ技やドラゴンタイプ技等を教えてもらって

お姉ちゃんには特殊な羽毛を反射させて身体を透明にしたり人に化ける方法を

教わっていた、成果としては技の方はドラゴンタイプ技は中々上手くいかないけど

エスパータイプ技の方はそこそこ使えるようになった、サイコキネシスを覚えられたのは良かった、エスパータイプ技の花形だもんね

特殊羽毛を用いた技術は透明化は出来るようになったけど、お姉ちゃんみたく人に変化するのは出来なかった、結構高等技術なんだろうな…

 

『こうして過ごしているなんて、最初の頃は想像出来なかったな』

 

そして穏やかであればあるほど、この先の未来に待ち受けてる未来に不安をかき立てられる、ここがアニポケの世界という可能性が高く、映画と同じ事件が発生する未来に…

どうすれば防ぐ事が出来るのだろうか?

いきなりお兄ちゃん達に「数ヶ月未来にはこんな事が起きるから」と言った所で簡単に信じてもらえるとは思えない、エスパータイプ特有の未来予知能力だよ!と誤魔化しも多分無理、そんな能力使えるなら同族であるお兄ちゃん達も分かるし、事件のこととか未然に防げるだろう、ミュウやミュウツーならワンチャンあったかもしれないけどね

結局私の頭じゃ良い案は中々思い浮かばない

怪盗2人組を先制攻撃で捕まえる?

無理、映画でお兄ちゃん達は不意打ちを受けたとはいえお姉ちゃんを逃がすのがやっとだった…バトルのバの字も知らない私が行った所で返り討ちか足手まといになるのが関の山…

あの人達に早めに助けを求める?

これも難しい、事件が起きてからだと映画と同じタイミングでしかない

かと言ってそれより前に行ってもそもそも事件が発生してない段階での説明を

上手く出来る気がしない、私はゆめうつし使えるようになったけど、あくまでアレは今起きてる事を共有するだけ、事件発生前じゃ映し出されるのは眠っているお兄ちゃん達だけ…あの人なら必死に説明してくれれば信じてくれそうではあるけど確実性はない

 

『根本から考えを変えてみよう、つまり事件発生後でもあの最後の災害を起こさないようにする…元々あるこころのしずくを砕かせないようにする』

 

ボンゴレさん曰く、こころのしずくは悪しき者が触れる事でしずくは濁り砕け散って、そしてこの街が滅ぶ…と

その前にこころのしずくを確保する!そうすれば災害は起きずにお兄ちゃんが犠牲になることはなくなる、そうなるとお兄ちゃんが装置から解放された辺りで私自身が自由に動ける状態にならないと駄目だ、となればお姉ちゃんに同行するルートが望ましい

それはつまり、お兄ちゃんが生体バッテリーにされて生命力を吸われて苦しむ事を見過ごす事になる…そんな事になってほしくはないけど、回避する方法が思い浮かばない…頭が良い人なら思いつくんだろうけど、私の頭では無理だった

 

………それと別にもう一つ考え付いたことがある、けどそれは最終手段だ、上手くいく可能性も高くはない、仮に成功しても下手したら………

 

『いや、そうなると限ったわけじゃないし、やれることをやるだけ…!』

 

そう庭園の池のほとりで熟考していると

 

きゅう?

 

お姉ちゃんが、百面相してどーしたの?と覗き込んできた

 

『ほにゃっ!?び、びっくりした〜、別に何でもないよ、色々と今後のこと考えてただけ』

 

と誤魔化すとお姉ちゃんはそうなの〜、と笑ってくれる

う〜んお姉ちゃんはすぐ信じてくれる、それが美点だけど危なっかしくもある…

人の事あまり言えないけど

 

『あ、というかお姉ちゃんまたカノンちゃんに化けて外行ったでしょ、あんまりやり過ぎると危ないよ』

 

と注意を促すと

 

きゅ〜う〜!

 

大丈夫です〜!とお姉ちゃんはちょっぴり膨れっ面しながら返してくる

ま、お姉ちゃんの楽しみだから邪魔はしたくないが

映画だとその行動が悪役に目を付けられる原因の1つになるんだけど…

こればっかりはお兄ちゃんも今まで散々注意してきたけど聞かなかったらしいから

もう諦め気味だって愚痴こぼしてたな

でもどのみち怪盗2人組はサーモグラフィーみたいな最新機器で見破ってきたから

普通に身体を透明にして外を飛んでいてもその機械でバレそうだから根本的な解決とは言えないだろうな

そーいえば昔、4コマ漫画だかなんだかでラティアスを檻に閉じ込めて「そこなら安全だよ」と言うラティオスの図(無論コミカルに描いてた)みたいなの見たことあったな〜、いや…色々と問題あり過ぎでしょうよ…

 

きゅう〜!ひゅあ〜

 

ねえ見て見て〜とお姉ちゃんが差し出してきたのは名物のアイス

わざわざみんなの分まで買ってきたようだ

一緒に食べよ〜と言ってくれたのでお言葉に甘える

 

『わ〜!ありがと!じゃあお兄ちゃんも呼んでくるから』

 

この後、街を見て回ってたお兄ちゃんを呼んできて3人で美味しくアイスをいただきました。

 

午後には3人でアルトマーレの街を透明になって散策する

あ〜、やっぱり綺麗だなアルトマーレ…

水路があちこちに張り巡らされ、主な移動はフェリーやゴンドラ

元の世界のヴェネツィアがモデルだから文化遺産級の美しさを誇る街並みだ

あ、ゴンドラ工房でボンゴレさんが作業してる

港の桟橋あたりではカノンちゃんが絵を描いてる

そして街中では色々なポケモンが人と一緒にいる

おっと…!ポッポの群れが近付いてきたので3人揃って上方向に避ける

危ない危ない、透明で飛行してるから同じく空を飛ぶポケモンのポッポやピジョンに

ぶつかりそうになることがある、向こうはこっち見えてないもんね、気を付けないと…

 

『平和だな〜…』

 

この穏やかな日々に浸っていると安心すると共に不安を感じる

いずれその平和が崩れてしまうかもしれないという事に

そして大事な家族が欠けてしまうかもしれないという恐怖に…

 

ふと自分の首にぶら下がっているネックレス状の石を見る

キーストーンとメガストーン

メガシンカに必要な2つの石、これが何かの役に立つ日はくるのかな?

これは絆を紡いだトレーナーがいて初めて意味をなす

私には使える機会は皆無と言っていいだろう、ならばいっそ…

 

夕方になり散策を終えて庭園に戻ってきた私達

戻ってきた所で私はお姉ちゃんに話しかける

 

『あのね、これを持っていてほしいんだ』

 

とキーストーンとラティアスナイトをお姉ちゃんに差し出す

 

きゅう?

 

それってあなたの大事な物じゃないの?受け取れないよ

と困惑するお姉ちゃん

 

『いいんだよ、私が持っていても無用の長物だから、お姉ちゃんがもしも信頼出来る人…例えばトレーナーがいて、何かあった時とかにこれがあれば助けになってくれるかもしれない』

 

きゅーうぅ?ひゅあ〜?

 

信頼出来る人〜?カノンちゃんとか?

と言ってる

 

『う、うんカノンちゃんも候補といえば候補かな、これがあれば自分の力が足りないと思った時に応えてくれる…かも』

 

メガシンカはトレーナーとポケモンの絆があって初めて成立する

お姉ちゃんとそれだけの関係を持てるトレーナー…

この世界がもしもそうなら…あの人となら

まぁダメで元々、出来ることはやっておこう

その後もお姉ちゃんに何度かお願いして受け取ってもらう

 

きゅうぅ〜

 

そこまで言うなら私が預かるね

と無事お姉ちゃんに受け取ってもらえた、ほっ…

 

 

side LA

 

私達に新しく妹が出来てから

いつも3人で遊びにいったり、分からない事を教えてあげたりしていた

私は羽毛は光に反射させて身体を透明させたり、人に変化させたり出来ること等を

教えていく、お兄ちゃんは能力、技とかを伝授してるみたい

とはいえいきなり全部が全部覚えられた訳じゃなかったようで

義妹ちゃんは透明にはなれるけど私みたくカノンちゃんに化けたりとか出来なかったみたい、技の方は半々ってところかな?遠くの物を動かしたりゆめうつしとかは出来てたけど

お兄ちゃんみたく何か凄い威力のはどうとかお星様を沢山降らせるのは出来なかった

ちなみに私も技を一個だけ教えてあげている

私の18番、ミストボール!

これがあれば自分の身を守れると思って教えてるけど

う〜ん修得は五分五分かな…?形にはなってきている

 

午前中の講義が終わってお昼頃、私はいつものカノンちゃんの姿になって名物のアイスを買いに行く、皆の分も買ってこうっと

庭園に戻ってきたら義妹ちゃんは池のほとりで何だか考え事してるみたい、表情がコロコロ変わってせわしないな〜、不安な顔をしたかと思うと何か決意したような顔になったり

と思ったら今度は笑顔を浮かべて…

こっそり近づいて横からヌッと顔を覗き込むと

面白いくらいにびっくりしてた、可愛い

皆でアイス食べよ、って提案したらお兄ちゃんも呼んできて3人並んで一緒に食べた

 

午後は3人で街をお散歩する、皆で一緒に飛ぶのは毎日の楽しみだから

飛んでる最中も時々義妹ちゃんは物思いにふけっている事がある

何か悩みでもあるのかな〜?

お散歩から帰ってきたら義妹ちゃんに呼び止められる、何かなと思ったら

出会った頃から身に付けていた不思議な石を差し出してきて、私に持っててほしいって…

いや、そんな大事そうな物受け取れないよと断ったら、義妹ちゃんは自分には使えない物だからと食い下がってくる

なんでも、信頼出来る人に片方の石を持ってもらい絆を結べば凄い事が起こるって

信頼出来る人って言われてもカノンちゃんかボンゴレさんしか思い浮かばない

トレーナーとって言われても、それってつまり私がその誰かとパートナーになるってことになるのかな?う〜ん考えにくいな〜、私は家族皆でいられたらそれで良いと思うけど

でも義妹ちゃんも何だか真剣にお願いしているみたいだし、そこまで言うなら受け取っておこうかな、そうして受け取った石だけど、本当不思議な力を感じる

特にこっちの石とか元々私達のためにあるような…そんな感覚を覚える

受け取ると義妹ちゃんも安心した顔をしていた

 

 

side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~お兄ちゃんと~

 

今日もお姉ちゃんはまたカノンちゃんの姿に変化して1人で遊びに行ってる

庭園には他のポケモンがそれなりにいることを除けばお兄ちゃんと私だけだ

今は技の講義をしてもらっている

 

『サイコキネシス!』

 

落ちている石を念力で持ち上げる、移動する、下ろす

こちらは上々

 

『りゅうせいぐん!』

 

ポスン…ヘロヘロ〜

 

うん…こっちは全然だね

そして

 

『ミストボール!』

 

バシュンッ!!

 

霧状の羽毛を玉の形に生成して放つ!

 

よし!成功率が上がってきてる

お兄ちゃんのラスターパージに比べたら威力は雲泥の差だけど

 

ふぅ〜疲れた、もう撃てそうにない、所謂PP切れ状態になったのかな

お兄ちゃんもそれを察して、これにて練習は終了、休憩に入る

さてと、暇になっちゃったけどこの後どうしようかな?

そしたらお兄ちゃんはこっそりお姉ちゃんの様子を見てくるらしく外に行くつもりだ

せっかくだし付いて行こうと思ってお兄ちゃんに聞いてみると別に構わないよと

許可をもらった

 

2人で水路から外へと出ていく

こうしてお兄ちゃんと2人っきりになるのは技練習の時以外だと案外少ない

いつも3人一緒に行動してたからね

水路から上がり街の上の方に行く際にはちゃんと透明になってから上昇する

そうして上空からお姉ちゃんを探す

姿は変わっていても気配というか感覚でお姉ちゃんだと分かるので

人混みに紛れても間違ったりはしない

 

『あ、あれは…うん、お姉ちゃんじゃなくてカノンちゃんだね』

 

姿を見つけたけど気配も違うし、白い帽子と腕に抱えたキャンバスセットでカノンだとわかる、お姉ちゃんは基本的に帽子はしない

 

くぉうー

 

いたぞ、とお兄ちゃんが言い、指し示した先には公園のブランコに乗ってるお姉ちゃんの姿があった、お姉ちゃんは割とブランコが好きだ、庭園にもブランコ設置されてるし、お兄ちゃんはふぅ…とため息を吐きお姉ちゃんを見守る

 

くぉー、しゅわん

 

お前みたく大人しくしてくれればな…と愚痴を溢すお兄ちゃん

うん…私は基本的に1人で遊びに行ったりしないし、そもそも人に変化出来ないからね

その後はしばらくはお姉ちゃんの動向を観察し、一通り遊び終えたのか庭園の方へと帰っていく、その様子にお兄ちゃんは一安心していた

まぁお姉ちゃんもいざ何かしらトラブルがあったらゆめうつししてすぐに異常を知らせるだろうけど…いや?人の姿になってる時は出来ないのかな?

確か映画でも最初の方で人の姿の時に例の2人組に襲われた時はお兄ちゃんは気付いてた様子はなかった、う〜んどうだろうね?

 

くぉ

 

そろそろ行こうかとお兄ちゃんに声をかけられた

日も暮れ始めたし帰るみたいだけど

 

『最後に一緒に高い所から街を眺めてみようよ』

 

と提案する、夕焼けに照らされたアルトマーレの景色もそれはもう格別なのだ

たまには我儘言ってもいいよね?

 

くぉ〜う

 

それくらいならまぁ…とお兄ちゃんは承諾してくれたので

背の高い建物の屋上に移動する

人目が付かない位置なので透明化を解除して2人で夕焼けで彩られた街を眺めた

そこで、改めてお兄ちゃんの姿をまじまじと見てみると…

やっぱりカッコいいな〜ラティオスって…前世?ではラティオスとラティアスは1番の推しポケモンだったから、こうして生で見られているってだけで凄い事なんだよね

そして、私自身がラティアスになった影響なのかどうか分からないけど

何だか感覚というか感情にも変化があったのか

お兄ちゃんに異性的な感情を少なからず感じでしまっている…

夕焼けに照らされたお兄ちゃんの姿が凄く幻想的に見えて

何だかドキドキしてくる………今だけ…少しくらいいいよね?

 

そっとお兄ちゃんの近くに寄り添って……頭を少しだけ預ける

 

くぉっ?

 

どうした?って驚くお兄ちゃん

 

『あ…うん、ちょっとした家族のスキンシップ…駄目かな?』

 

と隣でお兄ちゃんを見上げる

 

く、くぉ〜…

 

べ、別に構わないさ、好きにすればいい

とお兄ちゃんはほんのり赤くなってそう言った

許可をもらえたのでそのまま寄り添って景色をしばらく眺めていた

この平穏で素敵な時間がいつまでも続いてくれたらいいのに…

そう願わずにはいられなかった、でも晴天がずっと続かずに、曇ったり雨が降ったりする日がくるように…

平穏が変わらず続くとは限らない、その時が近づいてきていた

 

side LO

 

今日も今日とて義妹に技の教授を行っている

相変わらずエスパー技はともかくドラゴン技は苦手なようだ

妹に教わっていたミストボールは形にはなってきている

そんな感じで一通り練習を終えたら休憩を挟み

また街に繰り出している妹の様子を見に行く

いつも注意を言ってるがもう言うだけ無駄だろうから気を付けるようにだけ伝えて

好きにさせている、それはそれとして心配なので時々様子をこっそり見るのだが

すると義妹も付いて行くと言ったので、まぁ別にそれくらいは断る理由もない

この子は1人で勝手に出ていくような子じゃないから、こういう時はいつもお留守番だった、だから気分転換も兼ねて2人で外へ行くのも良いだろう

そうして一緒に妹を探す、何処に居るかははっきりとは分からないが

近くまでいけば感覚でなんとなく分かる

割りとすぐに妹は見つかった、いつも通りカノンの姿で街を歩き回っているようだ

 

はぁ…問題は無さそうだ

 

その後も様子見したらどうやら庭園に帰るみたいだ、とりあえずこっちも戻るとしようか

 

『きゅうぅ…』

 

すると、義妹がちょっと寄り道して行こうと言い出した、遠くに行くとかではなく夕焼けのこの街の景色を2人で見てみたいとのことだ

それくらいならまぁ問題は無いだろう、二つ返事で了承して街の高い建物の上に行き

夕焼けで鮮やかな朱色に染まった街並みを見つめる、すると義妹がこちらに頭を傾けてくっついてきた

 

なな…!何をしているんだ!

 

すると彼女は家族のスキンシップだと上目遣いで言ってくる

う…その顔でそういう事を言われると…!

…そういえばあまりこの子は我儘やおねだりは言わない子だ、ここは聞いてあげるのが兄の役目だ

 

べ、別に構わないさ、好きにすればいい

 

…兄か、なんというか義妹とはそういう関係とはちょっと違うような付き合いを感じる事がある、家族には違いないんだが、むぅ…

初めて会った時、彼女を助けるために咄嗟にしたアレの事が頭に浮かぶ

 

いかんいかん、変な事を考えるな!

しかし、妹も義妹も守ってあげたい、その思いはどのみち間違いはない

願わくば、2人には平穏な毎日がいつまでも続いてくれますように

 

side out

 

 

こうして変わらぬ日常は過ぎていく

しかし…

 

side S

 

「リュウグウジムでのバトル勝ちたかったな~」

「ふふーん、私は勝ったわよ」

「なんだよ自慢して、そもそもロケット団の邪魔が入った所為で引き分けだったろ、でも水の中でのバトルってのも面白かったな」

「水か…そういえばこの海の南に水の都アルトマーレがあったな」

「あ、知ってるわよ!そういえばもうすぐ水上レースの時期ね、水ポケモン使いとしては参加しないといけないわね!」

「水上レース!?何だよソレ面白そうだな」

「水上ソリに乗ってそれを水ポケモンに引っぱってもらってレースするのよ」

「なら寄ってみるか?たしか近くにアルトマーレ行きのフェリー乗り場があったはずだ」

「俺も参加してみたいな!そうだなぁ、ワニノコに引っ張ってもらうか」

「私はサニーゴにお願いしようかしら」

「ワカバタウンへはそこまで急ぎじゃないし…行ってみるか!」

「水の都…海、渚のビーチには美しいお姉さん…!うーむ、これは是非とも行ってお声がけをしなければァッ!?あいてててて!!」

「はいはい~、妄想はそこまでしてとっとと出発するわよー」

 

side out

 

 

運命の歯車は…ゆっくりと回り始める、その先に待つのは果たして……

 

 

 

後編へと続く




どうも作者です、ここまでお読みいただきありがとうございました。
ラティアスとラティオスが大好きなのですが、二次小説でラティ達が主役だったり
ラティ達になってしまった的な小説がとても少ないので自分で書くことにしました。
ポケモン知識はそこまで詳しくはなくアニポケは一通り見たって程度で
可能な限り調べましたが、原作の設定と矛盾やキャラの性格の違いは少なからず出てくると思われますがご了承ください。特にラティオスのキャラが結構ブレてるような感じです…
拙い文章ですが暇つぶし程度に見ていただければ幸いです。
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