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~アイリスの独白~
side I
サトシが故郷のマサラタウンに居るオーキド博士との電話から戻ってくると興味深い話を聞いた、以前に旅をしていた仲間を呼び寄せたとのことだ
珍しいわね?サトシは1番の相棒であるピカチュウを除いて今旅をしている地方でゲットしたポケモンだけで旅をしてリーグに挑戦するんだって自分で言ってたのに…
見せてほしいと言ったら、街中だと騒ぎになるかもしれないから待っててほしいって、どうも訳アリらしい、あたしもドリュウズって複雑な事情のポケモンを持ってるからそんな感じかと思ったら、珍しいポケモンらしくてあまり他人に見られたくないってさ、ふーん…?
街を出て森の中に来たらようやく見せてくれるってなった、あたしも楽しみになってきた、どんなポケモンを出すのかなー?ってワクワクしてたら…
「なんでラティアスをアンタが持ってんのよー!!!???」
「キバァーー!?」
飛び出てきたのはドラゴンタイプの伝説ポケモンであるあのラティアスだった…!!
嘘でしょ!?信じられない!!でもあたしの目の前には何度も図鑑や本で見た伝説の存在が確かに居た、たまらず飛びついて触る!メタモンの変身とかじゃないよね!?間違いなく本物だ、とても柔らかくてふわふわな羽毛の感触がして、そこにラティアスが居るって事実に興奮した!デントもいつものアレを興奮しながらやっていた
「きゅ、きゅ〜!!」
「わ!?ちょ、ラティアス待った待ったーー!」
「ひゅわああーー!!(10まんボルト!!!)」
ビリビリビリビリーーー!!!
「うひゃああーー!?」
「キバァァァーー!?」
ただ、あまりにベタベタし過ぎた所為でラティアスがびっくりしてしまい手痛い挨拶をされてしまった…シビレビレ〜!!!
落ち着いた後、改めて挨拶と自己紹介をする、サトシはアルトマーレで出会ったと話す、あたしもドラゴンマスター目指す者として当然知っている、ラティアスとラティオスの伝説が残る水の都…そこで出会ってゲットしたって、出会いやゲットした経緯をデントが聞いたけどラティアスは暗い顔をした、サトシ曰く辛い出来事があったらしい…私も無理に聞こうとは思わなかった
でも後々サトシがイッシュリーグ本戦に挑戦する辺りで、ラティアスも了承の上でサトシから詳しく話してもらうことが出来た
あたしはその話を聞いて怒りが爆発した…!
この子の義妹のラティアスを!自分達の目的の為に、使い捨ての道具のように扱って!死ぬ寸前までボロボロにした悪党が居たって!!??なんて奴らよ!あたしがその場に居たらぶっ飛ばしてやった所よ…!
同じくこの話を聞いたデントも怒りをあらわにしていた、普段穏やかなだけにあたしよりキレてたかもしれない
それで、サトシはラティアス達を助けた事がきっかけで一緒に旅をすることになったみたいだ、その義妹のラティアスも何とか助け出すことが出来て、今は兄であるラティオスと一緒にどこかの空で同じように旅をしてるって、よかった…
義理の兄妹…か、あたしにもそんな存在が居たわ…
ソウリュウシティジムリーダーでソウリュウ学園の学園長であるシャガさん、その孫にあたるアイツとは兄妹みたいな感じだった…シャガさんとアイツは何かと衝突していて、そのうちシャガさんを避けるようにブルーベリー学園に入学したっけ、まぁ…あたしも色々あってシャガさんが苦手だったけどね、今頃何やってるんだろうな…カキツバタのヤツ
話は現在に戻る
デントも言ってたけど、このラティアスとても強いみたいで、前にサトシが旅していたシンオウ地方でのリーグで伝説ポケモンを3タテしたって聞いた、伝説ポケモンを計5体も仲間にしていた対戦相手の方が気になったんだけど…それでメガシンカという最終進化系から更にもう1段階進化出来る手段を使えるらしく、その時の強さはとても凄いらしい!
次の街に向かう途中、キバゴの特訓でその姿を見せてもらう事が出来た
凄い…これが本気を出した伝説のドラゴンポケモンの覇気…!
対峙していたキバゴはその圧力をモロに浴びて震えている、でも決して戦意喪失してるわけではなかった
「しっかりキバゴ!アンタの良いところ見せてあげないとね」
「…キバァッ!」
キバゴとあたしは気を引き締め直して改めてメガラティアスにぶつかっていったけど、やっぱり伝説のポケモンは凄かった…まるで通用する気がしなかったわ
手痛い反撃もあれで手加減してるって
でもバトルが終わった後、キバゴはラティアスと話しながら、納得したような…決意したような顔をしている、このバトルで何か掴んだみたいね
キバゴ…うん!あたし達ももっと強くなるわよ!
side out
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~ビクティニとの出会い~
side S
バトル大会では1対1のバトルで交代は禁止、というシンプルなルールのもとで戦われたけど、ポカブやズルックが凄いパワーを出して次々と相性の悪い強敵に勝った
でもそれはカリータさんって人と戦った時に教えてもらったけど、ビクティニがこっそり力を貸してくれていたからだった、透明になれるとも聞いて、さっきから何かにぶつかったり俺のマカロンが消えたのはビクティニのイタズラだったんだな
デントに渡されたマカロンを掲げると釣られるようにビクティニは姿を見せてくれた
「お前凄いよ!ありがとな!」
とはいえこのバトル大会ではズルになってしまう、いうなれば2体1でポカブやズルックにてだすけ等の補助技をかけてバトルしてたようなものだ、俺のバトル大会はここまでだな、ビクティニには悪いけどこれで優勝しても納得いかないし、そのまま棄権することにした
ラティアスのボールが揺れる…多分ラティアスはビクティニに気付いていたな、それでも俺に警告したり知らせたりしなかったって事は、ビクティニには悪意も敵意も無いって分かる、ただイタズラ好きってだけだ
「ビクティニが姿を見せてくれるなんて殆ど奇跡よ」
とカリータさんは言う
「なんてミラクルなテイストなんだ」
「アハハっ!なんかあたし嬉しくなってきちゃったわ」
ビクティニはピカチュウやキバゴ、ズルックとも仲良くなっている
ビクティニと一緒に郊外の方へ出ようとすると何かにビクティニが弾かれた、ビクティニは今度はこっちの方向に向かって攻撃するが…
「クティ……ニーー!!!」
ドゴォーン!!
またしても何かに弾かれた
「ビクティニ…?どうしたんだ?」
「ティニ……!」
近づくとビクティニは街の方へと飛び去っていってしまった…ビクティニに何が?
カリータさんに連れられてさっきの屋台のおばさんの所に戻った、屋台のおばさんはジャンタさんと言って、カリータさんのママらしい
「ジャンタさん、この街で1番気持ちよくて心地良い場所ってどこですか?」
「えっ?」
「嫌なことがあった後はスウィートな場所に行きたいもんでしょ?」
デントがそう言う、確かに!
心当たりのある場所に向かいがてら事情を聞いてみる
「多分、ビクティニは結界を嫌がったのよ」
「結界?」
「この街には目に見えない結界が張られていて…ビクティニは護りの柱の外には出られないと言われてるの」
護りの…柱…さっき見たあれか、確かにあのそばを通り過ぎようとしたときにビクティニは弾かれたな
「やあ、また会ったね」
歩きながら話してるとさっき出会ったドレッドさんに町長のモーモントさんとまた会う、聞けばドレッドさんはカリータさんのお兄さんだと聞かされた
事情を話し、ビクティニの行方を聞いてみるとモーモントさんの果樹園かもしれないとのことで、そこに向かった
「うーん、確かに落ち着くスウィートな場所ですね!」
…!
「ピカッ!」
「キバッ!」
ピカチュウとキバゴが何かに気付いて駆け出して、少し進んだ所で呼びかける
「ビクティニー!お前が外には出られないの知らなかったんだ!ゴメンなー!」
「姿を見せて!」
「美味しいマカロンがあるよ!」
探しているとチョロネコとモグリューが現れてピカチュウと何か話し始めた
「ひ、ひええ…!」
デントは苦手なチョロネコを見てたじろぐ
「ついてこいってことか?」
「ピカ!」
果樹園に住むポケモン達に誘導されて俺達は進んでいくと水車と水場のある場所に着く、するとそこにはビクティニがいた
「ビクティニ、さっきは嫌な思いさせて悪かったよ!本当にゴメン!…なあ、姿を見せてくれ、隠れてないでさ…ってうわぁー!?」
足を滑らせてしまった!水に落ちる!!!
と思ったら何かに支えられる
「あ、ビクティニ!」
出てきてくれた!けどその拍子に手を離してしまい…
「っておわぁ!?」
バッシャーン!
結局水に落ちてしまった…
でもせっかく姿を見せてくれたんだからそのままビクティニと水を掛け合って遊んだ
「僕は…ビクティニの力を借りようと思っている」
「え?」
ドレッドさんがそう言った…どーいうことだ?
………
……
…
町長の家で事情を聞くとドレッドさんやカリータさん、ジャンタさんにモーモントさんは大地の民と呼ばれる民族の末裔でビクティニとは深い関係があるとのことだ
なんとビクティニは千年も前の大地の民の王様のパートナーだったらしい
竜脈と呼ばれる大地を流れる不思議な力を使って大地の郷という人とポケモンが共存する場所を造っていたとのこと、王様には双子の王子がいて、それぞれが理想の勇者、真実の勇者と呼ばれ、ゼクロムとレシラムという伝説のドラゴンポケモンが付いていた、しかしその王子達が対立関係になってしてしまい、戦争になってしまい、ゼクロムとレシラムも激しく争い、そして戦いの果てに互い石になって長い眠りについた…
その時には戦争の影響で竜脈は乱れ、大地が疲弊した
そこで王様がパートナーであるビクティニに力を借りて護りの柱で結界を作り、街ごと山の上に移動した、でもそこで王様が力尽きてしまい、ビクティニはパートナーを失って…
結界はそのまま残りビクティニは千年もの間、この街に閉じ込められていると…
そんな辛い話が…ビクティニ…
何とかしてやれないのか?
side out
side LA
私はボールの中で同じく話を聞いていた、あの子にそんな過去があったなんて…千年もの孤独…想像もつかない、サトシも思っているけど私も何とかしてあげたいと思った、それに他に気になるのは眠りについたゼクロムとレシラムというポケモン、もしかして今回サトシが遭遇するポケモンは彼らのことだろうか…?話を聞く限り凄い力を持ったポケモンのようだ
それで…ドレッドさんはその大地の郷を復活させたくてビクティニに力を借りたいと、なるほどね
ビクティニはピカチュウやキバゴの他に果樹園に居るポケモン達と楽しそうに遊んでいる…そっか、決して孤独ってわけじゃなかったみたいね
私も一緒に遊んであげたいなと思い、ボールを揺らしてサトシに伝える
「ラティアス…?お前も遊びたいのか?」
ふるふると再度ボールを揺らして返事した
「分かった、騒ぎにならないように姿を変えられるか?」
羽毛の反射を利用して違うポケモンの姿を取る…以前の旅で見たことがあるポケモンの姿をしてボールから出た
今までの旅でも緊急時やバトル以外で人目につく場所に出るときは透明になるか、それとも姿を変えるかしてたからね
「お、今回はフライゴンか!そっくりだ」
ジラーチの時にグラードン擬きのアレと一緒戦ってくれたフライゴンさんを模倣させてもらった
「ひゅ…、ふりゃー!(よし…あ、声は合わせないとね)」
「ってサトシ、フライゴンも持っていたの!?」
「あれ?でもフライゴンなんてここに来るまでにゲットしたり転送してもらったりしたっけ?」
「聞いて驚くなよ?コイツはラティアスが変身した姿なんだよ、ラティアスって特殊な羽毛に光を反射させて姿形を変えられるんだぜ」
「あ、そういえばそんなこと図鑑説明にあったわね!」
「ここまで精密に姿を変えられるなんて、ファンタスティックなテイストだね!」
「おーいみんな!コイツは見た目フライゴンだけど中身はラティアスだから一緒に遊んでやってくれー!」
「ピッカァ!」
「キババ!」
「ティニー!」
「ふりゃ…ひゅ、ふりゃりゃー!(えっとビクティニって言ってたよね…私はラティアス、今はフライゴンの姿を借りてるけど、よろしくね!)」
「クティー!」
ビクティニとも滞りなく挨拶が出来て仲良くなる、さーて遊ぶぞー!
日が暮れるまでビクティニを始めとして沢山のポケモン達と遊んだ、なんだかんだ言ってこういうの久しぶりだから私も目いっぱい楽しんじゃったよ
その日の夜はそのまま果樹園で野宿をする
夜中にふと目が覚めるとサトシのそばでビクティニは涙を流しながら眠っていた…
「ビクティニ…」
サトシも目が覚めていたようだ
「ふりゃ…(泣いている…)」
「ラティアスも起きたのか…ビクティニはやっぱり寂しかったんだな…」
「クティー?ティニー…!」
「あ、起こしちゃったか?」
「ティニー!」
「あ、ビクティニ?何処に行くんだ?」
ビクティニは海が見える場所へと飛んでいく、私達も付いていくと
「わぁ…!」
「ひゅう…!」
丁度朝日が海の向こうから登り始めた所だ、日の出はいつ見ても気持ち良いね…
「クティ、ティニティニー!」
「ビクティニ、あそこに行きたいのか?」
「ティニー!!」
「そうか!俺が絶対お前をあの海に連れてってやるからな」
そうサトシが宣言するとビクティニは嬉しそうに跳び回る、うん…私も協力するよ!
ゴゴゴゴ…!
うん?街の周りの護りの柱が動き始めた?何が起きてるんだ…?
するとビクティニは逃げるように城の方へと飛んでいく
「ビクティニ…!?」
「ピカァ…?」
「追いかけよう!」
私達もビクティニを追いかけて、城へと向かった
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~ラティアスの怒り~
上の方へ行くとカリータさんとジャンタさんが居た
「あ、サトシ」
「カリータさん、ビクティニは?」
ズズズッ!
「な、なんだ!?」
「ピーカ?」
「城が…!」
突然城が揺れ、浮き始める
「城が…動いてる!」
「す、凄い…」
「この城を使って竜脈を動かすんです!」
ドレッドさんが何かを操作しながらそう言うけど…
城は上空で静止する、地上の竜脈が活性化して大地から水が湧き出る、大地の郷が蘇ろうとしてるんだ
このまま城は大地の郷へと向かうようだ
「ティニィィーーーー!」
「はっ!今の声は…!」
「ふゅー!?(ビクティニ!?)」
サトシと一緒に中心部に向かうと
中央の柱の中でビクティニが苦しそうにしていた!
「ビクティニの力を貸してもらっている所だ」
「苦しんでいるじゃないか!ここから出してやってください」
「ピカピカ!」
「ダメだ、まだビクティニの力が必要なんだ」
「ティニィィ…!!」
私はその状態のビクティニを見て、激しい動悸に襲われ、そして怒りが湧いた…だってその姿は…まるであの時の義妹ちゃんの姿とそっくりだったから…機械に捕らわれて生命力を吸われてもがき苦しむ姿に
…けるな…!ふざけるなーーー!!!!もう2度と!!あんな惨事は起こしてなるものか!!!!
「くっ!」
サトシ達がビクティニを助けようと近づくが、ドレッドさんはランクルスを出してサイコキネシスを使って引き離そうとする!させない!
サイコキネシスにサイコキネシスをぶつけて解除する
「フライゴンがサイコキネシスだと!?」
「兄さん!これ以上はビクティニが死んじゃう!」
「ドレッド、止めてちょうだい!」
「母さん…?」
カリータさんとジャンタさんも来て説得する
「ピカチュウ、10まんボルト!」
「ピッカチュウウーー!!」
ビリビリ!!
「ラァーン!!!??」
ランクルスを撃退して、更にエレキボールで装置を破壊しようとすると、横から強烈な炎がエレキボールを呑み込んだ
「キィアアアーー!!」
「レシラム!?」
「あ、アレが!?」
レシラムの熱をまとった咆哮でサトシ達がふっ飛ばされそうになる!もう姿を隠してる必要はない!
「ひゅああーー!!!」
本来の姿に戻り、サトシ達の前に庇うように立ち塞がり、咆哮の衝撃を防ぐ!
「ラティアス!?」
「ラティアスだって!?」
本当の姿を見せたことでサトシ達以外はみんな驚く、しかしそんなことはどうだっていい!
「ひゅああ…!きゅうう!ひゅうううーー!!(よくも…よくも!!私の前で!そんなモノを見せてくれたな!!!)」
どんな崇高な目的があろうとも、そのためにポケモンに苦痛を強いるのなら犠牲にするというなら!!私はそれを許したりしない!!!!
「…!ゴルーグ、あなたもレシラムを止めてちょうだい!」
ポーン!
「ゴ、ルーグゥ!」
私に並び立つようにゴルーグさんが参戦する
「ひゅあ!ひゅううん!くぅぅーん!(ゴルーグさん!私が彼を止めますから!サポートお願いします!)」
「ルーグ!」
息を合わせて突撃し、外へとレシラムを弾きだす
side out
side S
ラティアスとゴルーグが飛び出しレシラムと交戦をし始める、だけどメガシンカしてる余裕がなくてラティアスはそのままの姿で戦い始めてしまった、素の姿でも強さはあるが、レシラムの強さは桁違いだ、ゴルーグとの2人がかりでも押され気味だった、隙を見てメガシンカしたいけど、そんな暇は与えてくれなさそうだった、どうする…?
「ランクルス、サイコキネシス!!」
「しまった!」
隙を突かれサイコキネシスで全員拘束されてしまう!
「ピカチュウ…!もう一度10まんボルトを!」
「ラーン!!」
「ぐうぅぅー!」
「ピカァァァ!」
くそっ、同じ手は食らわないってか!俺とピカチュウを更に強烈に縛り付ける!
「サ、サトシ…!」
「クティクゥ!」
くうぅぅ!意識が…!
………
……
…
…ん?なんだこの光景…?あれはビクティニと王様…?
「城を動かしてはならん…再び城を動かしたならば…竜脈は乱れ…それは世界を滅ぼすかもしれん…2度と城を動かしてはならん…!」
「ティニ~!…ティニ…?」
ビクティニを撫でていた王様はそう言い残して力尽きた…ビクティニはもう動かなくなった王様に必死に呼びかけていた…
「…シ…、トシ…、サトシ…!!」
「…ハッ!?」
そこで目が覚めた
「キバ!」
「サトシ!」
「ピカピ!」
「気がついたのね!」
ここは城の物置…?さっきのは夢…?いや違う!あれはビクティニの過去でビクティニはこれを伝えたかったんだ!
「ごめんなさい、皆さん」
「兄さんを許して」
ジャンタさんとカリータさんが謝るけど…今はそれどころじゃないんだ!
「城を動かしちゃダメだったんだ!」
「え!?」
「城を動かしたら竜脈が暴れて…世界を滅ぼしてしまうって!ビクティニが教えてくれたんです!」
「な、なんですって!?」
「城は…乱れた竜脈が暴れるのを止めるためにこの山の上に移されたって!」
「確か…言い伝えではレシラムが石になってから竜脈が乱れたって、レシラムはその事を知らないのよ!」
「でもレシラムは強すぎる、いくらラティアスといっても抑えられるかどうか…」
メガシンカしてないラティアスじゃ…いくらなんでも勝ちようがない、レシラムにはそれだけの強さを感じた
「…ゼクロム!」
「ゼクロム?」
「もう一体の大いなる竜…」
「ゼクロムならレシラムを止められる!」
ゼクロムか…!何処に居るんだ?ジャンタさんが言うには城の地下にレシラムが居たからゼクロムもきっとそこに居るはずだって…
城の地下…?たしか…最初この街に来るときの洞窟で…そうだ!この物置の中に隠し扉があった!そこから行けるはずだ!待ってろよラティアス、必ずゼクロムを呼んで来るから何とか持ちこたえてくれ!
side out
side LA
ゴルーグさんの援護を受けながらレシラムと戦うけど…強い!それにそれ以上に動きが目で追えても身体がついていかない!?そうだ…メガシンカする余裕がなかったから普通の姿のままで戦ってる訳で…
いつも格上相手にはメガシンカで戦ってきたから、今回はその差異で上手く動けない!
「キュオオオーー!!(クロスフレイム!!)」
レシラムから強力な火炎が放たれる!!咄嗟に躱すが…
「くゅうぅ!!??(熱うぅ!!??)」
いつもなら難なく躱せたはずだけど身体が付いてこず少し掠ってしまう!!しかも火炎の威力も桁違いだ、こうかはいまひとつのはずなのに、なんて威力…!
「ゴルゥゥウ!!!!」
ハッ!?私が躱した火炎にゴルーグさんが直撃して墜落していく!しまった…!これがレシラムの狙い!?
再びレシラムと対峙するが先程までと違いゴルーグさんの援護は無い…はっきり言って大ピンチだ、シンオウの時のアルセウスとの戦いの時以来かも、これだけの修羅場は…
「…ひゅ、ひゅああ…!!ぎゅあああーーーー!!!!(だから…だからどうした!!そんなもので私が止まると思うなーーーー!!!)」
ビクティニを助けようとするのを邪魔するって言うなら!誰であろうと打ち砕く!!!
二度と…もう二度と私の目の前で大切なモノを、仲間を、家族を…!失わせたりするもんかーーー!!!
「ぎゅあああーーーー!!!」
自分に喝を入れる為に大きく咆哮し、レシラムへと突撃する!
アイツは見るからにドラゴンタイプ!それにさっきの火炎の威力からみて、ほのおタイプとの複合と見た、だったら有効打になるのは私が持つ技の中では…ドラコンタイプの技しかない!
「キィアアー!!(クロスフレイム!!)」
「ひゅああー!!(りゅうのはどう!!)」
ドグァーーー!!!
業炎のブレスと竜を纏ったエネルギーがぶつかり合う!しかし、若干私の方が押され気味だ!メガシンカしてたなら逆に押し返せたか、少なくとも拮抗はしたはずなのに!!
「きゅ…きゅおおおおーーー!!!」
段々と炎のブレスがりゅうのはどうを押して私に近づいてくる!このままじゃ直撃する、逸らすしかない!
身体を横にずらしながらりゅうのはどうの打点を炎の塊の側面にぶつけ、火炎の軌道を変えて回避した!直ぐ様相手を捉えようとするが…
「ひゅ!?(いない!?)」
前方にレシラムの姿は無かった、何処に居る!?
瞬間、背中にゾワッとした悪寒が走る、後ろ……いや、斜め下の後方!!咄嗟にその場でバク宙するように身体を後ろに捻って回避する!!
身体を動かしたコンマ数秒後、先程自分が居た場所を強大な青色の火炎エネルギー波が通り過ぎた…さっきの火炎より数段威力が高い…!当たってたらタダじゃ済まなかったろう
「キィアァ…(避けたか…)」
「ひゅーあ(最初のは目眩ましで本命は今の青色の炎か…)」
強い…今の自分より格段に…!それに今までいかにメガシンカに頼りっきりだったかと思い知らされる、通常状態での戦いの経験が浅くて思うような動きが取れない、これは完全に私の落ち度だ、今後はメガシンカを使えない状況での戦いを想定して訓練しないといけない…まぁそれもこれも、この戦いを生き残らないと話にならないけどね
考えろ…まともに攻撃を当てようとしてもレシラムには防がれるか避けられるのが関の山、意表を突かないとまともにダメージは当てられない、シンオウリーグの時のように地形を利用した戦法は空中戦では使えない…ん?シンオウリーグの時…?確かサトシから色々指示もらったけど、何も使った戦法は地形利用だけじゃなかったよね?やる価値はある!
「キィアゥ…?クオオン!(来ないのか…?ならばこちらから行くぞ!)」
再びレシラムから火炎が飛んでくる!やってみせる!横に躱さず、前方へと突っ込む!火炎が目の前に迫るがけど…今だ!!
「ひゅーうぅわぁぁぁ!!!(カウンターシールド10まんボルト!!)」
回転しながらの10まんボルト!シンオウリーグでぶっつけ本番で放ったサトシとヒカリちゃん考案の大技!電気の渦を纏い、レシラムの放つ火炎の上を滑るように突き進む!火炎は電気で防ぎつつそのまま横回転する弾丸の如くレシラムに迫る!
「キィア!?(何ッ!?)」
「ぎゅあああーーー!!!(食らえーーー!!!)」
そのまま電撃を纏って思いっきりレシラムに体当たりをする、さしずめピカチュウが使ってたボルテッカーの如く!!
ドガァッ!!!バリィッ!!!
「ギュオッ!!」
流石にレシラムものけぞるが、でんき技ゆえに大したダメージにはなってない、だけど…!
「ひゅわわ!!(まだだッ!!)」
ガシッとそのままの勢いでレシラムの背中を掴んで張り付き、その態勢のまま
「きゅううーー!!(りゅうのはどう!!!)」
ゼロ距離からりゅうのはどうを叩き込む!
ドグァッ!!!
1発だけじゃない!何発もだ!!
ドガァッ、ドゴォッ!!ズギャァッ!!バシュゥン!
「クオァァァっ!!??」
いかにレシラムといえどこうかばつぐんの技を何発も食らえばまともにダメージは通った!苦悶の叫びをあげるレシラム!しかしこちらもゼロ距離からりゅうのはどうを放っている所為で爆発の余波をまともに浴びてしまいダメージを負う、まさに捨て身戦法だ、でもこのくらいやらないとレシラムにはダメージを与えられる隙がない!本来なら10まんボルトとかで使う手段だけどレシラムにはこうかがいまひとつだからりゅうのはどうを選択した、お互いに傷が増えていく
負けるもんか、負けるもんかー!!!
「クゥ…!クォォォォーーーン!!!(いい加減にしろ…!ハイパーボイス!!!)」
レシラムから凄まじい音波が放たれる!!その衝撃と鼓膜を突き破りそうな爆音に、たまらず手を離してしまった!!
「キュウウウ!!!???(耳がぁッ!!!???)」
頭を抱えるように耳を塞ぐ!しかしそんな隙を晒してしまったら…!
「ひゅっ!?きゅぅあ…!!(ハッ!?しまっ…!!)」
目の前のレシラムから青色の火炎が放たれるのが見え、次の瞬間凄まじい炎度の熱に包まれた!
ボォォォッ!!!
「ぎゅあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーーーー!!!!???(熱ァ゙ッ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーー!!!!???)」
あまりの熱さに声にならない声を張り上げた…蓄積したダメージが大きくて、もう力が出ない…何とか気力で飛び続けるが、レシラムは私にトドメを刺そうと再び火炎エネルギーを溜めて…そして放ってきた…目の前に迫る火炎、ダメだ…もう避けられない、そう思った
バシュゥゥーーーーン!!!
当たる直前で火炎が電気を纏った光線に貫かれて相殺された…!
視線を電気が飛んできた方向に向けると黒い竜?に乗ったサトシの姿が見えた、よく分からないけど多分アレは話にあったゼクロムだ、サトシが何かしらの方法でゼクロムを見つけたんだと確信し…安心したら、気が抜けてしまい意識が遠のいていった…
めのまえがまっくらになった
side out
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~黒き英雄ゼクロム~
side S
途中から皆と別れてピカチュウと一緒に城の地下へと進む、試練を突破してようやく最下層に辿り着くと、ゼクロムの石と思わしき物が置かれた台座がある
そこでゼクロムに語りかけられた、俺が望む理想とは?と
「俺は…ビクティニを死なせたくない!助けてやりたいんだ!…アイツは千年も1人でいたんだ…きっと寂しかったはずだ、それに約束したんだ、アイツに海を見せてやりたい!」
瞬間、ゼクロムの石が眩く輝き、稲妻を纏いながら形を変えて…大いなる竜の姿、ゼクロムへと変わる!
「(お前の覚悟が、理想を見せる)」
ゼクロム!力を貸してくれ!
………
……
…
side out
side I
サトシと別れ皆と城の上へと戻ってきた、レシラムとラティアスはまだ激しく戦っている、でもかなり押されているみたいだ
「ラティアス!」
「キバー!」
「ラティアスでも押されているのか…!」
ラティアスは劣勢であった、それに…
「あ!ジャンタさん、下を!」
「竜脈が!?」
地上の竜脈が禍々しい色を溢れさせている!
するとこちらにヘリに乗ったモーモントさんが来た
「モーモント!」
「地上が大変なんだ」
「竜脈が暴れ始めたのね!」
「…!どうしてそれを!?」
サトシの言った通りだ…やっぱりこの城は動かしちゃダメだったんだ!
「あ、ゴルーグ!」
「グォール!」
先程墜落したゴルーグが戻ってきた
「ゴルーグ、城を止めてちょうだい!」
「ルーグ!」
「みんな!ヘリに乗って!」
全員でモーモントさんのヘリに乗り込み移動する
ゴルーグも上へと行きドレッドさんを止めようとする
「レシラムは手が離せない…!くっ、ランクルス!僕の邪魔をさせないでくれ!」
「ラァーン!」
ランクルスが妨害するがゴルーグからすれば流石にレシラムと違ってやりやすい、しかし…
「ぎゅあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ーーーー!!!!???」
「…!!!ラティアスー!!」
ラティアスが至近距離からレシラムのあおいほのおの直撃を食らってしまった
「…!!マズイ!レシラムはトドメを刺すつもりだ!またあの攻撃が直撃したら、いくらラティアスでも…!!」
「そんな…!!どうにか助けないと!!…っえ!?あれはサトシと…!」
「…!ゼクロム!!」
「サトシ…!」
「やった!ゼクロムに会えたのね!」
side out
side S
ラティアスが大ダメージを負って更にレシラムに追撃をかけられそうになっていた!咄嗟にゼクロムが攻撃を防いでくれたけど、ラティアスは気を失って墜落していく!
「…!戻れラティアス!!!」
すぐに落ちていくラティアスをボールに戻して助け出す
「ラティアス…!いつもありがとうな…今はゆっくり休んでくれ…!」
いつも強大な敵を止めるためにぶつかっていくラティアス、それに俺は…俺達はどれだけ助けられてきたのだろう?本当に無茶ばかりさせてしまっている、ゴメンな…、ここからは俺達が頑張る番だ!!
ゼクロムとレシラムが交戦し始めたが…俺とピカチュウが乗っているので全力を出せないでいるみたいだ
「ゼクロム!俺達を城に下ろしてくれ!」
ゼクロムに城の上部に下ろしてもらい、そのままビクティニの所へ向かう!
「ビクティニーー!!」
「…!!ティニー!!」
「くっ!ランクルス!!」
ドレッドさんがランクルスを呼んだがランクルスは既にゴルーグに無力化されていた
レシラムもラティアスに大ダメージを負わされたようで動きに精彩を欠いていてゼクロムが押している!
レシラムは更にダメージを負って地上に落下する、危うく荒れ狂う竜脈の波に呑まれかけたがゼクロムが救出した、そこでレシラムは初めて竜脈の異変に気づく、
「グォォォー!!(今は争っている場合ではない!!)」
「…キィアア!(…どうやらそのようだな!)」
状況を理解したレシラムは戦いを止めたようだ
俺はビクティニを助け出す為に台座に登っていく
「真実を追い求めるためには犠牲が必要な時もある!」
ドレッドさんはそう言うが
「犠牲が必要な真実なんて要らない!!」
俺はそんなの認める気はない!犠牲になる側の思いはどうなる!!??
最初にラティアスがレシラムに向かっていった時、ラティアスは激しく怒っていた
機械に囚われて生命力を利用されるビクティニを見て、アルトマーレでの事を思い浮かべたんだろう
そうだよな…俺だって同じだ!もう2度と誰かがあんな思いをするなんて…絶対に許さない!
「ビクティニ…!今助けてやるからな!」
ビクティニに近づくけど、そこにレシラムがやってくる
「くっ!」
「レシラム!彼を止めてくれ」
「………」フルフル
「…どうした?レシラム」
レシラムは邪魔するつもりはないようだ
「…!ビクティニ、待ってろ!」
結界に体当たりするけど弾かれる、ピカチュウの攻撃でもびくともしない
「クゥアアーー!!」
するとレシラムが攻撃を結界に当てて壊してくれた!ビクティニが解放される
俺は落ちてくるビクティニを受け止める
「ビクティニ…?」
「……ク…クティク…!」
体力は消耗してるけど笑ってくれた
「…良かった!」
「…ピカチュ…!」
「レシラム!何故だ!」
「(大地の怒りが聞こえる)」
「えっ!?バカな!」
レシラムとゼクロムに地上の事を教えられてようやくドレッドさんは地上が大変な事態になってることを知った
「そんな…僕がしようとしていた事は…間違っていたのか…?」
竜脈の暴走…一体どうすればいいんだ!?
するとレシラムとゼクロムから竜脈を鎮めるために剣を…この城を使えと教えられた
「そうか…!レシラム、ゼクロム!力を貸してくれ!!」
………
……
…
ドレッドさんは竜脈を鎮めるために城に残るみたいだ
皆は城から脱出することにしたがビクティニが結界に阻まれて出られない、どうすりゃいいんだ!しかも結界がどんどん狭まってきている!
すると城が急上昇をし始めた!その衝撃でドレッドさんが城の外に放り出されてしまった!結界は尚も狭まり城は雲の上へと突き抜けていく!
「ピカチュウ…ビクティニ…!俺からはなれるなよ…!」
しかし気温は下がり続け、空気が薄くなっていく…どうすればいいんだ…?
ポーン!
ボールからラティアスが飛び出す
「…ラ、ラティアス…?どうして、お前はまだ動けるような身体じゃ…!」
「きゅ、きゅうう……!」
これは…いやしのはどう…俺達を助けようと…?
「だ、ダメだラティアス、お前は寒さに弱いだろ…ボールに戻るんだ…」
「きゅううー!!」フルフル
ラティアスは俺の言葉を拒みボールに戻らず俺達に回復技をかけ続ける
「ラティアス…お前が倒れたら…!」
「きゅ!」
ラティアスは、その心配は要らないとばかりに辛そうながらも笑顔を見せて、自分自身にもじこさいせいをかける
「ラティアス…お前ってやつは…本当、自分の事よりも…誰かのために全力なんだな…」
「きゅうぅ…ひゅあ!」
今のラティアスの言葉はなんとなく分かった
「それはサトシもそうでしょ?」ってか?
少ししたらゼクロムとレシラムとゴルーグに乗ったドレッドさんが駆けつけてきてくれた
周囲の護りの柱を破壊するらしい
ゼクロムとレシラムの攻撃で柱が次々と壊されていくが…その度に結界が移動し、更に縮んでいく…幸い俺達はラティアスに体力を回復してもらってる…けど
もう結界で四方を囲まれてしまい身動きが取れなくなった…体も寒さでかじかんでくるし、更に空気が薄くなっていく…ここまで…なのか…?
「ごめん…ビクティニ…海に、連れて行くって約束したのに…」
「クティ…!」
「ピカピ…!」
「きゅ…きゅううううーーー!!!」
「ラティ…アス?」
ラティアスが大きく叫ぶ、それと同時にラティアスの首元のメガストーンが輝き…俺の持つキーストーンも輝く…まだ諦めるな!と、ラティアスはそう叫んだんだな…お前だって満身創痍なのに…
ああ…!まだやれるはずだ…!
「きゅうううーーーー!!!!」
メ ガ シ ン カ ! ! !
ラティアスがメガシンカしメガラティアスとなる、そして
「クティクーー!!!」
ビクティニも激しく燃え上がった!
2人はお互いに頷き合い…そして…上を見据えて力をため…
「ひゅううあああーーー!!!(ギガ…インパクトーーー!!!)」
「ティニーーーー!!!(V…ジェネレート!!!)」
ドグァーーーーン!!!!
2人の大技が周りの残った柱と結界を打ち砕いた!
「…!やった!柱が…壊れて結界が…解けた!」
「…!サトシ君!無事か!」
ドレッドさんがこちらに来てくれた
「…ええ!なんとか!」
「ひゅ…あ…!」
ラティアスも今ので力を使い切ったようでメガシンカは解除された
「ラティアス…ありがとな」
「ティニーー!!!」
ビクティニが俺に飛びつくようにくっついてきた
「ビクティニ…お前も、よく頑張ったな、凄かったぜ今の技!」
「ピカピ、ピカッチュ!」
「さあ、地上に戻ろう」
城はドレッドさんが操作しつつゼクロムとレシラムが押しながら地上へと降りていく
そして最後にこの城を竜脈の頭に向けて下ろせば竜脈の暴走も鎮まる、上手く刺さったようで無事に竜脈は落ち着き、元に戻った
そして…
「ほら、ビクティニ!約束してた海に連れてきたぜ」
「ティニティニー!」
「ピカピカー!」
「キバーー!」
「これは、とても楽しそうなテイストだね」
「みんな、ビクティニが今まで海を楽しめなかった分、たっぷりと遊んであげてね!」
「そうだ、せっかくマカロンを作ったし、ここでマカロンパーティといこうか」
「お、良いなそれ!じゃあ早速、いただきまー…アレ?」
俺の持っていたマカロンが消えた…
「あ、これは〜♪」
「見たことあるテイストだね」
「こらビクティニ!また透明になって俺のマカロンを取ったな!」
「ティニ〜♪」サクサクサクサク
「…ハハッ、美味いか?ビクティニ」
「やっぱりビクティニってイタズラ好きね」
「大丈夫だよ、マカロンは沢山作ってあるから」
「だな、それじゃあ今度こそいただき…ってまたか!」
またしても俺のマカロンが消えた
「おいビクティニー!」
「ティニ!?クティク〜!!」フルフル!
しかしビクティニは「僕じゃないよ!?」と否定する
「おや?どうやら今度はビクティニじゃないみたいだね」
「サトシのマカロンが消えたタイミングではビクティニは姿を現していたわよ?」
「ええ?じゃあさっきのはもしかして……」
「…きゅうう♪」
「今度はお前かラティアス!」
「ひゅわわ!」サクサクサクサク
「ラティアスも透明になれるもんね」
「これは…ラティアスとビクティニが手を組んだらイタズラやり放題になっちゃうね」
「透明になれる者同士だからね〜」
楽しいひとときはすぐに時間が過ぎてしまう
「ビクティニ…お前はこれからどうするんだ?」
「ティニ〜…」
するとまた頭にビクティニの記憶が流れてきた、これは…
「そっか…お前は大地の郷に帰るんだな?」
「ティニ!」
「みんなのこと、元気にしてやってくれよな!」
「ピカピッカ!」
「キーバ!」
………
……
…
「みんな、すまなかった、僕はとんでもない間違いを…」
「ドレッド…、ほらしっかりなさい!」
「母さん…?」
「大地の郷の真実を見つけるんでしょ?」
「……!うん!」
ドレッドさんも家族と和解して、これから進むべき新たな道を見つけた
side out
side LA
ビクティニと沢山遊んで、マカロンを食べて、そしてもうすぐお別れの時がくる、でもビクティニにはまた会えるよね?ジラーチとは千年という眠りから…一生の別れになってしまったけど、ビクティニとは会おうと思えばまた会えるはずだから、寂しくなんてないよ…!
これからは街の中だけではなく色々な所に行けるはずだから沢山友達作って、沢山思い出を作ってねビクティニ、でもサトシ達は今晩くらいはここにまた泊まって過ごすみたいだ
するとゼクロムさんに声をかけられる
「(ラティアス、といったな?お前に問いたい、お前にとっての理想とは何だ?)」
「ひゅあ…きゅうう、くうぅぅん、きゅあ!(理想…か、私が求めるもの、それは大切なモノを大切な存在を守り抜くこと、そしてそれが平穏無事であること、それが私の求める理想…かな)」
「(それは、辛く険しい道となるだろう、それでも尚…進むか?)」
「ひゅあ!!くぅーん!きゅわわー!ひゅーわ!(当然!!どれだけ辛い道でもその理想を追い求めるなら突き進む!それが私の夢幻の道!)」
「(その覚悟、しかと受け取った)」
ゼクロムさんは飛び立っていった
続けて今度はレシラム…さんが話しかけてくる
「(戦いの中でお前の強さを見させてもらった…、守り抜く強さ、それがお前の答えか?)」
「きゅう…ひゅうん、くぅるるる、ひゅあ(ええ…たとえ相手がどれだけ強大でも、守りたいモノがある限り、私は戦う)」
「(そうか…それと、すまなかったな)」
「ひゅあ…?くぅーん、きゅうう〜…ひゅわ!(戦った事…?だとしたら気にしてないよ、お互いに信じるモノがあって戦ったんだから、でも…もしまた戦うって事なるなら…今度は負けないよ)」
「(フッ…)」
レシラムは笑みを浮かべゼクロムについて行くように同じく飛び去った
こうしてこの街での騒動は治まり…翌朝私達はビクティニやカリータさんやモーモントさん達に見送られて大地の郷を出発したのだった
ビクティニ…元気でね!
side out
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~そして今~
お姉ちゃんの長〜いビクティニとのお話が終わり、皆は肩の力を抜いた
『はぁ…やっぱりレシラムとも戦っていたんだ…お姉ちゃん』
「くぉぉう…しゅわん!(ここでも無茶し過ぎだ…最後にゼクロムの救援が間に合わなかったらお前は死んでたかもしれないんだぞ!)」
『でもまぁ…シンオウの話だけでもお腹いっぱいだよ、何回九死に一生をくぐり抜けてきたのさお姉ちゃんは』
「きゅうう〜…!(今更自分の身を優先にだなんて出来ないよ、もうこれが今の私の道だから…!)」
どんな相手だろうと守るべきモノがあるなら立ち向かう、それがお姉ちゃんの選んだ夢幻の道、ここまで変わるなんてアルトマーレの頃からは想像もつかなかった、多分私がこの世界にきて、お兄ちゃん以外で1番大きな影響があったのはきっとお姉ちゃん…だね
「しゃしゅしゅわ!(僕も強くなりたい!)」
『ヒスイ…君は既に私より強いからね?』
「しゅわーん、くぉん(ヒスイが独り立ちする少し前、お前はヒスイとの模擬戦でボコスカにやられてたものな)」
『それ言わないでよ!あれ割とショックだったんだから!』
私より後から鍛え始めた自分の子にボコボコにされるなんて…威厳も何もあったもんじゃないよ
「しゅーうん…しゅわわ〜(えっと…その節はごめんなさいお母さん)」
「ひゅああん?きゅうう〜!(義妹ちゃんも鍛えないといざって時戦えないよ?私と特訓する?する?)」
『やめてくださいしんでしまいます』
「くぉぉう…ふぉるん(一応これでも俺が鍛えているんだがな…それなりにはやれるんだが)」
『でなきゃキュレムにダメージ与えられてないって』
「ひゅあ、ひゅわわ〜(でもメガシンカ込みで、ピカチュウの手を借りてでしょ)」
グサァッ!私の心にこうかはばつぐんだ!
お姉ちゃん…結構ズバズバ言うようになったね!
「しゅ、しゅしゅしゅ〜!しゅわん〜(だ、大丈夫だよお母さん!弱くたって僕やお父さんは気にしてないって!)」
チーン…
私はその場で丸くなって拗ねた
別に防御が1段階上がるわけでもころがるの威力が上がるわけでもない
そもそも使えないし〜
「くぉぉ…しゃあああ(ヒスイ…トドメを刺してどうする?)」
「しゅわ!?しゅ〜〜ん(ええ!?そんなつもりは…)」
ヒスイ君、君の悪意ない純真無垢な意見は時として一撃必殺技になりうるのよ…
「ひゅ…ひゅわわわ!きゅ〜ん♪(ぷっ…アハハハ!義妹ちゃんって相変わらずだね♪)」
「しゅわん?くおぉん、しゃ〜(だろ?だから目が離せないんだ、俺が付いていてやらないとな)」
サラッと惚気ないでお兄ちゃん、顔が赤くなっちゃうから
『そう言えば、ビクティニの件が終わった後はどうしたの?すぐにオーキド博士の研究所に戻ったの?』
「ひゅーあ、ひゅわわきゅーん、きゅううう(いーえ、せっかくだから少しだけ旅について行ってキバゴのデビュー戦を見届けてからにしたんだけど…ちょっとね…)」
師弟関係になったキバゴの成果を見る為にそのまま同行したとのことだ、お姉ちゃん面倒見良いもんね、で…キバゴのデビュー戦となるドンバトルというイッシュリーグとは関係ない大会で何やらあったみたいだ、なんでもアイリスを目の敵にしている自称ドラゴンバスターのラングレーという子とイザコザがあったとか…
〜ドンバトル!withラティアス〜 へ続く
次回はドンバトル編を考えてます。ドラゴンバスターのラングレーとラティアスが出会ったら…?