琥珀色の夢幻はどこまでも   作:makoron

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琥珀色の夢幻はどこまでも、後編、水の都の護神編になります。今回で書き切るつもりでしたが長くなってしまったのでエピローグは次のお話に回します。今回の後半に結構ショッキングなシーンや流血表現が出てきますので苦手な方はご注意ください。また映画水の都の護神やアニポケ本編のネタバレを含みますのでそちらもご注意ください。
それでも構わないという方はお進みくださいませ

第2話扉絵

【挿絵表示】



琥珀色の夢幻はどこまでも 後編

~嵐の前の~

 

アルトマーレに住み着いてから数ヶ月の時間が過ぎた、季節は夏!暑くなってきたこの水の都では毎年恒例の水上レースの時期になった、数日後に開催されるんだって!

 

きゅ~わ!

 

いつもこっそり観戦してるんだよ、楽しみだねぇ

とお姉ちゃんがウキウキして話す

 

『うんうん、楽しみ~!』

 

私は初めて見るから余計にワクワクする…のだが、それと同時に不安も出てくる、アニポケ時空なのであればこのレースにはある少年達が参戦する事になる、そう…アニポケの主人公であるマサラタウンのサトシ、そしてその旅仲間のカスミだ。付き添いでタケシもいるはずだ、いや今年がそのタイミングとは限らないけど、来年か再来年かという可能性もある…が、何となくだが今年は何か起こるような、そんな予感めいたものを感じる…もうこの世界はアニポケ時空だと9割方信じている、街中のテレビでポケモンリーグの再放送や特集とかを見てたけど、私の知っているゲームの主人公が誰も見当たらないのである、優勝者や準優勝者は全く知らない人だった、レッドやグリーンではない、それに他の地方のリーグも同様だった、じゃあサトシはいたか?というと見つけようがない、何故ならこの時期のサトシはまだリーグはカントー地方のセキエイ大会しか出ておらず、成績はベスト16だ

 

『ベスト4以上とかならテレビで紹介されるかもだけど、16じゃあね…』

 

オレンジリーグなら殿堂入りしてるけど、オレンジリーグは大会ってわけじゃないからテレビで中々放送されないようだ、ここはオレンジ諸島じゃないし

 

ちなみに各地方のチャンピオン特集では見知った顔が沢山出ていた、ワタルさんにダイゴさんにカルネさんやアデクさんにシロナさんにダンデさんも!…オモダカさんは見当たらなかった、流石にパルデア地方はまだ詳しく分からないか、もしくは今の時期はトップチャンピオンではなかったか、それにアローラ地方はリーグが設立されてない時期だからチャンピオン自体存在してない、後々サトシがなるのだろうけど

 

でもチャンピオンの面々は実は私が知る姿よりちょっと若めなんだよね…見た感じ数年前くらいの姿?って所かな、アニポケ時空は時間が過ぎないらしいが、ここでは普通に時間の経過あるみたい

 

『なんにせよ、それもこれも数日後の水上レースを見れば全部分かる、気を引き締めていこう』

 

それにそろそろ例の怪盗2人組も動き出してる可能性がある、もうアルトマーレの何処かに潜伏してるかもしれない、緊張してくる

と悩んでいるとお姉ちゃんが私の両ほっぺをぐい~と両手で左右に引っ張ってきた

 

『ほにゃー!!ふぁ、ふぁにふぅるの~!』

 

くぅぅ~!ひゅわひゅ?

 

まーた百面相して難しいこと考えてる~!水上レースの話ちゃんと聞いてた?と言ってくる

 

『ふぉ、ふぉめんなふぁい!ひゅるして~!』

 

きゅーわ!

 

だーめ!っと良い笑顔でお姉ちゃんは引き続きほっぺをプニプニ揉み揉みしてきた

 

『ひょ!まって!アーッ』

 

たっぷりプニられてしまった…

 

きゅわわ~!くるるぅん!

 

あはは、ほっぺ柔らかくてプニプニ~!義妹ちゃんはプニちゃんだね!と楽しそうなお姉ちゃん

 

いや誰がジガルデですか!?

セル集めてフォルムチェンジなんて出来ませんし、ポシェットにデデンネと一緒に入ったり出来ませんよ!

 

くぉ~…

 

ラティオスお兄ちゃんはそんな妹2人のじゃれあいを何とも言えない目で見ていた

 

そんな昼下がりであった

 

………

……

 

『はぁー!ミストボール!』

 

バシュゥーン!!

 

よし!もうほとんど完成と言っても良さそうだ、お姉ちゃんから伝授されたミストボールはほぼ習得したようなものかな、お兄ちゃんに教わってたサイコキネシスも問題なく使える、相変わらずりゅうせいぐんやりゅうのいぶきとかは下手っぴだったけど、以前よりはマシにはなった

 

くぉう~

 

まぁ向き不向きがあるからな

とお兄ちゃんにフォローされる、う~ん仕方ないか…必ず覚えなきゃならないってわけじゃないからね、でもある程度戦えるようになっただけ大分収穫だね

 

くぉ、しゅわ?

 

そろそろ終わろうか…この後暇か?

とお兄ちゃんから聞かれる

 

『うん?特に何もないよ、どうしたの?』

 

くぅ~お…くぉく…しゅあぁ?

 

その、なんだ…良かったら一緒に散歩行かないか?

 

『え?別に大丈夫だけど、どうしたの?』

 

いつも3人みんなで散歩、というか飛行してるけど、わざわざ聞いてくるってことは何かあるのかな?

 

くぉ~、くるる

 

ああ、妹はいつも通りカノンの姿になって出かけてるし、2人だけでな

 

『うん、特に問題ないよ』

 

くぉ~…しゅわ

 

そうか、じゃあ行こうか

 

2人で透明になり街に出る

こうして2人っきりで散歩するのは以前にお姉ちゃんの様子を伺ってたとき以来で、お兄ちゃんと一緒に見た夕焼けに染まるアルトマーレは良い思い出だ

 

2人でアルトマーレの名所、名物を見て回る

 

私達ラティアスとラティオスの像が立てられてる広場、ボンゴレさんがガイドしてる博物館、いつも3人で見てる所だけど、お兄ちゃんと2人っきりだと感覚がなんか違うみたいだ、まるでデートのような……デート?いやいや~…

そんな自意識過剰な想像したところで何もならないよ、これはただの散歩、家族の触れ合いだよ

 

博物館の中を見て回り、真ん中に置いてある大きなオブジェが目にとまる。

この装置が後々の騒動のトリガーになることを考えると本当にこの街にとって良い事なのだろうか?防衛機能としては確かに凄い性能をしているし、ここの博物館に展示されているポケモンの化石から復活させる程の力を秘めている。

しかし、その動力として消耗されるのは他でもないラティ達の命そのものなのだ

 

『ゾクッとする、無論これが残っている以上は過去から今までのラティ達はこの装置の存在を認めているってことだけど』

 

存在を拒絶してるようならそもそもアルトマーレにお兄ちゃん達が留まっている理由はない、とっとと人の知らない土地へ雲隠れしてるはず

 

今でも鮮明に思い出す、前世で見た映画で

お兄ちゃんがあの球体部に捕らわれ生命力を吸い取られ、痛みにもがき苦しむ姿を

 

『…ッッ!』

 

やっぱりお兄ちゃんに苦しんでほしくない、どうにかして回避する方法はないものか、何か、何か…!

 

くぉ…くぉう!

 

おい…おい大丈夫か!?

 

ハッとお兄ちゃんに呼ばれて正気に戻る

 

くぉ…しゅわわ?

 

凄い顔してたぞ、どうしたんだ?と聞かれた

 

『あ…いや何でもないよ、ちょっとイヤな事思い出しただけ』

 

くぉ~う、くぅわくぅ

 

そうか、大丈夫そうならいいが

 

『心配かけてゴメンね、さぁもっと見て回ろう』

 

どうにか誤魔化して博物館見学を続ける

次に目に付いたのがポケモンの化石、まさかアレが復活して動き出すとは今の段階では考えようもない、完全に骨格だけなのに…

 

『しかもまるで正気なんて無かったから見ててちょっと怖かったんだよね』

 

お姉ちゃんはよくサトシを引っ張りながら彼らを振り切れたと思うよ、その辺は流石だな~

 

一通り見て回り、外へ行くと良い時間になってきていた、最後にまたあの場所で景色を見ようとお兄ちゃんが誘ってくる、勿論異存は無いので二つ返事で了承する。

すると…

 

くぉ~う

 

先に行っててくれ、とお兄ちゃんは言って別行動を取った

 

???…どうしたんだろう?

とりあえず例の場所に着いて待っているとお兄ちゃんはアイスを2個持って来た、どうやらお姉ちゃんに頼んで買ってきてもらったらしい(カノンの姿で)

 

『あ、ありがとう…お兄ちゃん』

 

くぉ~…くぉう

 

その…ちょっと目を瞑って口を開けてみろ

とお兄ちゃんが言う

 

『へ、何で?…まぁ良いけど』

 

よく分からないがお兄ちゃんの言うとおりにすると

 

ズボッ

 

『もご…?ッッ~~~(頭キーン!)』

 

お兄ちゃんに冷たいアイスを口に突っ込まれた

 

『ごほっ!!ちょ、何するの!?』

 

びっくりしてアイスを口から取り出して抗議する

 

しゃっ…?くるる、しゅわー?しゅわわーん、くぉくぉ

 

頭…冷えたか?お前はいつも何かしら悩んでいて、それを打ち明けようとせずに誤魔化しているだろ?3人で散歩してる時も技の練習を終えて休憩してた時も深刻な顔してたぞ

とお兄ちゃんが珍しく口数多くして語りかけてきた

 

ドキッとした、まさか悩んでいることを追求してくるなんて…そんなに表情に出ていたのか、お姉ちゃんは流してくれたけどお兄ちゃんはそうじゃなかった、これはマズったかも

 

『いや、その、本当に何でもない…じゃ納得してくれる雰囲気じゃ…ないね』

 

お兄ちゃんは少しキツめの表情をしている

 

くー…?くぉうくぅ?

 

家族…じゃないのか?そこまで、信用されてないのか?

 

決してキツい口調ではないが言葉のふしにイラつきを感じた

 

『そうじゃない、そうじゃないよ…!ただ、上手く説明できるか分からないから、言ったところでまともに受け止めてもらえるか分からないから…!』

 

お兄ちゃんに向かって大きな声を出したのは初めてだった、私だって何もかも伝えたい、でも突拍子もない事を言ったところで信じてもらえるか?未来の出来事を知ってるなんて!別世界から来たなんて…!

 

気付いた時には目から涙がこぼれていた

 

しゃ…、くぅぅ…しゅわ、くぉ~う

 

すまない、ただ…いつも悩んでるお前の手助けをしたいと思ったんだ、それは家族として当たり前の感情じゃないのか?

 

『うん、本当にその気持ちは嬉しいよ、でも家族間でも触れてほしくないって事あると思うの、だから…今は無理だけど、いつか話せる時が来たら必ず話す、って事じゃ駄目かな?』

 

くぉ、くぉ~う…、くぅぅん…

 

そうか…分かった、不躾に聞いてすまなかった、でもいずれは打ち明けてくれるなら、それだけでも嬉しいさ…

 

『いや、こっちこそ大声出してゴメンね、あっでもそれとは別に…えい!』

 

???……くぉ!?(頭キーン!)

 

ポカンとしてるお兄ちゃんの口にアイスを突っ込む、これはさっきのお返しだよ…!

どーだ、ドラゴンタイプだけに氷2倍の頭キーンは効くでしょ…!私も痛かったけどさ

 

くる!くぉぉ~!

 

せめて!自分が口付けた方じゃないアイスにしてくれ!とお兄ちゃんが言う

 

あ、間接………

 

お互いに顔が赤くなってしまった、なんか気まずくなっちゃったのでアイスを食べ終えたら庭園へと一緒に帰った

 

この時、結局全てを打ち明けなかった事は果たして正解だったのか?それは私にもお兄ちゃんにも誰にも分からなかった、神のみぞ知る…アルセウスなら知ってる?

 

side LO

 

義妹は時々深刻な顔して悩んでいることがある、出会った頃から考え込む癖でもあるのか、思考の海に沈んでころころ表情を変えて大抵は難しい顔をしてた、それとなく聞いてもいつもはぐらかされた、そんな義妹の態度に少し疎外感を感じる、悩んでいるなら相談してほしいと思ったがあまりズケズケと踏み込むのも良くないと思って控えてはいた、妹が水上レースの話をしてるときも考え込んでいたので少しムッとしたのか、妹が義妹の頬を引っ張っていたが、すぐにじゃれあいになっていたので微笑ましいが、やはり話してくれる様子はなかった

 

その日の午後、練習を終えた義妹を誘って2人だけで遊びに行くことにした、気分転換も兼ねて、街の観光名所を姿を透明にして色々見て回る、だが博物館見学をしていた時だ、あるオブジェの前で義妹は深刻な表情をして見つめていた、狼狽えてるようにも見える、この機械は確か……

心配になって呼びかけると義妹はハッとする

もしかしてずっと悩んでいる事はこれに関する事なのだろうか?しかしまたはぐらかされた…そんなに、教えたくないことなのか?兄妹家族でも…

あの様子はいくら何でもおかしい、博物館見学を終えたら例の場所で待っててもらうように伝える、そのあと妹に頼みカノンの姿になってアイスを買ってきてもらった、一緒に食べようと思ったが、例の場所で待っていた義妹はまだどこか上の空だった

 

ちょっと気付けをしてやろうと思い、目を瞑って口を開けるようにお願いした。

義妹は怪訝そうにしながらも言う通りにしたので持っていたアイスを彼女の口に押し込む、すると冷たさで頭を抑えている、どうだ、頭冷えたか?と切り出して

一体何に悩んでいるのか聞いてみるが、やっぱり誤魔化そうとする、悪いけど今回は引き下がる気はないぞ?しかし、そこまでの信頼はしてくれて…いないのか?だとすると少し寂しさがある

 

すると義妹は目に涙を浮かべてこちらに食い下がってきた!そこまで…そこまで思い詰める程の事なのか、信じてくれるか分からない?受け止めてもらえない?そう言っていた、そんなわけ…!と思ったが内容は結局話してくれなかった…しかし、時が来れば必ず話すと言ってくれた、その言葉を聞いて安心する、決して信頼関係が無かったわけじゃなかったのかと…

 

ひとまず先に切り出したのはこちらだから謝る、義妹は許してくれた…が

何やらわるだくみしてるようだった

するといきなり先ほどのアイスをこちらの口に突っ込んできた!

 

ぐぅ!?頭が…!

 

へっへ〜んお返しですよ!と義妹はドヤ顔をしていたが…

これはさっきお前が口付けた方だろう!せめてもう一つの方にしてくれ!

と返したら顔を赤めて目を逸らす、多分自分の顔も赤くなっている

 

………何か気まずくなった、しかし先程の空気と比べて雰囲気は柔らかくなった

良かった、ひとまず帰ることにしよう…

 

side out

 

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~開幕、ポケモン水上レース~

 

 

ついに来た、ポケモン水上レース開催日!

朝早くからお姉ちゃんはワクワクしている、お兄ちゃんもどこか楽しそうだ、私は興奮半分、緊張半分の心情であった

朝食を木の実で済ませて、3人で一緒にレースのスタート地点に向かう、勿論透明になって…一部の子供や赤ちゃん、ポケモンはこちらの存在を薄っすらと気付いているのか視線を向けてくる、そういえば主に子供は存在に気付くみたいな話があったっけな〜

そして上の方からレース会場を見る、ネイティが数段に重なって1番下にネイティオがスタンバイしてる、映画でも見たけどシュールなカウントダウンシグナルだな〜

 

『…ッッッ!』

 

そしてとうとう見つけてしまった、特徴的な服装の3人を…

肩にピカチュウを乗せ青を基調とした服装に独特のマークが描いてある帽子の少年、アニポケの主人公サトシだ、隣にはトゲピーを抱いたオレンジ髪の少女カスミ、トゲトゲした髪型で糸目の青年タケシ

これでこの世界がアニポケ時空である事が確定した、そしてこれから起こる事件も…

サトシとカスミは出場準備を始めた、もうすぐスタートらしい

 

選手が横一列に並び、いつでもスタート出来る状態になる

 

ピッピッピッ、ピヨ〜〜ン!

 

どこか気の抜けるネイティ達のシグナルを聞き、選手が一斉に飛び出す!

あ、橋の上のピカチュウが落ちた、そしてちょうどサトシの所にダイレクトで着地する、流石〜

 

映画の最初の展開まんまな流れにちょっと感動する、私達は揃って選手達を追いかけて観戦をする、わ〜皆早いな!ていうか実況さんの喋り方癖強いな…!なんとか節が効きすぎて笑っちゃうよ

 

入り組んだ水路を駆け巡っていく選手達、その中で抜きん出ているのはやはり前大会の優勝者ロッシさんの他にサトシとカスミだ、改めて思うけど凄い技術だよね~、ロッシさんは優勝者だから当然として、カスミは水ポケモンマイスターで家はポケモンジム兼水中ショーもやってるだけあって扱いが抜群に上手い、でもサトシは初心者のはずなのについて行けるのが色々凄い…!天性の才能というか運動神経なのだろう…やはりスーパーマサラ人なのか…

 

きゅっ!

 

あ、危ない!

 

サトシがバランスを崩して壁に激突しそうになりお姉ちゃんが咄嗟にクッションになった

 

くぉ、しゅー!

 

こら、手を出したら駄目だろ!

 

とお兄ちゃんがお姉ちゃんに注意する、お姉ちゃんは別に〜?とばかりにはぐらかす

やれやれとお兄ちゃんは息を吐く

 

レースは中盤になるが、サトシは先程のタイムロスで先頭2人に差がついてしまった、お姉ちゃんは何だかそれがもどかしいらしく、なんとサトシの元へ行くとワニノコに繋がってるロープを持ち上げて引っ張りだした!お姉ちゃんのスピードは尋常じゃないからみるみる先頭2人に追いついてしまう

 

『あぁー、それはいくら何でもズルになっちゃうよ』

 

くぉっー!

 

こらー!とばかりにお兄ちゃんがお姉ちゃんを連れ戻しに行く、私もそれに続いた

 

ロッシさんとカスミを抜いてトップに出たサトシとワニノコペア

引っ張るお姉ちゃんをお兄ちゃんが上から持ち上げてコースの外に連れて行く

 

『ってちょっとお姉ちゃん手ぇ離して離して!彼まで引っ張ってきちゃってるよ!』

 

お姉ちゃんが引っ張ってるままなのでサトシ達までコース外に連れて来ちゃってる、言われてすぐ手を離したが、サトシとワニノコは勢いで石畳の階段を登ってそのまま反対側の水路にどっぽーんと入水してしまった、あちゃ〜

 

少しして水から上がってきたサトシ達を見届けたらその場を後にする

レースのゴール地点の方ではどうやら1位がゴールしたみたいだ、映画の通りならカスミがタッチの差で勝ったはずだ、にしても実況さん…123ダー!って良いのかそのネタは

 

レースを一通り見届けたら庭園に戻る

 

きゅー、ひゅわっわ〜ん

 

あー楽しかった、でもあの子に勝ってほしかったー

 

とお姉ちゃんが溢す

 

『だったら引っ張るのは駄目だよ、ズルになっちゃう』

 

くぉーくるる!

 

それ以前に、人に見つかる危険も考える!とお兄ちゃんが補足で叱責する

 

きゅ〜う…

 

しゅ〜んと私達2人に言われて反省するお姉ちゃん、でもまたやりそうだな…お姉ちゃんそういう性格だし

庭園に戻る途中にお姉ちゃんはまたカノンちゃんの姿に化けて遊びに行っちゃった

 

くぉ〜…

 

全くあいつは…と頭を抱えるお兄ちゃん、本当お疲れ様です。

しかし映画の流れならこの後お姉ちゃんは例の怪盗2人組に襲われる…そこをサトシ君に助けられて、それで気に入って庭園に連れて来るはずだ

サトシ君に助けられると知ってるけど…何かの弾みで状況が変わる不安がある、所謂バタフリーエフェ……いや間違えたバタフライエフェクトだ

私という存在が居て、それが原因かきっかけで先の展開が変わってしまう危険…そう考えたら心配で仕方ない、大丈夫だろうか?かと言って私が首を突っ込んで余計にややこしい事になっても危ない、様子を見に行ったら私が怪盗2人組に見つかって捕まった、とか洒落にならない…ここは信じて待つしかない

 

くぉ、くるる

 

大丈夫だいつもの事だろう、とお兄ちゃんが言うのでひとまず庭園に戻る、いけないけない、この間悩みすぎて心配かけたばかりだ、下手に思考の海に沈むのは止めとかないと

 

庭園に戻ってきていつも通りに過ごす、技の練習はもう日課になりつつあるのでやらないと逆に落ち着かなくなっちゃった、でもこれ以上に技が磨かれる感じがしないんだよね…この辺りは実戦、バトルの経験値積まないと成長出来ないのかなと思う、そうなるとバトルはしない私の強さはここで打ち止めだ、残念ながら

 

練習を終えて休憩してると、侵入者が来た時の鳴鼓?風車だかが音を出して回る!

とうとう来た…!でも果たして来たのは本当にサトシ君か?と警戒する

お兄ちゃんは一気に警戒度をマックスにして庭園入口に向かう、続けて私も向かう

 

side S

 

水上レースは残念ながら失格になっちゃったけど凄く楽しかったぜ

代わりにカスミが優勝したみたいだ、おめでとう!

その後、前大会優勝者のロッシさんにゴンドラに乗せてもらえる事になった、やったぜ!

 

ゴンドラに乗ってロッシさんにアルトマーレを案内してもらう、カスミはアルトマーレグラスを貰って嬉しそうだ、そしてロッシさんからこの街に纏わる伝説を聞いた、ラティアスとラティオス…伝説のポケモンがこの街を守り、今もその子孫がこの街のどこかで見守っていてくれてる…か、良いお話だな〜、本当にラティアスラティオスが居るのかは分からないけどロッシさんは信じてるみたいだ、俺も居るって信じるぜ、伝説のポケモンは今まで何度も会ったからな、ミュウにミュウツー、ファイヤーにサンダーにフリーザ、ルギアやセレビィ、それにマサラタウンを旅立った日に見たあのポケモン…!

きっとこの街にも居るだろうな

 

ロッシさんと別れたらクレープ屋でクレープを買うと

 

「あれ?ピカチュウー?何処だ?」

「どうしたのよサトシ?」

「ピカチュウが居ないんだ」

「すぐ前までは一緒だったよな?近くに居ると思うが」

 

ピカチュウが居なくなってる、少し戻ると横の広場の水飲み場で水浴びしてるピカチュウを見つけた、そこに水を出してくれたと思わしき女の子が居た

 

「なんだピカチュウ、もう友達見つけたのか」

「ピカピ!」

 

「………!(ジー)」

「な、何だよ?」

 

その女の子はこちらに近づいてまじまじと俺を観察する、何なんだ?

女の子は満足したのか路地の向こうへ去っていった…

 

「変わった子だな…、ピカチュウ、皆の所に戻るぞ」

「ピ〜…ピカ!?」

「あ、おいピカチュウ!」

「ピッ、ピカピ!」

 

するとピカチュウは何か感じ取ったのか、急にさっきの子が去っていった方向に駆け出す、慌てて水道を止めて追いかけるとさっきの女の子がアリアドスに糸で捕まっているのが見えた、そのアリアドスは野生ではない、2人組の女のトレーナーが居た

 

「お前ら何やってんだ!」

 

………

……

 

この出会いから物語は大きく動き出すのだった

 

side out

 

ここまでの登場人物

・サトシ

アニポケの主人公、水の都前までの経緯などは前編参照

後々ポケモンワールドチャンピオンシップスにて各地方の四天王やチャンピオンを次々と撃破していき世界最強チャンピオンまで上り詰める少年、だが今はまだ一介のポケモントレーナー…のはずだがこの時点でも伝説ポケモンとの遭遇回数や友達になれるコミュニケーションの高さは桁違いと言っていいだろう。そして人間離れした身体能力も桁違いである、走ってるトラックに高速移動で追い付く、15mはある崖をジャンプで飛び越える、ポケモンの高威力技が直撃しても平然としてる、推定数百kgの丸太をぶん投げる等々ひとよんでスーパーマサラ人、ゼラオラのプラズマフィスト2回直撃しても笑って立ち上がってきたりとか、本当はポケモンじゃないの?と言われたり、恐らくタイプはワイルドだろう

現状は映画の通りにラティアスと出会い、秘密の庭園に招待された

 

・ピカチュウ

ご存知サトピカ、シリーズによって強さにムラがある電気鼠、でもいずれ別個体のラティオス相手に相打ちまで持っていったりと伝説ポケモンに引けを取らない強さを誇る、ポケモンワールドチャンピオンシップスでは獅子奮迅の大活躍、マスターズエイトのトーナメントでは全試合で相手の持ちポケモンを2体ずつ撃破し、決勝ではアランのメガリザードンを一蹴したダンデのリザードン相手に死闘を繰り広げ撃破する、間違いなく世界最強のピカチュウであろう、君って絶対6Vでしょ

 

・カスミ

水ポケモン使いでハナダジムのジムリーダー…の4番手、ジムは上の姉3人に任せてる、ハナダジムの美人4姉妹と言っているが姉や周りからは美人3姉妹とその出がらし呼びされてる、ひでぇ。今大会のポケモン水上レースに優勝した。

 

・タケシ

ニビジムのジムリーダー、強くて硬い岩の男!初登場時の硬派なイメージと今とではギャップあり過ぎ問題、旅の家事炊事やポケモンの世話、医者役と何でもできるスーパーマン、何人も居る弟妹の世話で身に付いたようだ、大のお姉さん好きで美人を見つけたらすかさずナンパする…がほぼ全滅、いつもカスミかマサトかグレッグルにお仕置きされて画面外に運ばれる、ピカチュウを除けばサトシの旅に最も長く付き添った仲間である

 

・ロッシ

ポケモン水上レースの前回優勝者、今回は接戦の末カスミに敗北したが、良い勝負だったと称賛しゴンドラにサトシ達を乗せてくれたナイスガイ、声は山ちゃんなのだが、ポケモン映画で山ちゃん声というキャラだけどメインポケモンでも黒幕でも重要キャラでもなく普通の脇役である

 

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~邂逅~

 

庭園の入口近くに来た、そこに居たのは…

 

『カノンちゃんの姿をしたお姉ちゃんと……彼は!?』

 

サトシだ!どうやら無事に出会えたようでホッとする…が

 

しゃあぁーーー!!

 

何をやっている!!

 

と、お兄ちゃんが透明になり飛び出していく!

 

『あ、待ってお兄ちゃん!その人は!』

 

慌てて追いかける私、マズい、お兄ちゃんとピカチュウでバトルになりそうになってる、確かにそうだった!

ピカチュウを躱してお兄ちゃんがサトシに突っ込んで行く!

 

バッ!!

 

とお姉ちゃんが前に出てそれを止める!

お兄ちゃんは空中で急停止して、姿を表した…

 

「ラ、ラティオス…?」

「ピ〜カ…」

 

サトシとピカチュウは驚いてるみたいだ

 

「あなた達どこから入ってきたの!?」

 

あ、カノンちゃんが来た!

そこからは映画のとおりに進んで行く

ふぅ〜、何か変わっていたらどうしよう、と思っていたけど杞憂に終わったようだ

 

あの後ボンゴレさんが来て誤解を解いてからはすぐにサトシ君達とお兄ちゃん達は仲良くなってる、ふふ、ピカチュウに「攻撃してごめんな」とばかりにペロッとしてあげてるお兄ちゃんの姿って珍しいな〜、お姉ちゃんはサトシ君とブランコで遊んで、姿を戻してびっくりさせていた…

 

くぉ…、ふぉーう

 

ああ、お前もこっちに来なさい

とお兄ちゃんに呼ばれたのでそちらに向かう

 

「そうそうラティオス達にはもう一人妹がいるのよ」

「え、そうなのか!」

「お、来たみたいじゃな」

 

サトシ君達の前で姿を現す

 

『初めまして!末妹のラティアスです〜』

 

とサトシ君に挨拶した

 

「わ、びっくりした!あぁ俺はマサラタウンのサトシ!こっちは相棒のピカチュウだ」

「ピィ〜カ!」

「あれ?身体の色が違う?あっちのラティアスは赤色だけどこの子は黄色だ」

「ええ、この子は色違いのラティアスなのよ」

「スッゲェー!色違いって言ったら目茶苦茶珍しいはずだろ?ただでさえ伝説のポケモンは珍しいのにその中でも色違いだなんて…」

「ピカピ〜カ!」

 

サトシ君は挨拶しながらも色違いの私に驚きを隠せないみたい、ピカチュウはよろしく!って言ってくれてる、アニメで見たまんまの姿にちょっと感動覚えている

 

「色違いといえば、俺も色違いのヨルノズクが仲間に居るんだ!あっそうだ、みんな出てこーい!」

 

ポンッ!ポンッ!ポンッ!

 

「コイツらみんな俺の仲間なんだ!仲良くしてやってくれ」

 

パオパオー!

ズ〜ク!

ヒノッ!

ワニワニワー!

 

ベイベーイ!

 

「わっぷ!?あはは!こらベイリーフ!」

 

わー!サトシ君のポケモン達だ!映画では出てこなかったけどやっぱりジョウト地方の頃のポケモンなんだね!ベイリーフにのしかかられてる様子もアニメでは恒例だ、ヨーギラスはまだ居ないみたい、ワカバタウンの前なんだ

 

『うんうん、みんなよろしくねー!』

 

それからは皆で楽しく遊ぶ、お姉ちゃんがサトシ君と仲良くしてるとベイリーフが割り込んできたりしてた、おぉ〜サトシ君大好きポケモン同士の邂逅だ!

 

べーい!

 

きゅうぅー!

 

あ、お姉ちゃんとベイリーフが張り合ってる、どっちがサトシ君と一緒に遊ぶかって事でライバルみたくなってる

 

「こらこら喧嘩すんなって、仲良くしようぜ」

 

サトシ君…張り合ってる原因はあなたなんですよぉ…

 

その後、お兄ちゃんとお姉ちゃんがゆめうつしで外の景色をサトシ君達に見せてあげたり乗せてあげたりしてた、私もサトシ君のポケモン達とじゃれ合ったり何だりと楽しく過ごす、一通り遊んだ後は庭園の真ん中にあるこころのしずくを見せてボンゴレさんとカノンちゃんがおとぎ話を聞かせてくれていた…

 

楽しかった時間はあっと言う間に過ぎていく、夕方近くになりサトシ君はまた遊びに来ると言ってポケモンセンターに帰っていった

ボンゴレさんとカノンちゃんも帰ったので私達も頃合いを見て休む事にした

 

…この後は例の怪盗2人組が襲撃してくる、はっきり言って怖い…立ち回りを間違えたら状況は悪化する、緊張と重圧が酷い、お姉ちゃんが怪盗2人組に追われていた事はお姉ちゃん自身から聞いた、お兄ちゃんもそれを聞いて険しい表情をしていた、危ない事するな!とお姉ちゃんにお兄ちゃんがお説教もしていた

 

すっかり夜も更けて暗くなり3人で木の上で休む、お兄ちゃんとお姉ちゃんはもう寝ちゃったけど私は全然眠れない…

しばらくしたら、再び侵入者用の風車が音を立てて回り始める……ついに来た、招かざる客が…

音が鳴り、お兄ちゃんとお姉ちゃんも目を覚まし警戒する

 

庭園入口に来たら、怪盗2人組はとうとう見つけたとばかりに笑っている

ザンナーとリオン…だったっけ、こちらの都合とか全くお構いなしだ

 

シャーッ!

 

お兄ちゃんが攻撃をしかける、が躱される

 

「飼い慣らしてペットにしちゃおうかしら?」

 

ふっざけんな!!ポケモンをなんだと思ってる!

何度かお兄ちゃんが攻撃をしかけるけどまた躱される、ポケモンもそうだけどこいつら自身も身体能力高い!

 

「あら?色が違うラティアスが居るじゃない、すっごい珍しい、コレクションにしたいわね」

 

ゾワッとする、目を付けられた…!

 

クルルルー…!

 

姿を隠せ!とお兄ちゃんが私達に指示を出す

 

3人揃って透明化する…が、アイツらはサングラスみたいなのをかけてこちらを明確に見てくる!

 

『気を付けて!アイツら私達の透明化を見破ってきている!』

 

すぐさまお兄ちゃんとお姉ちゃんに注意を促す

 

「エーフィ、スピードスター!」

 

クォォッッ!!

 

お兄ちゃんが避けきれず直撃した!早い!!あのエーフィとアリアドスもかなり高レベルだ!

 

「アリアドス!ナイトヘッド!」

 

今度はお姉ちゃんが狙われる、すぐそばにいた私は咄嗟にお姉ちゃんを弾き飛ばす…!

 

バチィッ!!!

 

『ーーーッッッッ!!』

 

痛い!!!こんなに痛いなんて!!

 

くぉ!!

 

今度はお兄ちゃんが私を弾く

と次の瞬間お兄ちゃんが何かの網みたいな道具で捕まってしまう!!

 

お姉ちゃんがすぐに助けようとするが

エーフィのサイケ光線が飛んできたので止める!

今度は私も躱せた…けどお兄ちゃんが!

 

くぅぅー、くぉう!!

 

お前たちは逃げろ!!

とお兄ちゃんが叫ぶ!

 

くぅぅー!

 

でもお兄ちゃん!

お姉ちゃんが躊躇してる、私だって見捨てていきたくはない!

 

くぅぅ!!!!

 

良いから行け!!!!

 

と次の瞬間お兄ちゃんにエーフィとアリアドスの集中攻撃が当たる!

 

グォォォウ!!!!

 

お兄ちゃんの悲鳴が耳を突き刺してくる

 

『クゥゥーーーッッ!』

 

その声を聞いて駄目だと思っていてもたまらず私達は飛び出しそうになる

 

クオォーーーン!!!

 

行けぇーーーー!!!

 

お兄ちゃんの怒声で私とお姉ちゃんが止まる

そうだ、お兄ちゃんの頑張りを全部無駄にしちゃいけない!

 

『お姉ちゃん!サトシ君だよサトシ君に助けをお願いしよう!』

 

きゅううー!くぅ…!

 

でもっ!!…うん!

 

お姉ちゃんも逃げる事に同意してくれた!

だがエーフィとアリアドスが追撃してくる

 

『ミストボール!!』

 

咄嗟にミストボールで迎撃する…けど当たらない、牽制くらいにしかならない、しかしおかしい、映画の時より攻撃が激しいような…あ、私が居るからか!2対2じゃなくて2対3だから余力を残すような事はせずに油断もしてくれない!くっ、嫌なところで影響が出てきた、でも幸いお姉ちゃんは無事水路から逃げ出せたようだ、多分私が逃げ遅れてる事に気付いてない、後は私も離脱しなければ…!

 

バシュン!!

 

「エフィッ!?」

 

エーフィの背中に光線が当たる

お兄ちゃんのラスターパージだ!

身体か拘束されてボロボロなのに援護射撃してくれている…!

逃げ出すなら今しかない!!

反転して水路に入り込もうと動く

 

「逃がさないって言ってるでしょ!」

 

シュル!!

 

!!!!!翼に糸が巻き付いた!

アリアドスの糸だ!しまった、エーフィに気を取られ過ぎた!!

 

ドガッ!!

 

『うあぁっ!!!』

 

そのまま地面に叩きつけられた!

…失敗した…失敗した…失敗した!

私まで捕まってしまい余計に状況が悪化した…!どうしよう、どうしよう…!

い、いやお姉ちゃんは逃げ切れてる、最悪の事態には陥ってない!

 

「本当珍しいわね、色違いのラティアスなんて」

「ねぇ、このまま捕まえて私達のモノにしましょ」

 

…いちいち言い回しが癇に障る、モノ扱いするなんて…!

こうなると当初の考えはもう使えない、どこかのタイミングでこころのしずくを取り戻すしかない、今台座からこころのしずくを取ろうとしてるアイツらを妨害してもなんの意味もない、即気絶させられて終わりだ、今気を失う訳にはいかない…

 

「あら、ラティオスと違って大人しいわね〜諦めが良い子は嫌いじゃないわよ」

 

お兄ちゃんは気絶させられていた、くぅ!でもここは我慢だ

せいぜい睨みつけるくらいしか出来なかった…

 

その後、こころのしずくを取られた後、お兄ちゃんはアリアドスに乗せられて、私はエーフィにサイコキネシスで拘束されつつ浮かされて運ばれる、着いた場所はあの機械がある大聖堂だった…

 

 

side LA

 

私を助けてくれたサトシって人と遊んだのは本当楽しかった

あのベイリーフって子とちょっと張り合っちゃったのは反省しなきゃだけど、サトシを独り占めするなー!って突っかかってくるんだもん…

遊び終えた後はまた来るよって言って帰ってしまったサトシ、寂しいけどまた明日も会えるみたいだし我慢我慢、あの後お兄ちゃんと義妹ちゃんに変な2人組とポケモンに襲われてサトシに助けられた事を伝えたけど、お兄ちゃんには険しい顔をして説教された、義妹ちゃんには心配されたけど、またいつもみたいに何か難しいこと考え始めてる…もしかしてずっと悩んでいることって、こういう事態の事だったのかな?

 

その夜、侵入者用の風車が鳴りお兄ちゃんが起きて警戒する、私も続けて警戒する、義妹ちゃんはもう起きていた、もしかして…寝ていない?目の下に少し隈が出来てるように見えた…

それからのことは酷かった…あの2人組とポケモンにお兄ちゃんが捕まってしまった、義妹ちゃんにも庇われて怪我を負わせてしまった…そんな、私の所為で…

お兄ちゃんを助けようとするがお兄ちゃんは大声で逃げろと叫ぶ、その声に私も義妹ちゃんも踏みとどまる、すると義妹ちゃんがサトシに助けを求めようと言ってきた、そうだ…あの人なら、サトシなら何とかしてくれる…!そう思い私は義妹ちゃんに頷き、水路の外へと向かう、後ろで音がする、怖い…でも捕まる訳にはいかない!必死に逃げて水路の外に出て透明になる…が後ろを振り返ると、義妹ちゃんが見当たらない…!?そんな、はぐれた!?

周囲には義妹ちゃんの気配は無い、先に水路の外に出た様子もない、それが意味する事は…

 

義妹ちゃんも捕まった…?その事実に顔を青くする、

 

駄目だ駄目だ駄目だ!そんなのは…!と義妹ちゃんを探そうとしてハッと思い出す、そうだ…サトシに助けを求めるんだ、今ここで余計なことをしてしまったら状況が悪くなる一方だ、義妹ちゃんの無事を祈り苦渋の思いで探すのを諦める、今いかなきゃいけない所はサトシのいるポケモンセンターだ!

 

side out

 

ここまでの登場人物

 

・ザンナーとリオン

映画水の都の護神にでてきた悪役の女怪盗2人組、こころのしずくを奪い、更にアルトマーレの防衛設備を乗っ取ろうとしている、映画では結果、機械の動力として生体バッテリーにされたラティオスがひんしの重症を負い、こころのしずくが砕け散り、街が崩壊の危機に瀕するが、ラティアスとラティオスが身を挺して守ることで崩壊は免れた…がその無茶によりラティオスは命を散らしてしまう事となる、果たしてこの世界ではどういう結果になるのか?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~ごめんね~

 

あれから博物館に連れてこられて例の機械の前に着く

 

「これが例の物ね」

 

もう一刻の猶予もない、あそこにお兄ちゃんを運ばれたらおしまいだ…!

以前に考えていた万が一の最終手段…それをやるしかない…!

 

『やめてーーー!!!』

 

エーフィのサイコキネシスは長時間張り続けた結果、大分消耗してる様子だ、今なら破れるかも、サイコキネシスにサイコキネシスをぶつけて無理やり破る!よし、解けた!

 

「なっ!?この子急に暴れ出して、何なのよもう!!」

「アリアドス!ラティオスを下ろしてラティアスを抑えなさい!!」

 

『ミストボール!!サイコキネシス!!』

消耗も当たるかどうかも関係ない度外視で目茶苦茶に技を連発して暴れる!

しかしそんな行為をしてもすぐに拘束されてしまった、だけど注意はこちらに反らせた!

 

「全く、大人しいと思ったらとんだじゃじゃ馬だったわね!」

「もうペットとかどうでも良いわ、こんな行儀の悪い子はいらないわよ、コイツの方を使いましょう」

 

するとお兄ちゃんの代わりに私が例の機械の球体部に置かれる

 

……成功した、これが私の考えた最終手段、お兄ちゃんじゃなくて私が動力にされること、これで少なくともお兄ちゃんがひんしの重症を負う事はない…でも……

 

「な、なんてことを!!」

 

カノンちゃんとボンゴレさんが駆けつけてくれた、しかしすぐにアリアドスの糸で拘束されて壁にクモの巣状の糸で張り付けられた…

 

機械が動きはじめる、確かにお兄ちゃんはこのタイミングでお姉ちゃんにゆめうつしで事態を伝えていたはずだ!同じように私もゆめうつしを発動する!よし、お姉ちゃんもゆめうつしを発動してくれた、動き出す機械と怪盗2人組、囚われているカノンちゃんとボンゴレさん、倒れているのお兄ちゃんを見る、お願い…伝わって!

 

 

「ッッッッーーー!!!???」

 

瞬間、身体中に痛みが走る!生命力が吸われ始めたんだ!!ゆめうつしが切断された

 

 

痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いぃぃーーーー!!!!

 

『う、うあぁぁぁーーー痛いぃぃーーー止めてぇぇーー!!!』

 

想像を絶する痛みが襲ってきた!!こんなにも痛みが酷いだなんて!!

甘く見ていた…かもしれない、お兄ちゃんが拘束から解かれても何とか動けたのは相応の強さを持つお兄ちゃんだから耐えきれたんだ、全然弱い私じゃ耐えきれるかどうか分からない、ラティアスはラティオスより耐久型だなんて考えも全然意味をなさない!

お兄ちゃんと私では体力の差が根本的に違う!

 

私の悲鳴が聖堂の内部に響き渡る

 

くっくぉー…?シャー!!??

 

お兄ちゃんが私の悲鳴で目を覚ましたようだ、しかし映画と違って糸とよくわからない網のようなもので拘束されたままだから身動きが取れてない様子だ、事態に気付いて愕然とする

 

『痛い痛い痛い痛いよぉーー!お兄ちゃん助けてぇぇぇーー!!!!』

 

くぉぉーーー!!!、くぉおおー!!!

 

やめろーー!!!義妹を離せぇぇーー!!!

お兄ちゃんは拘束されたまま私を囲っている球体部に技を放つ!

しかし満足に動けない状態で放っても威力は半減しており、バリアーに弾かれてしまい、機械が止まる様子も壊れる様子もなかった

 

『う、うああァァァァァーーー!!!』

 

激しい痛みとともに身体中が傷付いていく、腕に火傷のような痣が出来る、翼に裂傷のような跡が出来る、口から赤色の液体が漏れる、内臓が焼かれるような感覚が走る、雷に打たれたように全身が痺れる…!

 

『ッッッッッッッッッア"ア"ア"ア"ア"ア"ーーー!!!』

 

最早声にならない叫び声しか出せなくなる

 

「やめて!やめてーー!ラティアスが死んじゃう!!」

「それ以上機械を動かすなーーー!!」

 

カノンちゃんとボンゴレさんも必死に叫ぶ

 

くぅおおおーーーーー!!!

 

お兄ちゃんも何度も何度も技をぶつける、しかし機械が止まるような気配はなかった

 

ザンナーとリオンは…

 

「ち、ちょっと大丈夫なのかしら?エネルギー吸いすぎてコイツ力尽きちゃうかも?」

「関係ないわよ!これさえあれば世界だって手に入れられるのよ!」

 

リオンの様子がおかしい、強大な力を得て興奮状態になっているようだ

 

地獄のような痛みにもがき苦しむ、意識が何度も飛びそうになる、いや実際飛んでいるかもしれなくて、激しい痛みですぐに目が覚めているという悪循環に陥ってるのか

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!

でもでもッ!!気を失う訳にはいかな…!!!!痛いぃぃーー!!

 

気を失ってしまえば、装置に取り付けられたこころのしずくを取り戻す最後のチャンスも失うことになる、あれに触れられて砕け散ったら全部終わりだ、お兄ちゃんは助かってもこころのしずくが失われて街の機能が失われる事になる…!

耐える…耐えるん……いやっぁぁぁ耐えきれないぃぃぃーー!!

 

すると

 

バッキィィーン!!

 

リオンの操作しているコンソールが弾ける

 

「な、何よこれー!?」

 

機械が暴走する

 

お姉ちゃんが能力で渦潮を弾き飛ばして、機械のエネルギーをオーバーフローさせたんだ!それにより痛みが減った…!

 

『くぅぅぅぅ!!ハァッハァーーッ!』

 

和らいだ痛みのお陰で意識が戻ってきた、呼吸を整えようとするが、生命力を吸う機能自体はまだ生きている、痛みは続く

 

「やめろーーー!!」

「きゅうーーー!!」

 

サトシとお姉ちゃんが到着した、状況を見てサトシはすぐに行動する、エーフィ、アリアドスをピカチュウが無力化し、電撃で糸を焼き切りお兄ちゃんやカノンちゃんとボンゴレさんを解放する、お姉ちゃんはこちらに来て球体部に体当たりをして壊そうとする、お姉ちゃんはボロボロになっている私の姿を見て涙を流して必死に球体部に攻撃する、だけどバリアが解けない!そこへ解放されたお兄ちゃんが駆けつけて、その勢いで球体部に突進して機械を止めた、今だ!とお姉ちゃんとサトシ君達が私を機械から引っ張り出す

 

きゅううーーん、きゅうううーー!!

 

だめ!!死んじゃだめーーー!!

とお姉ちゃんが必死にいやしのはどうをかける、痛みは和らいだけど蓄積されたダメージがあまりに大き過ぎた、全く動けそうにない…

 

『…あ…あぅ…ゴホッ!ゲホッ!!』

 

口からは咳とともに煙と赤黒くなった液体を吐き出す

見るも無残なくらい身体中はボロボロになっていた…

 

意識を、保て…!気を…失っちゃ、だめ…!

 

機械が止まり、リオンはザンナーに助け出されていたが…こころのしずくを取ろうと台座に上っていく…

 

「やだぁ〜、色が変わっているじゃない…」

 

動け、動け…動けーー!こころのしずくを取られちゃ駄目だ!!

 

「それに触っちゃいかん!!!」

 

ボンゴレさんの声が響く!

 

動けぇぇーーーーー!!!

 

サイコキネシス!!!!

 

「ラティアス!?何を!!?」

 

バッキィッ!!!

台座が壊れ、こころのしずくが外れ落ちていく!

 

「…!!しずくが!!??」

 

このまま地面に落ちたら衝撃で砕ける!!

 

「!!!!?? うおぉぉーーーー!!!」

 

サトシが気付き、しずくが地面に落ちる寸前にダイビングキャッチした!

 

や、やった…!サトシ君が触れても何ともなってない!サトシ君は悪しき者なんかじゃないから…!これで……!!!??

 

『ゲェッフゥゥッ!!』

 

べちゃっ!

 

ひんしの重症を負った状態で無理やりサイコキネシスを使った反動が返ってきた

私の口からは大量の赤黒くなったモノが咳と共に吹き出した

 

「ッッッ!!!ラティアス!!!!」

「なんて無茶を!!」

「ッタケシー!!早く応急処置を!!」

「!!ああ!!!」

 

いつの間にか合流していたカスミとタケシもこちらに駆けつける

 

カスミはポケモンで怪盗2人組を取り押さえた

 

タケシはすぐに傷薬と応急処置セットを取り出して手当を始める

 

く…くぉぉ………!!

 

きゅううう……!!

 

お兄ちゃんは愕然としながらも必死に私を呼ぶ、お姉ちゃんは何度もいやしのはどうをかける、しかし…

 

もう、駄目だ…回復よりダメージの蓄積の方がデカすぎて効果がほとんどでていない

あぁ、私は…もう……

 

『…お兄…ちゃん、みん…な』

 

いやしのはどうのおかげで喋れるようにはなった、一時的でしかないが…

 

!!! クぉ!!しゅわ!!

 

駄目だ!もう喋るな!!すぐに治るから!!!

お兄ちゃんがそう言ってくれる、でも…

 

『ねぇ…お兄ちゃん……私が、ずっと…隠していた事だけ…ど、今、言うよ…』

 

くぉ!?しゅうわん!!

 

!?そんな事はどうでもいい!!だから喋るな!!

 

『…聞いて!…私が、ウバメの、森…で自分を認識…した時…、それ、以前に、人間…だった…前世が…あって、そして…この世界の未来…の知識…があった…んだ、本当…は、知って…たん…だ、全部、お兄…ちゃん、や…お姉ちゃんの存在も…カノン…ちゃん達や、サトシ…君達の…事も、そし…て、今日…事件が…起きる…事も』

 

 

私の口から出てきた言葉にお兄ちゃんとお姉ちゃんにピカチュウは絶句していた、当然だ…いきなりこんな突拍子もない話を聞かされてすぐ飲み込めるはずがない、サトシ君達は私達の言葉は分からないから必死に手当を急いでるみたいだ

 

『その…事件…の、知識だと…本来…捕まる…のは、お兄…ちゃんで、こころの…しずくは…アイツら…が触って…砕けちゃ…って、街が…崩壊…しそうに…なって…怪我をした…お兄ちゃん…とお姉ちゃん…が身を挺して…防い…で、くれた…んだ、でも…それ…で、お兄…ちゃん…が、死ん…じゃって…こころの、しずくに…なっちゃう…んだよ』

 

くっ…くぉ??

 

どう…して??

 

『だから…最初は…本当…に、生き方を…教えて…ほしくて…来たん、だけ…ど、この世界…がその知識…と同じ…流れに…なって…いく…のを見て…怖く…なった…お兄、ちゃんが死ん…じゃう…って、だから…ずっと……考えて…悩んだ…でも…こんな…事、到底…信じて…もらえる…気がしなく…て、言えな…かった…』

 

くっ…くぉー!しゅわ!!くるるぅわ!!

 

もう…いい!もういい!!その話は後で沢山聞くから!!!お願いだ、今は喋らないでくれ!!

 

『ごめん…ね、言いだせ…なくて……ごめ…んね、知って…る……の…に隠し……て…て、ごめん……ね、もっと…一緒に……………居たか………………た……』

 

とさっ

 

ラティオスに向けられた腕が、力なく落ちた……碧色の、瞳から、光が…消えた

 

義妹の、ラティアスの、命の灯火が……燃えて……尽きた

 

 

「「「「「「「「「ラティアスーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」

 

 

次回、エピローグに続く

 

 




出来るだけほのぼのを書きたかったはずなのに、気付いたらドシリアスでショッキングな展開になっていました。ポケモンでやる重さじゃないって言われたら何も言い返せません…
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