琥珀色の夢幻はどこまでも   作:makoron

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琥珀色の夢幻はどこまでも、エピローグになります。エピローグと言いながら割りとがっつり書いたので1万字以上あります。
琥珀色の夢幻の夢の果てをどうぞご覧ください。

1/7挿絵追加しました。


琥珀色の夢幻はどこまでも エピローグ

 

~それぞれの思いは~

 

side S

 

ラティアス達と遊び終えてポケモンセンターに戻ってきたその日の夜

寝ていると部屋にカノンが入ってきた…いや違う、この子はラティアスだ、触って分かった、人の体温じゃない

カスミとタケシも起きたみたいだ

 

「ラティアス?一体どうしたんだ?」

 

ラティアスは酷く狼狽えていた、何かあったんだな!?

とりあえずカスミとタケシに紹介した後事情を確認するとラティアスはゆめうつしを使った

 

「ピィーカ!!」

「これは!大聖堂の中?」

「どうなってるの!?」

「ゆめうつしだ、俺たちは今、他のラティアスかラティオスが見てる光景を見てるんだ」

「あ、あれは…!?」

 

映し出されたものはとんでもない光景がだった

カノンやボンゴレさんにラティオスが捕まっていて…

 

「こ、こころのしずくが!?」

 

こころのしずくは元の場所から大聖堂のあの大きな機械にはめ込まれていた!

それをやっているのはあの例の2人組だ、すると大聖堂の化石からプテラとカブトプスが復元されて蘇る

そこでゆめうつしが中断されてしまう、ラティオスが写されたって事は…ゆめうつしをしていたのはあの黄色いラティアスか!

 

「いったい、何がどうなってるの?」

「分かんないけど、マズい事になっている!」

 

外に出ようとするといきなりベランダに柵が張られはじめた、マズイ!!

咄嗟に俺とピカチュウ、ラティアスは飛び出るがタケシとカスミは取り残された、モンスターボールも取ってくる余裕が無かった!

ひとまず別々に大聖堂に向かう事にした

 

途中であのプテラとカブトプスが襲ってきたが、水上レースのボートを使ってラティアスと協力してプテラは撒いた

カブトプスに襲われた時はニョロトノ、サニーゴ、クロバットが助けてくれた、ありがとうタケシ、カスミ、みんな!

 

大聖堂前の広場に着くと巨大な渦潮のようなものがこちらに向かってくる!マズイ!!

渦潮に飲まれて身動きが取れなくなったけど、ラティアスがサイコキネシスか何かで吹き飛ばしてくれた!

 

「大丈夫かラティアス!」

「きゅう!」

 

よし、問題なさそうだ!急いで大聖堂に向かわないと

 

「やめろーーー!!」

「きゅうーーー!!」

 

大聖堂内部での光景はゆめうつしで見た時よりずっと酷い状況になっている、機械は暴走をしており球体部に囚われているラティアスは苦しんでいる、それどころか身体中がボロボロになっている!!大変だ!

 

すぐさまピカチュウに頼み、エーフィとアリアドスを退けてカノンにボンゴレさんとラティオスを救出する

ラティオスは解かれると同時にラティアスの元へ全力で突っ込んで行く

ラティオスが球体部を止めてくれた!!今なら!

 

みんなで協力してラティアスを救出する、改めて間近でラティアスの身体を見たらあまりにも酷い怪我だった

あちこちに火傷のような跡が残り切り傷のような痣が出来て口からは赤黒い液体が溢れていて…

今まで何度も怪我したポケモンや戦闘不能になったポケモンを見てきたけど、そのどれよりも酷い大怪我だった

少し前に会ったセレビィの時…いやそれよりも更に酷い!

 

「それに触っちゃいかん!」

 

突如ボンゴレさんの大声が響く、見たらたしかザンナー…ってヤツがこころのしずくを取ろうとしている!すると

 

『きゅぅぅぅぅ!!!』

 

ひんしのラティアスが技を使った!?

 

「ラティアス!?何を!!?」

 

ラティアスがサイコキネシスを使ってこころのしずくがはめられた台座を壊した!だけどしずくは落ちてしまい、このままじゃ割れてしまう

 

「!!!!?? うおぉぉーーーー!!!」

 

壊させてなるもんか!届けぇーーー!!!!!

パシッ!!

しっかりと両手でキャッチする、よし!割れてない!

 

 

『ゲェッフゥゥッ!!』

 

!!!!ラティアスが大量に赤黒い液体を吐き出した!!

ひんしの重傷で技を使った反動が返ってきたんだ!

 

「サトシ!!」

「大丈夫!!??」

 

タケシとカスミが到着した!!

 

「ッタケシー!!早く応急処置を!!」

「…!!ああ!!!」

 

「私はアイツらを抑えとくわ!」

「頼んだ!!!」

 

タケシはすぐさま状況を把握して応急手当に入るが

 

「ぐっ!なんて酷い怪我だ、こんな重症の怪我、今まで診た事ない!」

「頼むタケシ!!お前が頼りなんだ!!」

「当然だ!!諦めるわけないだろ!」

 

そうは言ってもタケシの表情は暗いままだ、手当素人の俺でも分かる、これだけの怪我はジョーイさんでも難しいって…

もう一人のラティアスが必死に回復技を使ってる、ラティオスも声をかけ続けてる、すると

 

『きゅう…くぅる』

 

怪我をしてるラティアスが声を出した!やった、回復してきたのか!?と思ったがタケシが

 

「いや、ダメだ!回復技で一時的に喋れるようになっただけで容態は良くなってない…」

 

そんな!?

 

『くぅぅ…きゅ…ひゅ…わ…くるぅ…』

 

くぉ!?しゅうわん!!

 

怪我をしたラティアスとラティオスが何か会話している、回復してるラティアスとピカチュウも聞いているみたいだ、でも

 

「喋っちゃダメだ!まだ回復したわけじゃない!」

 

タケシがそう叫ぶが…ラティアスは言葉を続けていた、ラティオス達はその言葉に驚愕しているようで唖然としていた

 

『くぁ…ひゅ……くぅぅ………きゅ………う…』

 

怪我をしたラティアスの声が段々と小さくなっていき…

必死にラティオスに伸ばしていた腕は…

 

とさっ

 

無情にも地面に落ちて、目から光が消えていき…頭が力なく横たわった…

 

くおぉーーーーーーー!!!!!

きゅぅぅうーーーーー!!!!!

 

ラティオスとラティアスのより悲痛な鳴き声が大聖堂に木霊した

 

「「「「「「「「「ラティアスーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」

 

………

……

 

「こんな…こんなのって…ないよ!どうして、どうしてラティアスが死ななきゃならないんだ!!!???」

「ちくしょう!!何がポケモンブリーダーだ!!ポケモン一人俺は救えないのか!!!!」

「どうして!!!どうしてなのよ!!!」

「ピカァァァーー!!」

 

 

「嘘…嘘よこんなの!!!」

「なんという…ことじゃ!!!」

 

ラティオスとラティアスはもうピクリとも動かないラティアスにすがって泣き叫んでいた…

 

するとラティオスが恐ろしい形相をしてゆっくりと起き上がる…

視線の先にはカスミたちのポケモンに抑えられている怪盗2人組だ

まさか…!?

 

「!!!ダメだ!ラティオス!!!」

 

俺の叫びに皆の視線が向く

 

「ラティオス、ダメじゃ!!!お前が人を害してしまったら、お前はこの街に居られんようになる!!!」

 

ボンゴレさんがすぐさま抑えようとする!俺やタケシも続いてラティオスを止める

 

「やめろ!やめるんだ!!ラティオス!!!」

 

くぅぅおおおーーーーー!!!!!

 

ラティオスは凄い力で俺たちを引き剥がそうとする、離してしまったら最後ラティオスはあの2人に襲い掛かるだろう、病院送りってだけでは恐らくすまない、この怒りの凄まじさは間違いなく……あの2人を……!

 

「ダメだ!ダメだ!!ラティオス!!止まってくれ!!!!」

 

一向に止まる様子の無いラティオス、凄いパワーだ、このままじゃ引き剥がされてしまう…!

 

きゅぅぅうーーーーーうううう!!!!!

 

すると突然ラティアスが大声を上げた、その声に全員の動きが止まる、ラティオスも止まってくれた

ラティアスは俺を呼んでるみたいだ、何があったんだ?俺はひとまずその場をボンゴレさんとタケシに任せてラティアスの元へ向かう

 

「どうしたんだラティアス?」

 

するとラティアスは…

 

side out

 

 

side LO

 

あの襲撃者達に気絶させられた後、義妹の悲鳴で目を覚ます

 

『痛い痛い痛い痛いよぉーー!お兄ちゃん助けてぇぇぇーー!!!!』

 

義妹の必死の叫びにハッとする、あの機械で生命力を吸われて傷付いていた

 

「やめろーー!!!義妹を離せぇぇーー!!!」

 

身動きが取れない!くそ、近づけない!

 

くぅぅおおーー!!!

 

自分の技の中で遠距離に届く技を放つ!りゅうのはどう、ラスターパージ!!

ありったけの技を機械に放つがバリアに阻まれて止まる気配はない、その間も義妹の身体はボロボロになっていき、口からは赤黒い液体を吐き出し、声にならない悲鳴をあげる

 

やめろ!やめろーーー!!!それ以上傷付けるなーーー!!!!

するとサトシって人間と妹が大聖堂に駆けつけてくる、サトシとピカチュウが解放してくれた、助かる!!

すぐさま妹と義妹の元へ直行し機械を無理やり止める!!その間に義妹を機械から引っ張りだしてくれた!!!

 

だが…あまりにもボロボロになっているその姿に目の前が暗くなりそうになった、妹が必死に回復技のいやしのはどうを使う

するとあの悪党どもがこころのしずくを取ろうとしていた!

 

『サイコキネシス!!!』

 

!!!義妹が技を使ってしずくを落とした!?サトシが上手くキャッチしてくれたが

その怪我で!!??なんて無茶を!!

直後、義妹は大量の赤黒い液体を吐く!!ダメだ!!!ダメだーーー!!

妹の必死の回復も間に合っていないのか、一向に容体が変わる様子が無い、サトシの仲間たちも手当してくれているが

焼け石に水でしかなかった

 

『…お兄…ちゃん、みん…な』

 

義妹が口を開いた!

 

「駄目だ!もう喋るな!!すぐに治るから!!!」

 

そう言うが義妹は『聞いて!』と会話を続けた

 

そこからの内容はとんでもない話だった、義妹は元々前世では人間で、理由は分からないがこの世界の未来の出来事を知っていた

自分達や、サトシ達の事、今日この事件の事も全部知っていたと話した

 

あまりにも予想の上を行く内容に到底信じられない事に思ったが、だからこそ義妹はずっと隠していたと話す…確かに、いつもの日常の中でもしそんな事を言われたら俺達はすぐには信じるか?いや信じなかっただろう、ただの冗談か、作り話かと思っただろう

だけど、今は…

 

さらにその記憶の中の事件では義妹は元々いなくて、本来捕まって動力にされるのは俺の方だと言う、そしてしずくが壊されて、街が崩壊の危機になるがそこを妹と自分が身を挺して防いだと、ただしその代償に俺が死んでこころのしずくになったと話してくれた

 

『だから…最初は…本当…に、生き方を…教えて…ほしくて…来たん、だけ…ど、この世界…がその知識…と同じ…流れに…なって…いく…のを見て…怖く…なった…お兄、ちゃんが死ん…じゃう…って、だから…ずっと……考えて…悩んだ…でも…こんな…事、到底…信じて…もらえる…気がしなく…て、言えな…かった…』

 

ずっとずっと言い出せずに苦しんでいたんだ、信じてもらえないから全部自分で何とかしようとして、考えて悩んで、誰にも打ち明けずに…

 

「もう…いい!もういい!!その話は後で沢山聞くから!!!お願いだ、今は喋らないでくれ!!」

 

『ごめん……ね、もっと…一緒に……………居たか………………た……』

 

腕を必死にこちらに伸ばす義妹、すぐに手を掴もうとするが無情にも義妹の手は…地へと落ちていった……

 

………嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だーーー!!!

うあぁぁぁーーーーーー!!!!!

 

義妹はもうピクリとも動かない、その碧色の瞳は光を失い何も映さない…頭の中に今までの義妹との思い出が駆け巡る…一緒に楽しく遊んだ記憶、必死に技の練習をして成功したら嬉しそうに笑顔を浮かべた記憶、いつもの場所で夕日に染まったアルトマーレを一緒に眺めた記憶がまるで走馬灯のように…

 

どうして…どうしてどうして!!こんな事に!!!どうして…!どうしてっ!!!

どうして…??誰が…?こんな事を引き起こした…?誰が…?

そうだ……アイツらだ…アイツらが全ての原因だ………許さない…!許さない!!!!

………してやる……✕✕してやる!!!義妹の…仇だ!✕✕してやるーーー!!!!!

 

アイツらに近づこうとすると、周りの皆が止めようとする

 

邪魔を…するなーーー!!!アイツらは生かしちゃおけない!!!!離せ!!!

離せーーーー!!!!

 

きゅぅぅうーーーーーうううう!!!!!

 

まだ諦めない!!!!!

 

!!!妹がそう叫んだ!!諦めないって!?どういう……事だ?

 

side out

 

 

side LA

 

機械から助け出した義妹ちゃんは酷い怪我をしていた、私は何度もいやしのはどうをかける!でも駄目だ、一向に怪我が治る気配がない!!どうして!!足りないの!?

 

その後、こころのしずくを取り返す為に義妹ちゃんがボロボロの状態でサイコキネシスを放った、そんな事したら!!??

 

義妹ちゃんの口から大量の赤黒いモノが吐き出される!!

ダメぇーーー!!死んじゃいや!!!

 

そのタイミングでサトシの仲間の人達が到着した、お願い!手を貸して!!

タケシと呼ばれた糸目の人が義妹ちゃんの手当をしてくれている、それに合わせるように私もいやしのはどうを適時かけていく、いやしのはどうを使うのがキツくなってきた…でも止めるわけにはいかない!……!あ、タケシさんがヒメリの実をくれた!これでまた回復技が使える!!!

 

すると義妹ちゃんが弱々しい声で話し始めた…話しの内容はとても想像の付かない話だった…義妹ちゃんが元人間…?未来の出来事が分かる…?私達を知っていた…?はっきり言って話の半分くらいしか理解は出来なかった、でもはっきり分かるのは義妹ちゃんは騙すつもりも悪気があったわけでもない…!それに…!!数ヶ月だけだけど、家族として接した今までの時間は、記憶は、思い出は全部本物だ!!

 

義妹ちゃんの声が段々小さくなってきた…お兄ちゃんに手を伸ばして…そして…落ちた…義妹ちゃんの…体が…だらんと…横たわった……

 

ーーーーーーーッッッッッ!!!!????

いやあぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!!!!

 

私の…私の…所為…?あまり外にカノンちゃんの姿で行かないでってお願いしていたのは事件を防ごうとしてたから…私が目を付けられなかったら…?私がちゃんとお兄ちゃんと義妹ちゃんの言う事を聞いていれば…?私が…義妹ちゃんの事を追い詰めて…?そんな…そんな…!!!???

 

激しい自責の念が重くのしかかる…それに私の回復技がもっと磨かれてれば助けられたかもしれないのに…!もっと力が…

力が足りなくて…足りなくて…?

 

そこでふと義妹ちゃんのとある言葉思い出した…!

 

{『これがあれば自分の力が足りないと思った時に応えてくれる…かも』}

 

義妹ちゃんから預けられたこの2つの石、信頼できる人…トレーナーと絆を結べば助けになってくれるって…

信頼できる人…カノンちゃん達以外でそんな人は……!!彼なら……?彼となら…!!!

 

!!!!

 

そうだ…!まだ出来る事があるはず!!

 

 

「きゅぅぅうーーーーーうううう!!!!!」

 

まだ諦めない!!!!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~進化を超えて~

 

side LA

 

サトシ!お願い!!こっちに来て!!!早く!!!!

 

「どうしたんだラティアス?」

 

お願いサトシこの石を持って!!

 

「これを?どうすればいいんだ?」

 

サトシに片方の石を渡して、そして…願う

 

お願い…!力を貸して…!!!本当に奇跡が…!起こるのなら!!!!

 

「…!!!分かった!気持ちを一つにすればいいんだな!?」

 

言葉は通じないけど、気持ちは通じてくれた!!!これなら

 

お願い!!お願い!!!私に…!!!義妹ちゃんを助けられるだけの力を!!!!!

 

「頼む!!ラティアスを助けたいんだ!!応えてくれ!!!!」

 

 

キィィィィィーーン!!!!

 

瞬間!2つの石がまばゆく輝き、光に包まれる!!!!

すると私の身体も同様に光に包まれた!!!身体が変わっていく感覚、背中の翼が無くなり、代わりに腕から翼が生えていく感覚、身体が大きくなる感覚!!力が…みなぎってくる感覚!!!

 

 

     メ  ガ  シ  ン  カ   !  !  !  !

 

 

光が収まると私の身体は前とは変わっていた、腕が大きくなり、その腕から翼が生えている、なにより身体の色が赤色から紫色になっていた、そして何より前とは格段に自分に流れる力が大きくなっているのが感じられる!

 

「ラティアスの…姿が変わった…!?」

「い、一体何が起こったんじゃ!?」

 

カノンちゃんとボンゴレさんはこの現象は知らないらしい

 

「一体どうなってんだ!!!??」

「これは…進化した…の?」

「いや違う…これはまさか!?」

「…!タケシ、知っているのか!?」

「ああ!ジムリーダーをしていた時に聞いたことがある!カロス地方って所で発見された、進化を超えた進化…!本来最終進化系になったらそれ以上は進化は出来ないはずだけど、ある2種類の石を用いて、トレーナーとポケモンが絆を結ぶ事によってその不可能を可能にする、これは…メガシンカだ!」

「メガ…シンカ!!」

「そうだ!この状態は普通の進化とは違って一時的なものなんだ!効果が終われば元の姿に戻る!でも、一時的とはいえ凄まじいパワーを出すことが出来るんだ!」

 

そう…!今なら…!使えるはず…!!義妹ちゃんを助けるための技を…!!!お願い…上手くいって!!!お願い!!!!

 

 

     い  や  し  の  ね  が  い  

 

 

神々しい光が私の身体が放たれて、そして天から注ぐように義妹ちゃんを包み込んでいく、すると…義妹ちゃんの痛々しかった傷跡や痣がだんだんと消えていく…!お願い…!お願い…!!!!

 

技を使い終わると同時に私の意識が遠のいていった…

 

side out

 

 

side S

 

ラティアスと俺の思いがシンクロして、ラティアスが進化?した…!タケシによるとメガシンカと言って、進化を超えた進化であって普通の進化と違い一時的にしかなれないものらしい、でも肌でビリビリと分かる、今のラティアスは…さっきとは格段に力が上がっていると…

メガシンカしたラティアスは祈るような姿を取ると光が溢れて天から注ぐように傷付いたラティアスの身体を包んでいった

 

「これは…いやしのねがいか?」

「タケシ、いやしのねがいって?」

「使用ポケモン自身は戦闘不能になるけど後のポケモンを全快まで回復して状態異常も治す技だ」

「ちょっ…!?そんな技使って…えっとメガ?ラティアスは大丈夫なの…!?」

「気を失う程度で済むとは思う、ポケモンセンターで回復してやれば問題はないと思うが…」

「見て!ラティアスの傷が治っていくわ!」

「…ラティアス!!」

 

メガシンカしたラティアスはいやしのねがいを使い終えて気を失った、咄嗟に支えるとメガラティアスはまた光に包まれて元のラティアスの姿に戻った…!よく頑張ったな…!ラティアス…!

 

怪我があらかた消えた義妹の方のラティアスは…?

!!!

 

「呼吸が…!戻って…!!!」

「ああ!息を…吹き返したぞ!!!!」

「良かった…良かった…!!!」

「いや、まだだ!!まだ油断は出来ない!すいません!!ラティアス達をポケモンセンターに連れていきます!!!」

「ボンゴレさん、いいですか!?」

「…!ああ、大丈夫じゃ!!万が一に備えてジョーイさんにはラティアス達の存在を伝えておる!!騒ぎにしない様にしてくれるはずじゃ!」

 

ラティアス達はこの街の伝説だ、存在するかどうかも街の人にとっては曖昧な…そんな存在がいきなりポケモンセンターに運び込まれたら大騒ぎになるのだが、ジョーイさんにはもしラティアス達が怪我したり体調不良になった時の為に事前に存在を明かしていたらしい、それなら問題なさそうだ!

 

「あとそうだ、このこころのしずくは…!」

「うむ、ワシが預かろう、悪しき者に利用され濁ってしまったが、何とか大丈夫じゃ、庭園に戻せば、じきに元の輝きを取り戻すじゃろう」

「すいません、お願いします!」

 

くぉ!!

 

怒りに囚われていたラティオスも正気に戻ったのか、義妹の方のラティアスを背負うように乗せてポケモンセンターに付いてきてくれるようだ

 

「ラティオス!そっちのラティアスは頼んだ、俺たちはこっちのラティアスを運ぶから!」

 

しゅわん!

 

わかった!!とばかりにラティオスは頷いた!

みんな!ポケモンセンターに急ぐぞ!!!

 

………

……

 

ポケモンセンターに着いたらすぐにジョーイさんに事情を話す、ジョーイさんは最初はラティアス達に驚いていたけどすぐに事態を把握して2人の治療を始めてくれた、騒ぎにならない様に治療後は隔離棟で看病するらしい

 

治療が終わってジョーイさんが出てきた

 

「ジョーイさん、ラティアス達は…?」

「出来る限りの事はしたわ、お姉ちゃんの方のラティアスは問題ないわ、少ししたらすぐ良くなるでしょう、でも…」

「義妹の方のラティアスは…?」

「はっきり言って五分五分…ね、回復技で怪我は消えても身体の内に蓄積した尋常じゃないダメージはかなり響いてる、今日が峠…としか」

「今日が……?」

「ええ、目を覚まさないのよ、今日中に目が覚めなかったら、その時は…」

「そう…ですか…、すいません、ありがとうございました」

 

「サトシ…どうだった?」

「今日が峠だって…もし今日中に目覚めなかったら…」

「そう…なのね、もう私達には祈る事しか出来ないわ」

 

くぉ…

 

「ラティオス、お前は義妹のそばに居てやってくれ」

「隔離棟内ならあなたが居ても騒ぎにならない様に人払いしてくれているからね」

「まぁ、姿消せるんだろうから大丈夫だと思うが」

 

くぉーう!

 

「気にすんなって!俺たち友達だろ!」

「そうね!それにしてもあんたって伝説ポケモンの知り合い多すぎでしょ!」

「同じ旅をしてるカスミに言われたくないよ!」

「はは、やっぱり沈んでいるよりこんな感じに明るい方が俺達らしいよな、っというわけで俺はジョーイさんのお手伝いをしてこなきゃなぁ!!? あいててて!!」

「はいはーい、ジョーイさんのお邪魔しちゃダメだからねー」

 

くぅお!

 

ラティオスも思わず笑っている、もう怒りで我を忘れることは無さそうだ

 

「あ、あとあの怪盗2人組はきっちりジュンサーさんに引き渡したわよ、私のポケモン達はお手柄ね!」

「しっかり塀の中で反省すればいいさ」

 

side out

 

 

side LO

 

ポケモンセンターで妹達を治療してもらい今は隔離棟の一室で2人を寝かせている

妹の方は穏やかな寝息を立てていて心配はなさそうだった、義妹の方は酸素吸入器というものを取り付けている、今日中に目が覚めなければ…義妹は…

いや信じるんだ、君はずっと一緒に居たいって言ってたろう?だったら早く夢から覚めて声を聴かせてくれ

 

くぅーおぅ…

 

君の前世が人間だったとしても、未来知識があったとしても、家族である事には変わらない

俺にとって、いや俺達兄妹にとって大切な家族だ、それは絶対に絶対だ

でも…辛かったんだな、ずっと一人で抱え込んで、ずっと一人で未来に起きる恐怖と戦っていて、…それを言いたくても言えなくて、そんな彼女の辛さにもっと寄り添ってあげるべきだった、話してくれるようにもっと彼女に信頼されるべきだった、そうすればこんな酷い事にはならなかったかもしれないのに…だから、目が覚めたらもっと話そう、色んなことを語り合おう、楽しい事だけじゃなくて悩んでいること、辛い事を沢山話してほしい、俺と妹が相談役になるからさ、だから…だから…目を覚ましておくれ

 

side out

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

~なぞのばしょ~

 

……?ここは?どこだろう…?真っ暗だ…私はどうなったんだっけ?

……そうだ、私、機械に入れられて、生命力を吸われて…そして酷い怪我をして…最後にお兄ちゃんに手を伸ばそうとして…

?? そこからの記憶がない…どうなってたんだっけ?

 

…!

 

私の身体が…?ラティアスじゃない…?この身体は…人間だった時の…??

 

きゅーーう!!

 

すると突然、目の前に黄色のラティアスが現れた

 

『この子は…?私…じゃない…!でも何だか懐かしいような…?』

 

きゅぅー!きゅうう!!

 

『あなた…もしかして…コハク!?』

 

ずっとポケモンのゲームで愛用していた色違いのラティアス、通信等でシリーズ間すら超えて連れて歩いた私の相棒、その子は私にたっぷりと甘えてくる

 

『コハク…あなた…なのね、でもどうして?』

 

「それは私から説明させてもらう」

 

と突然知らない…いやこの声は知っている!!声が響き、コハクの後ろに姿を現した、その特徴的なフォルムに神々しいオーラを放ち、圧倒的な存在感をだすこのポケモンは…!!!あ、ああ…!あなたは

 

『その声は………美○明○!!!』

「いや違う……誰だそれは?」

『あ、ごめんなさい間違えました、あなたは…アルセウス…ですよね』

「そうだ…そちらの世界でも私は知られているのだな」

『ええ、とても有名ですので』

 

まさかポケモン世界の創造神に会えるなんて思わなかった

 

「まず最初に君には謝らなけばならない、君をこの世界に連れてきたのは私だ」

『…うすうすそうじゃないかとは思っていました、空間も世界も関係なく呼び出せる存在と言えば貴方くらいしかいないと』

「そうか…気付いていたのか」

『まぁ、そういう流れのレジェンズアルセウスってのがありましたからね…』

「???」

『いや…何でもないです』

「連れてきた結果、君をとても辛い目に遭わせてしまった、本来なら許される事ではなかった」

『なぜ異世界からこちらの世界にポケモンとして転移させたんですか?』

「それは…サトシを救いたかったからだ」

『サトシを…?』

「ああ、彼に私は救われた、助けてもらったその恩は忘れない、だからこそ恩返しがしたかった、彼にはずっと後悔している事があったのだ、それがラティオスの存在だ」

『ラティオスの?』

「ああ、彼はその長い旅の中で幾人ものポケモンを救ってきた、だが…そんな中でも助けることが出来なかった存在もいたのだ」

『それがラティオス…』

「彼は旅の途中で新たに出会った別のラティアスとラティオスの事を助けた」

 

それは水の都の物語ではない、恐らく…めざせポケモンマスターの時のラティ達の事だ

 

「彼が故郷に戻り自分を見つめ直している時に、彼の脳裏には助けたラティオスの事だけでなく助けることが出来なかったラティオスの事も思い描いていた、彼はずっと後悔していたんだ」

 

サトシの旅の最終回、ポケモンマスターとは何か?という問いに一つの答えを示したシーンだ

 

「私はその後悔を払ってあげたい、だが私がサトシの友となった時にはその事は既に過去の出来事だった」

『確かに…そう言えば、まだ今の時期は超克の時空より前だから…』

「今の時間の私は眠っている状態だ、まだ激しい人間への憎しみを抱えながら…な」

『じゃああなたは、未来のアルセウス…?』

「そうだ、だからこそ私自身が過去に戻り歴史を変える事はあまりにも時間への影響が大きすぎて出来なかったのだ」

 

サトシ君達ってアニポケ本編中に割としょっちゅうタイムスリップして過去を変えてたような気がするけど…

 

「私だとディアルガにかかる負担が大き過ぎてな」

『あ、なるほど…時間を司るから』

「それで考えた方法がこの世界の事を知る者を異世界から呼び出し、その者にラティオスを助けてもらうという方法を取った」

『それで私を?』

「ああ、だが問題も当然あった、まず同時間軸に呼び出すならともかく別の時間軸に召喚するとなると直接会って説明する事が出来ない、今みたく時間の流れから解放された状態でない限りな」

『じゃあ私は今…』

「ああ、魂だけあの世でもこの世でもない場所に来ている、ここなら別時間軸でも会えるのだ」

『だから急に説明もなくウバメの森に放り出されたわけだったんですね』

「その通りだ、だからこそ私は君に謝らなければならない、何も説明出来ずに異世界に呼び出してしまって、すまない」

『いえ、それは良いんですが、どうして…私だったんですか』

「それは、偶然という面も大いにあるが、君がラティアスラティオス達をとても好んでる人間で、あのタイミングでそちらの世界で死んでしまった直後だったから魂を呼び出したという形だ、君なら説明無しでもラティオスを救おうと動いてくれる、そう信じて…」

『あぁ、やっぱり私はあそこの階段で死んでしまってたんですね、それで私をこの世界に飛ばした…と』

「辛い思いをした事はわかっている、だがその方法以外にサトシを…ラティオスを救う方法が無かったんだ」

『ちなみに、ルカリオ…もサトシが助けられなかったポケモン…ですよね、』

 

波動の勇者だ、あの映画も確か最後にルカリオは…

 

「その者は後に生まれ変わりサトシの仲間となるからだ」

『あ、新無印のルカリオってやっぱり波動の勇者の生まれ変わりだったんだ』

「それで、問題はまだあった、こちらの世界に呼ぶにあたり肉体を用意しなければならなかった」

『元の身体は死んでますもんね…』

「そこで君の持ちポケモンであるこの子が自分を使ってくれと立候補してくれたのだ」

『そうなの?コハク』

 

きゅぅう!きゅう、くるるぅ!

 

「ご主人様の役に立ちたい、私をずっと愛情持って育ててくれた恩返しがしたかった…と彼女は言っている」

『コハク…ありがとうね!あとアルセウスさん翻訳どうもです』

「君が元の世界に帰る事を望んでいる場合は、残念だが…元の世界の君の肉体は既に…」

『ええ、そもそも死んだからこっちに来れたんでしょう?それにもう元の世界に戻る気は…ないよ』

「いいのか?家族もいたんだろう?」

『お父さんもお母さんももういなかったし、親戚とは接点が殆どなかったからほぼ一人だったよ、友達は居たから未練がないと言えば嘘になるけど、もう私が一緒に居たいと思っているのは…お兄ちゃん、ラティオスだから!』

「そうか…じゃあ最後になるが、他に聞きたい事はあるか?」

『またラティアスの身体になったら、コハクの意識はどうなるの』

「この子は新たに生まれ変わる事になる、今度はラティオスになるかラティアスになるかどっちかは分からないが…」

『じゃあまたどこかで会えるかもしれないのね、コハク…もしまたこの世界のどこかで会えたらなら…私と友達になってくれる?』

 

きゅぅぅー!くぅぅーん!

 

「当然だよ、ご主人様!と言っている」

『ありがとう、コハク』

「では、あの光の先に進むと良い、ラティアスの身体は君の姉とジョーイというものが治療してくれた」

『ありがとうございました、それでは』

「こちらの世界での君に幸せが待っていることを祈ろう…」

 

そうして光の中を進んでいくと目が覚める感覚になる

 

『…??う…ん…ここは?』

 

知らない天井だ、病院…?いやポケモンセンターか?

 

くおぅ…!?

 

目が…覚めたのか?と声がするとそばにはお兄ちゃんが居た…

 

『お兄…ちゃん、私、帰ってこれた…の?』

 

くぅおぅう!しゅわわん!!

 

ああ、ああ!良かった!!

 

ぎゅうっとお兄ちゃんが私を抱きしめてくれる

 

『お兄ちゃん、ただいま…!』

 

………

……

 

ジョーイさんに酸素吸入器を外してもらい、お兄ちゃんと2人きりにしてもらう

部屋の中には私とお兄ちゃんと寝息を立てて寝てるお姉ちゃんだけになった

ジョーイさんにはサトシ君に目が覚めた事を伝えるのは少しだけ待ってもらうよう伝えた

 

『私…夢を見てたの、神様にあって、この世界に来た理由を教わって』

 

しゅわ…?

 

それで…?

 

『私が本当に望んだものがはっきりしたの、それはお兄ちゃんと一緒に居る事』

 

くぉう…

 

そうか…

 

『ねぇ、お兄ちゃん?』

 

くぉ?

 

どうした?

 

『私を、お兄ちゃんのお嫁さんにしてもらって…いい…?』

 

……くぉ…

 

………ああ…

 

 

私とお兄ちゃんの距離は徐々に近くなっていき…そして一つになった、キスは甘い味がした

 

 

【挿絵表示】

 

 

この秘密の時間は、私とお兄ちゃんと窓の外でさんさんと輝くお日様と…こっそり起きて狸寝入りしながら様子を見てたお姉ちゃんだけが知っていた

 

 

 

この広い世界でポケモンという不思議な不思議な生き物が沢山いるこの世界で

 

琥珀色の夢幻はどこまでも空色の夢幻に寄り添い、共に駆け巡っていく

 

そんな夢の物語

 

 

 

 

               F I N

 

 

 

後日談へ続く

 

 




これにて「琥珀色の夢幻はどこまでも」完結になります。
ご拝読いただきありがとうございました!この後も後日談やサトシ達の今後の展開も
書いていきたいので、まだ続くと思います。
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