ニューダンガンロンパ リマジネーション ぼくらのコロシアイ新生活 作:りょうぴー(創作論破書き)
伊吹「これで学校中を見て回って、会ってきた人たちには挨拶出来ましたね!」
星野「今いたオレら含めて16人ってとこくらいか…?にしてもこっからどうすりゃいいんだか…」
私と星野さんが次に何をするか話しあっていた、ちょうどその時でした。
「えー、静粛に静粛に!今からオイラ達の華麗なとうぞっ…登場シーンを見せるから、是非とも注目だよー!」
「アホか!出て早々噛むやつがどこにおるんやて!」
「と言っても、アタイ達まだ誰も姿表してないけどねー。」
「…グダグダシテルネ。」
「いいから登場すんぞっ!!ミー達の華麗な初登場が島らねー形になったらどーすんだよ!!」
星野「な、なんだよこの声…?」
伊吹「今の、確実に5人はいましたよね!?」
私たちが狼狽えていると、突然どこからともなく「そいつら」は現れました。
「「おはっくまー!!!!!」」
星野「…は?」
伊吹「お、おはっくまー…?」
私たちの目の前に現れたのは、白と5体で異なるカラフルな体色をしたマスコット的な動くクマのぬいぐるみ5体でした。目の方が悪魔のような形状をしており、愛くるしさを微妙に感じる見た目からは想像もつかない不気味さを感じました。
「オーディエンスが2人しかいねぇ!!しけてやがるぜコンチクショー!!!」
「そんなぁ!今日のために53分間練習してきたフォーメーションが、不発に終わっちゃったね…」
「53分って絶妙に反応に困る時間ね!」
「アホか!せやからワイはもっと後の方でこのフォーメーションを披露した方がええんとちゃうかって言うたんや!!」
「何カラ何マデグダグダ、ダネ…」
「オイオイオイ!台本はどうなってんだ?ちゃんと段取り確認したのかっての!!」
星野「…なぁ、お前らいいか?」
「あ、あれ?いつからそこにいたの?」
伊吹「いたも何もあなたたちの方から現れたんじゃないですか!?」
「そ、それもそうだわ!キサマラ、さっきのはアタイ達の相談不足の末の粗相だったの、ごめんなさいね?」
「せやったらもうここで改めて自己紹介せなアカンな。」
モノタロウ「オイラ、モノタロウ!」
モノキッド「ヘルイェー!!ミーはモノキッドだぜ!!」
モノスケ「ワイはモノスケや。よう覚えとき?」
モノファニー「うふふ、アタイはモノファニーよ。」
モノダム「…モノダム、ダヨ。」
モノクマーズ「5人揃って…モノクマーズ!!!!!」
星野「も…モノクマーズ…か?」
モノクマーズと名乗る謎のマスコット集団を前にリアクションに困り果てる私たち。
伊吹「あ、あのー…さっきから情報過多で頭の整理が追いつかないんですけど…」
星野「こんなところで目が覚めた、しかも俺と同じように連れてこられたやつが他にもいて、そんでその次が喋るぬいぐるみがいきなり現れて…ってとこまでは把握出来っけどよ。」
モノキッド「ミー達はモノクマーズじゃねー!!ぬいぐるみだ!!」
モノスケ「…モノキッド、それセリフが逆になっとるで?なんかデジャヴを感じるんやけど…」
モノキッド「ま、まぁそうとも言うだろ?それよりミー達がいるこの学園の説明を改めてさせてもらうぜ!」
モノタロウ「知ってるかもしれないけど、ここは『明日守学園』だよ。一流の人材を排出するために作られた特権的な学校なんだ。」
星野「明日守…学園!?」
モノスケ「お?なんや?そこのノッポはやけに反応ええやないか。」
星野「あ、いや…なんか聞いたことはあんだけど、思い出せねーっていうかさ…」
モノファニー「もしかして…記憶喪失ってヤツかしら?記憶が無いだなんて、恐ろしくならないのかしら…?ブルブル…」
モノタロウ「オイラも最近記憶喪失になったことがあるんだよ。アイドルマスターやっててどっちが所恵美でどっちが高坂海美か訳分からなくなったり、アルストロメリアと放課後クライマックスガールズのメンバーを間違えたりしてててんやわんやなんだ!」
モノスケ「ドアホ!おどれの天然ボケといっしょくたにすなや!」
モノファニー「話を本題に戻すと、明日守学園はスカウトした生徒達の才能を見込んでその才能を伸ばして将来へと繋げるための人材を育てるスーパーエリート校なのよ。」
モノキッド「将来有望な生徒に奨学金免除とか就職推薦とかの様々な特権を与えたりすることもしてるんだぜ!」
モノスケ「ついでに言うと、才能のないトーシロでも入れる準備科生システムで、才能を開花させるためのカリキュラムも開催しとるで。とことんまでに優しい学校やな。」
伊吹「そ、そうなんですね…」
星野「あ、そういやオレたち、この学校で他の超高校級の奴らとは会ったぜ。一通り探索もし終わったけど…他に行けるところは今んとこねーみてーだけどどうやったら行けるんだ?」
モノタロウ「あ、3階より上はまだ準備中なの。色々と込み入った事情があるんだよね。」
モノスケ「まぁ言うてそんな重大なほどは込みいっとらんけどな。3階より上の教室で欠陥が発覚してもうて急遽直さなあかんくなったのや。」
伊吹「どっちにしても今は行けないってことですね。」
モノタロウ「代わりに今いる中庭と2階、1階、地下は自由に歩き放題だよ!」
モノキッド「火の中水の中草の中森の中土の中雲の中あの子のスカートの中も覗き放題だぜ!!」
モノファニー「そこまでは放題じゃないわよ!ハレンチね!」
星野「そのボケは一旦おいといて、建物とここの敷地は歩ける代わりに、ここは柵と塀で囲まれてて脱出できないようになってんだな。」
伊吹「こ、こんなに高くそびえ立ってるんじゃよじ登るのは無理でしょうし…助けてって叫ぶことも出来ませんよね…」
モノスケ「自分ら物分り早い方やないか。まぁそういうこっちゃ、今のキサマラは鳥籠ん中のフライドチキンと同じこっちゃな。」
モノファニー「既に調理済み!?恐ろしいことこの上ないわ…」
星野「ば、バカ言うんじゃねー!!くそっ、何としてもオレたちはこっから脱出してやるぞ…」
モノダム「…」
伊吹「…この子、必要以上のことを喋りませんね。」
モノキッド「モノダムはミーが過去にやったイジメのせいですっかり心を開かなくなっちまったんだ!あれはいい思い出だったぜ…」
モノタロウ「イジメの加害者は自分のしたことを反省しないし、関係ないフリして見過ごす人も加害者だし、そりゃ心を閉ざしちゃうよね…」
モノスケ「今は世知辛い世の中や。助けて言うても偉い人の一声で簡単に揉み消される、弱者が泣きを見るしかない辛い世界なんやで…」
星野「そういうもんなのかよ!?」
モノタロウ「あ、そういえば今更思い出した!」
モノスケ「なんや、しょうもないことやったらモノキッドがキサマに小便器を舐めさせるちゅーとるで。」
モノキッド「小便器じゃねー!!大便器だ!!」
モノファニー「便器に顔を突っ込ませるのは確定なのね…」
モノタロウ「そろそろ『アレ』の準備を始めるために、放送室に行かなきゃだよ!」
伊吹「アレ…?アレって…なんですか?」
モノキッド「それは企業秘密だぜ!」
モノスケ「なんや自分ちゃんと覚えとるやないか。ほな、今いるキサマラには口頭で伝えるからよく聞いとくんやで。」
伊吹「つ、伝えること?」
モノダム「キサマラ、1階のホール二オ集マリ下サイ。」
「ばーいくまー!!!!!」
星野「よく分からんが、ホールに行きゃいいんだな…」
伊吹「何が始まるんでしょうね…?」
私たちは拭えない不安を隠しながら、ホールへ足を運ぶことにしました。
【ホール】
星野「ここがホール…」
伊吹「他の皆さんも続々集まってきてますね。」
夢里「いや〜なんか怖くなってきた〜…いきなり呼び出されて何が始まるんだよ〜…?」
田原「煩わしい奴らだ…あの傀儡人形共は一体何だ?」
金形「初めて見たんだけど、ぬいぐるみの事を傀儡人形って読む人…」
舞鶴「穏やかではありませんね…」
結弦「だねー。ってか、あのマスコット連中はどこ行ったのかな?」
柊「人を待たせといて遅刻とか、ちょーっとカチンとくるなぁ。」
黒馬「お静かに、何か音がするようです。」
久留米「音…?」
私たちは耳をすまして音を聞くと、何かの仕掛けがウィンウィン動く音が聞こえました。
すると同時に、先程現れたモノクマーズ5体が、床下からドドンと登場しました。
モノクマーズ「おはっくまー!!!!!モノクマーズ参上!!!!!」
「………」
モノスケ「かーっ!!この方法もダメやないか!!!」
モノキッド「仕切り直ししといて結局またノーリアクションじゃねーかよ!!」
モノタロウ「あれー…?おかしいねー…今度こそ上手く行くと思ったんだけど…」
モノファニー「どこがよ!もう、だからアタイは反対したのに…」
モノダム「…ナラ、モノファニーモ止メナキャダメジャナイノ。オラ、チャント止メタノニ。」
桐絵「…勝手に言い争い始めたぞ。」
大山「ど、どうする?止める?」
時谷「…いや、放っておこう。」
旭「え、ほっといていいの?」
甘粕「触らぬ神に祟りなしですからねー。」
三条「とりあえず他に優先することがあるし、そっちを先にしよう。」
「えー…オマエラ、お待たせしました!」
モノクマーズと呼ばれる5体のマスコットが言い争いを初めていると、突然5体とは別の声がホールに響いた。
田原「…何者だ?」
「そして可愛いわが子たちよ、お待たせしすぎたのかもしれません!」
モノタロウ「こ、この声は…お父ちゃん!?」
モノキッド「ヘルイェー!!お父ちゃんの降臨だぜ!!」
「うぷぷ…そう、その通り!!」
そして教壇の方から、あの5体とは別の一回り大きな白黒のぬいぐるみが飛び出てきました。
モノクマ「ボクはモノクマ、この明日守学園の…そしてオマエラの学園長なのだ!!!」
モノスケ「やっと来てくれたんやな、お父やん!」
モノファニー「もう、待たせすぎよ!村西とおるくらいお待たせしすぎてるわ!!」
モノダム「……オラモ、ソウ思ウヨ。」
モノクマ「…そんなにお待たせしてないだろー!!!!」
モノタロウ「うわー!!お父ちゃんがキレたー!!」
モノファニー「お父ちゃんがキレるのは大体根掘り葉掘りの葉掘りって所やヴェネツィアの言い方だけど、こんな風にキレるのは初めてだわ!!」
モノスケ「流石はお父やん、しょーもないことでキレ散らかすのに限っては世界一やでー!!」
モノキッド「目黒駅が品川区、品川駅が港区にあるのに対して容赦なくキレるお父ちゃんだ、面構えがちげーぜ!!」
夢里「な、なんなのこの茶番!?ボクもう訳わかんない!!」
モノクマ「…まぁその茶番はおいといて、可愛い子供たちを通してオマエラには伝えとくべきことがあるんですよね。」
桐絵「…んだよ、その伝えたいことって。」
モノクマ「えー、そりゃこの閉鎖された空間でこの流れと言えばもちろんアレだよ、そう!『コロシアイ』だよ。」
その瞬間、私たちの間の空気が一瞬で凍りつきました。
伊吹「こ…コロシアイ!?」
星野「…!!」
とりわけ、星野さんの頭の中にはコロシアイの言葉が強く響いているようでした。
結弦「ふ、ふざけないで!!なんで友達…ってかいきなり知り合ったばかりの人同士でコロシアイなんかしなくちゃいけないの!?」
モノクマ「友達?何言ってるの、オマエラは敵同士なんだよ?敵同士で殺し合わなくちゃいけないのは当然だし、拒否権はないんだよ。」
金形「拒否権なしって酷いよ!!!第一、いきなり人を殺せなんて言われても無理だよそんなの!!」
桐絵「…コロシアイってこたぁどんな手段で殺せって言うのか?」
舞鶴「な、何を聞いているんですか!?」
桐絵「この状況だ、いきなりコロシアイだのなんだの言われても理解出来るわけねーだろ。だったら少しでもコイツらから情報を聞き出して立ち回る方がお前らにとっても有利に働くだろうが。」
旭「い、いやいや…別に情報を聞き出したところでオレたちはコロシアイなんかしないって!」
モノクマ「あーはいはい、面倒臭いからスルーするよ。じゃあ改めて説明すると、ここ明日守学園でのコロシアイは、『学級裁判』を用いたやり方で行われます!」
星野「…学級、裁判…!」
「この明日守学園の中で殺人が起きたら、オマエラには全メンバーで殺人を犯した『クロ』をオマエラの中で見つけ出してもらいます。オマエラがクロだと思った生徒に投票して、その答えは多数決で決められるんだ。もしオマエラが選んだ答えが正解ならクロだけがおしおきされて、オマエラには引き続き学園生活を送ってもらい、最後に間違いならクロ以外の全員がおしおきされるんだよ。」
モノファニー「いつ聞いてもえげつないルールね…」
モノスケ「何言うとるんや!むしろこっからが本番って感じやろがい!」
モノタロウ「一体どんなコロシアイが待ち受けているんだろう?」
モノキッド「そりゃもうアレよ!刺殺毒殺絞殺轢殺エトセトラエトセトラよ!!」
モノファニー「お、おぞましいわ…でろでろでろでろでろ…」
モノダム「………」
黒馬「ひとつ聞きましょう。おしおきと言うのは?」
モノクマ「そりゃもちろん『処刑』だね。」
夢里「し、処刑ー!!?」
星野「……!」
モノクマ「そうそう!電気椅子でバリバリ、ギロチンでスパーン、ナイフでグサグサ…楽しみで楽しみで仕掛け人の魂が勃起しちゃうよ!!!」
モノスケ「悪趣味さと不快感を煽ることにかけては天下一品やな。」
モノクマ「さぁ、オマエラには嫌でもやってもらうよ!好きな殺し方で誰を殺すのか!?そしてその先に待ち受けてるものはなんなのか!?」
モノクマ「今、ここにトンデモスペクタクルなコロシアイエンターテインメントが開催されるのでーす!!」
金形「ひ、ひえええええ!!!!」
久留米「う、嘘でしょ…!?」
柊「だ、誰かぁぁぁぁぁぁ!!!!」
星野「ふ、ふざけんじゃねーぞ!!!オレ達はコロシアイなんか絶対にしねーからな!!!」
モノクマ「うぷぷ…そうそう、そういう反応が見たかったんだよね。特に、星野くん…だっけ?記憶喪失でわけも分からないまま今度はコロシアイで人を殺せって言われるなんて散々だよね。絶望的だよね?」
モノクマ「…ま、オマエには特に期待してるよ。直ぐに殺されたら殺されたでそれも面白いけど、うぷぷ…」
モノタロウ「あれ、お父ちゃんなんか思わせぶりな口ぶりだね?」
モノクマ「おっと、ここから先は我が子と言えどネタバレ厳禁だよ!今はまだその時じゃないからね。」
伊吹「……」
伊吹「…なんで、私たちがお互いに殺し合うなんて…そんなことやらなくちゃいけないんですか…!!」
小さくかすかに呟き、恐怖と怒りの混じった声を喉の奥から震わせました。
星野さんは自分の失われた記憶とコロシアイへの怒りで拳を強く握りしめていました。
星野さんだけじゃない、他のみんなも思い思いの表情で、目の前に突きつけられた絶望を噛み締めていました。
…こうして、私たちの狂った物語は幕を開けたのです。
プロローグ リ・イマジネーション END