ニューダンガンロンパ リマジネーション ぼくらのコロシアイ新生活   作:りょうぴー(創作論破書き)

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『校則 基本』

明日守学園内で殺人が起きたら、殺人を犯した『クロ』を捜しましょう。クロだと思った生徒に投票し、その答えが正解ならクロだけがおしおきされます。ただし、間違いならクロ以外の全員がおしおきされます。

『校則 その他』

1.生徒達は明日守学園の敷地内のみで行動が可能となっています。

2.夜の10時から朝の7時までは「夜時間」として一部のエリアへの立ち入りを禁止します。

3.生徒の皆さんは本学園近くの寄宿舎エリアに宿泊場所を設けています。寄宿舎以外の他の場所での就寝は居眠りとして校則で罰せられます。

4.学園長であるモノクマへの暴力は禁止です。

5.モノクマは殺人への関与を禁止します。

6.死体発見アナウンスは、死体発見者が3人以上いた場合に流れます。

7.明日森学園について調べることは自由です。特に制限は設けません。

8.校則違反を犯した生徒がいればその場で罰します。

9.電子生徒手帳は連絡手段も兼ねた貴重品です。誤って壊さないよう取扱には注意してください。

10.明日守学園内での共同生活に期限はありません。ただし、コロシアイを進めてゆき、人数が2人以下等のこれ以上続行不可能になる状態になればその時点で生き残った人物はコロシアイから卒業となります。

11.校則は次々に増えてゆく可能性があります。


Chapter.1
私たちの頭の中の消しゴム (非)日常編 その1


Chapter.1 私たちの頭の中の消しゴム

 

モノクマとモノクマーズが去った後、私たちは電子生徒手帳を確認することにしました。

まさか、いきなりこんな…殺し合いを強要させられるなんて非現実的で馬鹿馬鹿しい命令を突きつけられるなんて…

 

桐絵「へぇ、要はこれから始まるゲームのルールブックってやつか。シンプルだが分かりやすくて助かるな。」

 

田原「身をも骨をも、そして魂をも削り取る悪魔のデュエル…面白い、どこまで俺を楽しませられるか?」

 

結弦「そんな問題じゃないでしょ!?だいたい、いきなりこんなことしろって言われて、やると思うの!?」

 

舞鶴「あの…コロシアイを続けると人数が減るようですが、何故人数が2人以下でコロシアイが終了するのでしょうか?」

 

星野「オレも良く分からねーが…多分、2人になると残り一人を殺して自分が処刑されるだけになるからじゃねーのか?」

 

黒馬「左様でございますか。確かに、そうなるとゲームが成立しませんね。」

 

旭「しっかし酷いルールだね…人を殺しまくらなきゃいけないゲームなんて。」

 

三条「それも、俺らの中の誰か2人が残るまで続けなくちゃならないんだ。」

 

時谷「何にせよ、このゲームをしかけた黒幕は間違いなく狂っているね。」

 

金型「ななななんということだ…まさかこのぼくがこんな目に合うなんて…今日は厄日だ!!世界の終末だ!!うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

夢里「し、死ぬなら高級チョコ1億円分食べきったり松坂牛のステーキたらふく食べてから死にたかったよー!!」

 

柊「その後、柊さんの姿を見た者はいない…なんて、笑えない冗談だよ!?最悪…」

 

みんな、この異常事態にすっかり取り乱してる…

こんな時、私に出来ることはなにか…どうすれば…?

 

と、とりあえず…!

 

伊吹「み、みなさん、落ち着いてくださーい!!みーなーさーん!!!聞いてますかーーーーー!?」

 

久留米「びっくりした〜…そんなに大声出さなくても聞こえてるよ!」

 

甘粕「ここで鶴の一声がビシッと!決まりましたねー。」

 

大山「落ち着いた方がいいのは伊吹もだけどね…それで、蒼空は何か言いたげみたいだけど、何を言おうとしてたの?」

 

伊吹「あ、えーっと…とにかく、こんなふうに騒いでても何も解決しないって思って…そ、それよりみなさんでここから脱出する方法についてもう一度探ってみませんか?」

 

「…………」

 

伊吹「あ、あれ?みなさん…?もしかして…呆れられてます…?」

 

黒馬「…いえ、伊吹様の提案にも一理あると思いまして。」

 

星野「ま、そうだよな。このワケわかんねー場所から脱出する1番の目的を忘れちゃいけねーな!」

 

金型「は…はは…まったくその通りだね…うん、その通りだよ!まさしくぼくも言おうと思っていた所さ!」

 

結弦「…その割にはあんなに騒いでたのに?」

 

大山「と、とにかく…伊吹のアイデアにはあたしも賛成だよ!」

 

舞鶴「はい!私もそーだそーだクリームソーダです!」

 

田原「…なるほど、つまりオレたちは今はこのフィールドから逃げると。しかしデュエルを放棄して背を向けるというのは、オレの矜恃に反するな…」

 

夢里「そ、そんなことボクらがやるわけないじゃないですか!田原氏の変態快楽決闘マニア!」

 

桐絵「ま、命あっての物種っつー言葉もあるし、戦う相手や状況を選ぶことも必要だろうよ。」

 

時谷「意外だね。君もてっきり田原くんと同じサイドかと思ってたけど…」

 

桐絵「波が来ない時にサーフィンしたり風向きが悪い時に筏を漕ぐ馬鹿はいねぇだろ。それと同じだ。」

 

旭「時流や戦局を読んでから戦うタイプなんだね。」

 

結弦「でも、蒼空はそういう風に流れを上手く掴んでると思うよ。アタシも、蒼空のその考えに乗った!」

 

伊吹「彩乃ちゃん…はい、ありがとうございます!じゃあみなさん、この調子で脱出の糸口を絶対に掴み取って見せますよ!」

 

舞鶴「オーッ!」

 

久留米「ちょーっと待った!探索はせめて明日以降にしない?私、頭がぐるぐるでもうしんどくって…」

 

柊「ズコーッ!そこは空気を読んで一緒に行くとこでしょうよ?」

 

甘粕「けど、疲れたのはあたしも同じですねー。脱出の手がかりもゼロでしたし、今日のところは一旦休んで明日に備えましょうよー。」

 

旭「まぁ…仕方ないよ。急がば回れって言葉もあるし、まずはオレたちの英気を養おう。」

 

星野「そりゃそうだけど…オレ、上手く休める気しねーよ。」

 

夢里「寝てりゃ嫌でも休めますよ!ボクも授業中はそうやって過ごしてきましたから!」

 

金型「それはそれで問題だと思うんだけども…まぁ、とにかく今は寝ようかな。確か寝泊まりする部屋は寄宿舎にあるんだっけ。」

 

三条「みたいだね。さっきも見てたけど、丁度俺たちみんなの部屋があるみたいだ。」

 

桐絵「んじゃ、遠慮なく休ませてもらうか。」

 

田原「フン…戦士の休息か。いいだろう、俺は時を待つぞ…」

 

黒馬「本来なら皆様のベッドを確かめてから休ませようと思っていましたが…どうやらこの様子を見る限り、休ませる方が先決のようですね。」

 

久留米「助かるよー…あ、そうだ、明日の朝起きたら、一緒に朝ごはん食べない?」

 

甘粕「おっ、いいですねー。楽しみですー。」

 

夢里「じゃ、じゃあボクも同席させていただきまーす!」

 

そう言うと皆さんは各々方寄宿舎に向かってしまいました。

 

結弦「はぁ…なんだか足並み揃ってないね。」

 

伊吹「あ、あはは…ですね。」

 

舞鶴「皆様、やはりこの状況に落ち着けなくなってしまっておられるのでしょうか…」

 

大山「慣れない環境と嫌な命令で参っちゃってるんだよ。」

 

時谷「じゃあ僕たちも休もっか。おやすみ、また明日ね。」

 

結弦「うん!じゃあ明日ねー!」

 

そうして私達も、彼らに続くように自室へ向かうのでした。

 

〜伊吹蒼空 自室〜

 

ここが私の部屋…

ベッドやテーブル、椅子にタンス、それからトイレにシャワー…一色の家具は置いてあるようですね。

 

キーン、コーン、カーン、コーン…

 

モノタロウ『えーっと、明日守学園からのお知らせでーす!』

 

モノスケ『キサマラ、チャイムが鳴ったちゅー事は、今から夜時間やで。』

 

モノファニー『夜時間は食堂や体育館に入れないので留意してね。』

 

モノキッド『用足しを済ませたらさっさとおねんねだぜ!漏らしちまっても知らねーぞ?』

 

モノクマーズ『それじゃ、くますみー!!!!!』

 

校内放送が流れ終えると同時に、私は勢いよくベッドに寝転び、そのまま深い眠りにつきました。

 

〜翌朝〜

 

伊吹「くぁ……良く寝ました…」

 

目を覚ましたら夢オチ…なんてことはありませんでしたね…

とにかく、皆さんも集まってるでしょうし、私も食堂に急ぎましょう。

 

〜食堂〜

 

食堂に来る人たちは、それぞれ3種類の性格グループに分かれます。

 

結弦「蒼空じゃん!おっはー!」

 

伊吹「おはよう彩乃ちゃん!」

 

舞鶴「おはようございます、伊吹さん。」

 

時谷「うん…おはよう。」

 

伊吹「皆さんも集まってたんですね!おはようございます!」

 

三条「うん。元々約束してたからね。」

 

大山「あ、おはよう。黒馬が今コーヒー入れてくれてるみたいだよ。」

 

黒馬「おはようございます。もし宜しければ紅茶も用意いたしましょうか?」

 

規則正しく時間通りに生活している健全な人たち…

 

旭「走り込みしてたら遅刻しちゃった…ごめん!」

 

夢里「あれ、遅刻!?おかしいなぁ…これでもボク、昨日目覚ましはちゃんとなるようにしたんですよ?」

 

柊「おはようございまーす。今日柊さんは平常運転で行きますよ。」

 

甘粕「いやー、気持ちのいい太陽ですねー。つい寝たくなっちゃいますー。」

 

金型「やぁ、おはよう。昨日はそんなに眠れなかったが…何はともあれだ。」

 

次に来るのが、少し時間感覚がいい加減でどこか規律が抜けてるような人たち。多分、大半の人達がこのグループに属するんじゃないでしょうか?

 

桐絵「よう、揃いも揃ってんな。」

 

田原「チッ…煩わしい太陽だな。」

 

久留米「おはよー…むにゃむにゃ…まだ眠いや、えへへ…」

 

星野「いやー悪ぃ、つい寝過ごしちまった。」

 

そして、他人のことを全く考えていないのか、時間感覚にも疎いルーズでマイペースな人たち…

 

朝食会を開くだけでも、大体の皆さんの性格が何となくわかるような…気がしないでもないですね。

 

結弦「そういえばこの中でガールズバンド好きな人いる?アタシ、ピポパが好きなんだー。」

 

舞鶴「まぁ、ピポパ推しなんですか!?私もです!」

 

結弦「おぉ!?同士じゃん!!ねね、ピポパだと誰が好きなの?」

 

舞鶴「私はそうですね…カスミン推しです!明るくて元気な所が大好きなんですよ。」

 

結弦「カスミンいいよね!アタシはサーヤが好きなんだ〜!」

 

舞鶴「サーヤちゃんもあの優しい雰囲気がたまらないんですよね〜、バンドの話でこんなに盛りあがったなんて、初めてな気がします!」

 

結弦「アタシも!っていうかアタシ達、名前の響きも何となく似てない?ほら、ゆいづるあやの、まいづるひめの…って、語感がすっごく似てるんだよ。ヒメもそう思わない?」

 

舞鶴「本当ですね!もしかして私たち、前世で親友同士だったのかも知れませんね、彩ちゃん!」

 

伊吹「姫乃ちゃんもピポパ好きなの!?私もだよ!!ピポパの曲のカバー投稿したことがあるんだ〜!」

 

舞鶴「まぁ、伊吹さんもなのですね!」

 

伊吹「蒼空でいいよ!あ、姫乃ちゃんは好きな曲って何かあるかな?」

 

舞鶴「私はそうですね…絆ミュージックが好きです!あのポップなメロディが印象的なんですよね〜。蒼空ちゃんと彩ちゃんは何かありますか?」

 

結弦「アタシはトキメキエクスペリエンスかなー。ピポパの原点みたいな所もあるし、あれもアタシのギタリスト活動の原点みたいな所があるからね!」

 

伊吹「私は…うーん…どの曲も好きだから悩んじゃうな〜…」

 

柊「わ、凄っ…あの3人、出会って2日でもう打ち解けてる!」

 

時谷「仲良くなるのが早いね。」

 

黒馬「ふふ。仲良きことは美しきかな、と言うべきでしょう。」

 

桐絵「はぁ、呑気なもんだな…」

 

夢里「コラー!桐絵氏?女同士の美しき関係の間に水を差す行為は不敬罪に相当しますぞ?」

 

星野「…」

 

旭「あれ?星野くん、元気なさそうだね。」

 

星野「あ?オレは別にいつも通りだぜ。」

 

久留米「嘘だぁ〜!ねね、ホントは寂しいんでしょ?良かったら話し相手になってあげるよー?」

 

星野「はは…結構グイグイくるな。まぁ久留米や旭の話も聞きてーし、良かったら教えてくれよ!」

 

旭「もちろん!オレが中学生の頃、全国大会じゃオレよりも上手い人が何人もいてさー…」

 

久留米「マジ!?超高校級って言われるような人でさえも昔は上には上がいたもんなんだね…」

 

旭「まさか、オレみたいなよく上手いって言われるプレイヤーは日本だけでもごまんといるよ。」

 

星野「へー…旭レベルの奴ってどれくらいいるんだろうな?バスケ選手に絞るだけでも結構居そうだぜ。」

 

時谷「なんだろう…昨日と比べて場の雰囲気が和やかになったね。コロシアイの事が発表されて昨日の今日なのに、蟠りを解いていくなんて、凄いなー。」

 

柊「フツーならお互い疑ぐりあってもおかしくない状況なのにね。」

 

三条「まるで昨日ここで殺しあえって言われた時と同じところにいる空気じゃないみたいだな…けど、こっちの方がいいのかもね。」

 

金型「はぁ…呑気に会話しているみんなが羨ましいよ。」

 

夢里「それなら金型氏も誰かと話せばいーじゃん!人の会話に対してビクつくだけじゃ出会いは得られないですぞ?」

 

金型「うぐっ、確かにそれを言われるとぼくも何も言い返せない…うん、そうだね…ぼくも開き直ってみんなの会話の輪に入るとしよう!」

 

田原「しかし、今の俺たちの状況をあのゲームマスターが易易と見過ごすとも思えんがな。」

 

三条「え、縁起でもないこと言うなよ。」

 

桐絵「けど実際モノクマとモノクマーズとかいう奴らがオレらのことを四六時中見張ってるってのはマジらしいからな。こんな絆も簡単に打ち砕く位の手はずは整えてるんだろうよ。」

 

モノクマ「まあまあ、いくら極悪非道なボクもそんな悪趣味な精神攻撃はしてこないよ。」

 

舞鶴「も、モノクマさん!?」

 

桐絵「はっ…やっぱり来やがったか。」

 

結弦「アンタ…いきなり現れてどういうつもり?」

 

モノクマ「だからそうカッカしないでってば。別にボクはオマエラの砂上の楼閣のような霞む友情を踏み消そうだなんてゲスな真似はやらないから安心してよ、友情を踏みにじって無理やり殺し合わせるなんてマンネリ化した真似、やらせても面白くないからね。」

 

星野「お前…何しに来たんだ?」

 

モノクマ「よく良く考えたらさ、いきなり人を殺せって言われても躊躇うやつが大半じゃん?そんな日和見主義のオマエラでも躊躇無く人を殺せるようにするための『動機』を用意させてもらいました!」

 

伊吹「ど、動機…ですか!?」

 

モノクマ「それでは発表します!今回の動機は〜…なんと!『殺人を成功させたら無条件でこの学校から卒業、ダブルアップボーナスで学級裁判を開催すればこの学校からの卒業権ともうひとつ、成功者の好きな願いを叶えられる』というものでーす!!」

 

星野「…!?」

 

モノクマ「要約すれば、クロが殺人を犯してそれを申告すれば無条件でコロシアイから卒業出来ます。しかしそれでも尚名乗り出なかったかクロが卒業権を使い、そのうえで学級裁判に勝ち抜けば卒業と同時に好きな願いを叶えられることができちゃうのでーす!!心と体と乳首が震えるようなとっておきの大サービスだよ!!ハイリスクだけどハイハイハイリターン!どう?やってみたくない?」

 

結弦「そ、そんなこと言われたって…ふざけないで!!アタシ達は絶対にやらないから!!」

 

桐絵「どうだかな。ところでその願いってのは、記憶喪失とかこのコロシアイの真実を暴くって願いも含んでいいのか?」

 

モノクマ「うぷぷ…もちろんだよ。死んだ人間を生き返らせるとかコロシアイをやめさせる以外の願いならなんでもオッケー!」

 

星野「…記憶を…取り戻す!?」

 

金型「げげ…星野くんが若干揺れ動いてる…」

 

舞鶴「星野さんを揺さぶらないでください!!桐絵さんはなんでコロシアイの方に持っていこうとするんですか!?」

 

桐絵「実際口じゃ殺さないって言っといてその言葉を鵜呑みにする馬鹿はいねーだろ。」

 

久留米「ありゃ…それを言われちゃうと何も言い返せなくない?」

 

柊「いやいやそりゃそうだけど…星野さーん、もっと冷静になってよ。」

 

星野「そ、そうだけ…ど…でも…オレは…!」

 

三条「ダメだ…今の星野は頭がパンクしてる。」

 

田原「あれだけの報酬を提示されてはな…奴の心が揺らぐのも無理は無い。」

 

時谷「リスクなくしてリターンなし…リスクなしハイリターンなら人はそんな上手い話にはフィクションでない限り当然あるはずがないので釣られないけど、リスクを伴って得られるリターンが大きいのなら、その分挑戦意欲が湧いてきてしまう…ある意味真理だね。」

 

夢里「いやいや!!どんな理由があろうと殺しはぜったいノーですよ!!ええそうですとも!!!」

 

黒馬「同感ですね。私もそのような真似には決して及びませんよ、命令されようともね。」

 

旭「だね。オレもそう思ってる。星野くん、モノクマの策に乗らないで君の記憶を取り戻す方法を考えようよ。」

 

星野「でも…!!」

 

結弦「ねぇ星野!!お願いだから、落ち着いてよ!!殺人を起こしたところでアンタが記憶を取り戻す保証も生きて脱出できる保証もないんだよ!?」

 

星野「…!!確かにそりゃ、そうだよな…オレだって殺し合いなんかするつもりは微塵もねーが…悪ぃみんな、オレ…混乱してどうかしてたわ…」

 

大山「焦った〜…もう星野、先走っちゃダメだからね?」

 

甘粕「というわけですからー。私たちはコロシアイなんかしないんで、帰って貰えますー?」

 

モノクマ「…あっそ。まぁそう言うと思ったよ。じゃあ次の一手を考えてくるから、首を洗って楽しみにしてなよ?」

 

そう言うとモノクマは逃げるように去ってゆきました。

 

三条「逃げていったか…でも、まだこれで終わりじゃないよね?」

 

伊吹「はい…まだモノクマは私たちに何かを用意して会いに行くと言っていましたから。」

 

桐絵「コロシアイをどうしてもさせたくなるような動機を何度も何度も持ってくんだろう。手がワンパターンなんだよ。」

 

金型「ブルブル…とにかく、モノクマが何しでかすか恐ろしくてたまらないよ…」

 

甘粕「金型くん、ビビっていても始まりませんよー。」

 

田原「当然だ。俺たちはみなデュエリスト。戦わなければデュエルで勝ち残ることなどできやしない…」

 

夢里「いやいやこれがビビらずに居られるかっての!?ボク、こんな所に骨を埋めるなんてしたくないからね!!」

 

大山「確かにそだね。あたしも夢里と同じ意見。まだ色んな場所に行けてないのに、こんな閉じ込められた空間で最期を迎えるなんて、絶対嫌だよ!」

 

旭「そうならないためにオレたちは団結して戦う道を選んだんだ。だから、こんなところでオレたちは死ぬはずはないよ!」

 

時谷「モノクマからすれば皮肉な話だね。動機でコロシアイを煽ったことで余計に僕たちの結束力が固まったんだから。何にせよこれでモノクマに対抗する気持ちが一層芽生えたのは事実だ。」

 

柊「コロシアイを上回る団結力、見せつけてやったりー!って感じだねぇ。」

 

星野「……」

 

舞鶴「星野さん…複雑なご様子ですね。」

 

結弦「そりゃ、ひょっとしたら自分の記憶を取り戻せるかもしれないって思ってたんだし…アタシが星野の立場だったら、星野みたいにならないなんて言いきれないよ。」

 

久留米「何にせよ複雑だね。記憶の奪還と殺人のリスクで揺れるジレンマって奴がホッシーを苛ませてるんだもん。」

 

伊吹「大丈夫ですよ!星野さんなら記憶なんかなくても、私たちみんなで頑張ればこのコロシアイを乗り越えられる…それから、みんなで脱出できるはずです!」

 

私は、何となくいつものような感覚で星野さんに無遠慮な言葉を投げかけました。しかし、その言葉が星野さんの逆鱗に触れてしまいました。

 

星野「…なんか?なんかだと…!?」

 

旭「ほ、星野くん…!?あれ、怒ってる…?」

 

舞鶴「こ、この反応…星野さんは絶対怒ってますよ!」

 

伊吹「うぇっ!?ほ、星野さん…」

 

久留米「ソラち、今のはホッシーの地雷踏んじゃった系だよ…アイデンティティが無くて悩んでる人にその言葉はあまりに不適切だからね?」

 

結弦「お、落ち着いてよ星野!別に蒼空はアンタの記憶喪失を気にしないで励まそうと思っただけで…」

 

星野「記憶喪失なんかでウジウジしくさるような人間で悪かったな!!人の気苦労も知らないくせに…お前に何がわかるってんだ!!」

 

大山「ちょっと星野!!あんたもそれは流石に言い過ぎだよ!!伊吹も別に嫌味で言ったわけじゃ…」

 

伊吹「あっ、待ってください、星野さん!!」

 

しかし、大山さんが止めるまもなく、星野さんは食堂を出ていってしまいました。

 

大山「行っちゃった…もう、何もあんなに怒らなくて良くない?」

 

桐絵「さっきの伊吹の発言は100パー嫌味にしか聞こえなかったぞ。女々しくヒスる星野も大概悪いがそいつのデリケートな領域に踏み込む方も踏み込む方だ。」

 

大山「それは、確かにそうだけど…」

 

伊吹「でも星野さんは確か、気にしてないから大丈夫だって言ってましたよ?」

 

黒馬「それは恐らく…伊吹様に気を揉ませないようについた嘘で、これが彼なりの気遣いなのでしょう。」

 

久留米「多分、会ったばかりの人に余計な気を遣われるのが苦手なタイプだからそう言ったんじゃないのかな?」

 

伊吹「そっか…それに関しては、私の汲み取り不足だったかもしれません…!」

 

旭「こういう言葉があるよ、喧嘩両成敗ってね。スポーツの世界でも暴力を奮ったら退場になるし、振るわれた側も仮に落ち度があればそれも悪いとされるケースもあるんだ。星野くんも伊吹さんも、本当は自分が悪い所があるって思ってたんじゃないかな?」

 

伊吹「そっか…そうですよね。」

 

舞鶴「蒼空ちゃん…どうします?」

 

伊吹「姫乃ちゃん…やっぱり私、星野さんに謝っておこうかな…」

 

結弦「それがいいかもね…多分、星野も蒼空に当たり散らしたこと、後悔してると思うよ。」

 

大山「えっと…また喧嘩したりしないでね。」

 

伊吹「も、もちろんです!」

 

〜寄宿舎前〜

 

星野「…はぁ。」

 

伊吹「…あ、見つけましたよ星野さん!こんなところで項垂れてどうしたんですか?」

 

星野「…別に、何でもねーよ。」

 

伊吹「…嘘です。その反応的に、なんでもなくなんかありませんよね?」

 

星野「………やっぱり、お前の目は誤魔化せねーな。」

 

星野「それにゃ話すべきことがあるけど…まずは先に謝っておく。ごめんな、伊吹。さっきはお前に当たり散らして…申し訳ないって、心の底から思ってる。」

 

伊吹「いえ!私が口下手で励ますのが下手くそだったから行けなかったわけで、星野さんの地雷を踏み抜いた私にも非がありますから!」

 

伊吹「ただ、その時気になったことがあるんですけど…星野さん、最初にあった時、『記憶喪失だってことは気にしてない』って言ってましたよね?あれって…私に気遣って取り繕ったんですか?」

 

星野「…そいつは、半分嘘で半分ホントのこった。」

 

伊吹「…半分嘘で半分本当?」

 

星野「過去のことを気にしなくても生きてけるってところは本当の話だ。オレは18年間、自分が何者なのかすらろくに覚えてなくても、自分の力で生きて行けた。」

 

星野「けど…本当はオレ、自分が何者なのか分からなくて…時々、いや…毎日不安をどこかに抱えてるんだ。オレは…星野由宇樹は何者で…どんな人間として生きてきたのか、それが分からないってだけで自分が自分じゃないみたいで…いつもそうやって不安を押し殺しながら生きてきたんだよ。」

 

伊吹「そんなことが…」

 

星野「オレはそんな不安を打ち明けられないまま18年も過ごして…結局…お前の前でオレは初めてこの悩みを…嫌な形でぶつけることになっちまった。本当にすまなかったな。」

 

伊吹「い、いえ!私の方こそ、星野さんの本当の気持ちに気づかないで、ズケズケと発言してしまったんです。悪いのはお互い様ですよ。」

 

星野「いや、だからそれはオレがホントのことを喋らなかったからお前も誤解したってだけで…」

 

伊吹「でも、先に星野さんを傷つけたのは私です!ですから…これ以上、謝らないでください。」

 

星野「あ、あぁ…伊吹がそう言うなら…うん。」

 

伊吹「さ、この話はもうおしまいです。これから私たちでどうするか、星野さんも一緒に考えてみませんか?」

 

星野「これから、か…そうだな。オレらがやらなくちゃいけないことは、記憶やコロシアイの話で動揺することじゃねー。コロシアイを防ぐために、モノクマに対抗するために何をすればいいのか、それを考えなくちゃいけねーな!」

 

私と星野さんは食堂に戻り、一緒に頭を下げることにしました。

 

結弦「あ、蒼空に…星野じゃん!」

 

久留米「この様子だと仲直りは済んだっぽいね。」

 

星野「みんな、さっきは取り乱してごめん。改めてオレも、このコロシアイにどうやって立ち向かうかを一緒に考える。だから…手伝わせちゃくれねーか!?」

 

伊吹「わ、私からもお願いします!私も、このコロシアイを終わらせたい気持ちは本物なんです!」

 

答えるまでもなく、皆さんは頷きました。

 

舞鶴「はい!私たちは力を合わせて、不可能を可能に変えてにっこりこりこりこりコリアンダーにならなくちゃいけないんです、こんなところで立ち止まる私たちじゃありませんよ!」

 

結弦「ヒメの言ってることはちょっとズレてるけど…もちろんアタシも同じだよ。アタシも考えてる事は星野や蒼空と同じ、このコロシアイを終わらせて、みんなでここから脱出したいんだ!」

 

大山「そういう意味ならあたしも!星野の苦悩や伊吹の楽観的な考えみたいなものはコロシアイに立ち向かうだけの理由持ってないけど…それでもあたしにも出来ることは何かあるはずだよ。」

 

旭「オレも賛成!チームワークこそ勝利の鍵って言うからね。こういう時のためにいるようなもんだから、オレももちろん手を貸すよ!」

 

久留米「はいはーい!じゃあ私も。私ももちろん頑張っちゃうからね!」

 

夢里「ボクももちろんやっちゃうよ!一世一代の配信で、後世に名を残しちゃうカモ!?」

 

甘粕「私は荒っぽいことは嫌いですけどー、こういうみんなで力を合わせて巨悪と戦うのは嫌いじゃないですねー。」

 

田原「ふん…賑やかなものだ。」

 

金型「何人か抽象的な考えを持ってた人もいたけどねー…」

 

黒馬「ですが、これくらい活気があった方がちょうど良い。」

 

柊「それは一理ありますなー。じゃあ柊さんもノッちゃうかな!」

 

三条「雨降って地固まる、ってやつだね!よし、これで確実で磐石な対コロシアイ用の体制ができた!」

 

伊吹「改めまして…私たちは、こんなコロシアイなんかに負けませんよ!!頑張りましょう、皆さん!」

 

星野「よっし、んじゃあ頑張ろうぜ!!」

 

私たちはこうして一致団結し、絶対にコロシアイをせずこの状況を乗り切るということを決意しました。

 

モノクマが何をしかけてこようとも、皆さんをコロシアイには絶対に手を染めさせません!!

 

桐絵「…しっかし、どうなるもんかね。」

 

時谷「まぁ、今は団結がより固まったことを喜ぼうよ。」

 

桐絵「上手くいくに超したことはねぇが…それすら敵の手のひらの上だとしたら…っと、余計な茶々は挟まねー方がいいな。」

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