ニューダンガンロンパ リマジネーション ぼくらのコロシアイ新生活 作:りょうぴー(創作論破書き)
朝の集まりを終えた私たちは、各自各々で学園探索を引き続き行うことにしました。
すっかり元気を取り戻した星野さんも、明るい面持ちで学校を見て回るために飛び出してゆきました。
さて、かくいう私は…と言うと、1度シャワーを浴びようと思って一旦寄宿舎の自室に戻ってきました。
伊吹「ふぅ…さっぱりした〜。」
私は気の抜けた声を出して、タオルで素早く髪を拭いてからドライヤーで乾かし、替えの服に着替えました。
伊吹「にしても、同じ服が何着もずらりと…よく用意したよなぁ。」
なんて呟いていると、突然玄関から『ピーンポーン』というチャイムの音が。
伊吹「あ、今行きまーす。」
私は直ぐにドアを開けて応対します。
結弦「やっほー、蒼空!シャワーはもう済ませた?」
伊吹「彩乃ちゃん!うん、さっき終えたところだよ。」
結弦「そっか。ところで蒼空にちょっとナイショで話しておきたいことがあるんだけど…」
伊吹「え、ナイショで?」
結弦「まぁその…話は一旦図書室の方でね。」
とりあえず話を聞かないことには分からないので、図書室まで彩乃ちゃんについて行くことにしました。
〜図書室〜
伊吹「それで彩乃ちゃん…話したいことってなんなの?」
結弦「実際に見てもらったら納得して貰えると思うよ。じゃーん!」
彩乃ちゃんはそう言うと、図書室の奥にある本棚を指さしました。
伊吹「ただの本棚に見えるけど…何か他の本棚と違うところがあるの?」
結弦「床の色がカムフラージュになってて分かりにくいんだけど、近くにレールが敷いてあって本棚が置かれてない隙間があるでしょ?」
伊吹「確かに…近くにチリトリやはたきを入れる用具入れがそばにあるからそこに本棚を置く隙間がないとは思うけど…」
結弦「これはね…よいしょ…!」
彩乃ちゃんはそう言うと、ゴゴゴと音を立てて本棚をずらし、私の見た事のない「それ」をあらわにしました。
結弦「ふぅ…中々重たいんだね、この本棚って…」
伊吹「レールってことは…えっ!?この本棚、スライド式の隠し扉ってこと!?」
結弦「そ!って言ってもアタシがこれを見つけたのはついさっきの事だけど…多分もしかしたら…いや、もしかしなくてもこの先は黒幕が何か隠しているような部屋なんじゃない?」
伊吹「うんうん、見るからにして怪しいもんね!でも、鍵のところにはパスワードロックがかかっていて進めないよ。」
結弦「今はアタシたちはパスワードを知らないからあの扉の先に行くことは出来ないけど…もしかしたら、この学園内にパスワードがどこかに隠されてるのかもしれないよ!」
伊吹「確かに…パスワードといったら本の中のワンフレーズから抜粋するのがお手本というか定石というか、そんな風潮はあるよね!でも、ここの図書館の本は沢山あるし、その中からパスワードを抜き出すなんて一苦労だと思うよ?」
結弦「そこは大丈夫!パスワードはひらがな46文字のうちの二文字と12種類の動物から選ぶみたいだし数字4桁と比べるとまだ分かるんじゃないかな?」
伊吹「当てずっぽうで総当りするとそれでもものすごく時間がかかると思うなぁ…ヒントがありそうな本から絞ってみない?」
結弦「それなんだけど…ヒントがありそうな本のありかすら分からないんだよね…」
伊吹「ひとつの本棚に絞って、その中から気になった単語をメモに書出してやるしかないけど…どの道総当たりじゃあまりに時間がかかりすぎるよ。もっと分かりやすいやり方…例えば、先に黒幕の方から出てきてもらうみたいな作戦はどう?」
結弦「あー…確かに、そっちの方が確実だよね!でも、道具がなくない?姿を写す様のカメラとか気を引くためのワナとかさ。」
伊吹「それなら大丈夫!廊下付近には大きな倉庫が有りましたから、何かしらの道具はもしかしたら一式揃ってるかも?」
結弦「それなら行ってみてもいいかもね!んじゃ、倉庫までレッツゴーゴー…あ、先に隠し扉だけ閉じとかなきゃね。」
伊吹「そうだった!今の所私たちだけの秘密なんだよね?」
結弦「うん。多分アタシ以外にはバレてない…はず。」
彩乃ちゃんはそう言うと本棚をスライドさせて隠し扉を閉じました。そして私たち2人は急きょ倉庫へ向かうことにしました。
〜倉庫〜
ここが倉庫ですね…文房具やカメラ、スポーツ用具といったありふれた道具から少し危険な薬品に凶器になりうる武器まで…色々なものがずらりと並んでいますね。
結弦「足りない分は後で別に調達するとして、まずはカ必要な分だけ持ってこうか。」
伊吹「うん!ワナの構想はある程度固まってるから、先に必要な分だけ持ってくね。そうだ、ノートやペンも持ってかなきゃ!」
私はそう言うとカバンの中にものを手当たり次第に詰め込みました。
結弦「あんまり重たくしすぎないでよ?カバンが破れても知らないからね。」
伊吹「はーい、よし。こんな所かな?じゃあ図書室に行こう!」
結弦「待った!」
伊吹「え?」
結弦「図書室だと他に来る人もいるしそこでバレたらまずいじゃん?だから罠作りとかセッティングの前準備だけはアタシの部屋でやろっか。」
伊吹「彩乃ちゃんの部屋に?上がっていいの?」
結弦「なーに言ってんの!アタシと蒼空の仲じゃん!」
伊吹「じゃあ遠慮なくお邪魔しまーす!」
彩乃ちゃんと私は道具を手に取ってから早速彩乃ちゃんの部屋に行くことにしました。
結弦「じゃあアタシの部屋に着いたことだし、早速作戦会議をはじめよっか!」
伊吹「ここが彩乃ちゃんの部屋…!…って浮かれてる場合じゃありませんよね。早速アイデアを色々と考えていこーう!」
私と彩乃ちゃんは途中で夕飯を挟みながらもどのような罠を作るかでかなり長い時間没頭し、黒幕の正体を暴く手段を必死に講じることにするのでした。
キーン、コーン、カーン、コーン
モノスケ「夜時間やでー、食堂封鎖されとるのにメシ食う悪い子はおらんやろな?」
モノキッド「不純異性交友してる悪い子はいねがー?いたらミーがリア充の爆発と共に焼き払ってやるぜー!!!」
モノタロウ「ただし同性なら全然OKみたいだよー。しかも女の子同士の濡れ場は役得らしいね。」
モノファニー「女の子同士でも十分にハレンチよ!やーね!」
結弦「ありゃ、もう夜時間か…蒼空、今日はここまでに…」
伊吹「くかー…くかー…」
結弦「って寝てるし!!仕方ない、今日はアタシの部屋に泊めてあげますか。自分の部屋じゃないけど…寄宿舎の部屋の中だし別に校則違反じゃないよね?」
〜翌日、結弦の部屋〜
結弦「ふぁ…よく寝た…」
伊吹「すぅ…すぅ…」
結弦「うぇあっ!?な、なんで蒼空がアタシの部屋に…!?」
伊吹「むにゃ…あれ、彩乃ちゃん?」
結弦「そ、そっか…昨日作戦会議の流れで疲れて眠りこけちゃったのをそのままアタシが泊めてたんだっけ…」
伊吹「ふぁー…そういえばそうでしたね…とりあえず、シャワー借りてもいいですか?」
結弦「う、うん…とにかく身支度して朝ごはん食べに行こっか。」
昨日は作戦会議の勢いで半ば強引に彩乃ちゃんの部屋に泊まってしまいました…それはともかく、無事の確認や様子の観察のためにも皆さんと顔を合わせなくてはいけませんね。
舞鶴「蒼空ちゃん、彩ちゃん!おはようございます!」
三条「えっと…伊吹に結弦さ…眠そうだけど何かあった?」
柊「妙だな…ソウラにあやのんさんがこのタイミングで同時に来たってことは…」
久留米「イブッキーもアヤもゆうべはお楽しみでしたねって状況みたいだねー。」
旭「首に虫刺されとかは…ないみたいだね。」
田原「フン、含みのある言い方だな。」
結弦「か、からかわないでよ!!別にそう言う状況になったわけじゃないからね!?」
星野「ゆうべはお楽しみでしたねってなんだよ…どこぞのRPGじゃあるまいし。」
舞鶴「あの…すみません、ゆうべはお楽しみでしたねとはどのような意味なのでしょうか?」
大山「えっと…その、要するにゴニョゴニョ…」
金型「ぼかすと余計アレな表現に聞こえないかい?」
黒馬「そのような些末なことはさておき、本題に入りましょう。探索するにもそろそろ限度が見えつつありますからね。」
時谷「今の範囲で行けるところはもう行き尽くした感じだよね。」
甘粕「一旦中庭からどこか別の通路を探してみますー?」
夢里「けど外から出るところなんて無さそうだよ?どうしようもねっスよ…」
伊吹「あ、諦めちゃダメですよ!!まだ3日目じゃないですか、もう少し粘って引き続き探してみましょう!!」
モノクマ「もう3日の間違いでしょ?そろそろ諦めなよ。」
金型「うわぁぁっ!?も、モノクマ!?」
桐絵「やっぱり現れやがったか。ま、想定内ではあるが。」
久留米「今度はなんの用?何か話があるみたいな感じで現れてきたけど。」
モノクマ「そう、それなんだよ!オマエラときたらせっかくボーナス特典まで用意したって言うのになかなかコロシアイに踏み出さないんだもん、そろそろ痺れを切らして暴走しちゃうかと思ったよ!」
伊吹「やはりそう来ますか…でも、何度も言いますけど、私たちは絶対にコロシアイなんかやりませんからね!」
モノクマ「うぷぷ…そう言うと思ってどうしてもコロシアイしたくなる、いや…せざるを得なくなるような動機を用意させていただいたんですよねぇ…知りたい?」
星野「追加の動機?」
モノクマ「えー、それでは追加の動機を発表しまーす!!追加の動機は…『2日後の昼までに誰もコロシアイを起こさなかったら、この場にいるコロシアイ参加者は全員死亡』というものでーす!!」
夢里「全員死亡!?マ?冗談だよね!?」
モノクマ「クマ、嘘つかない!オマエラの始末なんか破壊兵器やらモノクマ大量投下やらで余裕で行えちゃうんだよね。」
モノクマーズ「おはっくまー!!!!!」
モノスケ「遂に始まってもうたな、お父やんのプランBが…」
モノファニー「うう…想像するだけで残酷だけど…コロシアイのルールに従わなかったキサマラの責任でもあるのよ…?」
モノキッド「ヘルイェー!!!ついに絶望的で最悪のチミドロフィーバーがおっぱじまるぜ!!!」
モノタロウ「R-18G不可避の大惨劇だー!!オイラ、チビらないように今のうちにおトイレ済ませなきゃ…」
モノダム「…」
モノクマ「まぁ、そういう訳だから…可愛い我が子達はVRゴーグル越しにこの惨劇を今から見届けようじゃないか!!」
モノファニー「開催は2日後なのよ!?お父ちゃんったら気が早すぎるわ!」
モノタロウ「わーい!もんじゃ焼きと子供ビールで乾杯だー!!」
モノスケ「せやから2日後言うとるやろ!!それに食いもんのチョイス最悪やな!!」
そう言うとモノクマとモノクマーズはどこへともなく去っていきました。
結弦「う、嘘でしょ…」
金型「な、なんということだ…つ、ついにコロシアイが始まってしまうなんて…」
夢里「イヤーッ!!!ボクまだ億バズもしてないのにこんな所で死にたくなーい!!!!」
甘粕「はぁ…今日からまる2日最後の晩餐会ですねー…」
三条「こんな所で骨を埋める気は無いのに…くそっ!!」
舞鶴「神よ…私たちをどうかお守りください…」
柊「さーて、今から遺書を書く準備しなきゃね。」
伊吹「ま、待ってください!!まだ終わったわけじゃありませんよ!!」
田原「フン、もう諦めムードか?オレは最期まで戦い抜くぞ…」
黒馬「お言葉ですが相手は破壊兵器を持ち出すような危険な集団です。生身の我々が叶う相手では…」
久留米「かと言って、逃げられるかと思ったら逃げ場もなくない?」
旭「どうすればいいんだ、オレたちは…」
星野「……」
大山「…星野、どうしたの?さっきから黙りこくって…」
時谷「なんだか思い詰めてる顔だね。早まらないでよ?」
星野「や、そうじゃねーよ。なんつーか…もしかしたら、オレがなんとかすればこの状況を打開できるかもしれねーって思ってたんだ。もちろん、コロシアイ以外の方法でだ!」
桐絵「記憶喪失のくせにか?」
星野「記憶喪失だからだよ。もしオレの才能がこのコロシアイに大いに関係してるもんだとしたら…その封印された才能を思い出せば何とかできるかもしれねーって思ったんだ。」
田原「どうやら、貴様には痛々しい妄想癖があるようだな。」
久留米「それ、タハライトに言われたくなくない?」
結弦「でも星野、何か確証はあるの?」
時谷「確かに、記憶喪失を取り戻す鍵って言われても、今の時点じゃピンとくるような場所はないよね…」
星野「まぁ気長に待っててくれ。今は何をするつもりかは言えねーが、オレがこの状況を打開してみせるからな。」
舞鶴「あ、あの!無茶はしないでくださいね、星野さん!!」
そう言うと星野さんは1人先に食堂を出てゆきました。
柊「ほしのん大丈夫かなー…柊さん不安になってきたんすけど?」
時谷「様子が気になるし、僕も行こうかな。彼に気づかれない範囲でね。」
旭「星野くん、思い詰めてないといいけど…」
伊吹「…星野さん。」
…星野さんは何をするつもりなのでしょうか。不安になるけど…彼に話を聞けない以上は仕方ありませんね。
皆さんがタイムリミットまでに今後どうするか…話を聞いてみましょうか。
自由行動
皆さん、突然失礼いたします。
ただいまこの瞬間から、『自由行動』が行えるようになりました。自由行動ではコロシアイの合間に学園内の皆様と交流を深めることが可能となっております。他の生徒の皆様との『親愛度』を深めることが可能となっております。
親愛度を深め、絆のカケラを沢山集めると…?おっと、この先はまだ解禁前の情報ですのでまだお教えできません…
なお、星野由宇樹様のみ例外で、現時点では親愛度を深めることが出来ませんのでご注意ください。
伊吹「さてと…まずは誰に会いに行きましょうか。」
私は早速、姫乃ちゃんの所に行くことにしました。
伊吹「ひーめのちゃん!」
舞鶴「蒼空ちゃん!やっぱり仲のいい人と顔を合わせると安心しますね!」
伊吹「うん!私もだよ!ねぇ姫乃ちゃん、気分転換…って空気でもないけど少しお話してもいいかな?」
舞鶴「もちろんです!じゃんじゃんビャンビャン究極の質問タイムですね!」
伊吹「姫乃ちゃんって超高校級のバレリーナなんだよね?」
舞鶴「はい!父は日本人ですが、母はフランス生まれで育ちはイタリアでございます。ヨーロッパ中をあちらこちらへ飛び回りながらバレエの公演を行ってました。」
伊吹「凄いなぁ…バレエを始めたきっかけって何かあるの?お母さんがバレリーナかお父さんがバレリーノだったかどっちかなのかな?」
舞鶴「バレリーナだったのは母の家系ですね。私もそれに倣ってバレエの道を志すこととなりました。最初に始めたのは…そうですね、3歳の時からでしょうか?」
伊吹「3歳!?私が歌手デビューした頃よりもっと下だね…」
舞鶴「蒼空ちゃんは歌い手のようですが、何歳で歌手デビューしたんですか?」
伊吹「歌手デビューなんて大層なもんじゃないよ。5歳の時子供のど自慢大会で優勝した位で、歌手なんて名乗れるほど経験があるわけじゃないし、なんなら初めて歌ってみたを投稿した中学生の時までブランクがあったからね。」
舞鶴「そんなに長い間ブランクがあったんですか…?」
伊吹「えへへ、まぁ私の場合は諸事情で…」
舞鶴「そうなんですね…私はむしろブランクが無いくらいに忙しくて、公演前日までもずっとレッスン詰めで休む間もないくらいでした。」
伊吹「た、大変だね…それは…」
舞鶴「蒼空ちゃんの話をこうして聞いてると、お互いさまで隣の芝生がスカイブルーに見えますね。」
伊吹「ずっと休んできた人とずっと忙しかった人かぁ…確かにそう聞くと私たちって正反対なのかもね!」
舞鶴「はい!正反対ちゃんです!」
伊吹「でも正反対なのにこんなに合うなんて、なんだか不思議な気分だねー…」
舞鶴「確かに…それは私もそう思いました!不思議ですよねー…」
伊吹「うんうん、本当に不思議だよね!!でもひとつくらい同じところがあったりしないのかなぁ…」
舞鶴「あ、それなら蒼空ちゃんは好きなスイーツって何かありますか?私はロールケーキです!」
伊吹「ロールケーキ!?私も大好きなんだー!」
舞鶴「ふふ、こういう所はやっぱりお揃いなんですね!」
伊吹「うん、そうだね!」
【絆のカケラをゲットしました!】
舞鶴 姫乃 2/5
その後も姫乃ちゃんと色々な話をして過ごしました…
ーー
さてと、まだ時間もありますし…他には誰に会いに行きましょうか。
時谷「あ、伊吹さん。」
伊吹「時谷さん!実は今丁度暇しているところでして…」
時谷「そうなんだ。僕は星野くんと一緒に本を読んでたところ。」
伊吹「えっ、時谷さん…星野さんと会ったんですか!?」
時谷「まーね。モノクマ対策に護身術の本を読んでたみたいだったよ。」
伊吹「思ったよりアクティブだったんですね…そうだ!良かったら時谷さんの話も聞かせてください!」
時谷「もちろん!じゃあ何から話そうかな…そうだ、このルービックキューブ、少しやって見てよ。」
伊吹「ルービックキューブ?いいですけど私、素人ですよ?じゃあ早速挑戦っと…」
私は早速時谷さんから渡されたルービックキューブに挑戦します。しかし…
伊吹「あ、あれ?えっと…これがこうで…うぁ〜全然解けない!!すみません、ギブアップで…」
時谷「あはは…まぁそうなるよね。じゃあ次は僕の番だよ。」
そう言うと時谷さんはルービックキューブを手に取って、さっき私が挑戦して失敗した面を手際よくカシャカシャと並び替え…
時谷「よし、こんな所かな?」
伊吹「えっ、出来たんですか!?」
ものの9秒程度で完成させてしまいました。
時谷「これでも僕の記録の中ではまあまあ遅い方かな。早い人は3秒で完成させられるんだよ。」
伊吹「ほへ〜…そんな達人がいるなんて…ルービックキューブの世界は奥深いもんなんですねぇ。私なら少し遊んだだけで卒倒しちゃいそうです…」
時谷「気持ちはわからなくもないかな。でも、パズルはあの難しさと複雑さがあるからやりがいがあって楽しいんだ。」
流石は超高校級のパズラーと呼ばれてるだけありますね…生きてる世界や次元がやはり違いすぎます…
絆のカケラをゲットしました!
時谷海里 2/5
私はこのあとも時谷さんの話を聞いてから、一旦別れることにしました。
【伊吹蒼空 自室】
タイムリミットは明後日の正午…それまでになにをすればいいのでしょうか…彩乃ちゃんとその事を改めて話しておかなくちゃ行けませんね。
ピーンポーン!
伊吹「あ、はーい。」
結弦「蒼空、今日も黒幕暴きのための罠を作りに行くよ。」
伊吹「だね、行こう!道具の用意はできてるの?」
結弦「うん!後はカメラの改造だけだね。」
伊吹「カメラの改造?」
結弦「ほら、キララって配信者やってるでしょ?機材いじりとかは得意みたいなんだよ。計画のことは内緒にしてあるけど、カメラを改造して欲しいって話は一応付けてあるよ。」
伊吹「なるほどね!じゃあ行こう!」
私たちはキララちゃんのところへ急いで走ってゆきました。
伊吹「来たよ、キララちゃん!」
夢里「ソウラ氏、アヤ氏!遅いよもう〜…待ちくたびれちまいましたよ!」
結弦「ごめんごめん、で、例のカメラは?」
夢里「もちろん、バッチ改造済みでさぁ!カメラ自体のスペックの関係上撮影の時にクールタイムが必要になるやら最長数秒しか動きを記録できないやら問題はあるけど、無事改造に成功しましたとも!このカメラはバイブ式に改造したセンサーが反応してシャッターが自動で切られるという仕組みなんですよ。映像の記録にも対応してるのもポイントね!」
結弦「サンキュー、助かったよ!!」
夢里「あ、この試作品は後で一旦返してもらえるかな?まだボクが作ってるところだから、試作品の反省や問題を参考にしたいからね。」
伊吹「え、これが完成品じゃないの?」
夢里「完成品はもう少しスペックがいいカメラで作ってるところなんだ、型番が古いヤツだけど新型とは作りが似てるから試作用ってことで提供させてもらってますよ!」
伊吹「なるほど…まずはテストってことですね。」
結弦「そゆこと!それに万一カメラがバレても本命のカメラじゃないから壊されてもへーきだし!」
彩乃ちゃんはそこまで考えているんですね…私も彩乃ちゃんに負けないくらい頭を張り巡らせなくちゃ!
そして、私たちは再び図書室に足を運びました。
【図書室】
結弦「今の時間帯なら図書室は誰も来ないはず。じゃ、早速始めよっか!」
伊吹「うん!まずは防犯センサーの取り付けからだよね?」
結弦「そうそう!シャッターと離れすぎてるとカメラが反応しなくなるから注意してよ?」
私は彩乃ちゃんと一緒にセンサーとカメラを本棚の隙間や死角に起き始めました。
伊吹「暗がりだからバレないとは思うけど…本棚の隙間にも置いて大丈夫なの?」
結弦「スペースの不自然な間でバレるかもしれないとは思うけど…まぁ、目を凝らさないと見えない場所に置いてるから大丈夫だよ!」
図書室の掃除と本の整理をするように見せつけながら私たちはカメラのセッティングを行います。
結弦「足りない道具があったらその都度調達して…蒼空、動く本棚のところにもカメラを取り付けて。」
伊吹「うん!えっとここに…」
結弦「あ、待って!どうせならこれも天井に付けられないかな?」
伊吹「それって…バイブセンサーにカラーボール?」
結弦「センサーはまだまだ個数があるし、カラーボールはカメラが壊された時用の保険だよ。センサーが作動して震えるとカラーボールが押されて、頭の上にカラーボールが割れるって仕組みなんだ!」
伊吹「考えたね、彩乃ちゃん…」
私は彩乃ちゃんからカラーボールの罠を受け取り、そして何事もなく罠をセットし終えました。
結弦「本棚天井にカラーボールがセットされてるってバレなきゃいいけど…まぁ後は2日後を待つしかないね。」
仮のセッティングを終えた私たちは全ての罠に取り付けられているセンサーをオフにし、カメラだけを起動させてから教室を移動し、1度テストを始めることにしました。
伊吹「ところで、モニターの確認ってどうやってやるの?」
結弦「それはだね…じゃーん!」
伊吹「受信機だ!」
結弦「それも1番隠し扉に近いセンサーのやつね。カメラの内蔵センサーと受信機は連動してるから、そこでシャッターを切るとベストポジションでの撮影が最適なタイミングで出来るってわけ!」
自慢げに彩乃ちゃんが受信機を見せつけていると、突然、ピーッ!!という音が響きだしました。
結弦「きゃっ!?す、すごい音…!!」
伊吹「うわぁ!?テストモード始めるなら予め言っておいてよ!!」
結弦「て、テストモード!?アタシまだ何もいじってないんだけど…」
そして、しばらくするとシャッターを切り終えてカメラの近くにいた誰かも去ったのか音が小さくなり、やがて収まりました。
結弦「とにかく、一旦図書室に行こう。」
私たちは急いで図書室に向かい、カメラの回収に向かいました。
結弦「カメラには…うん、撮影完了の文字。じゃあ確認するよ?」
伊吹「誰が写ってたのかな…」
そして私たち二人は、その写真を覗き見ると共に、あっと声を上げました。
伊吹「ま、まさか…!」
結弦「な…なんで…?」
なんと、扉の近くに映っていたのは、あの星野由宇樹さんだったのです!
伊吹「この人…間違いありませんよね…?」
結弦「うん…コイツはどっからどう見てもアタシ達の知ってる…星野由宇樹だよ。」
伊吹「もしかして、私たちと同じように隠し扉の存在に気がついたのかな?」
結弦「それか…まぁ可能性は0に近いだろうけど…」
伊吹「このコロシアイの黒幕に、星野さんが関係している…とか?」
結弦「…とにかく、この写真のことはタイムリミット近くになるまで黙ってておこう。じゃあテストデータの報告も兼ねてカメラをキララに渡さなきゃね。」
伊吹「だね。じゃあキララちゃんの所に行こっか。」
そう思いきびすを返す私たち。すると…
星野「お、伊吹に結弦じゃねーか。」
結弦「ほ、ほほ…星野!?」
星野「うぉっ!?何だよ、人を化け物みてーに言いやがって…流石に傷つくぞ?」
伊吹「す、すみません…!急に入ってきたものですから…星野さんは何か図書室に用事でも?」
星野「いやー、恥ずかしいことに忘れ物しちまったんだよ。格闘術大全の下巻を部屋で読もうって思ったんだけどな。」
結弦「あー…あれね。あれまあまあ分厚くない?どうせならここで読めばいいじゃん。」
星野「上巻とかその他分厚い本と一緒に持ち運べばトレーニングにもなんだよ。それに部屋の方がリラックスして読めるからな!」
伊吹「それはそうですけど…」
星野「へへ、それじゃーまた後でな!」
そう言うと星野さんは屈託のない笑みを浮かべながら本を手に取って帰ってゆきました。
伊吹「…本当に、あの人がコロシアイの黒幕と関係してるんでしょうか…?」
結弦「さぁ…アタシにはわかんないや。とりあえずカメラをキララに返しに行こう。」
星野さんに疑問を抱きつつも、頭の中に置いといてとりあえず別の目的としてキララちゃんにカメラを渡すことにし、図書室をあとにするのでした。