ニューダンガンロンパ リマジネーション ぼくらのコロシアイ新生活 作:りょうぴー(創作論破書き)
時谷さんの死体を見て、直ぐに皆さんがなだれ込むように図書室へ集まるのには、もちろん時間が掛かりませんでした。
星野「ぁ…あ…あぁ…!!」
三条「嘘だろ…!?時谷が、本当に…」
夢里「あ、あわわわわわ…みぎゃあぁーーーーー!!!時谷氏ーーーーー!!!!」
金型「な、ななな…なんという事だ…!!」
桐絵「…なるほどな。こうなってたのか。」
大山「ちょっと、何冷静になってんの!?人が死んでるんだよ!!」
黒馬「それもただ単に死んだのではありません。誰かに『殺された』のではないでしょうか?」
結弦「…こ、殺された…!?マジで!?」
旭「あの死に顔を見たよね?あれが自殺だか何だかなんて、オレには到底思えないよ。」
田原「ならその殺した犯人をこの場で突き止めろ、ということか?次に俺達が成すべきことは…」
モノクマ「うーん…半分当たってるね!」
柊「げっ、モノクマ!?」
甘粕「やっぱり来るんですねー。」
モノクマ「そりゃーもちろん、ボクが来ないとこのゲームは成り立たないでしょ!楽しい楽しい学級裁判あってのこのゲームなんだから!」
舞鶴「が、学級裁判…この前モノクマさんが仰られていた…」
久留米「うへぇ、やっぱりそうなるのかー…」
モノクマ「と、その前に…最初に言っていたボーナスのお時間でーす!時谷くんを殺したクロは、さっさと名乗り出ちゃってくださーい!!」
シーン…
星野「ぉ…オレじゃねーぞ!」
夢里「ぼ、ボクも違うよ!!絶対そんな真似やらないしやりたくねーですよ!!」
黒馬「だれか名乗り出る者は…いないのですか?」
皆が狼狽しながら犯人を探すものの、名乗り出る人はやはり居ませんでした。
結弦「ほ、ホントに…誰がこんなことを…」
舞鶴「…あっ、皆さん、電子生徒手帳を見てください!」
私は電子生徒手帳の画面をゆっくりと、重い指を動かしてタップし、学園生活のルールを開きました。
「学級裁判 開催決定」
モノクマ「とうとう誰も名乗り出なかった…ってことは、今回の事件のクロはダブルアップチャンスにチャレンジするってことでいいのかね?じゃあ早速…学級裁判のお時間でーす!!」
伊吹「本当に…やらなくちゃいけないんですね。」
モノタロウ「えーっ!?なんてチャレンジャーなクロなんだろう…」
モノスケ「アホか!今こないして集まられてる状況で私はクロですなんて名乗り出るアホはおらんやろ!」
モノキッド「どっちでもいーだろんな事!ミーは裁判が始まんねーかムラムラしてるんだぜ!!」
モノファニー「ワクワクの間違いじゃないの?ハレンチね!」
モノクマ「まあ我が子達よ慌てなさんな。その前にやらなくちゃならないことがあるんだからね。さて、オマエラにはやってもらうことというのは…捜査タイムでーす!」
モノクマはそう言うと、タブレット端末を私たちに手渡しました。
モノクマ「こちらは、オマエラに分かりやすく説明した、今回起きた事件の概要をまとめたモノクマファイルでございます。」
桐絵「要は、こいつも使って捜査を進めろってことだろ。」
モノクマ「そういうこと!それじゃオマエラ、頑張ってね〜!」
黒馬「話すだけ話して、行ってしまわれましたね…」
旭「何にせよ、オレたちはやらなくちゃいけないんだよね…」
皆さんはモノクマファイルを片手に、早速現場を捜査して、時谷さんの死に立ち向かい始めました。
結弦「…アタシたちもやろう、蒼空。」
伊吹「だね。じゃあ…初めよっか。」
よし、私も泣き言を言わず、すぐにでも出来ることをやらなくては。
捜査開始
コトダマゲット!【モノクマファイル1】
結弦「被害者は時谷海里。被害者は死亡する直前、図書室を訪問した所何者かの襲撃もしくは仕掛けた罠によって、首元に攻撃を受けて死亡した模様…書いてる情報が曖昧じゃん!」
伊吹「きっと、犯人に知られたくない情報が書いてあるから、わざとぼかされてるのかもしれないよ。」
結弦「裁判が成り立たなくなるから、か…めんどくさっ!フツーに書けっつーの!」
伊吹「まあまあ…とりあえず、モノクマファイルはこれで見たとして…時谷さんが星野さんについて行った理由を考えてみようよ。」
結弦「確かあの二人は…最初、星野が何かを考えついた時に先に隠し部屋にたどり着いて、それを追うように時谷も星野について行ったんだっけ。」
伊吹「うん、そうだね。隠し部屋の秘密ってのが、私もよく分からないんだけど…」
結弦「何にせよ、犯人は隠し部屋の秘密を知ってる黒幕の仕業ってことにならない?」
コトダマゲット!【隠し部屋の秘密】
舞鶴「あの、彩ちゃん、蒼空ちゃん…隠し部屋の秘密とはなんですか?それに、黒幕っていう言葉も聞いたんですが…」
結弦「ヒメ、聞いてたんだ…」
黒馬「申し訳ございません。盗み聞きをするつもりは無かったのですが、捜査をしていたらあなた方が話していたのを耳にしてしまいまして。その件については、私も聞きたく存じます。」
伊吹「す、すみません黒馬さん…隠すつもりはありませんでしたが…」
夢里「黒幕?それって何の話なんすか?ボク初めて聞くんだけど…」
旭「オレも聞きたいな。良かったら話してよ。」
伊吹「わ、分かりました。皆さんにも後で学級裁判の時に話すつもりでしたが…先にこの場にいる方にお教えしますね!」
結弦「実はアタシたちも、この隠し部屋に気づいてたんだ。もしかしたら、この隠し部屋に黒幕が現れて、この中で何かを仕掛けてくるのかもしれないって思ったからさ。だからアタシ達はこの部屋に罠をしかけて黒幕をとっ捕まえようって思ったわけだよ。」
伊吹「と言っても…私が手伝ったのは彩乃ちゃんの言う通りにあちこちに罠を張ったくらいしかやってませんけどね…」
黒馬「なるほど…しかしそれで考えるとすると、あなた方がいぬ間に何者かがその計画を乗っ取るかのように動き、時谷様を殺害されたということになりますね。」
旭「酷い話だね…ところで、2人が仕掛けた罠ってどんなの?」
結弦「そっか、まだその説明してなかったね。」
伊吹「じゃあ紹介を始めます!まずはこの本棚に注目してください。」
黒馬「本棚?あぁ、本が敷き詰められているようですが…」
伊吹「これは、実は手をかけると本棚の仕切りがガコン!って落ちてくる仕組みになってるんです。」
旭「あ、危ないな…けど、もし犯人がカメラを避けようとして本棚に登られたらそれこそ監視カメラの意味が無いもんね。」
コトダマゲット!【本棚の罠】
旭「あれ、黒板消しってこんな所にあったっけ。よく見るとチョークの粉も付いてるし…」
伊吹「これはですね…ふふーん、私の考案した罠です!扉を開けると黒板消しが落ちてきてポフッ!となって、チョークの粉が舞うようになってるんです。まぁ、誰も引っかかりませんでしたけど…」
黒馬「先生へのイタズラですか…?」
旭「そもそもシャワーで洗い流されたら証拠隠滅されるけどね…」
舞鶴「でも、発想は蒼空ちゃんらしくて可愛いです!」
伊吹「あはは…姫乃ちゃん、フォローありがとね…」
コトダマゲット!【黒板消し】
夢里「なるほど…あ!ボクにカメラの使い道を教えてくれなかったのは、黒幕がいるかもって騒ぎを大っぴらにしたくなかった為ってこと?」
黒馬「…今更気づかれたのですか。」
夢里「でもさぁ、監視カメラにバレないところから侵入されたら終わりなんでない?ほら、あっちの通気口とか、まさに侵入場所にピッタリじゃないですか!」
伊吹「もちろん、そこからの侵入経路も対策済みだよ。ほら、見えにくいけど粘着テープが本棚の上にあるでしょ?」
黒馬「では、私が覗き込んで確認しましょう。なっ…!こ、これは…指先を少し触れさせただけで、ここまで硬くくっつくとは…」
結弦「だ、大丈夫!?それ、結構強力だから気をつけてって言おうとしたんだけど…」
黒馬「…出来れば、より早く仰って頂ければ助かりましたね…」
コトダマゲット!【粘着テープ】
旭「お、みんな何してるの?」
夢里「旭氏!実はボクら、ソウラ氏とアヤ氏考案のトラップについて語り合ってたところですぞ!」
柊「うえぇ、そんなことしてたの!?私たちに一言も言わないで2人でシケこんでたかと思ったよ。」
結弦「ちょっとツム!?変なこと言わないでくれない?アタシら別にそんな如何わしいことしてないからね!」
三条「如何わしいって発想が出る時点でどうかと思うけどね…」
伊吹(いえ三条さん、あながち間違いじゃないですけども…)
伊吹「とにかく、一旦カメラを回収しましょう。皆さんも私たちが撮った写真の成果を見て、黒幕が写ってないか確認しなくちゃいけませんからね。」
私はそういうとセンサーを外しながら、右隣付近にカメラが設置されてある本棚に手を伸ばしかけました。
伊吹「痛っ!」
結弦「蒼空!?」
伊吹「だ、大丈夫。シャーペンの芯が指に刺さっただけ。」
黒馬「シャーペンの芯…?」
旭「黒馬くん、どうかしたの?」
黒馬「失礼、伊吹様。少し本棚に触らせてもらいますね。」
そういうと黒馬さんは本棚の隙間に手を伸ばし、そのシャーペンを拾い上げました。
黒馬「これは…!」
舞鶴「どうかなさいましたか?」
黒馬「シャーペンの形に見せかけた暗殺道具です。今使われているのは普通の針のようですが、本来ならペン先にあたる部分に毒針を仕込んで、暗殺するための道具です。」
三条「あ、暗殺道具!?ってか黒馬、どうしてこれが暗殺道具だって分かったの?」
黒馬「執事の仕事の一環で用心のボディーガードを依頼されたこともあり、このような暗殺用具の知識の学習もさせられていたのですよ。」
柊「なら、今の状況じゃ学んどいて正解だったかもね…」
舞鶴「暗殺者の武器って、何だか映画みたいですね!」
柊「映画も真っ青な出来事が現実で起きてるんだけどけ…」
旭「何にせよ、時谷くんの命を奪った凶器は、このシャーペン型の暗殺武器だってことが分かったね。」
結弦「それもご丁寧に、アタシの付けたセンサーと受信機に反応して作動するやつだよ。アタシも蒼空もいない間にこんなの、いつ付けられたって言うのさ…」
夢里「ひぇぇ…もしやソウラ氏やアヤ氏に罪をなすり付けることを考えていたのでは?」
柊「これは…してやられたって感じ?狡猾で卑劣な犯人め〜…せっかくの罠を黒幕に逆手に取られたのは、凄く悔しいね。」
コトダマゲット!【センサーと針】
三条「凶器の話は学級裁判でやるとして…まずは写真の方を見てみたいな。」
伊吹「そ、そうですね!じゃあ、皆さんに私たちが撮れた写真の成果をお見せします!」
そう言って私は改めて全てのカメラを取り外し、皆さんにカメラを見せながら説明します。
柊「んじゃ早速見せてもらおうじゃーないの。期待してるからせいぜい柊さんを楽しませてくれたまえよ?」
三条「柊…なんで上から目線なの?」
伊吹「了解しました!ではまずこちらの写真ですね。扉の反対側に仕掛けたカメラです。」
旭「この写真は…星野くんが映ってるね。」
舞鶴「状況からすると、星野さんがこの扉に来て開けようとしてるところみたいですけど…」
柊「ホッシーノが何をしようとしてるか、この角度からじゃまるで分からないね。」
結弦「じゃあ今度は別の角度から見て撮影した場所だよ。」
三条「あれ、誰かが映ってて少し影になってるな…この近くに来た人って…時谷じゃない?」
黒馬「ええ、間違いありません。星野さんと接触しているようにも見えますが…」
柊「カイリは星野っちと何を話してたんだろ?気になるねー。」
夢里「ボクは柊氏の安定しない二人称の方が気になりますね…」
舞鶴「他に使えそうな写真は…あれ、思っていたより少ないですね。」
結弦「そうみたいだね。他はアタシや蒼空がセットする時とかの関係でつい映っちゃったものもあるし…ごめん。」
夢里「いたし方ナッシングですよ…センサー作動の関係上人が近づかないと写真は取れない仕組みになってますし、申し訳ありませんがいくら機材改造の得意なボクもセンサーの判別機能までは不可能だったんだからね。」
黒馬「いえ、それでも十分な収穫だとは思いますよ。黒幕の正体に迫れる手がかりはありますし、犯人の正体ももしや分かるかもしれません。」
三条「それじゃあ、残りの写真も確認していこう。」
柊「あれ、この写真暗くない?」
夢里「時谷だか星野氏の影になって隠れちゃってるんですかなぁ…あ、若干光漏れしてる所がある。ここから見ると…服装的にこの人は、時谷氏だ!」
柊「星野パイセンとの入れ替わりで時谷くんが入ってきたって感じ?」
黒馬「殺される直前の写真でしょうね。何かを触ろうとしているようですが。」
夢里「受信機が鳴らなかったのはカメラとセンサーが姿を捉えられなかったが故に正常に作動しなかったからで、時谷氏の姿が一瞬映ったことで針が時谷氏にクリティカルヒットしてしまったのかも…」
三条「殺されるまでの状況は分かったけど…肝心の犯人の姿はどこにも写ってないね。星野と時谷がちょくちょく写ってはいたけど…2人が同時に写ってる写真は偶然会った所の1枚だけみたいだ。」
舞鶴「はい…それに、黒幕の姿も捉えられませんでした…蒼空ちゃんと彩ちゃんの頑張りも、無駄になっちゃいましたね…」
結弦「うぅ…万一黒幕の姿を映せたら、時谷は無駄死にすることなんてなかったのに!」
黒馬「結果はいいものではありませんが、最善を尽くした結果です。いたし方ありません。」
夢里「それで割り切れれば苦労しないよ…」
コトダマゲット!【設置型監視カメラ】、【カメラの写真】
「おはっくまー!!」
舞鶴「きゃっ、モノクマーズさん!?」
モノタロウ「ねぇねぇ、何だかそのエッチそうな写真見終わった?」
伊吹「別にエッチな写真とかでは無いですよ!変なこと言わんといてください!」
三条「一瞬口調がおかしくなったよな…とにかく、俺たちは真剣な用事で写真を見てたんだよ。」
モノファニー「モノタロウのボケはスルーしていいわよ。それより、写真の確認が取れたのなら一旦このカメラをアタイたちに預けてくれないかしら?写真のデータを現像しなくちゃいけないの。」
伊吹「え、預ける…?大丈夫なんですか?」
モノファニー「疑われるのも無理は無いけど、キサマラの学級裁判を公正に進めるためにも必要なことなの、この場に居ない人たちにも写真にして手渡さなくちゃならないからね。」
結弦「んー…イマイチ信用ならないけど…そういうことなら別にいいけど…絶対に編集とか改ざんしないでよ?」
モノファニー「もちろん!やろう物ならお父ちゃんから大目玉を食らうわ!」
彩乃ちゃんはしぶしぶモノファニーにカメラを渡しました。
モノタロウ「なーんだ、エッチな写真じゃないのか。じゃあオイラ、帰ってAVでも見よーっと。」
モノファニー「モノタロウも現像の手伝いをするのよ!もう、このサボり魔!」
そう言うとモノタロウはモノファニーに引きずられて、消えてゆきました。
舞鶴「だ、大丈夫なんでしょうか?」
黒馬「今はモノクマーズ様を信じるしかないようですね。それより、他の場所の調査に戻りましょう。」
三条「結弦達が調達した道具の他に、何か盗まれてないかとかも確認しなくちゃだね。」
そういうと皆さんは各々調査に戻ってゆきました。
結弦「…不安だけど…もしなんか変な感じに改ざんされてたらモノクマーズに文句言ってやろ。」
伊吹「あはは…」
一旦私は彩乃ちゃんと別れ、倉庫へ向かいました。
【倉庫】
倉庫に着くなり私は久留米さんと出会いました。
久留米「あ、ソラちゃん!」
伊吹「久留米さん!どうかしたんですか?」
久留米「私、気づいちゃったんだよ。ここの薬棚に欠けてる瓶があるでしょ?」
伊吹「欠けてる瓶…?あ、あれの事ですね。」
久留米「あの付近の棚は毒薬が多くてさ、トッキーの死因はこの毒でやられちゃったんじゃない?麻痺だか呼吸困難に陥ってさ!」
コトダマゲット!【消えた薬瓶】
伊吹「確かに、そうですね…」
「だから、オレは本当に犯人じゃないんだって!!」
久留米「む、今の声、ほしのん?」
伊吹「星野さんの声に…金型さんや田原さん、桐絵さんに大山さん、甘粕さんもいます!」
久留米「何事何事?私にも首突っ込ませてよ〜」
私たちは喧嘩をしている星野さんたちの所へ駆けつけていきました。
金型「し、正直に言いたまえよ…星野くん、君が犯人なんだろう!?」
星野「オレは本当に犯人じゃねーんだ!確かにオレはあの隠し扉のことを知ってたし、時谷ともそのことを話したよ。けど、だからってオレは時谷を殺したりなんかしねー!!」
桐絵「けど、現時点じゃオメー以外に怪しいヤツはいねぇんだよ。犯人だってボロ出すのも時間の問題だ。」
大山「ちょっと桐絵!証拠がないんなら星野を疑うのはよしなよ!」
田原「星野が俺達を欺いている可能性もゼロではないのだろう?なら無闇な擁護は控えるべきだ。」
甘粕「あたしはー、2人がどうしてたか分からないのでー、なんとも言えませんけどー、無闇矢鱈に疑うのは良くなくないですかー?」
久留米「ちょいちょい、皆さん落ち着きなよ〜?」
伊吹「な、何のつもりですか!?」
桐絵「聞き込みってやつだよ。オレなりの情報収集ってやつだ。」
大山「情報収集って言うよりそれは悪質な尋問でしょ?」
田原「フン…貴様には分からんだろうな。俺から敵との対話の仕方を学ぶ必要があるだろうが、それを話すのはまだ時が来ていないようだ。」
甘粕「敵って…別に星野くんは違くないですかー?」
金型「い、いやね…少し怪しい人に探りを入れていただけだよ。とにかく、後で学級裁判でも話すから、覚悟しておきなよ?星野くん!」
そう吐き捨てると金型さん、田原さん、桐絵さんは去ってゆきました。
甘粕「頭ごなしに決めつけるのも良くないと思いますけどねー。星野くん、大丈夫ですかー?」
星野「甘粕…あぁ、別に、大丈夫だ。オレは少し1人になってくる。」
甘粕「え?あ、あのー…ほんとに大丈夫ですかー?」
大山「つ、辛いならあたしも話聞くけど…」
星野「悪い、大山。お前も庇ってくれるのはありがてーが…今は…1人にさせてくれ。」
そういうと星野さんは、肩を落としながら倉庫を出てゆきました。
大山「星野…」
久留米「ほっしーくん、メンタルに相当来てるっぽいね。」
甘粕「そうなんですよねー…心配ですけど、あたし達が声をかけたら余計心閉ざしちゃうんじゃないですかねー…」
伊吹「それはそうかもしれないですけど…そうだ、甘粕さん、大山さん、星野さんに関して何か知ってることってありますか?」
甘粕「うーん…あたしは星野くんが単独行動する前のことくらいしか知らないので力になれなさそうですねー…ちなみに、モノクマに対抗して皆で集団行動を取ろうってのは田原くんと三条くんの発案ですー。」
伊吹「その、決起集会の参加メンバーは?」
甘粕「途中で抜けた星野くん、時谷くんを除くとー、三条くん、田原くん、旭くん、金型くんですねー。女子はあたしだけですー。」
コトダマゲット!【田原たちの決起集会】
大山「あたしは、少しの間だけだけど星野とは会ってるよ。」
伊吹「えっ?その時、星野さんは何してましたか?」
大山「そうだねー…何か本を読みあさってたって感じかな。あたしもモノクマの弱点がないか調べようと思ってその時に図書室に行ったんだ。事件が起きるより少し前で、その時は時谷はまだ来てなかったよ。星野と時谷がどれくらい一緒にいたかで変わるかもしれないけど…星野が時谷を後ろから襲う所とかで時間は使うだろうし、バレるリスクもあるから無理なんじゃないかな?」
コトダマゲット!【大山の証言】
久留米「私はヒメにゃんとキララでティータイムに興じてましたな〜…最後の晩餐とて優雅に行きたいものだと思ったもんね。」
大山「茶会って…肝が据わってるんだね…でもそれ本当なの?」
黒馬「左様にございます。久留米様達の使う食器や食べたいお菓子は、私が運びました。また、その際に桐絵氏と11時頃にすれ違ったのですが、あの方もどうやら暇を潰していたようです。」
甘粕「また肝が据わってる人が…図太さのバーゲンセールですねー…」
コトダマゲット!【茶会の提案】
黒馬「その他の方のアリバイに関しても多少なりとも分かります。柊様自室で過ごしていましたが、11時にタイムリミットを控えていたので、自ら食堂を訪れていましたね。柊様も同様に、外出からお帰りになられた後は自室で過ごされていました。」
伊吹「柊さんが部屋にいなかったのはどれくらいですか?」
黒馬「もって…5分程度でしたね。食堂で忘れ物を取りに行ったのでしょう。」
伊吹「なるほど…教えてくれてありがとうございます!」
私は黒馬さんと大山さんにお礼を告げ、急いで星野さんのもとへ走ってゆきました。
【広場】
星野「…」
星野「こ、孤独だ…皆してオレを疑ってる…」
星野「本当にオレはやってねーっつーのに…なんでだよ…!なんでみんな、話を聞いてくれねーんだ!!」
伊吹「星野さん…ここにいたんですね。」
星野「んだよ…伊吹か。お前にゃ関係ねーだろ、オレが何をしようと。」
伊吹「関係なくはありませんよ。だって星野さん…今すっごく荒れているじゃないですか。私は…それが心配になって着いてきたんです。」
星野「クソッ!!ふざけんじゃねーぞ!!本当にオレはやってねーのに、オレの主張なんか信じてくれなかった…信じてくれたヤツだって、どっかでまだオレを疑ってるのかもしれないだろうし…ちくしょう…!なんでオレがこんな目に遭わなくちゃいけねーんだよ!!」
伊吹「落ち着いてください!そうやって疑い合うことこそ黒幕の思うつぼです!!私たち皆で信じあって、助け合えばこんな状況も何とかなるはずですから!」
星野「っ…!!信じる?助け合う?いちいちうるせぇんだよ!!オレの気持ちなんか何も知らねーくせに、偉そうに説教すんじゃねぇ!!」
伊吹「…!!す、すみません…偉そうなこと言ってしまって…」
星野「…あ、いや…その…すまない、またお前に辛く当たっちまった。本当に…ごめん。」
伊吹「い、いえ…私もちょっと、今のは無神経でした…」
私たちの間に沈黙が流れます。
星野「なぁ伊吹…オレは…悔しいよ。」
星野「別に、みんなから疑われて言われのないことを言われるのが悔しいんじゃねーんだ。いや…もちろん、それもあるけど、犯人はオレをはめる為に、皆を騙してほくそ笑んでるんだろうよ。オレらはそいつのために死ななくちゃならねーのは…死んでもゴメンだ。」
星野「けどオレには…悔しいが、オレが無実だって言い切れる証拠がねー。オレの力なんかじゃ、どうにもならねーんだよ…」
伊吹「…」
伊吹「星野さんの…おたんこきゅうり!!」
星野「お、おたんこきゅうり!?オタンコナスの間違いじゃねーのか…?」
伊吹「やってもないのに諦めないでください!!まだあなたが犯人だって決まったわけじゃありません。」
伊吹「精一杯やって…その中で星野さんが犯人じゃないと言えるような証拠や主張を探し当てればいいんです。星野さんにも、出来ますよ!」
星野「伊吹…」
伊吹「要するに、やる前から諦めず、最後までやり通すことが大事なんです。星野さんなら出来るって…私も信じますからね!」
星野「お、おう。わかった。オレ…やってみるよ。」
伊吹「ふふっ、その意気です星野さん!」
星野「へへ…ってか伊吹、お前その左手の親指の怪我、どうしたんだ?」
伊吹「これですか?実はお恥ずかしながら怪我しちゃって…まだズキズキするけど大丈夫です!」
星野「おう、そ、そっか…」
キーン、コーン、カーン、コーン…
モノクマ「えー、ではでは…学級裁判のお時間です!オマエラ、中庭にある円形の場所にお集まりください!」
星野「円形の場所?とりあえず行ってみようぜ。」
「おはっくまー!」
星野「うぉっ!?モノクマーズ!?」
モノファニー「あ、星野くんに伊吹さん?その前に渡したいものがあるの。受け取ってもらえるかしら?」
モノタロウ「現像したてホヤホヤの写真だよー。もちろん、データはいじったり編集してないから安心してよ!」
モノクマーズはそういうと私たちにファイルを手渡しました。
伊吹「どれどれ…うん、大丈夫みたいですね。」
モノタロウ「それじゃあ確認が済んだら、お父ちゃんの言うところに集まってね!」
星野「オレも見てみるか…お?これ、オレの姿じゃねーか!!いつの間に撮られてたんだ?」
伊吹「それは…その…実は、黒幕の正体を暴こうとしてこのような罠を作ったんです。結局正体は暴けませんでしたが…」
星野「お前がやったのか…まぁそれはそれとして、この写真には犯人の正体は映ってねぇみてーだな。」
伊吹「あの…失礼ですが、時谷さんが殺される前、星野さんは時谷さんと何を話してたんですか?」
星野「あの隠し扉の謎を一緒に解いてたんだ。時谷には何か心当たりがあったのかもしれねーからアイツに任せてたんだが…まさかこんなことになるとは思ってもなかったぜ。」
伊吹「隠し扉の謎は分からずじまいですね…とりあえず、今は行きましょう。後の謎や黒幕の正体も学級裁判で明かさなくちゃいけません。」
星野「だな。行こうぜ。」
私たちは円形の場所に集まりました。そこではモノクマがウキウキしながら待ち構えていました。
桐絵「集まったぜ。学級裁判ってどんな感じでやるんだ?」
モノクマ「まぁ慌てなさんな。出でよ!学級裁判用裁判場行きエレベーター!!」
甘粕「…そのまんまですねー。」
旭「…?何だこの揺れ…?」
モノクマの叫びと共に地響きが鳴り、突如円形の床から謎の装置が現れました。
結弦「うっそ!?そんな風に現れてくるわけ!?」
舞鶴「なんと、トンデモワンダーズですね!」
モノクマ「さぁさぁ乗って乗って!学級裁判はもうすぐだよ、さっさと乗らないとボクも飽きてきちゃうからね。」
言われるがままに私たちはエレベーターに乗り込みました。そして、エレベーターが下降を開始すると共に、私たちの緊張は高まっていきます。
下へ…下へ…下へ。
そうしているうちにエレベーターは下層まで着き、扉が開くと共に円形の席が用意されていました。
星野「こ、これって…」
黒馬「確かに裁判場、と呼ぶにふさわしい場所ですね。」
柊「いよいよ学級裁判の始まり…ってわけね。」
久留米「ふ、不安になってきた〜…」
モノクマ「さぁさぁ、席について!もう学級裁判はまもなくだから!」
桐絵「分かってるよ。急かすなっつーの。」
モノタロウ「犯人は誰なんだろう?楽しみだねー。」
モノキッド「ミーは待ちくたびれて石になりそうだぜ!さっさとおっぱじめようぜ!!」
モノファニー「グロシーンが来そうでアタイ、怖くなってきたわ…」
モノスケ「まぁ運がええなら1人死ぬだけですむやろ。」
モノダム「…」
私たちは真剣な面持ちで席に着きました。
コロシアイの謎を解くために、犠牲者となってしまった『超高校級のパズラー』時谷海里さん…
彼を殺した犯人は…私たちの中に、間違いなくいる。
けれど、その先にはもしかしたら…
黒幕の正体に繋がっているのかも知れません。
学級裁判が今、幕を開けます。