走る密室!日本海からの殺意の風   作:新庄雄太郎

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今度は特急「踊り子」で事件が起きる。


特急「踊り子」二泊三日不倫旅行

東京発9時00分発の東海道本線・伊豆急行経由の特急「踊り子101号」が伊豆急下田へ向かって走行中の事だった。

 

1人の女性が、車内を歩いていると、トイレに近づくと足と靴が見えていた。

 

「ん、何かしら。」

 

と、近づいてみた。

 

そして、トイレのドアを開けて見たら、それは何と男性が血を流して死んでいたのだ。

 

キャーッ!

 

と、女は悲鳴を上げた。

 

そこへ、車掌がやって来た。

 

「どうしました。」

 

「大変なんですよ、トイレで人が、人が死んでいるんですよ。」

 

「何だって。」

 

何と、特急「踊り子」で殺人事件が発生したのだ。

 

11時41分、特急「踊り子101号」は定刻通り、伊豆急下田に到着した。

 

暫くして、静岡県警のパトカーが伊豆急下田駅に到着した。

 

「何処だ、死体が見つかったのは。」

 

「41分に到着した特急「踊り子」の車内で。」

 

「死んでるのは男性のようです。」

 

現場は騒然としていた。

 

そして、特急「踊り子」で起きた殺人事件は鉄道公安隊特捜班にも伝えられた。

 

「おい、静岡県警から捜査協力の要請だ。」

 

と、高杉は南と高山にメモを渡した。

 

「早速、当たってみます。」

 

そして、南と高山は所轄へ向かった。

 

殺害されたのは、東京と丸の内在住の梅川晴彦さん51歳と判明された。

 

「なるほど、ご主人は2泊3日で伊豆へ行っていたんです。」

 

「はい、金曜に出発して日曜に帰ってくる予定だったんです、まさか、列車で亡くなるなんて。」

 

と、妻の悦子さんは涙ぐんで南に言った。

 

「伊豆へは1人で行かれたんですか。」

 

「よく、わかりません。」

 

そこへ、高山がやって来た。

 

「主任、ちょっと。」

 

「何だ、高山。」

 

「被害者が付着していた爪の血はB型でした。」

 

「それで、被害者の血液型は?。」

 

「A型でした。」

 

「そうか、やはり犯人はもみ合った後に血液が付着したって事ね。」

 

「と言う事は、犯人は熱海で下車した可能性が高いな。」

 

と、南は言った。

 

「ええ、それも考えられるな。」

 

そして、新たな目撃証言があった。東京から熱海辺りで1人の女が下車するところを目撃されていたのだ。

 

「えっ、女が熱海辺りで見かけた。」

 

「ええ、熱海駅で女が降りるところを目撃されていたそうだ。」

 

「この女性ですか。」

 

「ああ、目撃者の話では特急「踊り子101号」に被害者の男と一緒に乗っていたそうです。」

 

「とう言う事は、一緒に乗っていたって事ですね。」

 

そして、次の日。

 

女は東京駅から新幹線に乗って下車してきた。

 

「えっ、私のアリバイですか。」

 

「はい、これは事件当日は何をしていたか関係者に聞いているんです。」

 

「ええ、私はその時新幹線には間に合わなかったので特急に乗ってそこから新幹線に乗り換えて熱海で。」

 

と、女は言った。

 

「ほう、なるほどね。」

 

「その被害者と一緒に乗っていたんですね。」

 

「はい。」

 

「ええ。」

 

「と言う事は、彼女は熱海へ行ってそこから伊豆急下田へ行く時に「リゾート21」に乗ったって事は?。」

 

と、梶山が言った。

 

「それも考えられるな。」

 

「いや、それはないと思うわ。」

 

「えっ。」

 

「被害者の話では、2泊3日で伊豆へ行っていたって言っていましたから。」

 

「奥さんの話では、昨日の朝に特急「踊り子」に乗って伊豆へ行くと言ってタクシーに乗って東京駅へ行ったのは確かです、奥さんと娘は父親を見送ったので確かです。」

 

「それは間違いないのか。」

 

と、高杉は南に言う。

 

「はい、タクシーの運転手にも確認取れました。」

 

「そうか。」

 

「と言う事は、犯人は途中下車した可能性が高いって事か。」

 

「ええ、恐らく。」

 

「主任、彼女の話では熱海で下車してそこから「リゾート21」に乗って伊豆急下田へ行っていた事が分かりました。」

 

「おう、それは本当か。」

 

「はい。」

 

「そこから、観光列車に乗り換えて伊豆急下田へ行っていたそうです。」

 

「そうか、やはり彼女はアリバイがあったか。」

 

「ええ。」

 

「ああ、そう言えば1人の女性が被害者と一緒だったそうです。」

 

「ほう、誰なんだね。」

 

「ええ、青いワンピースを着た24歳から32歳ぐらいの女性でした。」

 

「この女が犯人かな。」

 

と、松本は言った。

 

「ああ、その女は東京駅で被害者と一緒に座っていたそうです。」

 

「彼女の名前は、日野 あかねさん25歳です。」

 

「彼女は実家の金沢へ行く途中で乗る予定の新幹線に乗り遅れたそうです。」

 

「金沢へ行っていたのか。」

 

「はい。」

 

「彼女の話だと、東京から新幹線に乗って米原経由で金沢へ行っていたそうです。」

 

「そうか。」

 

早速、南と高山は日野に話を聞くことにした。

 

「ほう、それで何時の新幹線に乗ろうとしたんですか。」

 

「あ、はい私は8時35分発の新幹線「ひかり105号」に乗ろうとしたんですか、急いでホームへ行ったんですが乗り遅れてしまって、やむ終えず特急「踊り子101号」に乗って行ったんです。」

 

「ほう、なるほどね。」

 

「そして、9時発の特急「踊り子101号」に乗って熱海で下車して米原経由で行ったって訳ですね。」

 

「はい。」

 

「わかったよ、犯人はこれを利用したんですよ。」

 

早速、高山は時刻表で調べて見た。

 

特急「踊り子101号」

 

東京発9時00分発 乗車

 

熱海着10時22分 下車

 

東海道新幹線「こだま419号」

 

熱海発10時23分 乗車

 

米原着13時01分 下車

 

北陸本線・特急「しらさぎ7号」

 

米原発13時10分 乗車

 

金沢着15時07分 下車

 

「そうか、犯人はこの方法で金沢へ行ったのか。」

 

「ええ、犯人はそれを利用したんですよ。」

 

「なるほどね、日野はそれを利用したのか。」

 

「ええ。」

 

そして、南は日野に会った。

 

「日野あかねさんですね。」

 

「ええ、そうよ。」

 

「あなたは、熱海から「こだま」に乗って米原で「しらさぎ」に乗りましたね。」

 

「何の事ですか。」

 

「あなた、特急「踊り子」に乗っていたそうですね。」

 

「ええ、私は特急「踊り子101号」に乗って梅川に会ったわ、彼に会ったのは4か月前の事だったわ、私は梅川に会ったわ。」

 

「俺はあんたを後を付けていたのさ、どうやら不倫していることは気づいていないようだな。」

 

「そうだけど、あなたは妻と娘がいるんでしょ。」

 

「俺はどうでもいいから、一度は一緒にして見たかったんだよ。」

 

と、トイレで殴り合いになり、日野は梅川を殴り、頭を打って出血して死亡したのだ。

 

「そうです、全て南さんと高山さんの言う通りです。」

 

「そして、私は熱海で下車して米原経由で金沢へ行きました。」

 

「じゃあ、あなたは3か月前に不倫旅行していたのか。」

 

「そうよ。」

 

暫くして、静岡県警の横溝警部と藤井刑事と秋山刑事がやって来た。

 

「日野あかね、梅川晴彦殺害容疑で逮捕する。」

 

と、連行した。

 

そして、次の日。

 

梅川は娘と一緒に東京駅で7時36分発の上越新幹線「あさひ1号」に乗って南と高山は見送ることにした。

 

「本当にいろいろありがとうございました、向こうへ着いたら連絡します。」

 

「高岡でしたよね、実家は。」

 

「はい、娘は来年の4月に高岡の高校に編入するので。」

 

「そうですか。」

 

「はい。」

 

そこへ、小海がやって来た。

 

「主任、高山君。」

 

「何、小海さん。」

 

「今静岡県警の横溝警部から連絡が会って、彼女は情状酌量の余地があるから執行猶予が付くそうよ。」

 

「そうか。」

 

「これで、事件は解決したね。」

 




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登場列車

1話 寝台特急「出雲」

2話 特急「踊り子」

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