祝福の花を君に   作:キューマル式

2 / 65
弟者「なぁ、兄者」

作者「何だ、弟者?」

弟者「AC6ってミサイル強いな」

作者「まぁ、確かに」

弟者「ところでコアの数値のところに、『ミサイル迎撃確率』が無いんだが? あと迎撃ミサイルとかデコイはどこに?(弟者のACはLRまで)」

作者「……無いんだ。 もうACにはコアに自動ミサイル迎撃機銃はついてないし、エクステンションの迎撃ミサイルもデコイも無いんだよ」

弟者「……なぁ、これってミサイル強いんじゃなくて、ミサイル防御策が全部なくなって強く見えてるだけじゃないか?」

作者「な、なにも言えねぇ……」



第02話 『PV見た時は絶対ウォルターにこうするだろって思った』

 

『第一世代型強化人間に俺以外にも未だに生き残りがいたとは知らなかった。

 それで、何の用か聞かせてもらえるか先輩?』

 

「珍しい武器を持っているな。金になりそうだ……」

 

『なるほど、死ににきたというわけか』

 

 これ以上言葉は不要、とスッラの『エンタングル』からデトネーティングバズーカが発射。同時に左手の『HI-18:GU-A2(パルスガン)』からも泡にも似たパルス光弾が放たれる。

 しかし俺は『ダストボックス』のブースターに火を入れると、そのままそれを回避した。

 

『その機体でよくやる』

 

「先輩だからな」

 

『では先輩、死んでくれ』

 

 『エンタングル』が高速機動しながら『Vvc-703PM(プラズマミサイル)』とデトネーティングミサイルを放ってきた。

 この2つは非常に回避が難しい。そして被弾による衝撃で姿勢制御システム(Attitude Control System)に負荷をかけていきACS負荷限界……いわゆる『スタッガー』状態にして動きの止まったところに高威力のデトネーティングバズーカを直撃させる……それがスッラの必勝法だろう。

 だが……その程度は想定内なんだよぉ!

 

『なにっ!?』

 

 俺はアサルトブーストで直進、『エンタングル』へと接近する。どちらにせよ、今の俺の機体で中・遠距離では勝ち目がない。ならば多少のダメージは無視だ。

 

『くっ!?』

 

 すぐさま反応し、『エンタングル』がキックを放ってくるが、それをクイックブーストで間一髪避けながら廻りこむと、がら空きの背中が俺の眼前に晒された。

 

「指導、指導、指導、指導。 先輩からの指導だ」

 

 スタンバトンを振り回し、素早く『エンタングル』を殴りつける。

 

『調子に乗るな!』

 

 ブースター推力は『エンタングル』が上、スッラはすぐにブースター全開で距離を離そうとするが、その時には『ダストボックス』の右手にはハンドガンの準備が出来ていた。

 

 

ガウン!ガウン!ガウン!ガウン!ガウン!ガウン!ガウン!

 

 

 連射でハンドガンのマガジン全弾を一気に撃ち尽くし、ことごとくが『エンタングル』を直撃する。

 先のスタンバトンの衝撃が残った『エンタングル』の姿勢制御システムが負荷に悲鳴を上げ、ついに匙を投げた。

 

『まずい!?』

 

 スタッガー状態に陥り制御不能となった『エンタングル』が停止する。システムが急ぎ再起動をかけるが、その隙を逃すほど俺はお人好しではない。

 リロード状態になったハンドガンをハンガーに戻し、代わりに装備したスタンガンを連射しながらスタンバトンをチャージ、スタンバトンのコアロッドが露出し放電を放つ。そしてそれを突き刺すように『エンタングル』に放った。

 

『ぐぁっ!?』

 

 コックピットを狙った刺突だが、ギリギリで『エンタングル』の再起動が間に合い、狙いがそれたスタンバトンは『エンタングル』の右肩に突き刺さる。

 しかし姿勢制御システムの再起動が間に合わず直撃状態、さらにフルチャージしたスタンバトンの大放電を内部に放たれたことによって『エンタングル』の右肩が爆発、手にしたデトネーティングバズーカごと右腕が脱落した。

 

「ちぃ……」

 

 更なる追撃をかけようとしたところで『エンタングル』が左手のパルスガンを乱射、弾幕を形成し俺はたまらず回避する。

 すると『エンタングル』は俺を一瞥したあと踵を返した。

 

『……どうやら犬を相手に消耗しすぎたらしい。その武器はくれてやる』

 

「身ぐるみ剥ぎたいところだが……やめておこう。 これ以上は骨が折れそうだ」

 

『賢明な判断だな、先輩』

 

 言って、『エンタングル』はアサルトブーストを起動させると離脱していった。

 スッラが去ったのを確認すると俺はもう一体の、ボロボロで擱座したACへと向き直る。RaD製のフレームで構成されたその機体の肩には、あの『いくつもの手綱を握る腕』のエンブレムがあった。それを見て、俺は確信した。

 

(やっぱり……今のはスッラが『C4-618』を殺したシーンだったのか)

 

 AC6劇中でスッラが『C4-618』を殺したことを仄めかしていたが、前日譚のハウンズが壊滅する段階で『C4-618』は存在していなかった。となればそのタイミングより前にルビコンにくるまでの間にスッラに殺害されたことになるが、どうやらこれがそのタイミングだったらしい。

 俺は『ダストボックス』をそのACに近付けると、そのままハッチを開いて外に出る。そして擱座したACのコックピットハッチを叩いた。

 

「おい……生きているか?」

 

 その問いに応えるように、コックピットハッチがゆっくりと開く。そしてその中には……。

 

「……」

 

「お前……」

 

 美しい銀髪の、俺の肉体年齢と同じくらいかそれより幼い……15~17くらいの美少女がパイロットシートに座っていた。コックピットには他には誰もいない。つまり彼女が『C4-618』だ。

 

「なるほど……」

 

 前世では『ハウンズ=薄幸の銀髪美少女軍団』というミームがあったが、どうやらこの世界ではそれが当たりらしい。

 彼女は虚ろな、それでも無垢で綺麗な瞳をこちらに向けてくる。

 

「怪我は……あるか?」

 

「……」

 

 フルフルと首を振る。その瞳が「私をどうするつもりか?」と聞いていた。

 

「何もするつもりはない」

 

 そう言って、俺は『ダストボックス』へと戻る。

 

「リペアキットを置いていく。使えば帰投できるくらいにはなるはずだ。

 じゃあな」

 

 そう言ってデトネーティングバズーカを回収すると、俺は『ダストボックス』のブースターに火を入れた。

 隠れながら俺たちを観察していた視線を無視して。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「おい53(ゴミ)! どういうことだ!」

 

 デトネーティングバズーカという戦利品を抱えて、拠点である隠し簡易ガレージへ戻った俺を迎えたのはデイブ氏の罵声だった。

 

「どの企業の物でもない兵装の回収は完了した。 ミッションは成功したと記憶している、マスターデイブ」

 

「その話じゃない! 何故あの擱座したACを回収しなかった!

 おまけにリペアキットをくれてやるなどどういうつもりだ!」

 

 その顔には、簡単に手に入るはずだった金を手にしてこなかったことへの不満しか読み取れない。

 

「マスターデイブ、あのACのエンブレム……アレはあの『ハンドラー=ウォルター』のものだ」

 

「『ハンドラー=ウォルター』!? あの悪名高い猟犬使いの!?」

 

 私設の強化人間AC部隊『ハウンズ』を持ち、様々な戦場に現れる男『ハンドラー=ウォルター』。旧世代型強化人間を平気で使い潰し、金次第で敵にも味方にもなる冷酷非情な独立傭兵集団統括……そういったものが一般的に裏社会で出回っている『ハンドラー=ウォルター』という人物だ。

 ……まぁ、AC6というゲーム本編に触れるまでそういう印象を持っていたプレイヤーも多かったので致し方ないだろう。当然、AC6をプレイしていた身としてはウォルターのことをそう思うわけもない。

 旧世代型強化人間たちに向けた優しさを、友人たちから託された使命を果たすためにひた隠し、しかし所々でそれが漏れ出てしまう、殺伐としたAC世界に全然向いていない『まったくダメなところが見つからないオッサン』……略してマダオだということをよく知っている。解放者ルートの「再手術をして普通の人生を……」とか「お前にも友人ができた……」とかの言葉には不覚にも泣いてしまった。

 

(というか、安い旧世代型強化人間を使い潰して荒稼ぎとか、やってることは変わらないんだからあんたには『悪名高い』とか言う資格は無いと思うんだが……)

 

 出来る強化人間である俺は、デイブ氏へ心の中でのみツッコミを入れるだけに留めて先を続ける。

 

「アレは『ハンドラー=ウォルター』の子飼いのAC部隊『ハウンズ』の1機だろう。

 あの場でパイロットを殺して機体と装備を回収するのは簡単だが、そうすればあの『ハンドラー=ウォルター』と明確に敵対することになる。

 手に入る金とこれからのリスク……それを天秤にかければ明らかにリスクの方が大きい」

 

「……確かにそうだな。

 だが、リペアキットまでくれてやったのはどういうことだ。あれだってそれなりに補給に金がかかる」

 

「あの後爆発でもされて逆恨みでもされたら困る。 それに……あの『ハンドラー=ウォルター』に恩を売ったというのは大きいと思う」

 

「恩? あの極悪非道の『ハンドラー=ウォルター』が子飼い一匹助けた程度で恩を感じるか?」

 

(鏡見ろよ。 極悪非道とかブーメランがざくざく刺さってるぞ)

 

 またも出来る強化人間である俺は、デイブ氏へのツッコミを心の中だけに留めた。

 

「失うはずだった戦力と装備を失わずに済んだ。

 借り一つとでも向こうに思ってもらえれば儲けものだと思うが」

 

「……まぁ、いいだろう。今日もヴァルチャーズの集めてたお宝とあのバズーカでかなりの黒字が見込める。53(ゴミ)にしてはなかなかの仕事だ。

 俺は今日のあがりを捌く準備をする。53(ゴミ)はACの整備でもしていろ!」

 

「……了解した、マスターデイブ」

 

 そう言うとデイブ氏はズカズカという擬音がふさわしい歩き方で奥へと去っていく。若干機嫌がよさそうなのは今日の稼ぎの皮算用をしているのだろう。良くも悪くも人間らしい姿だ。俺はその姿を見送ると、簡易ガレージへと急ぐ。

 膝立ちになった今の愛機『ダストボックス』、武器は床に直置きだ。クレーンの類はないため肩武器は設置できない。そのため武器はすべて腕武器である。

 本格的な修理も出来ないため、数ヶ月に1度のオーバーホール以外は、損傷の回復はリペアキットを使った簡易修理だ。今日の損傷をリペアキットで修復し、リペアキットを一杯まで補給する。

 と、ここでいつもならすぐに使用頻度の一番高いスタンガンの補給とスタンバトンの整備を始めるところだが、俺は思うところがありハンドガンの残弾補給、そしてRF-024 TURNER(初期ライフル)MG-014 LUDLOW(マシンガン)HI-32:BU-TT/A(パルスブレード)を引っ張り出して整備を行い、装備をしておく。

 右手にライフル、右ハンガーにハンドガン、左手にマシンガン、左ハンガーにパルスブレード……今現在手元にある、最大限の武装だ。それをいつでも使えるように準備をする。俺の勘が正しければ……多分今夜あたり必要になるだろう。そして、その勘は当たっていた。

 深夜、俺は『ダストボックス』のコックピットで仮眠をとって身体を休めていた。そんな俺の強化人間として強化された感覚が、ロケット弾の飛翔音を感知する。

 

「ッ!?」

 

 咄嗟に『ダストボックス』のジェネレータを起動。それと同時に爆音とともに建物が揺れ、簡易ガレージに瓦礫が降り注ぐ。

 『ダストボックス』でそれが収まるのを待ちコックピットから飛び出すと、デイブ氏のいる居住区に向かう。

 果たして、そこにはデイブ氏がいた。しかし下半身が瓦礫で潰れ、自らの作った血の池でもがくその姿は、残された命が短いことを物語っていた。そこで俺の存在に気付いたのか、その双眸を俺に向ける。

 

「ご、53(ゴミ)ぃぃぃ……お前、つけられたなぁぁ!!?」

 

「……何のことか分からない、マスターデイブ」

 

 憎しみの籠ったその声を、俺はヒラリと聞き流す。だが実を言うとその通り、スッラを退け、C4-618を助けたあたりで俺をヴァルチャーズらしきものが監視していたことに気付いていた。それを知りながら、俺はこの拠点に戻ってきていた。だからこの襲撃はヴァルチャーズからの報復だろう。

 俺の脳深部へ到達するコーラル管理デバイスにはマスターの管理権限がインプットされており飼い主……つまりデイブ氏はいつでもこれで俺を殺すことができる生殺与奪権を持っていた。そしてデイブ氏はそんなものを握られても信用できるような人格者ではない。

 だから……俺の自由のために死んでもらう必要があった。そのためにヴァルチャーズどもの報復を利用させてもらったのだ。

 それにデイブ氏がしっかりと俺がつけられていないか確認をしていれば、このような事態にはなっていない。

 昨日まで上手くいっても、今日も上手くいくとは限らない……裏社会に限らずどこであろうと当然の考えだ。つまり今の事態はデイブ氏の注意不足と今までの行いのツケを命で支払っているだけだと、俺はドライに考えていた。

 

53(ゴミ)ぃぃぃ……俺を助けろぉ……」

 

「マスターデイブ、それは明らかに致命傷だ。 この状態からマスターデイブを救う救命技術は俺にはない」

 

「ちくしょう……この53(ゴミ)野郎……!」

 

 最後に俺へ絞り出すような恨み言を吐いて、デイブ氏は息絶えた。

 生体反応の消失を確認すると、俺はデイブ氏の服をまさぐって見つけたものを自分のポケットに入れ、そのまま踵を返して簡易ガレージに戻る。

 『ダストボックス』のコックピットに滑り込むと、ブースターに火を入れて瓦礫を跳ね除け、一気に跳び上がる。するとそこには……。

 

『出やがった、例のACだ!』

 

『野郎、ぶっ殺せ!』

 

 30機ほどのMTが俺を待ち構えていた。今までさんざん煮え湯を飲まされ、明らかにご立腹の様子だ。

 普通ならAC1機程度には明らかな過剰戦力だが……こんなところで終わる気はない。

 

「MT30機……俺の命の見積もりが甘すぎたことを教えてやる」

 

 『ダストボックス』の手にしたライフルをMTに向けて発砲し、俺は戦端を開いた……。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

今日のアセン

 

AC名:『ダストボックス』(対ヴァルチャーズ決戦仕様)

パイロット名:『C1-53』

 

R-ARM UNIT:RF-024 TURNER(初期ライフル)

L-ARM UNIT:MG-014 LUDLOW(マシンガン)

R-BACK UNIT:HG-003 COQUILLETT(ハンドガン)

L-BACK UNIT:HI-32:BU-TT/A(パルスブレード)

 

HEAD:AH-J-124/RC JAILBREAK

CORE:AC-J-120/RC JAILBREAK

ARMS:AA-J-123/RC JAILBREAK

LEGS:2C-2000 CRAWLER

 

BOOSTER:AB-J-137 KIKAKU

FCS:FCS-G1/P01

GENERATOR:AG-J-098 JOSO

 

EXPANSION:なし

 

 

解説

報復にやってきたジャンク拾い無法者集団『ヴァルチャーズ』との決戦のためのアセン。

とはいえ簡易ガレージのためフレームパーツの組み換えはできず肩武装も装備出来ないため、腕武器をハンガーに装備しただけになっている。

しかし元々がパーツ鹵獲・回収用の武装だったことと異なり、純粋な戦闘用武装を装備したため攻撃力が飛躍的に向上している。

 

中・近距離でバランスが良く、腕の格闘補正の関係でパルスブレードが恐ろしく強い。あとはミサイルがあれば……というくらいに武装はバランスがいい。

実際にいくつかのミッションを試したがそれなりに戦えたので武器の充実は大切と痛感した。上方修正された初期アサルトライフルとマシンガンは普通に使える。

アリーナも下位クラスなら十分戦えたので、対AC戦も十分対応可能(フラグ)

 

 




銀髪色白美少女軍団ハウンズはいいですねぇ、ウォルターの目利きは最高だぁ。

ちなみに本作では基本的に主人公たちは技研製・AM製の市場に出回らないだろうパーツは使用しないように縛りを付けてます。同じようにワーム砲も無しです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。