とはいえ、本作の自軍戦力は……
『カーラ、突然すまない』
『いいさ。それで、どうしたんだい?』
『『C1-53』と『C4ー618』の様子はどうだ?』
『いい感じに『RaD』に馴染んでるよ。へっぽこだったラミーのやつもおかげで見れるようになってきたし、モアの『アマゾネス』部隊の訓練もやってて、うちの戦力は劇的に上がったね。
傭兵としての活躍も順調そのものさ。 特にルビコン解放戦線に気に入られてる』
『そうか……。
こちらでは少し、不測の事態が起こった』
『こっちでもヘリアンサスやらウィーヴィルやら不測の事態は起きてるけど……何があった?』
『どちらもBAWS第2工廠での話だ。
まず独立傭兵『ケイト=マークソン』という人物の依頼で、惑星封鎖機構の強制監査を妨害しろという内容だったが……ただの駐留部隊ではなかった。その証拠に最後には特殊兵器『カタフラクト』と『エクドロモイ』が襲ってきた』
『……確かに普通じゃないね』
『その依頼を達成ししばらくしたら、今度はルビコン解放戦線からBAWS第2工廠の連絡が途絶えたという調査依頼を受けたが……そこで出てきたのがそちらのストライダーの時に目撃情報のあった光学迷彩ステルス機だ』
『あれかい……あたしも解析してるけど暗号関係が複雑化してて少し手間取ってるよ。ただ……技研系の技術が入っているのは間違いないね』
『BAWS第2工廠は小規模ながらコーラルの井戸が出ていた。 あの程度ではすぐ涸れるだろうが、それを狙っての襲撃だろう』
『……解析して分かったことだけど、ストライダーの一件で出てきたヘリアンサスとウィーヴィルは50年前に造った中古品じゃない、『新造品』だったよ』
『つまり技研兵器を新造しあんなステルス機を開発している、企業とは違う何かの組織がある、ということか……』
『……どうするんだい?』
『……『C1-53』と『C4ー618』をこちらに合流させてくれ。合流次第、ウォッチポイントの調査に向かう』
『まぁ、BAWS第2工廠のあたりで井戸が涌いてたってことは、想定より事態は深刻かもしれないね。
その調査ってのは分かるけど、そっちのハウンズだけじゃなく2人まで呼び戻すのは少し過剰戦力じゃないかい?』
『いるはずのないと思っていたカタフラクトとエクドロモイに襲われたんだ。 技研技術を使う謎の敵のこともある。
万全な状態で挑みたい』
『わかった、ヒナタとアオイには合流するように伝えるよ』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ウォルター、それにハウンズのみんな、久しぶり」
「兄様、それにアオイも無事で何よりです」
ハウンズの姉妹たちを代表して『センカ』が俺とアオイを迎えてくれた。ハウンズのみんなから「兄様」や「兄や」や「にいに」や「お兄様」と構われる俺。『621』も『レイヴン』ではなく『レイ』と女の子らしい愛称で呼ばれ、みんなライセンスネームとはいえ女の子らしい名前でよかった。
……ウォルター、にらまないでくれ。俺は変なことを吹き込んだりは誓ってしていない! 信じてくれ!
……まぁ実は『俺がコーラルで令和日本と繋がったから、令和日本からの情報が何かしらの形で作用してこの呼び方になった』んじゃないかと思ってるが。うん、みんなコーラルが悪い。
ウォルターといえば俺と『618』が、『ヒナタ』と『アオイ』と名乗り始めたことをウォルターに伝えたところ、何故だか動揺していた。理由がまったく分からないので困惑したのを覚えている。
「『53』に『618』、久しぶりだな。 ずいぶんと名を挙げているのは聞いている」
「そっちだって『壁越えの傭兵』の名は聞いてるよ」
再会の挨拶もほどほどに、俺は本題を切り出す。
「……それで、俺たちはどこを攻めればいい?
俺たちまで呼び出したんだ、どでかいことをするんだろ?」
「……惑星封鎖機構の施設、『ウォッチポイント』を襲撃する」
「OK、素敵なパーティになりそうだ」
……どうやら俺は、物語の最も重要な戦いに参加できるようだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『ブリーフィングを開始する』
『これは……ある友人からの私的な依頼だ。
『ウォッチポイント』と呼ばれる施設がある。地中のコーラルの支脈を監視し、かつてはその流量制御も行っていた施設だ。惑星封鎖機構の部隊が管理し、企業も表立っての手出しは避けるこの施設……お前たちにそこを襲撃してもらう。
この間のBAWS第2工廠には小規模ながらコーラルの井戸が湧いていた。今までのデータではあり得ない状態だ。そのため、状況の確認をする必要がある。
『53』たちが受けた不明機の襲撃。俺たちの前に現れたどこにも記録のない独立傭兵『ケイト=マークソン』と、あり得ないほどに戦力強化されていた惑星封鎖機構の部隊、そして『53』たちと同じ不明機に占拠されたBAWS第2工廠とコーラルの井戸……俺たちの知らない何かが、このルビコンには渦巻いている。
そのために今回は万全を期して全員がそろっての出撃だ。
証拠は残すな。敵は全て殲滅し、最奥にあるセンシングバルブを破壊する。
BAWS第2工廠の一件もあり、敵の戦力は未知数だ。全員、全力を尽くせ』
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『ミッションを開始する』
ウォルターの言葉とともに大型輸送ヘリ2機に分乗したハウンズ部隊が、夜の空へと解き放たれた。
降下しながら、俺は惑星封鎖機構の部隊を確認する。
「……いきなりおかしいじゃないか」
施設周辺を警戒するように旋回する『カタフラクト』を確認し、俺は思わずぼやく。とはいえ、こっちの戦力も原作AC6とは比較にならないほどに上がっている。何なら『ヴェスパー』や『レッドガン』と正面からぶつかっていけるような反則級戦力である。
「アオイ、センカ。 俺と一緒にあの
ランとナコとレイは、砲台とMTを叩いてくれ」
『『『了解……!』』』
俺の指示と同時にそれぞれがアサルトブーストを起動、解き放たれた猟犬がそれぞれの獲物に牙をむく。
『!? 敵しゅ……』
「遅い」
完全に奇襲が成功し、俺の両手のショットガンが叩き込まれる。そこに間髪入れずにアオイの連装グレネードキャノンとセンカのプラズマキャノンが突き刺さり、カタフラクトは即座にスタッガー状態に陥った。
「じゃあな、
もう原作AC6から数え切れないほど続けた、スタッガー状態からのフルチャージパイルバンカーをカタフラクトにねじ込んだ。
装甲・コックピット・ジェネレータが等しく炸薬によって超加速した特殊合金製の杭によって貫かれ、カタフラクトが内部から爆発を繰り返して沈黙する。
『か、カタフラクトがこうも簡単に……!?』
惑星封鎖機構最強の陸戦兵器が一瞬で撃破されたことで警備部隊に動揺が走るが、そんな暇は彼らにはない。
ランのヴァーティカルミサイルが降り注ぎ、警備部隊と高出力レーザー砲台に突き刺さる。それを生き残ってもナコからレーザーハンドガンの光の雨と、レイのショットガンの散弾が降り注ぎ、等しく命を刈り取っていった。
『よし、そのまま先へ進め。
周辺への通信妨害はしてある。敵の増援はない』
ウォルターの言葉を聞き、そのまま進撃を続けるハウンズ部隊。
『ACだと!? 歩哨は何をやって……!』
「うるさい」
なにかほざいていた、警備隊長と思われるエクドロモイに瞬時に接近し、両手のショットガンとキックをプレゼントした。
『グオッ!? 貴様ぁ……!』
俺に憎しみの言葉を吐いているようだが残念、そのキックの行き先は地獄だ。レイがチェーンソーをフルチャージし、赤熱化させながら待っている。
『ギャァァァァァ!!』
チェーンソーの熱い抱擁を受けたエクドロモイはそのままバラバラになって爆発四散した。
『た、隊長ぉぉぉぉぉぉ!?』
AIの命令を聞きながら生活する惑星封鎖機構の連中には機械のような印象もあったが、やはり人間だ。仲間が一瞬で惨たらしく死ねば動揺はあるらしい。そしてハウンズ部隊はその動揺の隙を決して逃しはしない。
結局、ものの一分もかからずに惑星封鎖機構の防衛部隊は全滅した。
『流石だ。 全員分の補給シェルパを用意してあったが、杞憂だったようだな』
(これからが本番なんだよ)
ウォルターの言葉に心の中でつぶやきながら、俺とハウンズ部隊は突き進む。
『見えた。 あれが中央センターだ』
そして巨大なドーム状の建物が見えてきた。さて、ここからどうなるか……?
『ウォッチポイントを襲撃するとは、とんでもないやつだなハンドラー=ウォルター』
『貴様、スッラか!』
予想通り『スッラ』が現れた。そして……。
『あなた方は……大きすぎる。
修正が必要と判断しました』
アサルトブーストとともに現れる二脚AC3機。どれも普通では手に入らないだろう技研系・オールマインド系のフレームパーツのたっぷり使用されたそれらは仲良く重量機・中量機・軽量機となっている。そしてその3機の中心にいる中量機は……。
「あんたが独立傭兵の『ケイト=マークソン』か」
『独立傭兵『ヒナタ』ですね。あなたの活躍も聞いています。
修正が必要なイレギュラーとして』
「イレギュラー……そうか、俺がイレギュラーか!」
初代からの最古参ACプレイヤーとして、何というかイレギュラー認定は無くてはならないものだ。それをされて、なんだかテンションが上がってしまう。
『……何故嬉しそうなんですか? もうよく分かりませんが、ここで果ててもらいます』
「なるほど……これが後輩の飼い主か。 ずいぶんと面白い飼い主だな、後輩?」
『……前に言ったな? 今日は必ず殺すぞ、先輩!』
「やってみろよ、後輩!」
敵AC4機が動き出す。同時に各所からロックオン警報。これは……!
「例の光学迷彩ステルス機が潜んでるぞ!
センカとナコはステルス機に対処してくれ。 残りは……俺と一緒に敵ACを叩く!!」
短い指示を出すと、俺はそのままスッラのAC『エンタングル』へと向かっていく。
「骨董品同士仲良く踊ろうか、後輩!」
『殺す! 貴様を殺して俺はたどり着くぞ、先輩!』
ハウンズ部隊とスッラたち……オールマインド陣営との正面衝突が始まる……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今日のアセン
AC名:『プロトマインドⅠ』
パイロット名:『マインドAI』
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
HEAD:20-081 MIND ALPHA
CORE:07-061 MIND ALPHA
ARMS:04-101 MIND ALPHA
LEGS:VE-42A
BOOSTER:BUERZEL/21D
FCS:FCS-G2/P10SLT
GENERATOR:VP-20D
EXPANSION:なし
解説
ウォッチポイントの戦いにて、ケイトが手駒として連れてきたAI制御AC。まだデータ不足である点は否めないが、それでも強力な戦力であることに変わりは無い。
特徴は両肩にデトネーティングミサイルを装備、対単機戦でも対多数戦でも相手に大きな衝撃値を溜めることが可能なこと。スタッガー状態に陥った敵に両手のガトリングガンでハチの巣にするというのが基本的な動き。
とはいえ未だ未完成状態のAIでハウンズを止められるかと言われると……と言ったところ。
勢力の設定上、AMパーツと技研パーツの縛り無しで組まれた機体。マインドアルファ腕は反動制御に優れているのでガトリングガンとの相性は悪くない……はず。
ぶっちゃけ、どんな腕を選ぼうともガトリングガンの弾はばらけるので気休めでしかないが、悪い選択ではない。
そうでなくてもガトリングガンの弾幕はかなり怖いのでガンガン攻めていける。
デトネーティングミサイルも衝撃値を溜めやすいが、どうしてもトドメとなる一撃に欠けるのでキックを多用するなり、アサルトアーマーを使用するなり、相手をスタッガー状態に追い込むには一工夫必要になっている。
ハウンズ全員出撃に対して、オールドンマイちゃんは作戦『全軍突撃』を選んだようです。
……なんだろう、涙が出てきましたよ