祝福の花を君に   作:キューマル式

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今回から『チャプター2』へと入ります。
原作AC6の『チャプター2』はすぐに終わってしまいましたが、本作では主人公が最初から『RaD』と関係を持っているため、大幅に話が盛られる予定。

今回は、誰もがあのフレーバーテキストを見たら作りたくなるだろうアセンの登場です。


チャプター2
第28話 『伝統はできるだけ守りましょう。テンション上がるから』


 あのミッション……ウォッチポイントの一件が終わり、俺たちはそのままカーラのいる『グリッド036』へと拠点を移すことになった。

 何といってもウォッチポイントで襲ってきた謎の勢力について調べるためと、俺についてだ。

 

 俺は今後のためとして、『ウォルターとカーラがオーバーシアーだと知っている』ということをミッション中にウォルターに匂わせていた。そこで『グリッド036』に到着しカーラもやってきたところで俺は、いや俺とハウンズたち全員はエアの存在を2人に証明してみせたのだ。

 最初はよくあるコーラル型旧式強化人間特有の幻聴だと言っていた2人だが、エアが各種機器へのハッキングをその場でやったりと様々なことをした結果、2人は『意思持つコーラル』であるエアの存在を認めるに至ったのである。

 その時の2人の驚きの顔はすごかった。そして俺はそのまま、前世AC6のときから思っていたオーバーシアーの問題点を言ってやったのだ。その言葉は2人にとってはかなり衝撃的だったらしい、しばらく整理したいから時間をくれと言われた。

 

 次に俺の知識の謎についてだが、これはドルマヤンと一緒に聞いてもらい協力を取り付けた方がいいだろうと思いその場でドルマヤンに約束どおり『意思持つコーラル』のエアとの交信に成功したと通信したところ、直接出向くから数日待っていろと言われた。

 ウォルターもカーラも一緒に話を聞いた方がいいだろうと、俺への謎はそのときまで先送りになった。正直、2人ともエアの情報だけで色々パンク状態だったらしく、これ以上情報が増えてもいろんな意味で処理しきれないと判断したようだ。

 

 そしてあのケイト=マークソンについて。

 やっぱりというか何というか……俺と同い年くらいのパイロットスーツを着たあのポンコツAMちゃんそのままだった。しかし彼女は純粋に人間ではないらしい。食事も出来るしトイレもするし子供だって作れるという人間同等なのだが、遺伝子をコーラルで調整(コーディネート)された産まれながらの強化人間のような存在だった。某ガンダム作品で例えると俺たちは『ブーステッドマン』で、彼女は『コーディネーター』みたいなものか。

 ……まぁ、それに近い、AMちゃんが肉体を持って主人公とイチャつく概念は前世で見たことがある。俺としては『あー、ハウンズは全員銀髪美少女だし、こっちはそういう感じで来たかー……』というのが正直な感想だ。こうなると今後エアが何かにワープ進化するんじゃないかと心配になってくる。

 そんな相手なので尋問も普通の人間には荷が重く、最悪の場合を考えて強化人間である俺が担当することにしたのだが……当然のように完全黙秘。俺が『コーラルリリースの先を知ってるぞ』的なことを匂わせても少し反応するが、それだけだ。

 結局、逃走防止のために位置情報機能と爆弾付きの首輪をつけられて独房で様子見の状態である。謎の敵組織のせっかくの情報源だ、これは気長にでもやっていくしかない。

 

 結果、俺たちハウンズはドルマヤンがやってくるまでの間、休養をかねて『RaD』でゆっくりと過ごすことになる。とはいえ何もしないわけでもなく、『RaD』の防衛部隊の訓練に付き合ったり、ジャンク拾いや土木作業などのいつもの荒事に比べればあくびが出るほど簡単な仕事をこなしていた。

 そして、これもそんな風に簡単に済む仕事のはず……だった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『ミスター出世払い、ブリーフィングを開始するよ』

 

 

『今回の依頼はあたし、『RaD』からの依頼だよ。内容はドーザー組織『トレジャーラッツ』に注文のあったうちの商品を届ける、輸送の護衛だ。

 ここの頭目の『トーマス=ゴードン』ってやつは元々この辺りでジャンク拾いをやってたんだ。うちへのジャンクの納品なんかもやっててね、悪くない仕事ぶりだったよ。

 それが貯めた金で自分のAC買って、その力でならず者どもの頭に成り上がった……まぁドーザーではよくある流れだね。

 知らないやつでもないしうちの商品を買いたいってんならそれは別にいいんだが……こいつの率いる『トレジャーラッツ』って組織は小規模組織で資金はそう無いはずなんだ。

 なのに突然の発注ってのはなんだか臭くてね……それでうちの交渉担当と一緒に、あんたには護衛をやってもらおうってわけさ』

 

 

『初めまして……ではありませんね。 『アマゾネス』副官の『フィーメル=トンプソン』です。

 この度は『アマゾネス』だけでなく『RaD』全体の対外交渉担当となりましたので以後もよろしくお願いします』

 

『フィーメルは頭も切れるし交渉が得意な上にAC乗りとしての腕もいい。モアの信頼も分かるよ。

 元はエルカノで秘書やってたんだって? コーラルドラッグヤッてるわけでもないのに、何だってこんな場所にいるのやら……』

 

『……借りた金を返さないバカがいましてね……まぁ、詮索はなしでお願いします』

 

『分かったよ。あたしらみんな、すねに傷持った連中ばっかだしね』

 

『今回あなたに同行してもらうのはAC戦での戦力としてと男性であるためです。 交渉事で女だというだけで舐めてかかる輩も多いので』

 

『とにかく、交渉はフィーメルに任せてあんたはいつも通りにしてればいいさ。

 万一『トレジャーラッツ』の連中が襲いかかってきても数は少数、あんたとフィーメルならすぐに返り討ちにできる。

 楽な仕事だと思って気楽にやりな』

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 さて、ACの伝統の一つに『騙して悪いが』というのがある

 『おいしい仕事だと思ってホイホイ受けたら、自分をはめるための罠だった』というやつだ。ACの世界は例外なく殺伐としており、そんな世界観をよく表すような伝統である。

 しかし原作AC6ではウォルターが依頼を厳選してくれていたのか、そんな『騙して悪いが』案件はなかった。しいていえばラスティと潰し合いをさせられるミッションだが、ミッションブリーフィングの時点で敵らしき機体の話が示唆されており、伝統的な『騙して悪いが』とは言えない。

 むしろ原作AC6では主人公が金でミッション中に敵に寝返る。この世界でもハウンズのみんなはガリア多重ダムでルビコン解放戦線側についたらしいし、こっちが『騙して悪いが』をする側になっていた。

 ……何故こんな話をするのかって? それはもちろん……

 

 

『……これはどういうことでしょうか、ミスタートーマス?』

 

『へっへっ……騙して悪いが、こういう約束なんでな』

 

 

 取引現場にやってきたら20機を超えるMTに囲まれ、ついに伝統の『騙して悪いが』を聞いてしまったからだ。

 内心ワクワクしながらも、俺は隙無く周囲のMTを見渡す。二線級とはいえ全て戦闘用のMTだ。そしてところどころに見えるのは『ジャンカー=コヨーテス』のエンブレムである。

 

 

『……なるほど、二線級とはいえ戦闘用MTをこれだけの数を揃える力は『トレジャーラッツ』にはないはずだとは思いましたが、『ジャンカー=コヨーテス』の傘下に入ったというわけですか……』

 

『そういうこった。 俺たちだけじゃねぇ、AC持ちの勢力はみんなコヨーテスに声をかけられてほとんどが傘下よ。

 で、『RaD』の部隊も潰しておまけに物資も奪ってやれば、俺も幹部に取り立ててもらえるって寸法よ。

 新しいお頭のブルートゥに、カーラの姉御はずいぶん嫌われてるんだな』

 

 

 いや、多分オーネスト=ブルートゥの場合、カーラのことを嫌ってはいないと思うぞ。

 ただ『カーラの友人』と『カーラの大事な『RaD』に痛手を与えること』が全く矛盾無く繋がる意味不明な思考回路を持っているだけだ。

 

 

『……ミスタートーマス、私だけならまだしもこちらには凄腕の独立傭兵『ヒナタ』がいます。この戦力で私たちに挑むというのは無謀というもの。

 『RaD』とも付き合いのあったあなたです。今すぐ『RaD』に乗り換えた方がいい。 その方がそちらにとっても、悪い話ではないと思いますが?』

 

 

 交渉担当だけあって頭の足りなそうな相手にも交渉を続けるフィーメル。うん、『デキる女』ってのはこういうのを言うんだな。おまけに眼鏡美人だし。絶対に今、眼鏡クイってしてるぞ。

 

 

『はんっ! そう来ると思ってこっちだって凄腕だって独立傭兵を雇ってるんだよ!』

 

 

 あくまで強気のトーマスとやらだが、『凄腕の独立傭兵』ってのは一体……。

 

 

(独立傭兵で凄腕といえばまずは『キング』と『シャルトルーズ』だろうけど、あいつら正確には『ブランチ』って秘密組織の一員だからこんな依頼を受けるとは思えない。

 ほかは『六文銭』だが、あいつは実質ルビコン解放戦線所属だろうし……あとはあの暗殺者の『コールドコール』か、それとも俺の知らない凄腕か……)

 

 

 そう少し気を引き締めていると、アサルトブーストを起動させながら濃い紫色の機体がこちらに向かって飛んでくる。

 

 

『あはは! 見たか、この最新の装備の数々!

 ここで依頼を達成すれば、私の信用はさらに拡大……』

 

『ノォォォォォザァァァァァァァクゥゥゥゥ!!!!!』

 

 

 現れたのはあの『絶対に借りた金返さない借金王 ノーザーク』だった。そうかぁ……そういえばこいつも独立傭兵の括りだったな。

 そしてノーザークの姿を見た瞬間、先ほどまでのクール眼鏡美人だったフィーメルさんがクールさ0%の雄叫びを上げながら愛機『ネゴシエーション』のアサルトブーストを起動、ノーザークのAC『ビタープロミス』へ向かってかっとびながら10連ミサイルを発射した。

 

 

『な、何だ!?』

 

『ノーザーク! お前がBAWSの新型格闘武器への投資だと言って持っていったエルカノの金、耳を揃えて返せ!

 おかげで私はクソ上司にすべての罪をなすりつけられたのよ!!』

 

『何をバカなことを! 借りた金を返すわけがないだろう!』

 

『借りた金は返すのが当たり前なんだよ!

 第一、投資と言って金を持っていってそのままドロンとか、貸し借り以前にただの詐欺だろうが!!』

 

 

 フィーメルとノーザークの間で戦端が開いてしまった。そしてなし崩し的に俺の方も戦端が開く。

 

 

『おっぱじまったぞ!』

 

『ACをぶっ殺せ!!』

 

 

 殺意が鉛玉とミサイルに姿を変えて俺へと放たれる。俺は苦笑しながらフィーメルさんに通信を送った。

 

 

『フィーメルさん、こっちも始めるけど要望は?』

 

『あのトーマスはできるだけ生かしておいてください。 私もこのクズを始末したらすぐにそっちに向かいますから!』

 

 

 彼女の実力的には、ノーザークに遅れをとるなんてことはあり得ない。それだけの強さを持っている。彼女の方は気にしなくてもいいだろう。

 

 

「了解。

 ……そういうわけで、お前ら叩き潰すがいいよな? 答えは聞いてないが!」

 

『この数相手にやれると思ってんのか!? ブッ殺してやるよ、カーラの犬っころ!!』

 

「あまり強い言葉を使うなよ。 弱く見えるぞ」

 

『ほざけっ!!』

 

 

 言うと、何とトーマス=ゴードンは軽量タンクAC『クレイジートレイン』で全速力の後退を始めた。

 そして手にしたハンドミサイルとスプリットハンドミサイル、そして右肩の10連ミサイルを次々と発射していく。

 

 

(引き撃ちミサイラーかよ。

 部下のMTを使って相手をその場に釘付けにして、自分は高速で距離を取りながらミサイルを垂れ流す。

 でもって接近戦に持ち込まれた時用に左肩には拡散バズーカを装備か……)

 

 

 『ジャンカー=コヨーテス』の傘下に加わったことで手にした資金で強化したのだろう。アセンは悪くないし、戦法も悪くない。

 だが……。

 

 

「あいにく、こっちはそういう手合いは今まで大量に見てきてるんだよ!!」

 

 

 昔からACの基本は『引き撃ち』だったからな。原作AC6では接近戦に重きを置かれているが、別に射撃兵器が弱くなった訳ではない。それに打ち勝つために俺のようなクロスレンジでの格闘戦を得意とする昔は『剣豪』とも呼ばれた連中は、誰よりも『距離の殺し方』を研鑽してきたのだ。

 アサルトブーストを起動、『日向葵』が高速で動き始める。

 『日向葵』のタフなジェネレータはアサルトブーストの長時間の起動を可能としていた。その速度で高速移動しながらミサイルを振り切り、同時に敵MTを次々に屠っていく。

 

 

『か、頭ぁ! こいつ速すぎて止まらねぇ!?』

 

『ど、どうすれば!?』

 

『う、うるせぇ! 四の五の言わずに撃ちまくれ!!』

 

 

 混乱した様子の『トレジャーラッツ』のメンバー。なんならトーマスもミサイルをスイスイ避ける俺に混乱しているようだ。そしてその隙を見逃すほど、俺はお人好しではない。

 ショットガンとプラズマミサイル、パイルバンカーにキックにアサルトアーマーと、手当たり次第にMTを破壊していく。二線級だけあってMTの耐久力はそこまで高くない。俺の攻撃に、面白いように数を減らしていった。そして、気付けば残っていたのはトーマスのAC『クレイジートレイン』のみだ。

 

 

『に、20機のMTがこんな短時間で!? 何が、何がどうなってる!?』

 

「気にするな。 死ぬ時間が来ただけだ」

 

『ひぃっ!?』

 

 

 俺の茶目っ気を効かせたセリフに本気で恐怖に駆られたトーマスが全速力の後退しながら、持てるミサイルをすべて一気に発射してくる。

 

 

「いけないなぁ。 複数のミサイルは1つずつ順番に撃っていかないと。

 じゃないと、リロードで弾幕に穴が開いちゃうだろ」

 

 

 ジェネレータの回復を待ってアサルトブーストを起動、高速起動を繰り返し、クレイジートレインの眼前に迫る。

 

 

『これでも喰らえ!!』

 

 

 近接用だろう拡散バズーカが放たれるが、クイックブーストで回避し『クレイジートレイン』の背後に回り込む。

 

 

「捕まえたぁ」

 

『ひぃぃぃぃ!?』

 

 

 そして両手のショットガンを発射、強烈なキック、アサルトアーマーもおまけで叩き込む。

 たまらずスタッガー状態になった『クレイジートレイン』。そこに炸薬を装填した必殺のパイルバンカーを抉り込んだ。ただ、フィーメルさんとの約束もある。コアは狙わず、脚部を狙った。

 パイルバンカーの特殊合金製の杭がタンクの駆動部分を貫く。脚部の爆発に、地雷でも踏んだかのように一瞬真上に飛び上がりそのままシステムダウン、両手のハンドミサイルを地面へと取り落とし、力なく機能停止した。

 

 

『片付いたようですね』

 

「そっちは? あの独立傭兵はどうした?」

 

『……残念ながら逃げられました。

 あの男、逃げ足だけは超一流ですね』

 

「そうか。

 で、こいつはどうするんだ?」

 

 

 そう言って、俺はパイルバンカーの先端で停止した『クレイジートレイン』を軽く小突く。

 

 

『ひぃぃぃぃ!? お、俺が悪かった!

 これからはカーラの姉御に従うから命だけは……!』

 

 

 コアの機能は生きていたようで、通信機からはトーマスの命乞いが垂れ流される。

 それに対し『RaD』の交渉担当殿はどう答えるのか?

 

 

『ミスタートーマス。 あなたはこんな言葉を知りませんか?

 『誠意とは言葉ではなく金額』という言葉なのですが』

 

『金、金なら有り金全部渡す! コヨーテスから渡された物資もすべて渡すから!』

 

 

 言って何かしらのデータのやりとりをするフィーメルさんとトーマス。それに満足したのか、フィーメルさんは眼鏡をクイッと持ち上げた。

 

 

『確かに……ミスタートーマス、あなたの『誠意』はしっかりと見せてもらいました』

 

『じゃ、じゃあ!』

 

『ミスタートーマス、私はあなたを許しましょう』

 

『あ、ありがとよ! これからはカーラの姉御のために……』

 

 

 『助かった』という安堵の声が漏れるトーマスだが……それをフィーメルさんが遮る。

 

 

『私はあなたを許しましょう。 ですが……』

 

 

 ゆっくりと『ネゴシエーション』の両手のヘビィマシンガンが持ち上がる。

 

 

『このヘビィマシンガンがあなたを許すかどうかは分かりかねます』

 

『なっ!? そんな、約束が!!?』

 

『私はただ『誠意』についての話をしただけですので、私と何か約束をしたというのはそちらの勝手な勘違いでは?

 では……ヘビィマシンガンの回答をお聞きください』

 

 

 そしてフィーメルさんはヘビィマシンガンのトリガーを引いた。

 当然、重低音のヘビィサウンドをかき鳴らし、ヘビィマシンガンの弾丸が嵐のように放たれる。完全に擱座した『クレイジートレイン』は何も出来ず、そこら中に銃創を作りながら奇っ怪な踊りを強制的に踊らされた。

 

 

『や、やめ……! 助け……!?』

 

 

 命乞いの最中に『クレイジートレイン』のジェネレーターに引火、トーマスは『クレイジートレイン』とともに爆発四散した。

 

 

『残念ながら、ヘビィマシンガンはあなたを許してはくれなかったようですね。

 さて、ヒナタ……先ほどミスタートーマスから教えてもらった物資の在処に行って、物資を回収して帰りましょう』

 

「了解だが……なぁ、これ『交渉』なのか?」

 

『ええ、間違いなく『交渉』です。 時として『交渉』とは銃口で行うものなのですよ。

 今、ルビコンを侵略しているアーキバスとベイラムもよくやるでしょう?

 あと、『舐めたら殺す』というのも『交渉』ではとても大事なことなのです』

 

 

 ミッションは成功、おまけに多額の資金に物資、そして『ジャンカー=コヨーテス』が小・中勢力を取り込み勢力拡大をしているという情報を手に入れカーラとモア姉さん、そしてフィーメルさんはご機嫌だった。

 

 ……俺はこの日、改めてこの修羅の世界怖いなぁと思いました。まる。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

今日のアセン

 

AC名:『ネゴシエーション』

パイロット名:『フィーメル=トンプソン』

 

R-ARM UNIT:WR-0555 ATTACHE(ヘビィマシンガン)

L-ARM UNIT:WR-0555 ATTACHE(ヘビィマシンガン)

R-BACK UNIT:BML-G2/P05MLT-10(10連ミサイル)

L-BACK UNIT:HI-32:BU-TT/A(パルスブレード)

 

HEAD:HS-5000 APPETIZER

CORE:CS-5000 MAIN DISH

ARMS:AR-011 MELANDER

LEGS:2C-3000 WRECKER

 

BOOSTER:BC-0200 GRIDWALKER

FCS:FCS-G2/P10SLT

GENERATOR:DF-GN-06 MING-TANG

 

EXPANSION:PULSE ARMOR

 

 

解説

「我々『RaD』の製品を購入することは、そちらにとっても悪い話ではないでしょう?」

「私はあなたを許しましょう。 ですが、このヘビィマシンガンがあなたを許すかは分かりかねます」

 

エンブレムは『真っ黒な拳』。

モア=ドードーの部下であり、モアの自警組織『アマゾネス』の副官の女性。元エルカノ社のエリート秘書という変わった経歴を持つ眼鏡美女。

コーラルドラッグをやっているわけでもなく、何故そんなエリートの彼女がこんなところに……と皆が首をかしげるが彼女は「借りた金を返さないバカがいましてね……」とだけ語ったという。

 

交渉を得意としており『アマゾネス』時代から対外交渉を担当、『アマゾネス』が『RaD』に合流後は『RaD』の対外交渉担当を務める。

時として女の武器すら使った『交渉』も行い、その交渉の成功率は非常に高い。またAC乗りとしての腕もモアが副官にと選んだだけありかなり高く、たまに『交渉』で約束を破る者もいるが、そんなときには両手のヘビィマシンガンでの『交渉』に切り替え、相手をズタボロにする。

『RaD』の闇市場での売り上げに大きく貢献しその収益をかなり伸ばしたとカーラは大絶賛、モアと同じくお気に入りである。『RaD』はトップであるカーラ、防衛力のモア、交渉のフィーメルと要職が揃って女性となり、強い女性の組織へと生まれ変わりつつある。

 

AC名はそのまま『交渉』。不誠実な相手には即座に両手のヘビィマシンガンが火を吹く様は、どこぞの黒いメガデウスのネゴシエーターじみている。

パイロット名の元ネタは歴代ACで印象的なオペレーター『フィオナ・イェルネフェルト』と、『オーメル社』を足したもの。眼鏡美女(←ココ最重要)

実はノーザーク被害者の会の一員で、ノーザークに騙され『投資』してしまった上司に罪をなすりつけられたためにエルカノを追われて、『グリッド036』へと流れ着いた。

もしノーザークと再会することがあるのなら、その時には即座に怒りのヘビィマシンガンが火を吹くだろう。

 

戦法としては10連ミサイルでけん制しながら接近、両手のヘビィマシンガンを乱射し、スタッガー状態にしたらパルスブレードで切り裂くというもの。装備のバランスが非常に良く、装甲と姿勢安定性も高めで近距離での撃ち合いに対応している機体。

新しい『RaD』製ヘビィマシンガンのフレーバーテキストを読んだらみんな作りたくなるはずの、『RaD』交渉担当の機体である。

 

 

 

 

AC名:『クレイジートレイン』

パイロット名:『トーマス=ゴードン』

 

R-ARM UNIT:HML-G2/P19MLT-04(ハンドミサイル)

L-ARM UNIT:HML-G3/P08SPL-06(スプリットハンドミサイル)

R-BACK UNIT:BML-G2/P05MLT-10(10連ミサイル)

L-BACK UNIT:SB-033M MORLEY(スプレッドバズーカ)

 

HEAD:HC-2000 FINDER EYE

CORE:CC-2000 ORBITER

ARMS:AC-3000 WRECKER

LEGS:EL-TL-11 FORTALEZA

 

BOOSTER:なし

FCS:FCS-G2/P12SML

GENERATOR:AG-J-098 JOSO

 

EXPANSION:なし

 

 

解説

エンブレムは『手の生えたデフォルメされた黒い機関車』。

元ジャンク拾いのドーザーで『RaD』にもジャンクを頻繁に持ち込んでおり、『RaD』からの評判も悪くは無かった。

金を貯めて念願の自分のACを手に入れたら、その力で小規模ドーザー組織『トレジャーラッツ』の頭目となる。

……金を貯めてやることが、強い武器を買って自分より弱いものを屈服させ徒党を組んで暴れるというところが、実に修羅の世界の住人らしい発想である。

とはいえ小規模組織であるために資金など雀の涙であったが『ジャンカー=コヨーテス』の誘いに乗り傘下となったことで資金的な余裕が出来、ACの強化を行った。

そして『RaD』に偽の商品発注を行い、フロム恒例の『騙して悪いが』で護衛を片付け物資を奪い、さらに『ジャンカー=コヨーテス』の幹部に取り立ててもらおうと画策するが……予想外の最悪のイレギュラーであるヒナタの存在、そういう場合に備えて雇ったはずの戦力である独立傭兵『ノーザーク』が全く役に立たなかったことで撃破され、無様な命乞いをする羽目に。

結局、フィーメルには許されたがヘビィマシンガンは許してくれずハチの巣にされることになった。

 

コンセプト……というか決まり事は一つ、『レッカー腕を有効に使うアセン』である。

元ジャンク拾い出身という設定のため『作業用で使い慣れたレッカー腕を使っている』としたかったのだが、レッカー腕は射撃・格闘ともに貧弱で普通には使い物にならず、有効活用となると作者ではミサイラーしか思いつかなかった。

さらに資金難な状態という設定もあり、フレーム周りは脚部を除き安価である。

しかし戦法自体は悪くなく、常に距離を取りミサイルで攻撃。近距離に寄られたら拡散バズーカで迎撃と割と真面目な戦法で戦う。

相手が最悪のイレギュラーであるヒナタでなければ、それなりに善戦できただろう。

 

名前の元ネタは当然『機関車トーマス』。事故は起こるさ。

 

 

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