各勢力が中央氷原に拠点を構築し、お互いの足を引っ張りあいながらコーラルの調査をすることしばし……ついに原作AC6で惑星封鎖機構の介入の始まりとなるミッションがベイラムから届いた。
アーキバスの中央氷原における大型調査拠点……『ヒアルマー採掘場』からのデータ奪取の依頼である。
ただし、そのミッションに指定されたのはベイラムから覚えのいい、コールナンバーをもらった面々だ。その中から2名ほどということなので『
事前に惑星封鎖機構の介入がある可能性が高いと言い聞かせていたし、ウォルターもオペレートしてくれているので大丈夫だろう。
カーラも残ったハウンズやアマゾネス隊と一緒に『ロアード』の町でもしもの事態……惑星封鎖機構の無差別攻撃に備えている。まさか連中も民間人が大量にいる町を無差別攻撃などするとは思いたくないが、やつらの裏には『レイヴンズネスト』がいるのだ。何が起こるか予測がつかない。
そんな中俺は何をしているのかというと、ベイラムから別のミッションを受けることになった。
内容としては、ヒアルマー採掘場への強襲の支援として別のアーキバスの拠点を襲撃しヒアルマー採掘場の防衛戦力をつり上げるという、囮のミッションである。
ヒアルマー採掘場はあれだけの大型調査拠点にしては防衛戦力が少ないように思っていたが、どうやら陽動で戦力が減っていたところを強襲していたというのが真相だったようだ。
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『やっとベイラムの依頼を受けたな、独立傭兵ヒナタ! 待ちわびたぞ!!
では作戦内容を説明する。一字一句聞き漏らすな』
『今回ベイラムは、アーキバスの中央氷原での大型拠点『ヒアルマー採掘場』へ強襲し、連中の収集したデータを奪取することを決定した。
だが『ヒアルマー採掘場』はアーキバスの中央氷原での大型拠点、その防衛戦力も多い。そこで貴様の出番だ。
『ヒアルマー採掘場』近くのアーキバスの補給拠点、『ベルクト物資集積所』を攻撃する。
アーキバスはルビコン解放戦線の連中にゲリラ戦で輸送部隊を襲撃され続け、補給不足で痛い目を見たばかりだ。特に補給の手段の限られるこの中央氷原で物資集積所の重要性は身に染みている。
それを守るためにアーキバスは『ヒアルマー採掘場』から確実に増援部隊を出す。そして防衛戦力が減ったその隙に『ヒアルマー採掘場』を強襲するという寸法だ。貴様の役割は、敵戦力をつり上げる陽動というわけだ。
これは『ヒアルマー採掘場』の強襲の成否にも関わる重要な作戦だ。アーキバスの連中も本気だろう。厳しいミッションになるだろうが、戦場で見た貴様の腕ならやり遂げられると俺もナイルも貴様に指名依頼をすることにした。
そんな貴様には今まで秘蔵にしていたラッキーナンバー、コールサイン『
『
『……復唱したか! では準備に取りかかれ!
愉快な遠足の始まりだ!』
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というわけで
『ベルクト物資集積所』はその集積した物資を灰燼に変えながら燃え盛っていた。破壊した大型燃料タンクが大爆発を起こし、周囲一帯を炎が燃やし尽していく。
おそらく日用品や食料を保管していただろう倉庫も、すぐ近くの輸送ヘリの爆発に巻き込まれて吹き飛んだ。
補給用と思われる真新しい戦闘用MTと作業用MTは起動する前に破壊され、その役割を果たすことなく鋼鉄の骸を大地に晒していた。
「そういうつもりでやったが、こうも上手くハマると味気ないな……」
≪敵防衛部隊が動き出す前にほぼ一掃しましたから、ほとんど戦闘になりませんでした。
相変わらずの手際の良さですね、ヒナタ≫
『けッ……敵が全部動き出す前にぶっ潰して、何が『味気ねぇ』だよ』
ACシリーズにおいて『敵は動き出す前に潰せ』は基本中の基本だ。エアは素直に賞賛してくれるが、今回の同行者が突っかかってくる。
そう、今回の
「今回のミッションの本命は『ヒアルマー採掘場』からやってくるだろう増援部隊だ。
恐らく敵の主力級の戦力がやってくる。その前段階で消耗するのは愚の骨頂だぞ。
動けないうちに素早く、一方的に潰すのが一番だ。
まぁ、味気ないのは本当だが……」
『『
ACの戦闘力はまぁまぁになったようだが、まだまだ考えが浅いぞ!』
『チィ……大きな顔しやがって、このクサレシスコンアンティーク』
「喧嘩なら買うぞ、クサレ狂犬野郎。
後ろ弾ならぬ後ろパイルバンカーが欲しいのか? んん?」
≪落ち着いてください、ヒナタ≫
エアに落ち着けと言われるが、俺はプロの傭兵。ミッション中はこれ以上ないほど落ち着いていて冷静だという自負がある。
……何かことあるごとにレイが「イグアスが安心するっていうから……」と言って、膝枕のち頭を抱きしめながらよしよししているらしいが……うちの妹にバブってオギャらされているこのクソ狂犬はいつか『ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ』だ。
ただし『いつか』だ。今即座にこのクサレ狂犬野郎を殺処分にしないあたり、俺がいかに冷静かを物語っている。
≪それを冷静というのは明らかに違うと思いますが……。
あとレイの自発的な行動を邪魔しようとすると、レイに嫌われると思いますよ≫
「俺はお兄ちゃんだぞ。 お兄ちゃんがお兄ちゃんを遂行することの何が悪い?」
≪……私は今、『お兄ちゃん』という存在の厄介さに戦慄しています≫
そんな平和(?)な会話を楽しんでいる時だった。
≪……レーダーに反応! 高速接近してくる反応があります!≫
『どうやら来たようだぞ、『ヒアルマー採掘場』からのアーキバスの増援部隊だ!
しかしこれは……『
アサルトブーストで飛んできたのは2機のAC。1機は軽量二脚、もう1機は中量二脚ACだ。
「おいおいおい……いくらなんでも当たりすぎだろ、これは!」
それが誰なのか知って、俺は頭を抱えた。
『救援要請から数分程度でこの状況とは……聞きしに勝る腕だな、独立傭兵ヒナタ』
『ああ、やっと会えたな。
噂に聞いて、ずっとお前に会いたかったぞ!』
超かっこいいクールボイスと心底楽しそうな声。
ACには『口枷をはめられた狼』と『天に向けた左腕』のエンブレム。そのACの名は『スティールヘイズ』と『ロックスミス』という。
……ヴェスパー部隊長クラスが来ることは最初から覚悟の上だった。しかし俺は最悪のくじ運で『ヴェスパー
ラスティはみんなご存じ原作AC6で主人公を『戦友』と呼び、時に立ち塞がり、時には最後まで心強い味方として戦ってくれる男だ。その正体はルビコン解放戦線からアーキバスへ潜り込んだスパイであり、そのACの腕は短期間で『ヴェスパー
一方のフロイトは原作AC6での登場こそ少ないものの、強化人間で構成された『ヴェスパー部隊』の最強でありながら実は強化人間でもなんでもなく、ACで戦い続けているのが楽しく、AC戦に明け暮れた結果強化人間を超えてしまったという、『闘争の喜びで強化人間より強くなる、人の可能性を見せつけた』という、AC6における主人公とならぶイレギュラー候補である。正直、こいつが主人公の前日譚となるDLCが出ても全く驚かないくらいだ。
「……
『……これだけの戦力を釣り出したんだ、十分ミッションは成功だ。
撤退戦に切り替えるなら、その判断は貴様に任せる
「了解だ」
撤退戦に切り替えるにしても、そう簡単には逃がしてくれるような相手ではない。それどころか少しでも集中を切らせば、俺も簡単にやられるだろう強力コンビだ。
「……おい、クサレ狂犬野郎」
『……なんだよ、クサレシスコンアンティーク』
「共闘だ、助け合いの精神でいこう」
『何が助け合いだ……って言いてぇところだが、お前を利用しないと勝てそうにねぇな。
せいぜい俺の邪魔はするなよ、クサレシスコンアンティーク』
「このクサレ狂犬野郎……まぁ、状況が見えてるならいい。
それじゃ……アーキバスのトップどもと楽しくダンスとしゃれ込むか!」
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戦端が開き、双方から火線が飛び交う。
『ロックスミス』の主兵装であるアサルトライフルはそれほど火力は高くない。俺は得意のクロスレンジに持ち込むべくショットガンとプラズマミサイルを撃ちながらアサルトブーストで急接近する。
すると『ロックスミス』はプラズマミサイルを避け、ショットガンの散弾を最小限の被弾だけでやり過ごすと、肩の拡散バズーカを放ってきた。クイックブーストでそれを避けた瞬間、今度はレーザードローンを放ってくる。『日向葵』を取り囲むように動きながらレーザーを発射しようとしたドローンに、俺は再びアサルトブーストを起動した。タフなジェネレータによるアサルトブーストの連続使用でドローンを振り切り、『ロックスミス』に肉薄する。
しかし向こうもそれは分かっていたようで、手にしたレーザーブレードを一閃した。レーザー刃が『日向葵』の装甲を傷つけるが、構わず俺も左手に換装したパイルバンカーで『ロックスミス』のコアを殴りつける。
『いいな、その動き!
鴉? いや山猫? 俺の知らない動きだ!』
「おいおい、どういう感性してんだよコイツ!!」
フロイトはコーラルとは全くの無関係、強化人間ですらない。にも関わらず、物事の本質を見抜く目を持っている。
『いいな、楽しいな! 独立傭兵ヒナタ!!』
『ヴェスパー
空中でお互いのダメージに硬直しているところに、今度はラスティの『スティールヘイズ』がレーザースライサーを構えながら突撃してきた。
『噂は聞いている。 どれほどのものか……試させてもらう!』
「今度はこっちかよ!」
ギリギリで硬直の解けたところを、クイックブーストを使った全力の後退で何とかレーザースライサーを回避すると、反撃のショットガンを叩き込む。全弾命中とはいかないが、軽量級にはなかなか手痛いダメージになったはずだ。
だがここで酷使を続けたジェネレータが
そのまま地上に着地、通常ブーストの機動に入った『日向葵』を狙って再びフロイトの『ロックスミス』が襲いかかる。
『まだまだ楽しませてくれよ、独立傭兵ヒナタ!!』
『俺を忘れるんじゃねぇ!!』
『日向葵』にレーザードローンが再び迫ろうとするが、そこに割り込んだイグアスの『ヘッドブリンガー改』がアサルトライフルとガトリングキャノンを乱射しながら『ロックスミス』に接近、パルスブレードを抜き放った。
『この動きは……犬か。 闘争本能むき出しの狂犬の動きだ。
これはこれで面白い』
だがフロイトはクイックブーストで回り込むようにして『ヘッドブリンガー改』のパルスブレードを回避、側面に回り込むと『ロックスミス』がレーザーブレードを抜き放つ。同時にラスティの『スティールヘイズ』もレーザースライサーを抜き放ち、『ヘッドブリンガー改』に接近していた。
「イグアス、クイックブースト!!」
『ッ!?』
俺の言葉に弾かれたように『ヘッドブリンガー改』がクイックブーストを起動。しかしタイミングが遅い。このままでは『ヘッドブリンガー改』は2機のレーザー刃でズタズタにされる……その時。
「上出来だ!」
ジェネレータを回復させた俺が再びアサルトブーストを起動、『ヘッドブリンガー改』へレーザー刃を振り抜こうとしていた『ロックスミス』に急接近すると、そのままキックを叩き込む。
キックの衝撃で吹き飛ぶ『ロックスミス』。その先にいるのは『スティールヘイズ』だ。『ヘッドブリンガー改』のクイックブーストは完全に回避までには至らなかったが、『ロックスミス』と『スティールヘイズ』との間に空白を作り出していたのだ。
『何っ!?』
『こんな動きもあるのか』
「おまけだ、とっとけ!!」
『ロックスミス』と『スティールヘイズ』が空中で激突、そこにプラズマミサイルを発射する。しかし相手はアーキバスの誇る『ヴェスパー部隊長』、その中でも最大級の腕利きだ。すぐに空中で機体を立て直し、クイックブーストで左右に回避すると地上に着地する。
静寂……『日向葵』と『ヘッドブリンガー改』、『ロックスミス』と『スティールヘイズ』が互いに距離をとった状態でにらみ合った。
『いいな、楽しいな独立傭兵ヒナタ!
そっちのレッドガンもなかなか面白い!』
『噂に違わぬ……いや、それ以上の力強い戦いだ、独立傭兵ヒナタ。
そちらのレッドガンも評価を改める必要がありそうだ』
「そりゃどうも。
そっちも歯ごたえがありすぎてその喉笛、なかなか噛み砕けそうにないな」
『ちっ、俺はアンティーク野郎のおまけか何かかよ……。
でもこいつらの強さ、普通じゃねぇ……!』
俺としてはミッションも無事完了したことだしさっさと撤退したいところだが、とてもじゃないがこいつらを相手に背中を見せるなんて自殺行為は絶対に出来ない。
何にせよ何とか隙を作らなければ退くに退けない……そんな時、全くもって嬉しくもない『天の助け』が入った。
「この反応は!?」
『これは……!?』
『艦砲射撃だと!?』
『なんだこれ! やべぇぞ!!』
天から叩きつけるように高出力レーザーが、大地を削りながら俺たち4機に迫ってくる。慌てて全機クイックブーストで高出力レーザーの射線から離脱、機体のカメラアイを上空に向けた。
そこには真っ白な宇宙巡洋艦が浮いている。その側面に刻まれたマークは惑星封鎖機構のものだ。
(ついに来やがったか、惑星封鎖機構!!)
おれが心の中で舌打ちする中、惑星封鎖機構の巡洋艦は俺たちの頭上を通り過ぎていく。そして置き土産のように巡洋艦から発艦していく惑星封鎖機構の機体、
『惑星封鎖機構か……面白い!』
『ここに来て惑星封鎖機構が本格介入を始めたというのか……』
『チッ、やるってんなら誰だろうがやってやるよ!!』
もう敵も味方もなく、俺たち4機は襲い掛かってくる
ACのようなパーツ換装機構を無くした代わりに、ACとは段違いの基本性能を誇る
『バカな! LCが寄せ集めのACごときに!?』
『なんだこれは! こんなのはデータにないぞ!?』
断末魔を響かせながら数を減らしていく
≪敵巡洋艦、反転して戻って来ます!!≫
その瞬間、再び巡洋艦からの強力な艦砲射撃が開始され、再び回避に専念する俺たち。
あの巡洋艦の弱点は艦橋部分だが……敵の高度が高い。近くに垂直リニアカタパルトはないし、これではあの高度に到達する前にジェネレータのエネルギーが空になる。
そしてそのことに気付き、最適解を出したのは俺よりフロイトのほうが早かった。
『ヴェスパー
独立傭兵ヒナタ、俺を踏み台にしろ!!』
「ッ! 了解だ!!」
すぐに意図を理解した俺は『日向葵』をジャンプさせる。するとその下から『日向葵』を押し上げるように『ロックスミス』がアサルトブーストを全開にした。『ロックスミス』に押し上げられ急上昇していく『日向葵』。やがて『ロックスミス』のジェネレータのエネルギーが空になり、落下を開始する。
その瞬間、『ロックスミス』を踏み台にジャンプした『日向葵』はアサルトブーストを起動、上昇を開始した。
ジェネレータのエネルギーが空になりほとんど空中機動出来なくなった『ロックスミス』に、これ幸いと
『やらせはしない!』
『いい度胸だな、俺たちを無視するなんてよ!!』
ラスティの『スティールヘイズ』とイグアスの『ヘッドブリンガー改』が援護に入り、その間にジェネレータのエネルギーを回復させた『ロックスミス』も迎撃に加わる。
その間に『ロックスミス』を切り離し式のロケットのようにして上昇を続けた『日向葵』はついに、敵巡洋艦の高度へとたどり着いた。こちらに気付いた巡洋艦の上部甲板に装備された対空砲が射撃を開始、まるでハリネズミのように『日向葵』を狙うが、それを回避しながら巡洋艦の艦橋へと肉薄する。
「ルビコン3へようこそ!
こいつはウェルカムドリンクの代わりだ、たっぷり受け取ってくれ!!」
そしてフルチャージしたパイルバンカーを叩き込んだ。その一撃は艦橋部に大穴を開ける。そしてその穴めがけて両手のショットガンとプラズマミサイルを叩き込んだ。
内部で起きる爆発はすぐに巡洋艦全体へと伝播していき、巡洋艦の艦首が大地に向けて大きく傾く。
「墜ちるぞ! 全員離脱しろ!!」
それだけ言って『日向葵』のアサルトブーストを起動。巡洋艦の爆発に巻き込まれないように離脱を図る。
途中で同じようにアサルトブーストで離脱する3機と合流、そのまま離脱を図る中、背後で『ベルクト物資集積所』へと墜落した巡洋艦が大爆発を起こしたのだった……。
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爆発した巡洋艦を眺める4機。さすがにこんな状態で戦闘再開、という気は俺たちにはなかった。
その時。
≪上空に新たな反応! この数は!?≫
エアの声が聞こえたわけではないだろうが4機とも空にカメラアイを向けると、空には今しがた撃墜したのと同型の宇宙巡洋艦が大量に浮かんでいた。
『我々は惑星封鎖機構。 この惑星のすべての武装勢力に告げる。
即時武装を解除して投降せよ。 投降の意思なき場合、強制排除を執行する。
例外はない。
すべての武装勢力は即時、武装を解除して投降せよ』
オープンチャンネルで『惑星封鎖機構』の、事実上の宣戦布告が宣言される。
『『
厄介な連中がその重い腰を上げたようだ』
「らしいな……こりゃ、忙しくなるぞ」
そうミシガンに答えて、俺はフロイトとラスティへと通信を繋ぐ。
「なぁ、今日はここまでにしないか?
連中への対応で
『……そうだな。
お前とは変な横やりなしでまた殺り合いたい』
「俺は出来ればもう会いたくないな……」
『そう言うな。 久しぶりに楽しい時間だった。
そっちもレッドガンも、なかなか面白かったぞ。
じゃあ、また会おう』
そう言って『ロックスミス』はアサルトブーストを起動させ、戦域を離脱していく。
『では私も行こう。
独立傭兵ヒナタ……そしてレッドガンのG5、どちらも力強い羽ばたきだった。
また会おう。 その時は独立傭兵ヒナタ……君の戦う理由を聞いてみたい』
ラスティの『スティールヘイズ』もそう言ってアサルトブーストを起動させ、離脱していった。
「……こっちも離脱するぞ。 ここにいてまた連中に絡まれるのはごめんだ」
『それには俺も同感だ……』
心底疲れ切った感じでイグアスが答える。
「まぁ、ありじゃないか。貴様」
『……そっちこそやるじゃねぇか。 そこは認めてやるぜ、アンティーク』
≪死線を一緒に越えたせいでしょうか、2人の仲が良くなっているような……。
やはり闘争! 闘争は人の可能性ですべてを解決してくれるのではないでしょうか!?≫
またまた未知の交信を受信しているエアに反応する気力もなく、俺とイグアスもアサルトブーストを起動させ作戦領域を離脱していく。
ルビコン3に『惑星封鎖機構』という嵐が到来した。それがどんな状況を生むのか……さんざん本来の流れを引っかき回した今ではもう分からない。
しかし、この戦いに特大の燃料が投下されたことだけは確かだ。燃え上がる戦いの大火は、まるで鎮火する様子を見せてはいなかった……。
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今日のアセン
AC名:『ハーミット改』
パイロット名:『
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
HEAD:HD-011 MELANDER
CORE:BD-012 MELANDER C3
ARMS:DF-AR-08 TIAN-QIANG
LEGS:LG-011 MELANDER
BOOSTER:BST-G2/P06SPD
FCS:FCS-G2/P12SML
GENERATOR:AG-E-013 YABA
EXPANSION:TERMINAL ARMOR
解説
レッドガンでは『G4 ヴォルタ』と『G5 イグアス』が無期限の『RaD』への出向となってしまい、実働戦力がダウンしてしまった。そんなレッドガンにおいて、生真面目なレッドが抜けた先輩たちの穴を埋め、後輩である『G8 テンリュー』を導いていくにあたり愛機『ハーミット』の構成を大きく変化させたのが本機『ハーミット改』である。
両肩はどちらも発射数の多いミサイルにし、FCSはマルチロック機能に特化したものに変更した。
腕部は反動制御と装甲を高めながらもそれほど射撃・格闘能力の低下の少ない大豊の重装型に変更。メインウェポンはマガジン弾数と総弾数に優れた大豊マシンガン。左手は周囲をまとめて薙ぎ払えるレーザーブレードへと変更している。
ブースターも強化しスピードもアップしたが、唯一ジェネレータのみ重量の関係で今までの大豊ジェネレータを使用できず、BAWS製ジェネレータへと若干のランクダウンで妥協している。
総じて『多数の敵を同時に攻撃できる対多数戦』と『継戦能力の向上』をコンセプトとし、スピード・装甲・武装を総合的に見直した構成になっている。
あくまで中量二脚のカテゴリー内での強化であり特化させたタイプには敵わないものの、中量二脚ACの特徴である扱いやすさと汎用性を向上させたことで、今まで以上にどんな場面にも対応できるようになった。
戦法としては中・遠距離から両肩のミサイルをマルチロックで斉射、敵集団が混乱した隙に素早く近距離に接近、マシンガンとレーザーブレードによるインファイトで殲滅するというスタイル。
コア機構にターミナルアーマーを装備したのは、「お前のようなのろまでも、こいつがあれば脱出レバーを引くくらいはできるだろう」というミシガン総長からの指示であり、同じ指示を『G8 テンリュー』にもしている。ミシガンらしいエピソードである。
コンセプトは前述のとおり『対多数戦』『継戦能力の向上』。
レッドの『ハーミット』はミサイル2種に、フレームは優秀なバランスのメランダー一式と悪くはないのだが……ハンドガンとバズーカという腕武器のチョイスがくせ者。
よほど上手くしないとハンドガン1丁ではスタッガー状態にはいかないし、動きが完全に止まるバズーカは中量二脚ACには厳しい。
その辺りを『継戦能力の向上』ということでマシンガンとブレードに変更し、腕とコアを見直してできうる限り防御力も上昇させた。
そして計22発のミサイルは十分な火力であり、対AC戦でも問題なく戦える。
とりあえずテストで『レッドガン迎撃』はクリアできたのでコンセプト通りのものはできたという印象。
唯一思うところは、物語の制約上アーキバス系ジェネレータが使えないこと。もしもこの機体を使うなら、アーキバス系ジェネレータへの換装を考えてもいいと思う。