『覚悟、ケイト=マークソン!!』
プラズマライフルとプラズマミサイルを発射しながら跳躍、ケイトの『アルストロメリア』に距離を詰めようとするキャロルの『スプリガン』。
「そう簡単にはいきませんよ!」
ケイトの『アルストロメリア』は右手のカラサヴァを持ち替え、包囲型ハンドミサイルを発射、大量のハンドミサイルが時間差を置きながらキャロルの『スプリガン』に襲い掛かった。
たまらず回避に入る『スプリガン』に、『アルストロメリア』の両手のカラサヴァの連射が火を吹く。その攻撃でプラズマ爆発を巻き起こしながらも、懐に入り込もうとする『スプリガン』。
「戦いの鉄則その1! 『相手のやりたいことをさせるな!』、ですよ!」
しかし『アルストロメリア』はそのまま巧みに後退しながら物陰に隠れ、『スプリガン』の必殺のムーンライトの間合いに入らないように中距離での撃ち合いに終始させる。
『まるであのイレギュラーのような戦い方を……毒され過ぎではないですか、ケイト=マークソン!』
「勝てば良かろうの精神ですよ、キャロル!」
業を煮やしたキャロルが得意の空中から間合いを詰め、ムーンライト=レッドシフトの赤い刃を振るった。しかしそれを狙っていたケイトは、クイックブーストでその光波をよけるのと同時に、空中でムーンライト=レッドシフトを振り抜き硬直した『スプリガン』に、カラサヴァのチャージショットを放つ。弾速の速いチャージレーザーの一撃は、硬直が解けるよりも早く『スプリガン』の装甲を灼いた。
『ぐぅ……!?』
「どうですか、これぞ愛の
『愛やらなんやら……とてもコーラルリリースの達成のために生み出された強化人種の言葉とは思えませんね。
あなたに新たな存在である強化人種の矜持はないのですか?』
「矜持はルビコンで死にました。
それに知らないんですか? どうやら人間は、他者を愛するためにこの形をしているそうですよ。
そして人を愛するというのは……不思議と暖かく、心安らぐことなのだと知りました。
だから……それを無くそうとするコーラルリリースは、間違っているのですよ」
『……黙れ。 あんな旧世代の
「……すべての命は、その命の存続のために最大限の努力をするものです。コーラルリリースだって究極的な人類の命の存続ためのものでしょうに。
あと私が失敗作なのはこの際どうでもいいですが……あの人を旧世代の
『そういう、あの男第一の思考になっているところが虫唾が走るんですよ、ケイト=マークソン!』
「年がら年中コーラルのことを考えるより健全ですよ!」
カラサヴァのフルチャージショットとムーンライトのフルチャージスラッシュが空中でぶつかり合う。
互いの信念を乗せた姉妹の戦いはまだまだ続きそうだった……。
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アオイの『曼珠沙華』とジェニファー=マークソンの操る『ファイヤーフライ』の戦いは、『ファイアーフライ』が逆関節型AC特有の跳躍力で空中に飛び上がると、一気に間合いを詰めにかかる。
『うふふふっ……燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やすぅぅぅぅ!!』
距離を詰めながら両手の火炎放射器から激しい炎を放つ『ファイヤーフライ』。
火炎放射器は攻撃力だけ見るならたいしたことはない武装だ。しかしその高温の炎はACSシステムに障害を発生させ、僅かな衝撃だけでシステムダウン……スタッガー状態にしやすくするという効果を持っている。さらに吐き出される激しい炎は視認性を著しく低下させるという副次的な効果も持っていた。
数値だけでは測ることの出来ない武装……それが火炎放射器というものなのである。
「くっ!?」
アオイの『曼珠沙華』は重装型四脚AC、その図体はかなり大きめだ。アオイはその卓越した操縦技術で『曼珠沙華』を動き回らせるが火炎放射器の炎を完全には回避しきれず、炎にあぶられたことで急上昇する機体温度はACSの障害を発生させる。
センサーを頼りにバズーカを放つが、素早い動きでかわす『ファイヤーフライ』。そしてその瞬間、アオイの背中を悪寒が走った。その感覚に突き動かされ、クイックブーストを起動させる『曼珠沙華』。そしてその判断は正しかった。
空中から放たれた拡散バズーカが『曼珠沙華』を外れ、地面に命中し爆発する。その衝撃で『曼珠沙華』が揺らぐものの、高い安定性を持つ『曼珠沙華』のACSシステムはそれに耐えきっていた。もしも直撃を受けていればACSの障害と合わせてスタッガー状態に陥ってしまうところだ。
しかしジェニファーも最新、新世代型の強化人種である。即座に二の矢を放つ。
『ファイヤーフライ』のアサルトブーストが起動、一気に距離を詰めるとそのままドロップキックを繰り出してきた。逆関節AC特有の跳躍力を生み出す強力なスプリングによって繰り出されたそれは、重量級であるはずの『曼珠沙華』を大きく吹き飛ばす。
そこに火炎放射器と素早く持ち替えたパルスブレードを抜き放ち、『ファイヤーフライ』が格闘戦を挑む。普通ならここでパルスブレードを叩き込まれスタッガー状態に陥り、さらなる追撃を許してしまうところだ。しかしアオイもウォルターが見いだし、ヒナタが鍛え上げた逸材である。そう簡単にはやられはしない。
『ッ!?』
『曼珠沙華』のコアの機構が起動、周囲にパルス爆発が巻き起こる。『曼珠沙華』のアサルトアーマーだ。パルスブレードでの格闘戦を挑もうとしていたところをカウンターされ、『ファイヤーフライ』が揺らぐ。そこに『曼珠沙華』のガトリングガンと連装グレネードキャノンが放たれた。
逆関節ACは総じて安定性に劣る部分がある。アサルトアーマーでACSに大きなダメージを負った『ファイヤーフライ』はたまらず回避に専念、大ぶりな連装グレネードキャノンは避けきるものの高速連射されるガトリングガンを完全には避けきることはできず、大きく距離をとることでそれを凌いだ。
『うふふっ……旧式のくせにやるじゃない。 認識を改める必要があるわね、子犬ちゃん』
「……五月蠅い、コバエ」
『うふふっ……あははははっ!
いいわぁ、あなた! 気に入ったわ!
真っ黒で綺麗な燃えカスになる権利をあげる!!』
「……これが殺虫剤の代わり……駆除してやる、コバエ」
『ファイヤーフライ』の火炎放射器が再び炎を吐き出し、『曼珠沙華』のガトリングガンが咆哮する。
こちらの戦いもいまだ終わりは見えない……。
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コーラルライフルから放たれた光線で退路を塞ぐようにしながら、コーラルミサイルが『日向葵』に迫る。
「悪いがバレバレだ!」
しかしそれに臆することなくアサルトブーストを起動、自らコーラルミサイルに接近しそれをかわしながら、両手のショットガンをラナの『ブレイクショット』に叩き込む。
『ぐっ、イレギュラーめ!』
「っ!?」
しかしその攻撃をものともせず、『ブレイクショット』は大型グレネードキャノンを放ってきた。直撃は避けるものの、直近の地面に突き刺さったそれは大爆発を起こし、その衝撃に『日向葵』が揺らぎ、たたらを踏んだ。
そこに好機と、今度はムーンライト=レッドシフトの赤い光波が迫る。だが俺はクイックブーストを起動、それをかわしながらパイルバンカーで殴りにかかる。
『遅い!』
しかしそれを読んでいたラナはチャージしていたコーラルライフルを放ってきた。連鎖するコーラル爆発が『日向葵』を包む。
「舐めんなよ!!」
『ちぃっ!?』
だが俺もやられっぱなしでいるはずもない。両手のショットガンをお返しに叩き込み、追撃でプラズマミサイルを発射する。連続クイックブーストで高速後退した『ブレイクショット』がコーラルライフルを構え、俺も次弾装填したショットガンを構える。
『……凄まじいな。
こんな時に、コーラルリリースの成就も迫ったこんな時に……何故お前は現れた、イレギュラー?』
「こんな時だからこそ俺みたいなヤツが現れたんだよ。 きっとな」
『そうか……。
しかし、それでも
「なら俺は、俺の望む『眠たくなるようなハッピーエンド』のために『コーラルリリース』を潰す!」
『言葉は不要か……』
「ああ、今は力こそがすべてだ。 力がある者が何かを成し遂げる権利を得る。
単純な話だろう?」
『旧式の強化人間らしい野蛮な言葉だが……同感だ!』
そして再びのぶつかり合いが起ころうかという、そのときだった。
『お姉ちゃ~~~ん!!』
この戦場に不釣り合いなほど可愛い声が響く。だがその声に、俺の勘が最大級の警鐘を大音響で鳴らした。それに従い、なりふり構わずクイックブーストで全力後退する。
今まで『日向葵』のいた地面が大きくえぐり取られ、クレーターと化していた。
そしてその攻撃の来た方にカメラアイを向けると、大型の装甲輸送ヘリと、その開け放たれたハッチの向こうから赤熱し強制冷却状態に入った凶悪な6門の砲を背負うACの姿があった。
(今のはあのACからか!)
そしてこいつも絶対にケイトの姉妹だろう。なんと言っても今の一撃は三連装レーザーキャノン、通称『破壊天使砲』、しかも両肩に装備した『W破壊天使砲』でのフルチャージショットだ。
『W火炎放射器』に『Wカラサヴァ』に『Wムーンライト』に『W破壊天使砲』……こいつら姉妹、長女以外全員がロマンに溢れすぎだろ、おい!?
まぁ、それでもそのロマンを実戦レベルで使いこなしているのだから侮れない。さすがは最新型の強化人間だ。
『……今はコーラルを少しでも持ち帰ることの方が重要か。
ジェニファー! キャロル! ここは撤退する!!』
ラナの『ブレイクショット』から信号弾が打ち上げられ、空中で派手な色の光が弾けた。
『あらあら~、まだ駄犬の丸焼きは出来てないんだけど~?』
『ラナ姉様、こちらも裏切り者の始末がまだです』
『優先順位を見誤るな。 悔しいがイレギュラーどもの奇襲は見事で、コーラル貯蔵タンクは的確に全損されている。
イレギュラーどもの排除よりも、わずかでも残ったコーラルを輸送することの方が優先度は上だ』
「なるほど、その判断誉れ高い。
だが……俺たちが逃がすとでも?」
『逆に聞くが……逃げ切れないとでも?』
その瞬間、地面が吹き飛び何かが地下から飛び出してくる。
これは……。
「シースパイダーッ!?」
地面から飛び出してきたのはシースパイダーだ。その多脚を使って着地すると同時にコーラルレーザーキャノンで攻撃を仕掛けてくる。しかもシースパイダーは1機じゃない。
2機目のシースパイダーも同じように地上に現れると、コーラルレーザーキャノンの射撃を開始した。その激しい攻撃を前にさすがに回避に集中するしかなく、『日向葵』を物陰に隠れさせる。
その間に敵の3機のACは全機アサルトブーストを起動、そのままもう1機のACの待つ大型装甲輸送ヘリへと滑り込んだ。
『独立傭兵ヒナタ……ここは任務を優先し、退こう。
しかし……イレギュラー、お前は必ず排除する!』
『じゃぁね~、駄犬の丸焼きは次回のメインディッシュにしてあげるわ』
『ケイト、口惜しいですが決着はお預けです』
『じゃあねぇ~、旧式虫けらお兄ちゃんたち』
「ちぃっ、待ちやがれ!!」
好き勝手言って離脱していく大型装甲輸送ヘリと『レイヴンズネスト』製のケイトの姉妹たち。俺は『日向葵』のプラズマミサイルの照準を合わせるが、横合いから2機のシースパイダーの猛攻を受け、追撃は断念せざるを得ない状況になっていた。
『ヒナタ、無事……?』
『大丈夫ですか、ヒナタ?』
バズーカとカラサヴァをシースパイダーに撃ちながら、アオイの『曼珠沙華』とケイトの『アルストロメリア』がやってくる。2機とも損傷が目立ち、敵の確かな実力が見て取れた。
「こっちは無事だ。 だが連中の置き土産……はっきり言ってウザいな」
残弾や損傷をチェックし、連中の厄介な置き土産であるシースパイダーを睨む。
その時。
『兄様、お待たせしました』
途中で現れた4機のACと戦っていたセンカたちの操る4機がこちらにやってくる。
「センカ、そっちは無事か!?」
『はい、少し時間をかけましたがAI制御ACもあの新しい『ブランチ』メンバーと思われる四脚ACもホバータンクACも撃破しました。
あとは……その2匹の虫だけです』
一瞬にして3対2の状況から7対2というひどい戦力差へと状況が変わる。しかし恐れを知らぬAI制御、しかもこういった敵集団をまとめて叩くことを考えて設計されているシースパイダーは、俺たち7機にコーラルレーザーキャノンを連射しながら仕掛けてくる。
「コンビネーションで一気に決めるぞ! ランとレイは俺と一緒に1機を叩く!
残りのみんなでもう1機を一気に叩け!!」
『『『『『『了解!!』』』』』』
俺の号令で一気に全員が動き出す。
ランの『鈴蘭』からミサイルとバズーカが全弾発射。シースパイダーは図体はデカく、分厚い装甲からくる防御力と耐久力が自慢のマシーンだ。回避能力に関してはそれほど考慮されてはおらず、そのまま全弾が命中する。分厚い装甲はそれだけの攻撃を受けても健在だが、ACSはそういうわけにもいかない。衝撃によって負荷は溜まっていく。
そしてそこに俺の『日向葵』とレイの『桜花』がアサルトブーストを起動させ飛び込んだ。『日向葵』の重ショットガンとプラズマミサイル、そして『桜花』の両肩の実弾オービットと軽ショットガンが命中する。ACS負荷限界に達し、シースパイダーの動きが止まった。
そして、そのまま接近した『日向葵』と『桜花』の必殺兵装が火を吹く。『日向葵』のフルチャージパイルバンカー、特殊合金製の杭が頭から振り下ろすように叩き込まれ、上部のコーラルレーザーキャノンユニットごと制御部や動力部を貫き致命傷を与え、『桜花』のフルチャージチェーンソーの回転刃がシースパイダーを解体する。
すぐにクイックブーストで後退し距離をとる『日向葵』と『桜花』。胴体と足に解体され、動力部に致命傷を負ったシースパイダーは、動力のコーラルジェネレータ特有の赤い爆発を繰り返して沈黙した。
一方、もう1機のシースパイダーにも4機が同時に襲い掛かる。
ホバー形態に変形し、空中から連装グレネードキャノンとバズーカを叩き込むアオイの『曼珠沙華』。同時に地上からはセンカの『鳳仙花』が両肩のプラズマキャノンを叩き込む。
即座にスタッガー状態に陥ったシースパイダーに、ナコの『撫子』が両手のレーザーハンドガンと右肩のパルスキャノンを連射しながら接近、パルスブレードを叩き込むと間髪入れずにクイックブーストでその場を離脱。
そこにフルチャージを終えていたケイトの『アルストロメリア』の両手のカラサヴァと、同じくチャージを終えていたセンカの『鳳仙花』からのフルチャージプラズマキャノンが叩き込まれた。
これだけの破壊力を叩き込まれてはいかに防御力と耐久力が自慢のタフなマシーンだろうと、スクラップ以外の道はない。
こちらもコーラルジェネレータ特有の赤い爆発を繰り返して沈黙した。
ルビコン技研で造られ、惑星封鎖機構の特務機体級の戦力であるシースパイダー2機が沈黙するまでの間は僅かに数十秒。これが俺たちハウンズの本気だ。
「こっちは片付いたが……」
『先ほどの大型装甲輸送ヘリは周辺領域を離脱。 レーダーからも反応は消えた』
≪恐らくゴーストたちと同系統のステルス技術が使われていると思われます。 追跡は不可能でした……≫
「仕方ないさ。
それに、仕留めきれなかった俺たちが悪い」
ウォルターとエアの報告にそう返して、俺たちハウンズは周囲の警戒と簡単な調査を行いながら帰還の準備を始める。
大量のコーラルが『レイヴンズネスト』に渡ることを阻止できたのはいいことだが、少量でもやつらにコーラルが渡ったというのは何があるのか分かったもんじゃなくて怖い。そしてあのケイトの姉妹たち……最新型の強化人種は間違いなく強敵だった。
新たな脅威に考えを巡らせていると、ふと気になって俺はケイトに問う。
「なぁ、ケイト……。
今さらなんだが、これからお前の姉妹たちを殺すことになるんだが……いいのか?」
『何を言うかと思えば……。
私はヒナタを選びました。 私に『死ね』と始末しようとした姉妹たちより、『生きろ』と言ってくれたヒナタをね。
だから……姉妹を討つことに迷いも戸惑いもありませんよ』
「……強いな。 何かを捨て去って、何かを選び取った強さだ。
そういうの、俺は好きだぞ」
『あっ、愛の告白ですね! じゃあ私がヒナタの正妻ということで……』
ジャコン!!
『あ、あはは……冗談ですよ、冗談』
レイを除いたハウンズ全員から即座に銃口を向けられたケイトを見なかったことにして、俺はウォルターの手配した迎えの輸送ヘリを待つ。
惑星封鎖機構の強化に、『レイヴンズネスト』の幹部である連中の登場……。
「まだまだ楽は出来そうにないな。
お次は何だい?」
俺の軽口は、くすぶる炎と硝煙の匂いとともに、冷たい中央氷原の空へと消えていった……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今日のアセン
AC名:『ファイヤーフライ』
パイロット名:『CNPー56 ジェニファー=マークソン』
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
HEAD:HD-012 MELANDER C3
CORE:NACHTREIHER/40E
ARMS:VP-46S
LEGS:06-042 MIND BETA
BOOSTER:BST-G2/P06SPD
FCS:FC-006 ABBOT
GENERATOR:VP-20C
EXPANSION:PULSE ARMOR
解説
「うふふっ……あはははははっ!
燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やす燃やすぅぅぅぅ!!」
『レイヴンズネスト』で誕生した、コーラル型遺伝子調整強化人種の1人。ラナや『オーネスト=ブルートゥ』から見ると妹、ケイトやキャロルからは姉にあたる。
『オーネスト=ブルートゥ』と同じく『意思持つコーラルとの交信』を目的として調整されたが失敗。しかしブルートゥとは違いコーラルの声が聞こえるというわけではなく、狂うこともなかったので『レイヴンズネスト』の幹部として姉妹たちとともに暗躍をしているが……はっきり言って彼女も十分狂っている。
彼女は調整の失敗によりコーラルの視認性が高まり、彼女には常時、世界のすべてが赤く燃え上がっているように見えている。そのため「赤く燃える世界に合うようにあなたも燃やしてあげる」と、戦闘では相手を燃やし尽くすことに執着、その様は間違いなく狂気そのものである。
ハッキリ言って『ジャンカー=コヨーテス』の芸術家変態幹部の『炎上爆発魔』と『斬殺魔』を足して芸術家成分を抜き取ったくらいの狂気度を誇る。もしかしたら『オーネスト=ブルートゥ』は2人の部下に、妹の姿を見ていたのかもしれない。
『レイヴンズネスト』のコーラル輸送のためにラナ、キャロル、リージュの姉妹たちと『ブランチ』の拠点で護衛についていた。
長姉ラナがヒナタと、キャロルがケイトと戦いを繰り広げ、その裏では最低限のコーラルを積み込みコーラル輸送を成功させる準備をしていたリージュ。ジェニファーは残ったアオイとの激闘を演じる。
戦法は逆関節AC特有の跳躍力によって一気に相手に近づき両手の火炎放射器で燃やしてACS障害を引き起こし、その後に拡散バズーカやドロップキックを叩き込んでスタッガー状態に追い込み、パルスブレードで切り刻むという戦闘スタイル。
カラサヴァ狂いの3女ケイト、ムーンライト狂いの4女キャロル、破壊天使砲狂いの5女リージュに、火炎放射器狂いの次女ジェニファーである。
……本当になんなんだ、このネタ姉妹どもは!?
AC名『ファイヤーフライ』はそのまま『炎のハエ』であり、壊れた何かの戦闘機械についていたエンブレムを気に入ってそのまま持ち帰って使用している。
……言動とAC名でわかるが、ACVの『フレイムフライ』とACVDの『ロッテンフライ』が元ネタであり、その系譜である。あの呪われたエンブレム、ルビコンに来てまで悪さしてるよ……。
W火炎放射器という何をどう考えてもネタに見えるロマンアセンなのだが……AC6の火炎放射器はロック可能なうえ射程が200ほどもあり跳弾なし、スタッガー状態にしやすくする『ACS障害』を付与してくるかなりガチ目の状態異常兵器であり、侮れない武装。とりあえず後ろを振り返ったら落ちている初っ端のお小遣いである旧作とは訳が違う。
何より実際に使われないと気付かないが、火炎放射器は使われると視認性が著しく低下するという副次的効果があるため対人戦で使われるとかなりキツい。このアセンでは拡散バズーカを採用しているが、視認性が悪くなることによって本来なら遅くてかわしやすい高機動ミサイルがかなり当てやすくなる。事実、作者はNESTでW火炎放射器+両肩二連高機動ミサイルというアセンと当たり、ボコボコにされた経験がある。
火炎放射器は状態異常兵器でありそれ単体では全く強くないので、いかにしてスタッガー状態に繋げるかがカギ。それもあって跳躍で高速接近と頭上を取りやすく、キックがドロップキックで当てやすい逆関節脚部を採用している。
一番の問題は重さ。このアセンのコンセプト自体が『火炎放射器の特性を生かしスタッガー状態を効率よく起こし、格闘兵装の直撃で大ダメージを叩き出す』なので、本当なら格闘補正の高いバショウ腕を使いたいところだが重すぎて腕部重量過多、W火炎放射器が持てない。
まぁ、火炎放射器に精密な射撃は求められていないのでバショウ腕で腕部重量過多状態で無理矢理出撃するというのもありと言えばありなんだが……ちょっと重すぎませんかねぇ、
テストプレイではやはりミッション用というよりも対AC戦用となる。上手くハマるとスタッガー状態を連続してできるので面白いのだが……バルテウスやエンフォーサーあたりは何とかなったが、ラスボスは倒せなかった。この辺りは作者の腕が足りないせいだろう。
半分ネタに走っているためW火炎放射器にしているが、本気で火炎放射器アセンを組むなら火炎放射器+ミサイル+バショウ腕で格闘兵装という構成もおすすめ。正直、火炎放射器は一本でも十分仕事してくれるのでその分をバショウ腕と格闘兵装にまわす方が安定するだろう。
火炎放射器は今回、かなり面白い兵装である。