祝福の花を君に   作:キューマル式

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第63話 『惑星封鎖機構「こんなの僕のデータにないぞ!?」 ヒナタ「お前データキャラやめちまえよ」』

 圧倒的な物量と質をもって惑星ルビコン3を席巻するかと思われた『惑星封鎖機構』。その強大な力を前に、当初は『アーキバス』『ベイラム』『ルビコン解放戦線』の同盟である『抵抗軍』ですらその滅びを一時的に先延ばしにしたに過ぎないと思われていた。

 だが『抵抗軍』の予想外の抵抗に攻めあぐねた『惑星封鎖機構』は大きな判断ミスを犯してしまう。中立を掲げ『抵抗軍』への補給を担っていた『アライアンス』に対する宣戦布告、そしてその重要拠点の『ロアード』への侵攻である。

 『惑星封鎖機構』にとっては容易に勝てるはずの戦いだったが、ヒナタから未来情報を得たカーラがその時に備えて必死で整備したロアードの街の防衛機構、そしてこの地獄の惑星で戦い続けた傭兵たちを甘く見ていたことによりまさかの敗北を喫することになる。

 しかもこれはただの敗北ではなく、『敵の増援』と『補給線の崩壊』という最悪の事態を『惑星封鎖機構』にもたらす。

 

 元々、『アーキバス』や『ベイラム』でなければ『ルビコン3に大部隊を派遣しコーラル利権を独占する』などということのできる企業体力はない。他の企業の上層部は今回のコーラル争奪戦争において、コーラル利権によってもたらされるだろう莫大な富は理解していても、長期的に大部隊を派遣し続けコーラルを独占することは不可能だと正しく理解していた。そのため『コーラル利権を勝ち取った企業からおこぼれを貰う』というスタンスだったのである。

 しかし『惑星封鎖機構』の介入によってコーラル利権を企業が得ることも怪しくなって来て状況を注視していたが、結果として『惑星封鎖機構』が劣勢という状況である。この状況に、各企業は動いた。

 『抵抗軍』は『アーキバス』と『ベイラム』、そして『ルビコン解放戦線』に『アライアンス』からなる同盟だ。今『抵抗軍』に手を貸したならどの勢力が最終的にこのコーラル争奪戦争に勝っても、どこにも『協力をした』という恩が売れる……そう計算した各企業は義勇軍の名目で自社部隊を送り込んできたのだ。

 こうして『抵抗軍』の戦力は増加の一途をたどる。

 

 そんな『抵抗軍』に対し、『惑星封鎖機構』は坂を転がり落ちるかのように戦力が低下していった。一番の問題は、地上攻撃とともに補給を担っていた宇宙巡洋艦を大量に失ったことである。

 『惑星封鎖機構』のマシーンはその高い技術力によって量産型のMTですら驚異的な戦闘能力を持っていた。LCやHC、特務機体にいたっては投入されるだけで戦況がひっくり返ることも十分あり得る戦力である。だが、それらの性能を十分に発揮するためには万全な補給と整備が不可欠だ。しかし『惑星封鎖機構』のマシーンはどれも性能重視で作られたため共通パーツや互換性が低く、前線では物資不足が起こっていた。

 無論『惑星封鎖機構』はバカではない。当初からの侵略計画でその辺りの補給もしっかりと考えており、接収された『アーキバス』や『ベイラム』の施設を修復・整備し、あるいは新規にパーツ工場を建設し前線が補給で困らないように計算していたのである。

 だがその計算にはイレギュラー……LCやHC、ましてや特務機体を寄せ集めのACごときで屠るような存在が、しかも大量にいるなどという『異常事態』は全く想定していなかったのだ。AIの計算に支配された『惑星封鎖機構』は、この地獄の惑星で戦い抜いた数字では表せない『経験』をつんだAC乗りのことを考えられなかったのである。

 そしてトドメを刺すように『ロアード戦』に投入された、地上攻撃と同時に輸送でも活躍していた宇宙巡洋艦を大量に失ったことで、前線への補給路が完全に崩壊した。

 結果、修理の終わっていないLCやHCが無理矢理出撃しACどころかMTの集団に討ち取られるという目を覆いたくなるような光景が繰り広げられ、前線ではニコイチ・サンコイチでの整備が当たり前のように行われるという末期戦めいた地獄の惨状となっていた。

 

 そして、そんな今を好機と見た『抵抗軍』は『惑星封鎖機構』の最重要拠点の制圧作戦を決定する。

 宇宙巡洋艦の整備拠点であると同時に補給拠点でもある『惑星封鎖機構』の一大拠点……『旧バートラム宇宙港』の制圧作戦である。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『ブリーフィングを開始する。 今回はアーキバスから、しかもあのヴェスパー(ワン)『フロイト』からの協同ミッションの誘いだ』

 

 

 

『久しぶりだな、独立傭兵ヒナタ。 『惑星封鎖機構』を相手にさらに名を挙げているのは聞いている。

 本当はお前と戦場で横やりなしで納得できるまで殺りあいたいが、それは邪魔な連中を倒してからだ。だからこそ……『惑星封鎖機構』の息の根を止める。

 今回の目標は『惑星封鎖機構』のルビコン3での最重要拠点、『旧バートラム宇宙港』だ。

 

 『旧バートラム宇宙港』はルビコン3への入植最初期に整備された拠点で、『惑星封鎖機構』はルビコン3への進駐と同時にそれを修復し大改装した。現在では生産プラントであり宇宙巡洋艦の整備拠点であり星外からの補給受け入れ拠点であり、各地のプラントで生産された物資の補給ハブの役割を持つ『惑星封鎖機構』の最重要拠点。こいつを叩く。

 

 知っているとは思うが、『惑星封鎖機構』はすでに追い詰められている。前線は補給不足で機体稼働率は低下、せっかくのLCやHCがただのカカシに成り果てていてつまらない限りだ。だが、ここは違う。

 『旧バートラム宇宙港』を失えば、今ですら補給不足で喘いでいる『惑星封鎖機構』は完全に物資欠乏に陥って致命傷だ。連中もその重要性を理解しているからここの警備に付いているLCやHC、エクドロモイに特務機体は万全な状態、それが死に物狂いで襲い掛かってくる……考えるだけで楽しそうだ。

 

 今回の戦いは『抵抗軍』も腕利きを揃えている。

 『ベイラム』からは『G5 イグアス』と『G8 テンリュー』。『ルビコン解放戦線』からは『サム=ドルマヤン』と『リング=フレディ』。『アーキバス』からは俺、『ヴェスパー(ワン) フロイト』と『ヴェスパー(フォー) ラスティ』が出る。

 そして『アライアンス』からはお前、『独立傭兵ヒナタ』と『独立傭兵レイヴン』に参加を要請する。

 良い返事を期待しているぞ、ヒナタ』

 

 

 

『この『旧バートラム宇宙港』を巡る戦いが『惑星封鎖機構』との事実上の最終決戦になるだろう。

 ……もっともヒナタの情報通りなら一筋縄ではいかないだろうがな。

 とにかく、細心の注意を払ってミッションに臨んでくれ』

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『おの……れ……、秩序を乱す……不穏分子どもが……!』

 

 

 レイの『桜花』の軽ショットガンと実弾オービットで足を止められ、『日向葵』のパイルバンカーで貫かれたエクドロモイが怨嗟の声を上げながら爆発四散する。

 しかしそんな怨嗟の声など、戦場では小鳥のさえずりほどの価値もない。

 

 

「レイ、次に行くぞ」

 

『了解、お兄様……』

 

 

 お構いなしで次の目標に向けてブーストを吹かす。

 『旧バートラム宇宙港』への襲撃作戦は順調だ。確かにここは残された『惑星封鎖機構』にとって最重要拠点、その守りは厚い。

 しかしそれ以上に今回の作戦に投入されているのは各勢力の腕利きたち……この地獄のルビコンを戦い抜いてきた連中だ。いかに機体性能で勝ろうとも修羅場を超えてきた経験が違いすぎる。

 

 空中ではパルスアーマーを剥がされた『バルテウス』がドルマヤンの『アストヒク・S』のフルチャージのムーンライトレッドシフトの斬撃で両断されていた。

 地上に目を向ければ『エンフォーサー』をレッドガンの2人が翻弄している。

 『カタフラクト』は全速で突っ込んできたところを造作もなくかわされ、フロイトの拡散バズーカの直撃で動きが止まったところをラスティのレーザースライサーでズタズタに引き裂かれている。

 俺たちのところにはいまだに特務機体は来ないものの、MTにLC、HCといったやつらを相手にし続けていた。

 と、駐留していた数隻の宇宙巡洋艦が緊急発進の準備を進めている。

 

 

「させるか。 行くぞ、レイ!」

 

『うん……!』

 

 

 対空砲火をかわしながら接近した『桜花』が、フルチャージされた凶悪なチェーンソーを艦橋部へと押し込んだ。アレでは中の人間などミンチより酷いことになっているだろう。俺の方もフルチャージパイルバンカーを叩き込んでいるので人のことは言えないが。

 そんな風に順調に侵攻していると見慣れぬHCが2機。こちらに飛んでくる。現地改修によって装甲とブースターを増設した機体のようだ。

 

 

『おのれ、秩序を乱す者ども!』 

 

『貴様らはこの世界には不要なのだ!!』

 

 

 そしてその改造HCから感じ取れるのは間違いなくエース級の気迫である。それはその機体が決して見かけ倒しではないことを物語っていた。

 

 

「AIの言うことをホイホイ聞いてる連中が『秩序』とか、ずいぶんと冗談の上手い連中だな」

 

 

 色々と裏の真実を知る俺は若干哀れに思いながらも、レイとともに即座に戦闘態勢に入る。すると……。

 

 

『面白そうなのがいるな。 独立傭兵ヒナタ、俺も混ぜろ』

 

 

 アサルトブーストで飛んできたのはフロイトのAC『ロックスミス』だ。少し遅れてラスティのAC『スティールヘイズ』も飛んでくる。

 

 

『この面白そうなのは俺がやる。 ヴェスパーⅣは他へ当たれ』

 

『やれやれ、また隊長殿の悪い癖が出たようだ』

 

 

 それを聞いて、俺もレイに指示を出す。

 

 

「こいつらは俺に任せろ。 レイはヴェスパーⅣと一緒に他の連中を叩いてくれ」

 

『……わかった、お兄様』

 

『戦友、『壁』以来の共同戦線といこう』

 

 

 そう言ってレイの『桜花』とラスティの『スティールヘイズ』が離れていく。

 

 

『貴様ら、たった2機で俺たちと戦うつもりか!』

 

AC(寄せ集め)の分際で舐めたことを!!』

 

 

 その様子で舐められたと感じたのか、何かをほざいている改造HCのパイロットたち。

 

 

「奴さんたちずいぶんとお怒りだな」

 

『どうせ潰すだけだ。どうでもいい。

 ついて来れるか、独立傭兵ヒナタ?」

 

「お前の方こそついてきやがれ、フロイト!」

 

 

 そして『日向葵』と『ロックスミス』のアサルトブーストが同時に点火、戦いの火蓋が切って落とされた!

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『墜ちろ、この不穏分子め!!』

 

 

 俺の方に向かってきた改造HCが左手のシールドを張り、レーザーライフルを連射しながら接近してくる。

 

 

「遅い遅い!」

 

 

 だが俺は緩急付けたブースト機動で『日向葵』を機動させその攻撃を回避、クロスレンジへと持ち込む。

 

 

『バカめ! これがただの盾だと思うなよ!!』

 

 

 すると改造HCはシールドバッシュを狙い、『日向葵』に向かって体当たりを仕掛けてきた。

 しかし……。

 

 

「甘過ぎだ」

 

『何!?』

 

 

 しかしそのシールドバッシュを『日向葵』は紙一重でかわすと改造HCの背後を取り、プラズマミサイルを発射する。

 巻き起こるプラズマ爆発が背中から改造HCに襲い掛かる。

 

 

『ぐぅ……だがこの機体の装甲はその程度ではびくともせんぞ!!』

 

「ああ、知ってるよ」

 

 

 今のプラズマミサイルはけん制でしかない。お楽しみはこれからだ。

 何かしゃべっている改造HCを無視して、俺は一瞬で機体の向きを変えアサルトブーストを起動させる。その先には……フロイトの『ロックスミス』と戦う改造HCの姿が!

 

 

「トシ、サッカー好きか?」

 

『トシ、というのは分からんがサッカーよりベースボールが好みだな!』

 

 

 ニタリと嗤いながらフロイトに通信を送ると、あちらもニタリと嗤いながら俺に返してくる。

 

 

「サッカーやろうぜ、フロイト! こいつがボールな!!」

 

『なっ! ぐぁっ!?』

 

 

 『ロックスミス』に相対していた改造HCは背後からアサルトブーストで近づいた『日向葵』のキックをもろに受けて吹き飛んだ。

 そこへ!

 

 

『ヒナタ、ベースボールやろうか! コイツがボールだ!』

 

『ぐおっ!』

 

 

 そこへ『ロックスミス』のフルチャージレーザーブレードの回転斬りが叩き込まれ、改造HCが吹き飛ばされる。

 

 

『貴様ら……許さんぞ!!』

 

 

 しかし強化された装甲を持つ改造HCにはまだ余裕がありそうだ。

 だが……!

 

 

 ズドムッ!!

 

 

「……この手に限る(この手しか知りません)」

 

 

 流石にフルチャージパイルバンカーの直撃には無力だったようだ。背後からコックピットブロックに風穴を開けられ、改造HCが大地へと墜落すると同時に大爆発を起こす。

 

 

『少尉!? き、貴様らァァァァ!!』

 

 

 僚機をやられ激昂したもう一機の改造HCが突っ込んでくる。しかし俺とフロイトという、このルビコン3でトップクラスのAC乗り2人を相手にその動きはいくらなんでも単調すぎた。

 

 

「遅い!」

 

『シミュレーターだけをやり続けたやつの動きだな。 まるで面白くない』

 

 

 『日向葵』と『ロックスミス』が左右にクイックブーストで急機動しながら『日向葵』が両手のショットガンを、『ロックスミス』が拡散バズーカを叩き込む。

 

 

「上手くかわして決めろよ、フロイト!」

 

『言われなくても分かっている』

 

 

 そして『日向葵』のコア機能が起動、パルス爆発が巻き起こる。『日向葵』のアサルトアーマーだ。

 しかしフロイトはしっかりとそれを読んでおり、クイックブーストでアサルトアーマーの圏内から離脱する。そして巻き込まれた改造HCはスタッガー状態になり、致命的な隙をさらした。

 そこにトドメとなる『ロックスミス』のフルチャージレーザーブレードの光刃が迫る。

 

 

『バカな! 企業や独立傭兵がこんな強さを持っているなんて……そんなデータは無いぞ!?』

 

「データキャラやめちまえよ、お前」

 

 

 そして『ロックスミス』のレーザーブレードの光刃が改造HCの胸部を切断。上半身が地面に落ち、それを追うようにしてジェネレータが引火、大爆発を起こしたのだった……。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『相変わらず良い腕をしているな、独立傭兵ヒナタ』

 

「そっちこそ、ヴェスパー部隊最強の肩書きに偽りはなさそうだ、フロイト」

 

『いつかお前とは全力で殺り合いたいものだ』

 

「全力で遠慮したいな、俺は」

 

 

 爆散した改造HCの残骸の前で、俺とフロイトは会話を交わす。

 すでに他方での戦闘も終結に向かっており、『惑星封鎖機構』の最重要拠点であった『旧バートラム宇宙港』は見るも無惨な惨状だ。もはやこれでは拠点としての機能は残されていないだろう。

 そんな俺にウォルターから通信が入る。

 

 

『『旧バートラム宇宙港』はすでに拠点としての機能を失った。 作戦は成功だ。

 『惑星封鎖機構』の救援部隊がそちらに向かっている。

 そいつらに鉢合わせる前に離脱しろ』

 

「了解、ウォルター」

 

 

 そう答えながらも、俺も、そして俺から未来情報を聞かされているレイもウォルターも隙無く周囲を確認する。

 すると……やはり来た!

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴ……。

 

 

 地鳴りとともに地面が不自然に盛り上がっていく。そして……!

 

 

キシュゥゥゥゥ!!

 

 

『な、なんだこの化け物は!?』

 

 

 突如として現れた顔面にドリルを付けた巨大な機械ミミズに、イグアスが混乱したように声を上げた。

 こいつこそ技研製ビックリドッキリメカ、原作AC6のチャプター3のボスであるC兵器『アイスワーム』である。

 

 

『ほぅ……面白いな』

 

 

 早速フロイトが攻撃を仕掛けるが現時点でコイツを倒すのは無理だ。あまりにも強固な物理装甲と、2層から成る多重コーラル防壁によって鉄壁の守りを持つコイツをACの通常兵器だけで倒すのは不可能である。

 それを知る俺は回避に専念するため操縦桿を握り直したが……。

 

 

『待て……。

 反応が……1つではない!』

 

「はぁ……?」

 

 

 思わず間抜けな声を上げてしまった俺の眼前に、2体の巨大な影が現れる。それは紛れもなく『アイスワーム』だった。

 

 

「ばっっっっかじゃねぇの!!」

 

 

 思わず叫んでしまうが、仕方ないことだろう。あの『アイスワーム』が……合計3体、目の前にいるのだ。

 3体が地中に潜り、そして飛び出しながら攻撃してくることでただでさえ破壊されていた『旧バートラム宇宙港』は更地になっていく。

 

 

『う、うわぁぁぁぁ!?』

 

 

 その体当たりを避けきれなかった『G8(ガンズ・エイト) テンリュー』のAC『オーバーライン改』にアイスワームの顔部ドリルが直撃すると、瞬時に防御膜が『オーバーライン改』を包み込んだ。

 ターミナルアーマーが発動したようだ。

 

 

G8(ガンズ・エイト)、脱出レバーを引け!!』

 

『は、はい!!』

 

 

 『G1(ガンズ・ワン) ミシガン』の声を実直に守った『テンリュー』がコアから射出されるが、コレで地上に降りればミンチ確定だ。

 俺はクイックブーストで接近すると『テンリュー』を『日向葵』の手に着地させ、コックピットを開いた。

 

 

「おい、死にたくなかったらさっさと入れ!!」

 

「すまん、恩に着る!」

 

『よくやったぞ、G9(ガンズ・ナイン)!!』

 

 

 『テンリュー』は即座にコックピットに入りミシガンからお褒めの言葉を頂くが、今はそれどころではない。

 そしてしばらくすると3体の『アイスワーム』はコーラルに反応して暴走、中央氷原の奥……目指すべきコーラルの源泉のある『ウォッチポイントアルファ』の防衛へと向かった。

 残されたこの作戦に参加した各陣営のエースたちは勝利の余韻もなく、破壊し尽くされた瓦礫の山で唖然とする。

 

 

「……アイスワーム3体とか、どんなクソゲーだよおい」

 

 

 かく言う俺も頭を抱えながら、そう呟くのがやっとだった……。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

今日のアセン

 

AC名:『オーバーライン改』

パイロット名:『G8(ガンズ・エイト) テンリュー』

 

R-ARM UNIT:DF-GA-08 HU-BEN(ガトリングガン)

L-ARM UNIT:HI-32:BU-TT/A(パルスブレード)

R-BACK UNIT:BML-G2/P05MLT-10(10連装ミサイル)

L-BACK UNIT:SI-27:SU-R8(パルスシールド)

 

HEAD:HD-033M VERRILL

CORE:DF-BD-08 TIAN-QIANG

ARMS:AS-5000 SALAD

LEGS:DF-LG-08 TIAN-QIANG

 

BOOSTER:BST-G2/P06SPD

FCS:FCS-G2/P10SLT

GENERATOR:DF-GN-08 SAN-TAI

 

EXPANSION:TERMINAL ARMOR

 

 

解説

「先輩たちの分まで、頑張らないと!」

 

『G4 ヴォルタ』と『G5 イグアス』が長期離脱(ヴォルタに到っては永久離脱)することになったレッドガン。残された後輩である『G6 レッド』と『G8 テンリュー』はその穴をどう埋めるのかということに苦心していた。

そこで『G6 レッド』は大量のミサイルとマシンガン、レーザーブレードによる『多数を一気に倒す援護能力』を重視することにした。

それに対し『G8 テンリュー』の回答となるのが本機である。

 

扱いやすく、『1対多数』の援護能力にも秀でた10連装ミサイル。右手には弾数が多く近距離では強力な火力となるガトリングガン。

左手には得意の格闘戦を行うためのパルスブレード。そして左肩には通常防御を重視したタイプのパルスシールドを装備している。

フレームは完全に重装型となり防御力とAPに優れ、また本人の資質から格闘戦を想定し、アライアンス経由で購入できたRaD製の格闘適性の高い重装腕パーツを使用している。

重装型の厚い装甲と耐久力にパルスシールド装備で時に仲間の盾となりカバー出来る、『一秒でも戦場に長くいれる機体』というのがコンセプト。

 

味方の援護や敵の殲滅など最初期の頼りない働きはどこへやら、いまでは頼れるレッドガン隊員にまでの成長を遂げた。

ミシガン、ナイル両名に自信を持って『旧バートラム宇宙港』攻略作戦にアサインされたが、突如として現れた不明兵器『アイスワーム』により撃破されるも、ターミナルアーマーのおかげで生き残ることに成功している。

 

実際使用してみると機体そのものが重くなったため動きは遅めだがその防御力は十分強力で、通常防御を重視するタイプのパルスシールドとの相乗効果で強引に接近戦に持ち込める。

パルスシールドを展開しながら10連装ミサイルを発射、ガトリングガンの射程にまで潜り込み、スタッガーをとったら必殺のパルスブレードで切り裂くというスタイルになる。

堅いやつがさらにシールドまで使うと面倒、というのがよく分かる機体である。

 

 

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