先生短命概念   作:you are not

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何故だ…作りやすい話から書こうと思ったら普通の生徒ではなく黒服の話からできるんだ……これが愛?そんなわけで4番バッター黒服選手です。あっ、これはユーザー名「伝説の超三毛猫」様と「ゔぃらんが好きな者」様のご依頼品を混ぜたものとなっております。どうかお許しください何でもしませんから……


黒服の場合

 

「さて、検査の結果はどうでしょう?……」

 

黒服は新たな研究として大人のカードを使った後に怪物となった己自身を含めたゲマトリアの肉体と変化前の体である「キヴォトス外の人間」である先生の体との違いに着目した研究を行っていた。その為に黒服は昨日の飲み会*1の後先生の血液をいくらか拝借したのである。といっても親しき中にも礼儀ありと言う言葉があるため本人の許可は取ってあるのだが……*2まぁ、何はともあれ先生の肉体情報は入手できました。あとは私の肉体情報の検査結果を比べて……

 

「おや?……機械の故障でしょうか?」

 

黒服は疑問を思わず口にする。検査機のはじき出す数値が明らかに異常なのだ。直前までお酒を飲んでいたといってもこの機械はゴルコンダが作った特別製の精密機械です。そのあたりの変数は修正するように作られています。そして私が口にした機械の故障という点も深く考えればありえません。何せこれは何度も試作を繰り返し正常であることは数時間前に確認済みであるのだから……であるとすれば……

 

「先生の方に何か異常が起きている……?」

 

先生の身に何が起きているのだろうと思考をフル回転する……ふと思い当たる節があった。

 

「もしや、……あぁ、先生あなたも我々と同じ道を行くという訳ですか……」

 

だとすれば今の先生の肉体におきている症状は、嘔吐、吐血、発作的頭痛、慢性的な不整脈、などでしょうか……過去の私、いやこの私黒服の元となった人物含め、ゲマトリアに所属する異形たちのモデルとなった人間たちは全て同じような症状を患っていると記憶があります。まぁ、記憶ではなく記録と言った方が適切なのでしょうが……

 

「……どうであろうとこの状態になれば先生は助かりませんね、今まで私の忠告を無視し続けてきた先生らしい末路です。まさしく『因果応報』ですね」

 

黒服の皮肉を込めたであろう発言であったがいざ口から音となり出てきた瞬間、それは弱弱しくどこか寂しさを覚えた。

 

「さて、行きますか。友であり、近い内に同胞になるであろう先生に『最後の忠告』をしに……」

 

席を立った黒服は確かな足取りでシャーレに向かっていったのだった。

 

 

―――

 

 

「くそっ、また発作が……」

 

頭を抱え机にうずくまる先生、こんな状態であるのに書類は汚さぬように注意している姿は良くも悪くも何というか「シャーレの顧問先生」であった。

 

「先生、落ち着いて呼吸してください。一回吐いて二回吸ってください」

 

背後から声をかけられた先生だったが声の主にすぐあたりを付け、素直に指示に従う………すると、不思議と頭痛が少しだけ楽になったのである。ほんの少しではあるがないよりはましだと先生は思い感謝を伝えようと振り向く

 

「黒服ありがとう。それで?何のようなの?」

 

「どういたしまして。要件は先ほどの症状についてご相談が……」

 

先生は黒服が自分の体のことを知っていることに対してさほど驚かなかった。黒服は自身に対して再三大人のカードの代償について注意してきたのだ。だとしたら代償の内容を知っていると考えるのが自然である。よって黒服が気が付いてもおかしくはないから、驚くほどのことではないと思考した故の冷静だった。

 

「うん、いいよ。まさか治せるなんていう訳ないよね?」

 

「いえ、私としてもそうしたいのは山々なのですが残念ながら……」

 

「そっか……」

 

キヴォトス以上の謎技術を持っているであろうゲマトリアの技術でさえ治せないと言われ、先生はひそかに抱いていた淡い希望を打ち砕かれてしまう。

 

「ですが、症状を楽にする方法なら私でも知っています。お教えしましょうか?」

 

懐から資料を出す黒服、中には薬品の名前と効能についてしっかりと記述されていた。

 

「じゃあ、お願いするよ。それで代金は……」

 

そう言って小切手用の紙を引き出しから取り出す先生だったがそれを黒服が手が掴み静止してしまう。

 

「いえ、お金は必要ありません」

 

「えっ?」

 

これには先生も大いに困惑した。何せこれは取り引きだ。代金を払うのが常識である。まさか、友達料金なんてものを持ち出すほど黒服は慈悲深くはないだろう。何せ研究家にして商人なのだから、

 

「えぇ、もちろん代価は払ってもらいます。ですが代金は必要ありません。代価さえいただけるなら」

 

「代価……?」

 

先生はどんなものが来るのかと固唾を飲んで待っていた。

 

「死後我々ゲマトリアに入っていただきく存じ上げます」

 

「プッ!」

 

思わず先生は笑ってしまった。

 

「なっ!?先生なぜ笑うんですか!私は真面目に言ってるんですよ!」

 

「いや、それだけでいいなんてね。いいよ黒服の仲間になってあげるよ。ただし……」

 

先生は前々からゲマトリアのいただけない点をやめてもらおうと思い口にする。

 

「生徒達に対して危害を加えないこと、これは私が死んで君たちの仲間に成っても継続ね!」

 

「わかりました。元より先生がこちらになった時点で反対されることはわかりきっていたので……」

 

「ならよし!じゃあ…はい」

 

先生は片手を出し握手を求めた。

 

「えぇ、契約成立ですね」

 

ここに死後の約束を果たすための契約が出来上がった。

 

 

―――

 

 

「元先生。約束通りお迎えに上がりましたよ」

 

暗く狭い病室そこに黒服は現れた約束を果たすために……

 

あぁぁ、黒服、か……その、姿は、なん。だい?まるで……

 

生命維持装置を付けたまま先生だった人物はかすれた声を上げる。

 

「えぇ、貴方の友黒服です。最後を見届ける人もいないのは寂しいのではと思い、見届けに来ましたよ。あぁ、この姿ですか?」

 

先生だった人物のベットのわきに座る黒服。その姿はある生徒の姿に酷似していた。ミレニアムの白いジャケットに黒いブレザーにツーサイドアップ、ただし髪色は菫色ではなく黒服。あとは声も変わっている。そう、早瀬ユウカの姿であった。

 

「最後に見届けるのは男であるというのはどうかと思いまして、どうせならあなたの生徒の姿で見届けてあげようと思った私の意気な計らいですよ。というわけで先生最後の時間ちょっといただきますね?」

 

そう、相変わらず。趣味、が悪い………でも黒服約束果たしてくれてありがとうな……悪いけど少し寝るよ

 

「えぇ、おやすみなさい先生。良い夢を…」

 

早瀬ユウカの姿になった黒服は先生の手を握りその最後を見届けたのだった。

 

 

―――

 

 

「……懐かしいですね」

 

「おい!!黒服なに見ているの!また温泉の馬鹿どもが暴れてるの止めに行くからお前も手を貸しなさい!」

 

黄色い襤褸を身にまとい全員を隠したゲマトリアの主黄衣の王が大きな声で怒鳴る。

 

「いえ、何でもありませんよ王よ。今そちらにゆきます」

 

そう言って黒服はロケットペンダントを畳み首元に隠す。

 

「それで王よ、まやトリニティの先生に呼ばれたんですか?いい加減この何でも屋のような仕事もやめたらいかがです?」

 

「……この仕事は不思議と楽しくてね飽きないんだ…黒服なぜだろうね?」

 

黒服はくすりと笑い

 

「さあ?何故でしょう聡明な王がお決めになされればいかがかと」

 

と言った。

 

「そうか……じゃあ続けよう」

 

「仰せのままに」

 

大袈裟な動きでお辞儀する黒服、黄衣の王は黒服の煽りを無視して呼ばれた場所へと急ぐのだった。

 

「先生、あなたは死んでも変わらないようですね?」

 

ロケットペンダントを開き中の写真を覗きながら懐かしむような声色で呟く黒服。

 

「さてと王のお守りとしゃれこみましょう?」

 

黒服のもつロケットペンダントの中では笑顔の男性と黒服が肩を並べて写っていた。

*1
三次会までしてた

*2
先生の意識は混濁していたのには眼をつむるものとする




捕捉
ゲマトリアみたいに異形化する条件として死ぬ直前まで抱えていた果たせなかった欲望がなければいけません。例えば
・マエストロ→芸術の探究

・ベアトリーチェ→富や権力
などなど、逆に大人ノードを使っていた人間で死んでも後悔がなかった大人は異形化せずそのまま死にます。他のルートだと先生は後悔はなかったけど今回の場合黒服との契約のおかげで無事ゲマトリア入りしました。
なお、異形化したあとと前では人格は違う者とします。(生前の性格事態は変わらない)

この中で一番最高のエピソードと言えば?

  • コユキ
  • ノア
  • ミネ
  • 黒服
  • ヒマリ
  • アスナ
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