その歩み、大山へと至る 作:枯山水の庭園
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それは身勝手へと至る道。
※注意!
とある人物がとある人物の地雷を踏み抜きます!
アンチ・ヘイトです‼︎
あと長いです今話!
唐突だけど、私は実習期間を終え、正式な魔防隊組員となった。
それによって解禁された事がある。
「……ふんふふんふふ〜」
結界内での単独行動だ。
……だから何だ、と言われると十番組では意味が無い。
だが三番組では意味がある。
……魔防隊組員寮は醜鬼の侵入を防ぐ結界で守られている。
総本部だとそれは敷地を囲う外壁と概ね一致しているけれど、他八つの組員寮だとむき出しの建屋を通常不可視である結界で囲う形となっている。
……『防衛』を謳う割に外目には物理的な防御が手薄に見える各組員寮に思う所はあるけどそれは置いといて、結局私が何をしたいかと言えば……。
「……よし、っ!」
──ジョギングだ。
健康維持のための日課だったけど魔都に来てからはずっとご無沙汰だった。
……いや、ランニングマシンもあるし走っていなかった訳じゃない。
……けれど閉じられた部屋の中で走るのはあまりすっきりしなかった。
出向前の朝──、……いや、起床後は総本部の敷地内、建屋の外を走ってみようかとも思った。
……けどあそこ、ちょっとウェアで走るには洒落過ぎてるというか……、……表は武道館で、裏は日本庭園になってる(庭園は山城総組長のコネで作られたものらしい‼︎)。
……もうちょっと住宅街とか河川敷とか普通の公園とかそういう所で私は走りたい。
なんなら魔都の荒涼とした風景でもあそこよりは良い。
……けど総本部ではそれは結界の外に出るという事であり、実習中の身では許可されなかった。
……あと総本部なら外壁と建屋の間の細めの場所もあるけど、あそこは狭苦しすぎてもっとやだ。
「よしっ!……ん?」
そうこうしてる間にストレッチも終わり、いざ外に……。
……と思いながらなにげなく振り返ると、
「……!あっ、……」
……そこには物陰からこっちを見るベルちゃんが居た。
「……、えっと、おはよう」
「お、おはようございますっ‼︎」
「……」
「…………」
「……一緒に走る?」
「……?……!あっ、は、はいっ‼︎」
そういう事になった。
魔防隊入隊からそろそろ一ヶ月も見えて来る。
魔都の荒涼とした風景にも大分慣れてきた。
……銀奈さんに話した『怖いところ』『根本的に人を受け入れない』という所感も薄れるくらい。
……でもそれを油断にしちゃダメだ。
昨日みたいに見える醜鬼が片付けられてるからって、隠れ潜んでたり増援が来る可能性をすっぽかすのはよくない。
「…………」
「……ふっ、ふっ……」
……。
……実際のところ実習が終わるまでの結界内での単独行動の制限に意味があるのかと言われると怪しい。
総本部建屋内は自由に動けてたのだし。
……結界と外壁越しとは言え、敷地内が外に通じてなければ。
今の所八雷神は一度しか結界内に侵入して来てないし、それから結界も強化されているらしい(ちなみに侵入して来たのは紫黒、侵入されたのは京香さんの七番組寮だ)。
……だけどそれが本当に対策になってるかは分からないし、何がしかのものを投げ込めたりする可能性も否定されてない……、……個人的には私がその何がしかを受け取る事を危惧されてたんじゃないかと思う。
……まぁだったら屋内でも人付けるべきだろうし、そもそも私が社会人あがりでもうじき20代後半だから戦闘能力の不足を殊更危惧されて、というのもありえなくはない。
「…………」
「……ふっ、ふっ……」
……でもそれなら三番組寮への
私が予想以上に強くなったと評価されたからかもしれないけど……、……なんとなく意図的に一人になれる
……多分もう私個人は監視されていて、一人になった隙を突いて八雷神と接触しないかを見張られてる。
そんな気がする。
……事によると三番組は……。
「……、……あのっ!」
「──ん?
…………。
…………ようやくベルちゃんが話しかけてきてくれた…………。
……ずっと無言だったからちょっと気まずかった……。
「…………」
「…………」
……けど中々話題が出て来ない。
……それはそうだ、私だって出て来ないから喋りかけられなかった。
……今気付いたけどベルちゃんの親御さんの名前も分からない。
仲が良いと言うには話題が欠如し過ぎてるよなぁ……。
「……あの、っ……!……真氷おばさんは元気ですか?」
あっ、お母さんの話だ。
「うん、元気だよ。最後に会った時もそうだし、連絡した時もいつも通りだった」
「そ、そうですか」
それなら対応できる。
……私の方はベルちゃんのお母さんを覚えてなかったのにすごいなぁ。
……ベルちゃんだって私と会った回数は変わらないはずだよね?
「……真氷おばさん、まだきれいですか?」
「?」
「あっ、その汚くなってるとか思ってるわけじゃなくて!」
……あー、見た目で覚えてた感じかぁ。
考えてみると確かにお母さんは朝倉・月夜野家の中では顔つきも体格も浮いてる方だ。
……もしかしてそれが群馬に近付かない理由?
まぁ私とベルちゃんは目元が似てるから血の繋がりを感じるのに不足はないけど。
「どうかな、そう変わってはいないと思うけど」
「そ、そうですか」
……それはさておき『きれいか』と言われれば……、……『顕著な変化は無いよ』としか言いようが無い。
だって親だし……。
「えっと、
「……。…………」
…………。
…………驚いた。
「……⁈な、何か間違いましたか⁉︎」
「……いや、驚いてただけだよ。ベルちゃんお父さんと会ったの一、二回くらいだよね?よく覚えてたなぁ、って。あっ、お父さんも元気だよ?」
「そ、そうですか」
まさかお父さんの名前まで覚えられてるとは思わなかった。
私がベルちゃんだったら、一、二回会った程度じゃきっと覚えてない。
調べれば分かる事とはいえ、私は調べてもいなかったし……。
……そもそもの話、ベルちゃんは私、あるいは私とお母さん、またあるいは日ノ出一家の事どう思ってんだろう?
「……うーん。普段はこの辺で終わってるけど、魔防隊としてはもうちょっと走った方がいいかな?」
「えっと、そろそろ交代時間なので……」
「ああそっか、じゃあこの辺で終わるね」
「はい、……」
……ベルちゃんとの距離は、まだ開いてると感じる。
ベルちゃんは私に近付いて来てないし、私はようやくベルちゃんとの距離感を掴んだくらい、かな?
……八雷神の事を考えるとあまり悠長にはしてられないけど、下手に踏み込むと余計に距離が開きそう。
難しい話だ。
「いただきます」
「いただきます……」
「……いただきます」
「頂きます」
「……いただきまーす」
かちゃ、かちゃ。
もぐ、もぐ。
……ずー。
……。
三番組の全員と私が揃って食事な訳だけど……。
……気まずい……。
なんも会話が無い……。
……無理に会話を抑えてるって感じはしないけど……、……いやそれはそれで普段から会話が無いっていうよろしくない状況だけど……。
……今日は私が空気の中心になって空気が悪くなってる気がする。
ベルちゃんは私の顔色を窺って。
肥後さんと上総さんはいらだち十歩前くらいの、ピ、ってした感じで私を意識して。
新粥さんも何度も私に視線を向けて。
……考えてみれば総本部であるところの十番組から出向して来てる私ってなんか、こうやばい立場、だよね、三番組にとって……。
……昨日の様子からするとベルちゃんが言ってなくてもおかしくはないけど、もしベルちゃんと私が親戚という事まで知ってたらその辺のコネで入って来た鼻持ちならない奴だと思われてるかもしれない。
……いや、そもそも私が横浜の事件に巻き込まれたって知ってるのかな?
「あ」
とか思ってる内にお茶碗のご飯を食べきってしまった。
メニューは焼き鮭にきんぴらごぼう、キャベツのおひたしに浅漬けをご飯と油揚げとねぎのお味噌汁で食べる普通の和食。
「あっ!「よ、」っ、……」
体動かすからかご飯が進んで、
って、「……え、?」
「…………」
…………。
……ベルちゃんが何かしようと、……おそらくはご飯のおかわりをよそってくれようとした事におひつを開けてから気付いてしまった……。
「…………」
「……」
「……」
「……」
……空気が固まる。
……どーすんの、これ?
……そもそも組長が組員のおかわりをよそうってありなの?
……いや、そういうコミュニケーションの取り方もあるだろうけど……、……忘れそうになるけど私はあくまで出向してるだけで十番組の組員だ、三番組の組員じゃない。
……組長が総本部に媚を売っているように見えるんじゃ……?
……いや、そもそも。
「えーと、そういえば月夜野組長。私はこれから何をすれば?三番組では組長の指揮下に入れ、と命令されていますよ」
「え、えっと。今日はこれからローテで……、……午前は肥後さん、午後は上総さんのパトロールに着いて行ってくださいっ。い、いいですか?」
「了解しました。よろしくお願いしますね」
「……分かった」
「……よろしく」
「…………」
…………なんとか切り抜けた……。
……かな……、ぁ?
……私の呼び方も問題だよね、これ……。
とりあえずプライベートは『ベルちゃん』、仕事では『月夜野組長』にしようと思ってたけど……、ついつい仕事でも『ベルちゃん』って呼びそうになる……。
てか昨日もう既に呼んでる……。
……そもそも魔防隊の魔都勤務だと寮という形で仕事場と住まいが隣接してるからプライベートと仕事を分けづらい、だから私の目論みは前提からして破綻してるとよく考えれば分かったはずだけど……。
……私が出向である以上不用意にベルちゃんに近付くと、三番組の人達とより疎遠になった状態で出向が終わり、より人間関係が悪化する。
そんな恐れに目が行ってしまったのだ。
……あとはやっぱり私とベルちゃんの距離感。
けどなぁ……、今の状況的にそんなの気にしないでとっとと近付くべき?
う〜ん……。
「んー……」
……もぐもぐ……。
とりあえずしれっとよそったご飯で
美味しい。
「運転しますよ、副組長」
「……ならこっち、そっちは使いにくい」
食事を終え、肥後さんと車両庫に行くとそんな事を言われる。
示されたのは屋根の無いオープンルーフの隊用車、私が向かっていたのは屋根と左右後ろの窓付きの隊用車。
「おっと、すいません」
「…………」
そうだそうだ。
つい『いつもの』、というか『現世の』感覚で選んじゃったけど能力を使って戦闘したり、場合によっては飛び降りて醜鬼に対処する都合上、十番組でもそうだったように魔防隊では車はオープンルーフが主流だ。
もちろん私が乗って来たような屋根付きも普通にあるけど、
……あれ?
……
私は『
ベルちゃんの年齢的に魔防隊に入ってから免許取ったはずだし、『
「コースはどうすれば?」
「……『
「了解、です」
そうこうしてる内にエンジンはかかり、車両庫から乗り出し、魔都の荒野を走り出す。
「…………」
「……」
ガザザと、タイヤが地面を噛んで音を立てる。
魔都の景色は後ろへ、後ろへ、と流れて行く。
……索敵係がいるとはいっても、人員・範囲共に交代で索敵する以上はどうしても目の届かない時間と場所ができてしまう。
……ココさん波音さん達がもし見落とされたのだとしたらその辺りの『隙間』だろう。
そういう事態を可能な限り無くす為にもパトロールは必要だ。
そうでなくても突然の魔都災害の発生時に外に出ていればいち早く対応できるかもしれないし、その辺の醜鬼を狩っとけば『万が一』を減らせる。
「……」
「……」
だから目を光らせる。
運転する私は進路上を主に。
助手席の肥後さんはちらちらと周りを。
……慣れて来たし、使えるかな?
「ちょっとうるさいかもですけど、索敵していいですか?」
「……どうぞ」
そんな訳で【震動】。
……特に反応無し。
……運転しながらは難しいかと思ってたけど、むしろ運転として席に座ってるから歩きながらより楽に使える気がする。
あとは反響音の方角を間違えないようにすればいい。
「
「……」
……肥後さんがすごく小さくつぶやく。
走行音に紛れるくらい小さい声だったけど、ギリギリ聞き取る事ができた。
……。
……『そんなに』……。
「…………」
「……」
「……ねぇ」
「はい?」
……。
……ようやく話しかけてくれた……。
「……組長と親しそうだったけど、どういう関係?」
「それはですね『すいません、『鬼門』からこっちに溢れそうみたいで!向かってもらえますか⁈』──はーい。すいませんまた後で」
「……うん」
……ようやく会話が始まりそうだった所に寮に残るベルちゃんからの通信。
ハンドルを切り、『鬼門』──激戦区である魔都北東・二番組管轄区域との境界へ向かう──。
今さらながら魔防隊って軍事組織に入るはずなのにすっごく自由だと思う。
もちろん職責と引き換えだったり、特殊部隊である事による地位の高さもあるはずだけど……。
……一般組員でも制服の改造が自在というのはすごい事じゃなかろうか。
黒地に赤のライン、金の装飾という意匠は統一されるけど、上着は長袖、半袖、ノースリーブ、中のシャツの有り無しも自由。
下はズボンにスカート、もちろんこれも半ズボン長ズボンあるいはスパッツ状・ミニスカートロングスカートあるいはそもそもワンピースまで。
履き物はいざという時走ったりするのをを想定してか規定が狭いけどブーツや短靴などを選べ、邪魔にならなければマントやスカーフ・ベルト・帽子といった装飾も自由だ。
……まぁ私も、三番組も、あまりその恩恵には与ってないけど。
ベルちゃんが肩周りに小さくマントを着けてるくらいで、全員標準制服だ。
……何が言いたいかと言うと。
「──悪りい、手間かけちまったみてーだナ。この
──この人すごいな、って。
前を開いた上着、胸に巻いたサラシ、膨らみ気味のズボン。
制帽だけは標準のものだけど、他の服装に馴染み過ぎてぱっと見で軍隊らしさも特殊部隊らしさも
まるで不良か暴走族の特攻服だ。
──そして、それが気の強そうな顔と金髪にとてもよく似合っている。
「……いえ」
「そんでそっちが?」
「はい!この度魔防隊に入隊させていただきました、日ノ出冬美と申します。現在三番組に出向させていただいていますので、どうぞよろしくお願いします!」
二番組と三番組の管轄区域の境界付近で醜鬼をその分身で殲滅しきっていたのは、魔都北東を管轄する魔防隊二番組の組長・上運天美羅さん。
──即ち美羅さんと再会したのだった!
「──それと、その節は助けていただきありがとうございました!」
「おいおい、キメたのは京香と優希だ。俺は大した
「……、……?」
……まぁココさん波音さん達の関係上、表立って再会は喜べないけど。
当たり障り無く、だけどしっかり感謝を伝えるに留めとく。
「いえ、そんな‼︎」
「どーしても気になるってんならこれから頑張ってくれりゃあいいんスよ。──組は違っても魔防隊の仲間、アンタの頑張りと俺の頑張りが支え合う。そういうモンだろ?」
「〜〜〜〜‼︎」
〜〜きゃーっ‼︎
イケメン‼︎
イケメンすぎる‼︎
「──はいっ‼︎」
「オウ‼︎よろしく頼むぜ‼︎……でも魔都は危ねートコロだ。頑張り過ぎて周りが見えなくなっちゃあオシマイだ。だから、
「──はいっ」
『じゃーナ‼︎』と美羅さんは分身を引き連れ、去って行く。
……はー、かっこよかったなー……。
……
『
……横浜の事件関係者で一番注目されてるのは、恐らく私だ。
うっかりボロを出さないように、と念を押したのだろう。
……それにしても二番組、かー……。
……魔都のうち、醜鬼が頻出する激戦区である北東区域と南西区域はそれぞれ固有の名称が付けられている。
北東、二番組管轄区域が『
南西、七番組管轄区域が『
……この二つの区域は醜鬼がよく出るだけでなく、九分割された魔都管轄区域でも面積が広めだ。
だから担当の二番組と七番組には専任の索敵係が所属している。
……
その中で三番組は、八番組と並んで、いやその次くらいかな?に……
「……ねぇアンタ、
──っ、と。
「もうそろそろ一ヶ月ですよ?」
美羅さんにお礼を言ったあたりから、ずっと怪訝そうな顔をしていた肥後さんの質問に答える。
「⁉︎」
……そしたらなんかすごく驚かれた。
……え、なんで?
「……え?てことは新人⁈……えっ、美羅組長に助けられた、って言ってたけどあれは……?」
「この前の横浜の事件に巻き込まれて、入院中に総組長のスカウト受けて……」
「待って待って、
「うん。スカウト」
「……アンタ、何歳?」
「25歳ですよ?」
「……前職は?……もしかして修行マニアなニート?」
「え、会社員だよ……?大学出て、三年勤めて……」
「……民間軍事会社とかじゃなく?」
「普通の広告会社」
「……マジで……?」
「マジですよ?あ、」
『ウオオアアアァァア⁈』
醜鬼が一体、飛び出て来たので【震動】、【光】でひるませ、
「やあっ‼︎……肥後さん‼︎」
『……ッ⁈』
斧で足を斬りつける。
「っ、」
『
『──……ッ‼︎』
そうして肥後さんが懐から取り出したライターがとんでもない大きさの火を吐き出し、灰の一片すら残さず醜鬼を焼却した。
「ふぅ」
昨日とっさに使ったけど、この『【震動】→【光】の連続でひるませる』戦法結構いいなー。
敵を倒す事にこだわって【光】は醜鬼を消滅させる威力までチャージするものと決めつけてたけど、
しかも【震動】よりちょっと長くひるんでくれるのだ。
目くらましでもちゃんと意味はあるし、どこからでも出せて出が早いけどすぐに回復される【震動】と出せる場所が限られて出が遅いけどすぐには回復されない【光】のコンビネーションがいい。
「ありがとうございますね?」
「……うん」
……それにしても矢継ぎ早の質問だったけど、学生とかニートとか民間軍事会社とか……。
私はいったいなんだと思われてたのだろう……。
……あれ、っ?
もしかして私って三番組にロクに自己紹介して、ない……?
「──月夜野組長と日ノ出さんはどのような関係なのでしょう?」
パトロールを終えて、再び五人揃った食事の席。
そこで聞いてきたのは新粥さん。
「……えっと、ベルの父親側の親戚で……」
「私のおばあちゃんとベル組長のおじいちゃんが姉弟、だからはとこですね」
ちょうどいい機会かもしれないのでベルちゃんの後を引き継いで、言葉に出す。
「もっとも夏冬と法事で会うくらいですけど……、ね?」
「は、はい……」
「…………、……何歳差?」
そして事実を補足すると何故かベルちゃんが沈む、というかおびえる、というか……。
そんな事を思う内にも暗いというか、驚いてるというか、そんな微妙な表情の肥後さんが聞いて来る。
「5歳差……、じゃなかったっけ、ベル組長?」
「多分、そうです……」
「え⁈5歳差⁉︎て事は25⁈」
……お茶で喉を潤しながら確認してもやっぱりベルちゃんは沈んでる。
ここで叫ぶのはおにぎりを食べてた上総さん。
「大人っぽい18だと思ってた……」
「……私はもう少し歳上、27歳くらいかと」
「ええ……」
そして上総さんと新粥さんの口から出るのは、10歳近い開きがある私の外見年齢の予想。
……ええ……。
私、マジでどう見られてるの……?
……というかそもそも……。
「……えーと、よその組の人ってそんなに知られてないもの?」
「……中央は人が多いから一人くらい増えても分からない。……そもそも組ごとに個性があるからバラバラに動いて来たのが魔防隊で、連携するようになったのはつい最近。……他所をどれくらい知ってるかは人それぞれで……、……アタシ達はやられてたから連携に乗り遅れてる」
「…………」
「えっ……?そう、……そうですか」
「…………」
「……」
……答えてくれたのは肥後さんで、ベルちゃんは縮こまってる。
……というか三番組全体が縮こまって、落ち込んでる。
……そっか。
人数多いところに一人増やされても気付かないってのはまぁ分かる話だし、私が入ったのは八雷神やらなんやらが起きた“後”の魔防隊だからそれ以前の空気なんて知りようがない。
……教育係が魔防隊大好き人間で各組についても知ってる銀奈ちゃんだったから気付かなかったけど、その銀奈ちゃんも『
…………。
……で、三番組が紫黒にやられたというのは確認できる限りで八雷神が活動を始めた一番最初の出来事だ。
(……まぁ
……それで三番組はしばらく活動不可だったというし、そこら辺を境に交流が多くなったとすれば『やられてたから乗り遅れてる』というのも納得だ。
落ち込むのも当然。
…………。
……ごめん、ちょっといい?
正気か?
魔防隊の運用方針?
ただでさえ未知の空間で連携すらしない、って正気か?
いや、各組が独立して動けるようにして、一つでも組を生き残らせて全滅するのを防ぐって方針……、……だとすると出張組に戦力を割き過ぎて各組に残る人数が少な過ぎるし、今聞いた『組ごとに個性がある』って発言とも矛盾する。
組ごとに個性があるなら尚の事連携が必要じゃん?
……まぁ、そもそも人数不足かもしれないし、あくまで私の悲観的な推測だけど、『出張組に人数を割かれてる各組』、『外壁に守られた総本部と建物がむき出しの各組員寮』、『行われていなかった連携』……。
……そして、そうだ。
この『魔都』から齎される桃が今の世界、
「……あの〜……、そろそろ、パトロール、……いいですか、いや、いいでしょう、か?」
「──んあっ?」
声をかけて来たのは上総さんで……。
「あっ、もうそんな時間⁈すいません、ごちそうさまでした‼︎」
「あっ、い、い、いえ?そんな急がなく、ても……」
……何はどうあれ、仕事を果たそう。
魔都を衛り、醜鬼を狩り、魔都災害から人を助ける。
……それを怠っていい事にはならない。
……人死には、望む所じゃないし。
「……。……」
「……うぇ、あ、え……。…………」
……現在パトロール中なわけだけど。
……後部座席の上総さんの様子がおかしい。
なんかうめき声みたいな声出しては押し黙るというのを繰り返している。
車両庫でも、
『あのー、『
『あぁ!ハイ‼︎い、いえ‼︎、えっと、使い過ぎると燃料切れ、なので、できれば……、……乗せて貰えれば……』
……そんな調子で、まぁ本人が言うんだし、とりあえず乗せて来たけど……。
……いや、この調子で空飛ばす方が危ないだろうけど……。
……まあそもそもの原因はきっと上総さんが私を18だと思っていた事だ。
……そりゃそうだ、高三の先輩だと思って接してたらまだギリ新人だけどれっきとした教師だった、なんて誰でも
ましてや十番組から来てるんだから、それに加えて生活指導の担当だった、みたいなものだろう。
……流石にこのままじゃなんのコミュニケーションも無いよりまずいだろうし……。
「えっと、上総さんって魔防隊入って何年?」
「18であります‼︎」
間髪入れずに恐らく自分の年齢を答える上総さん。
……。
……ダメだこりゃ……、……。
……いや、ここは。
「私まだ入って一ヶ月経ってないんで皆さんが先輩ですね、改めてよろしくお願いします」
──押し通す。
「い、一ヶ月‼︎⁈殺し屋でもやってたんですか⁈」
「なんで?」
殺し屋、って。
なんでよ?
「普通の広告会社で──」
「殺し屋やってたんですか⁈」
「……ねぇ、殺し屋から離れよう?」
「す、すいません‼︎殺さないで‼︎」
「──離れないと車から放り出しますよ?」
あっ、しまった。
車から放り出す、なんてそれこそ殺し屋発言じゃん。
テンパり気味なところにそんな事言ったら……。
「ひぃっ⁈」
「…………」
……ほら、
……まぁ、プロフィールは大体言ったし、これ以上衝撃受けるような話も無いだろうから、その内回復してくれるだろう。
……。
……だろうばっかだな
『──すいません!
と、ここでベルちゃんから通信。
(……
「──了解しました、先行します」
なので、即応できるように魔防隊では
今回は私と上総さんの後にベルちゃんが肥後さんと新粥さんを引き連れて来てくれるだろう。
『あっ、いえ、今回は境界に近いので五番組の人が来てくれると……』
「……?了解しました」
五番組……?
まぁ境界ならおかしくはないだろうけど……。
「──上総さんはどうします?このまま乗ってきますか?」
「い、いえ。……
……まぁとにかく後ろの上総さんに声をかければ、流石に上総さんは落ち着きを取り戻し──、──車から飛び出した。
同時に光の線が腰回りに立体を作り出し──、──それはあっという間にエンジンと翼を有した実体と化す。
『
エンジンを噴かし、轟音と共に飛び去って行く。
「うわっ!──……」
……
『門』とは言っても
「結構大きいなぁ……、……今回」
所々に紋様を浮かべる闇の円盤とでも言うべき浮遊物体、それが
しかし今回のは本当に大きい。
実習中にもう何度か魔都に発生した
「上総さーん!通過者はー⁉︎」
『い、いませーん‼︎現在通過者無しー‼︎』
「了かーい!あと燃料切れがあるなら降りて来たらー⁈長丁場でしょー⁉︎」
『は、はーい……!』
そして発生した
すぐに消えたものも一度見たけど、『待ち』が基本になるから消耗は抑えた方がいいだろう。
「──、っ」
という訳でエンジンを噴かしながら上空に居た上総さんが降りて来る。
「…………、っ」
……ただし態度は本格的に『
……、……18かぁ。
……案外かわいいな、この子。
「──ねぇ
「そ、そうですかっ?」
「気に入らなかろうとやる事は変わらないんだし、…………、……上総ちゃん、魔防隊で
ちょっと距離縮めよう……とした矢先、醜鬼に並ぶ魔都名物の
雨風はもう遭ったけど、竜巻は魔都どころか生まれて初めて生で見た。
……確かアメリカだと地下室に逃げるんだっけ?
でもここ屋外だし……。
「ち、違うよ、あれ、
「……えっ?」
とか思ってるうちに竜巻はどんどん近付いて……、──
……そうか、これが『
「──やっほー☆」
風を散らし現れた、──私が見た中でトップクラスにスケールの大きな能力で派手に現れたこの人こそが、──魔防隊五番組組長・
魔防隊の組には縁起が悪いというので『四』番組が無い。
なので時計回りに配置されてる組の並びで、東方方面の三番組の次は南東方面の五番組に飛ぶという訳だ。
「鞠たん久しぶり!もう元気ー?夜雲さんは鞠たんに会えて超元気だよー‼︎」
「……と、おかげさま、で……」
「また一緒に飛ぼうよ!ねー?一緒に飛ぶ機会ってなかなか無いじゃん⁈」
「その、……」
……それはともかくめっちゃ距離近いなこの人……。
あとこの人もまた、制服が……。
中に着てるとは言えあんな胸元出して……。
「……初めましてでいきなりあれなのは申し訳ないけれど、あれが組長だから……」
「は、はぁ……」
「あぁ、私は五番組副組長の
「あっ、すいません。申し遅れましたが私「んでんで⁈そっちの新顔ちゃんが⁉︎」……」
……マイペース過ぎるなこの人……。
「この度魔防隊に入隊させていただきました、日ノ出冬美と申します。現在三番組に出向させていただいていますので、どうぞよろしくお願いしますね」
ぺこり。
ともかく挨拶を済ませる。
「ふーん?出向って事はもしかして十番組?」
「はい、未熟者ですが「──まあいいや!」
すると真面目に答えようとした私の隙を突いて背後に回り、
「よろしくね、冬美たん♪」
私の、尻を揉んだ。
△
──某日某時、都内・某創作居酒屋。
「にしてもさー、冬って結構気難しいよねー。バニラアイスが食べたい時は絶対他のアイスで妥協しないしー」
「……アンタがそれ言うの、軽?」
「……確かに冬は意外と神経質なとこあるけど、軽ちゃんが言うのは、その、加害者が語るな、っていうか……」
「いや反省してるって‼︎ホントに‼︎」
「…………胸揉んであんな怒るとは思ってなかったんだよぉ……」
「胸揉んだだけじゃないでしょ、服の上からとはいえ○首くり、っていじったんでしょ?え?」
「あの時すごかったよね……。冬も『軽ちゃん』って呼び始めてたのに夏まで『青梅さん』だもん……」
「あれはこたえたよ……、……芳と照には『芳ちゃん、照ちゃん』なのにその直後『……なんですか、青梅さん?』だもん……」
「ほんと、
「そう思うと奇跡だよね、『軽ちゃん』まで回復したの……」
「軽ちゃん的にもよかったよ……、スキャンダルの種をあたし自身から消せて……」
来店客の会話より抜粋。
──魔防隊五番組副組長・五木カイコは後日こう証言する。
「──ええ、まあ、言ってしまえばあの人の自業自得なんですよ」
「昔から妹達とスキンシップしてたとか、魔防隊の女の子でハーレム作りたいとか言って誰彼構わずセクハラして、痛い目も見てるのに反省しない」
「知ってます?山城総組長に仕掛けて病院送りにされた話」
「──ああ、知ってましたか。……まぁそれでも性格が明るいムードメーカーですし、なんだかんだスケベでも許されてしまってた所はあったんですよ。魔都は過酷ですから」
「──でも許さない人に出会してしまった」
「……組長が冬美さんの尻を揉んだ時、空気が凍りましたよ」
「知ってます?空気が凍るって、当たり前の優しさとか思いやりが失われるって事なんですよ?暖かい感情が一切抜けて、空気が凍るんです」
「……ほんと、地獄みたいな魔都で尚地獄でしたよ……」
「冬美さんの第一声があれですよ?『──……ええ、よろしくお願いします、
「……私は大型車両や船舶が魔都災害に遭遇して怪我人が発生する恐れが有ったので
「……それからの数時間は地獄でしたよ」
「あの子は居るだけで空気を暖められるとっても優しいいい子ですけど、その分怒った時の空気の冷えようもそれはもう地獄で……」
「……あの時冬美さんは拳銃抜いてたんですよ、その時はロクに当たらなかったって話だったのに」
「……後になって聞いてみたら『斧じゃ取り回し悪いですから』って答えたんですよ。……ええ、素早いウチの組長を警戒してですね」
「それでもあの子はまだ入りたてだったのに立派に職務を遂行しようとしてましたよ」
「……魔都、
「……ホントに、何の感情も無い、ただの犯罪者を見る目でしたよ……」
「鞠ちゃん──、ああ三番組の上総鞠という飛べる子なんですが。さっさと飛んでギリギリまで降りて来なかったその子がうらやましかったですよ」
「……私まであの組長をのさばらせていたと思われてましたからね」
「言っても聞きやしなかったって分かってもらえるまで時間はかかりましたし……、……それまでずっと五番組は冬美さんに警戒されてましたね」
「ええ、今は普通に。あの子は初対面でバカにしたりセクハラしたりしなければ大抵の人とやってけますし、ちゃんと謝ったり誤解を解けば関係も築き直せます。それでも気に入らない相手であっても仕事上の付き合いはできますし、仕事上の気遣いはできます」
「例外は……、山城総組長くらいでしょうか。まぁあの人も人を下に見るクセがありましたから」
「──ああ、すみません。ウチの組長の話でしたね。確かに冬美さんがセクハラに過敏で厳しい所もありますけれど、誰が悪いかと言われれば癖を直そうとしなかったウチの組長が全面的に悪いですし、繰り返しになりますが自業自得ですから庇い立てのしようもありません」
「あの組長をのさばらせていた身としては、恥知らずな発言でしょうが……、──然るべき対処を、よろしくお願いします」
魔都防衛特殊部隊五番組組長・蝦夷夜雲のセクシャルハラスメント嫌疑についての供述より抜粋。
△
「──上総ちゃん、嫌な事は嫌って言うんだよ」
決めた。
五番組には近付かない。
…………。
…………。
……のは流石に無理だろうから……。
…………無理だろうから。
……ひとまず
「……あのー……、日ノ出さんはセクハラとかお嫌いなのでしょうか……?」
「嫌い、許さない」
「ひっ」
……ごめん、これはどうしようもない。
「ああいうのは心通じた相手とやってこそでしょう?ただ自分が気持ちよくなりたいだけなら
「は、はぁ……」
……仮に、仮にだ。
美羅さんや京香さんが胸やら尻やら揉んで来ても許すよ。
あの人
……でも
なんの積み重ねも無くして許されると思うな?
……しかもあの手付き、触った奴の反応を愉しむこの世で最低に邪な手付きだ。
……触ったら手が腐れ落ちる技でも作ろっか?
「…………」
「…………」
……ちょっとこれはもうどうしようもない話なので……──仕事上は付き合うけど、私にそれ以上妥協する気は無い。
頭を切り替える。
『分身』と『風』……。
肥後さん、上総ちゃんの美羅さんと蝦夷組長への微妙に腰の低い態度……。
単純に立場が上の人に二人とも腰が低いって可能性も無くはないけど、やっぱり……。
「お、お帰りなさい、っ……!」
そんなこんなで
「ただいま戻りました。お疲れ様です、ベル組長」
「は、はいっ。え、えっと冬美さんはこれからお風呂とか……」
「あー、私はシャワーで済ませますけど「えっ⁈入らないんですか⁉︎回復できるのに⁈」
これから待機時間に入る私へのベルちゃんの……、……恐らく誘いに答えようとしたら上総ちゃんが割り込んで来た。
……まぁ、確かに疑問視はされるか。
「やっぱり『裸を見た奴は生かしておかねぇ……』なんですか⁈」
「……あの、上総鞠さん。私はそんな銭湯にも行けないような危険人物に見えますか?」
魔防隊の寮の浴場に湧く湯は、疲労回復効果があるという。
使わない方がおかしいんだろうけど……、私は魔都に来てからずっと浴場とは別に設置されてるシャワールームで身体を洗ってる。
……上総ちゃんには私が気位の高い女帝みたいな奴だと、とんでもない誤解をされてるみたいだけど。
(……銭湯なんて社会人になってからは行ってないけど)
「い、いやだってさっき蝦夷組長にめっちゃキレてたじゃないですか⁈」
「……確かに覗きだとか盗撮だとか痴漢とかは許さないよ?でも自分で選んだなら別にいいよ、キレる理由なんてない。……お風呂使わないのは怖いからだよ」
「こ、怖い?」
だってそうじゃない?
「──
……
……魔都の桃は世界を、日本を変えた。
世界を女性中心に、日本を『桃』の原産国に。
そんな中で魔都を衛る魔防隊が醜鬼を跳ね除け、『桃』を安定して手に入れられるようになった後に求められる事はなんだろう。
魔都は
……それは『桃』を根幹とした今の社会に対する致命傷になりかねない、裏切りが続く事はその理由がなんであれ政府にとってあってはならない事だ。
──だから手を加える。
各寮には物理的な外壁は作らない、外から攻める時障害にならないように。
各組に個性を持たせ……バランスを悪くし明確な弱点を作る、戦う時その弱点を突けばいいように。
普段はバラバラに動くようにする、各組を引き離し一丸となって反抗し辛くする為に。
風呂場に回復効果を持たせ自然にそこで入浴させるようにする、無防備な状態で狩れるように……、……いや、これは魔防隊が能力戦闘のプロである事を考えると違うかな?
兜さんみたいに物を媒介にするもので無ければ、裸であろうと能力は使えるし。
……あと食事もそうじゃないかと思う。
魔都のパトロールにお弁当を持たせるんじゃなくて、寮で食事を取らせるのも携行食料──
……隔絶された異空間である魔都にとって食糧切れは致命傷になりかねない、……
だからわざわざ管理人や調理師を雇って食への不安を
……なら外壁で守られた総本部は?
頭が魔防隊全軍率いて裏切るとは思われてないの?となるけど……。
……総組長を選ぶ組長選挙の仕組み的に、
……まぁ穿ちすぎな見方だと思うし、証拠は無い。
食事だってきつい環境の魔都で支えになれるようにって精一杯のまごころが真相かもだし。
そもそも根本的には私が結界の強度とやらを信じ切れてないのが大きいと思うけど……。
……ただまぁ。
……一応建物に囲まれてるけど、少なくとも素手でも十分戦えるようになるまであそこで入浴する度胸は無い。
「……日ノ出さんほどの歴戦でも?」
「あの、私あなたと戦ったら負けるくらいの新人でど素人ですよ?私には飛ばれたら決着できる攻撃がありませんし、逆に頭抑えて撃たれ続けたら負けるしかありませんよ」
「昨日は……「昨日はあれ一体だけだったから隙作れたんです。群れだったらそのうち牽制が追い付かなくなります。……確かに怒ったのが怖かったかもしれませんけど、じゃあ今はまだ怒ると怖いだけの人です。ごめんなさい」
「──改めまして、私は日ノ出冬美。運動は毎日ジョギングしてたくらいのOLでした。まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします。……」
……とりあえず反論を許さずに
「…………」
「……」
「…………」
上総ちゃんだけじゃない、いつの間にか肥後さんと新粥さんも車両庫に来てる。
……やっちゃった……。
……間違った扱いが嫌だったからって、頑なで強めの語調になってしまった。
…………みんなに顔が利く銀奈さんのおかげもあって普通に接してくれて話もしやすかった十番組から、上手く話せない三番組に来てストレスも溜まってたのかな……。
……いや、そうだ、『なんで三番組に行くのか分からない』という不審がストレスとなって表出してたんじゃ?
あー……。
「……ごめんなさい、強い口調になっちゃいました」
……てかそうじゃん、組員歴一ヶ月未満の私にビビったんならプライド粉々にしてるじゃん……。
……
……あー……。
「……えっと、よろしくお願いします」
「……ありがとう、ベルちゃん」
……素直に声かけてくれるベルちゃんが優しい……。
「……いや、こっちも無愛想だったから……」
「……その、……タメだと思ってたら遥か歳上で、驚き過ぎてテンパりました。色々と申し訳ありませんでした……」
「……いえ、……どうも、……?」
肥後さんと上総ちゃんはパトロール分くらいは言葉多く、新粥さんはまだ微妙にぎこちなく、答えてくれる。
「どうもすいません……」
……ありがたい……。
……ありがたい、けど……。
もっと仲良く話したいよぉ……。
…………あー、それに……。
……さて、現在私は三番組に『出向』している。
三番組に『異動』した訳じゃない。
……これが何を意味するか。
「ベルの様子はどうだったかしら?」
……私の上司はまだ、この総組長である山城恋だという事だ。
「……まだ二日なのでなんとも言い難いのですが」
「いいわよ、貴方の所感で」
激務の間を縫って、わざわざ
「……報告書にも載ってるかとは思いますが、命令は適当ではないけれど、詳細でもない。要点は抑えられてました。組の運用もまた──」
……いややっぱり
……それを思い始めたきっかけは『人数』だ。
魔防隊の他の組では三人で業務を回しているとこもある中で、三番組は私含めて五人。
これは組員数では『裏鬼門』を抑える京香さんの七番組よりも多い人数だ。
管理人故に組員ではない優希さんを合わせると互角だし、索敵係の大川村ちゃん(なんと小学生‼︎)を除くと戦闘員では上回る。
……私が入らなくてもちょっと多くない?
次に『面積』。
魔都を九分割して防衛する魔防隊だけど、その担当面積には差がある。
ごく単純に、起伏などを考慮しない面積は目算でも『鬼門』と『裏鬼門』が広く……、……逆に東方と西方、即ち三番組と八番組が狭い。
三番組管轄区域で言えば、『鬼門』のだいたい半分よりちょっと少ないくらいの面積しかない。
……これ機動力が無いベルちゃんに合わせてない?
更に『配置』。
三番組を囲むのは美羅さんの二番組、蝦夷組長の五番組、総組長の十番組だ。
……全ての組と接する十番組は置いといて、人海戦術で人手を回せそうな二番組と、銀奈さんによれば都市を吹き飛ばせる程の風を出せる──隣の組もカバーできそうな五番組に挟まれてる……。
……しかも不良っぽい見た目だけど人の良い美羅さんと、一応ムードメーカーっぽそうな
肥後さんと上総ちゃんの様子もなんかおかしかったし……。
……意思を感じるんですが?
……『配置』を別の面から見れば。
仮にこれが八番組であった場合、隣を挟むのは京香さんと東風舞希さん。
……槍を伸び縮みさせられるという東さんはともかく、『奴隷』の足で範囲をカバーするであろう京香さんは、例えば六番組側に行ってる時に八番組に何かあってもすぐに助けられなさそうだ。
じゃあ他の組ならとなると『面積』の問題がある。
……やっぱり意思を感じるんですけど?
そして、『能力』。
組員が先行してベルちゃんが後を追うのが三番組のスタイルだけど……、……もしかして本来の想定はベルちゃんを
醜鬼を煙で受け止められる新粥さんが守り、飛べる上総ちゃんが上をカバー、肥後さんが火炎で数を減らした所に、ベルちゃんを投入……みたいな。
……合ってたら過保護じゃない?
で、あとは……『私』。
『囲う』のが合ってるかはさておき、今の三番組のスタイルはベルちゃんが余りに無防備だ。
で、私は、実用性はさておき遠距離も近距離もいけて、索敵も車の運転もできる。
おまけに親戚として面識があるから、護衛として心強いし話しやすい……と見られそう。
ベルちゃんが馴染めてない、とも言っていた事だし。
更に言えば、別に端末越しでもいいのに今こうして直接報告してるし、その為にこの出向には隊用車が貸し出されている。
……私への隙、いや
「──こんな感じですかね」
「なるほど?興味深かったわ」
……で。
もしかしなくてもこの総組長、肥後さん、新粥さん、上総ちゃんにも同じように接したんじゃなかろうか。
「昔より距離が開いてるというのは残念だけれど……、
──これからもベルをよろしくね?」
こんな風に、圧をかけて。
……総組長からプレッシャーをかけられたのなら、他の組員との関係がぎこちなくなるのも納得しかない。
……
「あのー、その事についてなんですが」
「?何かしら」
……まぁひとまず三番組について、私の頭でつく想像はつけた。
あとは本人達から聞かなければ正確なものにはならないだろう。
……けれど、一番肝心な事が分からない。
「──三番組から本部に向けた報告書を閲覧したいのですが、資料閲覧の許可を頂けませんか?」
──私は、魔防隊のベルちゃんについて何も知らない。
「……三月十二日、醜鬼出現が一回。三月十三日、醜鬼出現が二回──」
「で、どうなの?かわいい親戚ちゃんのお仕事を見た感想は?」
総本部、機密資料庫。
ここに収められているのは各組の報告書から集積された醜鬼出現・討伐の詳細や、組員の能力詳細・及び拡張、並びに出動スケジュールや身体データ……。
敵に知られては困る魔防隊の情報が分かってしまう為、能力と技術で厳重に守られ閲覧には総組長の許可と
……規模は限られてるけど同一のものはあるから、三番組で見なさいと突っぱねられるかと思ってたけど……。
……あっさり許可されて、雲織さんが同行してくれてる。
……これも、
……一応、触れるものは最小限、余計な行動はとらないように気を付けている。
「
「あら、味気ないわね」
……そう、普通。
普通としか言いようがない。
三番組、ひいてはベルちゃんの報告書は。
「まぁあの子もかわいそうな子よねー、海桐花組長に特別待遇で連れて来られちゃって」
……そう、ベルちゃんの組長歴は案外長い。
海桐花さんが総組長で、山城総組長が組長だった頃から組長をやっている。
これはなんと同じ時期に組長になった美羅さん京香さんの激戦区コンビより組長歴では長い。
……しかし
……と思考が沸きかけたけど抑える。
私は何も知らない、むしろ貴重な証言だ。
「……もしかして、組長会議ですか?」
「そうよ、ピッカピカにキラキラしてた顔がそれはもう怯えて、すくんだ顔になっててねぇ……。……いくら能力が強くてもやりよう、ってものがあるでしょ?って思わずにはいられなかったわね」
「……それは」
……それは、また……。
……いきなり組長って……。
……組長歴では劣る美羅さん京香さんだけど二人にはそれ以前に二年以上の魔防隊組員としての経験があるし、美羅さんは
……一方でベルちゃんはいきなり組長で、それから今に至るまでのそろそろ三年間組長しかやってない。
……ベルちゃんが武芸してたなんて話聞いた事が無いし、横浜経験してない私が組長になるのとたいして変わらないんじゃないの……?
そりゃあ帰省もできないだろうし……。
…………。
『ベルの
……、『かわいそう』……。
「…………。雲織さん、見たいものは見たのでもう大丈夫です」
「……あら、そう。…………ねぇ冬美、アンタ気付いてる?アンタたまにすっごい、怖い顔になってるわよ?」
…………。
「昨日も似たような事言われました」
「…………」
三番組へ、車を走らせる。
『ふゆ─、さん?』
ベルちゃんとの記憶を思い出す。
『ふゆみおねえさん……』
ろくに関わってないけど、それでも思い出す。
『冬美お姉さん……』
……薄いものだけど、桃を食べる前からの付き合いだ。
……記憶なんて薄れかかってる。
『……あっ、冬美お姉さん』
それでも、思い出す。
『魔防隊のスカウトだってな!』
『すごいわねえ‼︎』
『おめでとうベルちゃん!』
『おめでとう!』
『わわっ、ありがとうございます……!』
『……おめでとう、ベルちゃん』
「──っ‼︎」
何がおめでとうだ、この救いようのない大バカめ。
……三番組寮にたどり着くまで一匹の醜鬼も出て来なかった。
「…………」
……よくない事だとは分かりつつも、屋内射撃練習用のレーンへと向かう。
ここまで誰ともすれ違わなかった。
「…………」
総本部のものと比べると、ここはかなり狭い。
総本部では部屋一つ使ってたのが、ここは一本道だ。
「……」
……ふーっ。
……バン。
……弾は当たらない。
「……」
……バン。
……弾は当たらない。
「……」
……バン。
……弾は当たらない。
「……あの、前のめり過ぎると思うよ……。冬美お姉さん」
⁉︎
……ベルちゃんだ。
「撃つ時……、引き金を引く時に体が前にせり出してるというか」
横から入って来るベルちゃんにレーンを譲る。
バン。
「撃ち終わるまで体をブラさない、……のがベルのコツ、……ですよ?」
……弾は的の中心近くを撃ち抜いていた。
「⁉︎」
「…………」
「ふ、冬美お姉さん⁉︎」
「……。ああ、ごめんベルちゃん」
銃を持ったままベルちゃんを抱き締めていた。
練習弾であっても、いや練習弾だからこそ油断は禁物。
弾を抜いて、しまって、手放して、今度こそベルちゃんを抱き締める。
「⁉︎」
「……頑張ったねぇ、ベルちゃん」
「え……?」
そう、ベルちゃんは頑張っている。
銃の腕だってそう。
立ったままだとして誰が責められる、戦いと無縁だったんだぞ?それが的の中心まで射抜けるまで成長したんだ。
文句言う奴の脳天ブチ抜いてやる。
「冬美お姉さん⁈」
組長業だってそう。
……よくよく考えてみた。
総組長が過保護だとして、そんな過保護でなければやってけない奴が組長続けられるのか?
これが家族経営の会社とかなら結果はどうあれまぁ個々人の責任だろう、……でもここは魔都でこれは魔防隊。
しくじれば人死にが出る魔都災害の対処が仕事だ。
んな過保護でなきゃやってけない奴は組長から下ろされてる。
「⁉︎」
……確かに組員に置いて行かれて、醜鬼討伐数では明確に上回られてる。
指揮なんてできてもいない。
……
見方によっては自分の身の回りは最小限に、組員自身にのびのびやらせるスタイルだとも言える。
まぁ、備えは用意されてたみたいだし、ベルちゃんが意図してそう機能していたかは置いといて。
「⁉︎」
報告書の類もそうだ。
普通でしかない。
六番組や九番組・十番組みたいに迅速に明快に正確に書き上げられてる訳じゃないけど、たまに未熟さが見える一番組・たまに不真面目な二番組に五番組・時折誤字する八番組みたいな事も無い。
たまに文面が固い七番組の事を考えればあれが標準だと言ってもいい。
「ふ、冬美さん……」
「‼︎」
そっと、腕をほどくと、ベルちゃんの顔は真っ青だった。
「……
「……」
……その青ざめた顔が答えだった。
「……言う訳ないだろ、バーカ」
「……⁉︎」
「私は‼︎これっぽっちも知らない‼︎
……私の事は『お姉さん』、お母さんは『おばさん』、あった数がかなり少ないお父さんにさえ『おじさん』と付けていたベルちゃんが、説明の為とはいえ自分の親をただ『父親』と呼んでいたのが違和感だった。
そこから考え、『……もしかしてベルちゃんは親と仲が悪い?』という説に行き着けば色んな事が解けていった。
……お母さんがあちらに関わらないのは、単純に
……私がベルちゃん以外の親族を覚えてないのは、ベルちゃん以外ロクに話しかけて来なかったからで……、……ベルちゃんが私にしか話しかけて来なかったのは他の親戚に相手にされなかったから。
……
帰省しなかったのは本当に組長業を頑張ってたからだろうけど……、……『帰りたくない』と思う気持ちもあったんじゃなかろうか。
「……私も、もう魔防隊だから。『てめーらにかかずらってる暇なんてねーんだよ』ってね?……もうあそこに行くつもりはないよ」
「…………」
「だから、まぁ、怖がらないでくれると嬉しいけど……。……無意識で怖い顔しちゃうらしいから、そこはごめんね?」
「…………」
「……、ベ、ベルは」
そうして、ベルちゃんは話し出した。
皆様は、最近誰かに褒められましたか?
※色々※
・ベルの年齢と組長歴
…12巻巻末の組長裏情報によれば『高校卒業後にスカウト』で誕生日が3月30日。
高校の卒業日は不明だが、飛び級してない限り18以上は確実なはず……、……だけど『今何歳か』は不明……。
なんか木乃実ちゃんと同年代にも見えるし……。
……というか何歳でどういう経歴か原作周りで明言されてる人が少なすぎる……。
で、スカウトされた当時はまだ海桐花さんが総組長で、104話での回想の集まりを見るに山城恋・夜雲さん・天花さん・風舞希さんは既に組長だった模様。
……ただしそこで描かれたのはりうさんも合わせて六人。
組長の合計人数九人より少ないし、いてもおかしくなさそうな七番組前組長はいないが、彼女と入れ替わりで組長になった京香さんと71話曰くほぼ一緒の時期に組長になったという美羅さんもいない。
(47話で組長就任の挨拶をしてる木乃実ちゃんと雰囲気など見るに組長就任後の京香さんが研修に付いてるワルワラ氏は組長として若い……とする)
……問題は『あの集まりはなんなのか』『104話回想で海桐花さんが言っていた特別待遇とはなんなのか』。
『特別待遇で組長になった子が組長会議に呼ばれた』は『……いきなり組長ってあり?』と思うし、『特別待遇(副組長くらい?)の子を顔見せ』だと『……でも言っちゃなんだけど副組長クラスってそんなに特別?』とも思うし……。
……本作では
○『月夜野ベルは20歳、高校卒業後3月中旬から下旬、誕生日を迎える前の17歳で特別待遇で組長として魔防隊に入隊。以来三番組組長として約三年魔防隊に勤めてる。(正確には次の三月で三年・……三年弱と呼んでいいだろうか?)』
○『組長歴では京香さん・美羅さんより(若干)長いが、組員歴などからどちらも組長としての先輩後輩は気にしてない。……むしろベルが下手気味』
○『25歳の日ノ出冬美とは5歳差。ただし冬美の誕生日である1月2日からベルの誕生日前日の3月29日までの間は6歳差』
○『前提として現在は秋の中旬〜下旬の始まりくらい』
であるものとします。
現状、公開されてない設定を捏造したオリ設定なのでご容赦ください。
・2025.12.17.追記
…98話の発言から京香さんが組長になったのは寧先輩が入隊してから。
で、1話読み返したら寧先輩が優希の『ひとつ前』に入ったという発言が。
七番組前組長在不在という判断材料の一つが崩れ……、……ま、まぁ、『ひとつ前』が入隊からの年数じゃなくて入隊の順番の可能性もあるから……。
……あと個人的には京香さんが組長歴一年って感じにも見えないし……。
……繰り返しますが本作での組長歴は2025年現在公開されてない設定を捏造したオリ設定です。
後日、齟齬が明らかになる可能性がある事をどうかご容赦ください。
・『魔防隊寮の風呂場、魔防隊粛清時の狩り場説』……など。
…考察であり、妄想。
作中描写から考えただけで証拠は一切ない。
原作では2話などで結界の頑丈さが描写されてるし、結界が破られたり抜かれたりしたのもそれぞれ一度しかない。
……ただ、結界があるとはいえ、寮が剥き出しで置かれてるのはどうかと思う。
アニメではなんか橋が付いたけど、防壁どころか金網も、ロープ張ってすらもいない。
……だけど47話での俯瞰を見る限り、総本部はしっかり外壁に囲まれている模様。
……あと魔防隊に深く関わる東家の九番組が遠近・空中にも対応してヒーラーもいる『……そんなに穴無くね?』な構成なのも気になる。
一番組と二番組の残る組員も分かればいいんだけど……(少なくとも二番組に索敵係は確実に居て、今のところ彼女はまだ出て来ていない。……まさか一番組出張組除けば木乃実ちゃんとりうさんだけだったとか言わないよな……?)
・魔防隊自動車事情
…『魔防隊でも移動には自動車やバイクが使われる』(『大山学習(九話)』参照)なんて書いた本作ですが、原作だとそもそも移動を描かれるのはほぼ七番組で、なおかつ七番組では自動車が多用されがちだけど他は空間転移したり飛んだり竜巻で来たり……、……と車両使いが移動のスタンダードかと言われるとちょっと弱い所も……。
で、七番組が使ってるのは屋根無し、……しかし84話では屋根有りの隊用車らしき車が二番組寮で登場してまして……。
……NBC防護だったらもっとゴツくてデカい、かなぁ……?
…………とりあえずオリ設定です。
・『ベルちゃんの仕事ぶりと三番組周り』
…完全なる妄想で捏造。
『……過保護じゃね?』とは思った。
……ただ、人命に関わる上に政戦略的どころか女尊男卑の文明社会的に大事なところの組長にお荷物は置いておけないだろう、って感じに落ち着きました。
13巻巻末のライナーノーツによれば八雷神が出るまでは問題なく醜鬼を狩れてたそうなので。
『過保護に見えるのはあくまで備え』と解釈する事にしました。
……『山城総組長が催眠や洗脳の能力を隠し持っていて色々捏造している』みたいな考えはよぎったけど!
・各組報告書の出来
…各組長や組のイメージからなる妄想。
・月夜野さんち
…まぁ、ベルにとっての印象はよくないだろうな、と。
:冬美
…『ご褒美』は問題ありません。
耕平・真氷夫妻の娘。
結構神経質かもしれない。
こだわりも強い。
自己認識がまだまだ甘い。
・おさわりなどについて
…初対面のセクハラが最悪の地雷。
なんなら初対面で殺しにかかってもセクハラよりはマシ。
そうでなくてもセクハラは大嫌い。
……空折に服剥かれて捕まってたけど、あの時は『拘束・束縛・命の危機』感が強くセクハラだとは思ってない。
……ただし別に好感度が下がらないとは言ってないので、もう死んだ(と思ってる)空折の好感度も山城総組長並みに低い。
後々『……そういえばあいつ裸にしやがったな……?』で更に下がる。
……だが、好感度が高ければエッチめなのも全然許す。
美羅さん京香さんが望めば身体でお礼してもいいし、それがうれしいと思うくらいに。
そういう事に対する自分なりの理論も持っているので、潔癖だからセクハラを許さないのではなく、思い入れがあるからこそセクハラを許さないタイプ。
……で、直接自分を空折から助け出してくれた優希への好感度もその主と同等に高い。
なので『ご褒美』は問題ありません(二回目)。
……本作にR-18タグは付いてないのですが!
:ベル
…99話では立射(らしい姿勢)とはいえ、敵の顔面に銃弾を当てている。
普通の人間なら撃ち抜かれて即死だろう。
……相手が普通じゃなかったのでノーダメだったみたいだけど。
……能力バトルものだから地味に見えるだけで、普通に頑張っていたのでは?と作者は思う。
:紅葉
…冬美が組員歴一ヶ月な事にも、魔防大学出てない事にも、スカウト枠でしかも相手が総組長な事にも、前職が普通の会社である事にも驚いた。
……驚き過ぎて鞠のようにテンパりはしなかった。
・『不知火』
…火炎を操り、ライターの火を醜鬼を焼き尽くす程の業火に変えられる。
:小粋
…まだまだ口数は少ない。
冬美は実際より2歳上の27歳だと思っていた。
:鞠
…タメだと思ってたら7歳歳上はさすがにビビる18歳。
そのビビりようが冬美の琴線に触れ、冬美からの呼び方が『上総さん』から『上総ちゃん』になった。
……まぁ夜雲さんのセクハラにキレた冬美さんに更にビビり、テンパったけど。
:美羅
…イケメン。
……冬美はこの人にバイアスかけてる感が否めないけど。
まぁ美羅さんイケメンだから。
ウブ過ぎてセクハラとはまず無縁だろうし、冬美が知ったら更に好感度が上がる。
……歳上だけど立場は下(目上だった時期もない)の人にこの人はどう接するのか……。(2026.3.追記)
:
…初対面で最悪の地雷を踏み抜き、冬美からの好感度が奈落の底に落ちた五番組組長。
魔防隊では尻を揉むまでは普通に上回ってた総組長を下回る好感度ワースト1に位置付けられた。
なんなら攫って食って取り込んだ空折よりも好感度では下回る。
……仮に横浜で空折と戦ってても、繰り返されるセクハラに好感度はだんだん下がってゆく。
・『
…ちなみにこれで空を飛べるので三番組では同じく飛べる鞠
……鞠側からの印象は悪い寄りの微妙。
:
…五番組副組長。
本作では冬美よりも歳上(魔防隊に長く勤めてるらしいので。……こういう時海桐花と風舞希の東母娘がノイズになる……)。
後に上司のセクハラ疑惑に対して供述する。
その時は担当者相手なので普段と口調が違う。
:奥多摩組
…高一のゴールデンウィーク前、軽のセクハラにより危うく解散の危機を迎えていた。
入学直後に軽がやらかしてたら存在しなかったかもしれないグループ。
:総組長
…三番組組員に圧をかけたかはまだ分からない。
……けどそもそも冬美はこの人への好感度が低い。
魔防隊ではワースト2。
:投機
…頼れる雲織さん。
ベテランなので入隊〜組長会議でのベルの落差も知っていた。