その歩み、大山へと至る 作:枯山水の庭園
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……挨拶はさておき。
20巻発売、2の放送開始、最新話更新、と、
先週はまとスレウィークでしたね‼︎
という訳でって訳でもないですが2万字超えてます!
「ベルちゃん」
「はい」
「もし私が間違っていると思ったら教えてね。──無条件に味方するだけが『助ける』という事じゃないと思うから」
「……はい」
「よろしくね」
△
三番組のみんなには共通の弱点が幾つかある。
一つは『能力の発動まで一拍以上かかる』という点。
ベルちゃんは言うに及ばないだろう。
『光らせて→近付いて→抜き取る』、この三つの動作がいる。
肥後ちゃん・小粋ちゃんはそれぞれ火/煙を操れるけど、
『道具などで火/煙を出す→能力で操る』という工程が必要になってしまうのだ。
上総ちゃんだってそう。
『飛行ユニットを出す→武装を展開する→攻撃』のテンポが必要だ。
みんな能力が力を発揮する前に攻撃されたらひとたまりも無い(一応『守り』のあるベルちゃん除く)。
──ただし、交戦距離を遠距離に限られるならその弱点は無いに等しい。
距離が能力発動までの時間を稼いでくれるからだ。
特に醜鬼は特殊醜鬼でもないとそんなに遠距離攻撃はしないので──岩を投げるくらいを目撃された事は無いでもない──とりわけ有効だ。
肥後ちゃんの『
醜鬼を群れごと焼き尽くす業火をライターの火を操って使われた燃料に見合わない規模で生み出し、長時間維持できる。
こんな風に。
『グオオオ……!』
『ギャアアア……‼︎』
醜鬼の断末魔が業火──【
上総ちゃんの『
20mm級機銃、空対空・空対地ミサイル、無誘導ロケット弾ポッド、250/500kg級無誘導・目視誘導・各種誘導爆弾、徹甲弾に地中貫通弾、拡散弾頭発射器。
直接攻撃には使えないけど、レーダーユニット、ソナーユニット、カメラユニット、各種センサー射出器、各種ジャマー、高高度防護システム、係留用ワイヤー、ネットランチャー、
今回は
で、小粋ちゃんは……、
『──醜鬼を煙で持ち上げて倒してたけど、あれって結構辛いんじゃないかな?あるいは『煙で止める』と『煙で持ち上げる』のを同時にやるのはキツい、とか』
『……矢張り、見抜かれてしまっていましたか……』
『え⁈そうだったんですか……⁈』
『……マジ?』
『……マジで?』
『……はい、左様です』
──表情の顔への出にくさが口数の自然と減る環境にマッチしてしまっていた小粋ちゃんとみんなとの間に、総組長の圧とは関係の無い壁があったと気付くのはこの後の話だ。
『醜鬼を押しとどめる時はまとめて止めてたのに、倒す時は一匹ずつだったのが気になったんですよ。どうしてまとめて持ち上げないんだろう、って』
『……止めながら、持ち上げるのも二、三匹くらいなら十分可能です。……ただ、力を使うのも事実で……。……群れを止めながらは、一匹ずつが限界に近いです』
……だけど、用途を絞って遠距離・広範囲・長時間展開する分には全く問題ない。
そして手のように器用に操作できるので使い道は色々ある、そんなテクニカルな能力が『
今回はシンプルに『檻』として使ってもらってる。
……さて、そんな中でベルちゃんは唯一、近距離まで近付かないと効果を発揮できない。
『命』は光って見えるから、私が魂でやってるみたいに攻撃力のあるレーザー的なものにできないか一応試してみたけどやっぱり命は操れなかったので無理だった。
ではベルちゃんが遠距離の相手には何もできないかというと……、……そうでもない。
「ん、やられた」
「次は……、岩にしときますね」
「うん、もう片付きそうだしね」
ベルちゃんが手を構えると岩が光りだす。
──
「画像復帰、っと。……いやー、エゲツないですなぁ……」
「上総ちゃん?」
「私も同意します」
「小粋ちゃん?」
「も、もう終わりますねっ」
「……ベルちゃん?確かに終わるけど下手にごまかさなくていいんだよ?」
「……その、……ベルも実際に見ると、やっぱりえげつないなぁ、って……」
「アタシも同意見。『
「…………」
……えげつなくないもん。
……徹底的なだけだもん。
……私が気になったのは『
抜くのは確かに手で触れられる距離でないといけないけど、
『……これ、射撃の明かり代わりに使えない?』と頭によぎり、ベルちゃんに試してもらったら、ベルちゃんが解除しない限り光らせたものは光り続け、光らせた小石を遠くまで運んでもやはり光り続けた。
で、三番組のみんなにどのくらいの距離のものまで光らせられるのかの実験がてら協力してもらって、三番組管轄区域の高台に囲まれた地形に醜鬼を誘い込んで、閉じ込めて、焼き尽くしてもらったのだ。
結果は醜鬼の焼滅と、光らせられる射程範囲の判明──ベルちゃんが力を込めればどれだけ遠くても光らせられると分かった。
『グオォオオオ⁈』
「うわ⁈」
「っと、危ないですねっと」
「冬美さん、ナイスですっ!」
で、私は今みんなのボディーガードを務めてる。
……三番組のもう一つの弱点は『得意を破られるとどうしようも無くなる』だ。
ベルちゃんは『攻め』で光らせてもベルちゃんより早く移動されたり、飛ばれたりして『ベルちゃんが手の届かない』状況にされると詰み。
肥後ちゃん・小粋ちゃん・上総ちゃんも特に中遠距離で力を発揮するいい能力だけど、発揮した力が通用しなかった場合や、近距離に入られた時に弱い。
紫黒にやられた時も『出撃したら遭遇(ベルちゃんは追走中)→一斉攻撃で無傷→『君ら、弱いねえ?』と挑発しつつ紫黒が逃走→思わず追うも見失う(連絡はした)→突然現れた紫黒にまとめて殴られて──どうも髪の蛇を伸ばして殴ったっぽい、低空めだったとはいえ空中の上総ちゃんも餌食になった──敢え無く昏倒・重傷(この後ようやくベルちゃん到着)』……と見事に動揺を突かれてる。
……まぁ相手が悪いとこはあるけど……、……なまじ醜鬼相手に得意の押し付けが通用してたからか、得意が破られた時の心構えが私から見ても不十分に見える。
…………なんかどうも私という出向組員は『ベルちゃんがみんなに置いてかれる問題』だけでなくそこら辺も穴埋めを期待されてるらしい感じがする。
というか弱点がベルちゃんと共通してるから、『近・遠カバーできて溜め無しでできる事がある』私がそのまま三番組みんなの穴を埋められるようになってる。
「……すごっ、やっぱアンタが普通の会社員だったとは思えないんだけど?戦えすぎじゃない?」
「一ヶ月でこれとかあたしらの立場が無いですよー、もっと偉ぶったって文句は言われませんよ?」
「そう言ってもらえるのは嬉しい、かな?」
みんなの褒め言葉に、とある【内裏】を宿す私は
「でもやっぱあたしが地上にいるのはちょっと無駄じゃないっすか?長丁場にならないんなら上にいた方が良さそうかも」
「ええ。上空に占位し、攻撃出来るのは多大な優位です。……唯、天候等の状況によっては
「確かにねー。そういうのがある、ってのは知ってたけど他人に『N.A.R.I.T.A.』は動かせないって分かってからはご無沙汰だったし頭から抜け落ちてたわ」
で、私達は高台の一角に停めた隊用車に乗せた『
『『
なら何故上総ちゃんを加えたかと言えば『協力する関係』の糸口を作りたかったからだ。
……弱点という程ではないけど三番組の力は
『焼夷弾と発煙弾で肥後ちゃんと小粋ちゃんの能力の起点になり、ベルちゃんの苦手な飛ぶ敵に対応できる『
『肥後ちゃんの炎と連携する事でより脅威を増し、上空への視界を遮って地上から上総ちゃんを狙い辛くし、ベルちゃんが近付くのを視界から隠せる『
『自然と冷めてしまう小粋ちゃんの煙を加熱して呼吸する敵への脅威となり、噴射と放射で上総ちゃんの援護くらいの空中戦はこなせ、火力で数を減らしてベルちゃんの援護となる『
『肥後ちゃんの火力、小粋ちゃんの自在さ、上総ちゃんの上空制圧でも仕留められない強敵への
……お互いに弱点を補い、隙を埋め、強く連携できそうな能力なのに今まで個々の判断で動き、特に連携はしていなかったという三番組。
惜しすぎる。
いや、もったいなさすぎる。
お互い気に食わないならもう仕方ないけど、総組長の影響──……やっぱりみんなに圧かけてたよあの人……──で今までお互いロクなコミュニケーションを取ってなかったというから、まずは顔突き合わせて話す機会とお互いを知る機会、あわよくば連携への糸口が欲しかった。
そしてそれは私への一致した反応や、小粋ちゃんと上総ちゃんの会話を見るにそう悪くない感じの結果を出したようだ。
「それじゃあ、醜鬼はみんな倒しましたし、帰りますか?」
「はい、私も賛成します」
「
「カバーされてるけど、寮空けてるしね。そうするならアタシが着いてくよ」
みんなそんなに癖や難のある性格じゃないから、壁を乗り越えればあっさりだった。
今では私が来たばかりの頃からは考えられないくらいの会話量が人間関係を賑わせている。
「じゃあそれでお願いします。肥後さん、上総さん」
「私・ベルちゃん・小粋ちゃんは車で追いかける感じですね」
「
「鞠は任せといて。組長頼んだよ」
「了解しました」
「もちろんですよ」
そんな訳で肥後ちゃんと上総ちゃんは一足先に、寮へ飛んで戻っていく。
私達も隊用車に乗り込んで、走り出させる(ちなみに三番組で自動車やバイクの免許を持ってないのは小粋ちゃんだけだ)。
「……ベルに、扱えるでしょうか……」
「繰り返しになるけど
「私も日ノ出さんと同意見です。少なくとも私達の中では一番上手く行くでしょう」
「……、……頑張って、みようと思います……!」
「うんうん、その意気だよ!」
「力添えが必要ならば何時でも御声掛け下さい」
魔都の荒野で、支え合えるのはきっと何よりの宝だ。
桃の能力によっては明確に苦手な状況ができてしまう事がある。
例えば火を使う人は雨に降られると火力が弱まってしまう、それにどう対応するか。
──その一つは能力を鍛え上げる事だろう。
「【
肥後ちゃんの手足が、炎を纏う。
「行くよ──!」
「はいっ……!」
近距離が弱く殴られやられるにまで至ってしまった事に、魔防隊の一員が対策を考えない訳が無い。
【
「やっ、!」
「うわ、っ、がががががががっ‼︎」
……ただしこの技は未完成だ。
『身体に纏い』、『噴射して勢いを強める』というのに肥後ちゃんがまだ不慣れで制動性に難がある。
……これでも大分改善されたらしいけど、咄嗟に避けようとしただけで火炎車となって猛烈に転がっていってしまう。
「……大丈夫、肥後ちゃん?」
「言いながらぶつけてくんな!このっ、!」
そして纏っている間は中遠距離に上手く炎を繰り出せない。
『纏い』、『強める』の二つ同時でさえギリギリなのに三つ同時はそりゃ無理がある。
「よっ、」
「なっ、!がっ!」
だから今手前に
「……くぅ……」
「……やっぱり手足どれか一本ずつに、単純な動作から始めた方が良く見えるよ?……あとほんとに大丈夫?」
「大丈夫だよ……、炎クッションにすんのももう慣れたし」
……本当に……?
あんなずだだだ、転がって?
「……上総ちゃーん?」
「んーと、……あたしで見れる限りは脳出血とかはしてませーん!……見れる限りは、ですけど!」
「……分かったよ、後でちゃんと診てもらうから」
「それがいいよ!」
審判役の上総ちゃんに見てもらった限りでは大丈夫らしいけど、『
あんなヤバそうな転がり方したなら、ちゃんと診てもらった方がいい。
肥後ちゃんもそうする事にしたみたいで良かった良かった。
「お待たせしました!」
「御疲れ様です」
と、ここでベルちゃんと小粋ちゃんも表に出て来る。
「ベルちゃん!教練は必要そう?」
「……あとは実際にやってみないと、ですね」
──苦手に対処する別の方法。
それは自分が持つ能力以外のもので補う事だろう。
『──遠距離、攻撃?ベルにはできませんけど……』
『最悪『
『⁇』
『──……やっぱりベルじゃ、『命』を扱う事はできないですね……』
『まぁそれならそれでしょうがないよ。これから『ねぇーアンタに装備が届いてんだけど、日ノ出さーん』……おっとっと、届かないから忘れてた』
『装備?』
──魔防隊では武器使いは少数派だけど、武器が必要になった時の為、魔防隊所属者には全員に『装備手当』が支給されている。
武器に限らず、盾や鎧、ドローンなんかも申請が通ればこの装備手当を使って手に入れられる。
京香さんや兜さんは基本給からも金額を割いて、自らに合った装備を入手しているそうだ。
私ももちろんこの仕組みを利用している。
まだ出向の話が無かった頃、震動が醜鬼に効きにくいと気付き、銃の腕もいまいちだった──最近はベルちゃんに教えてもらってよくなって来ている──私は予備装備も使って中距離以遠に届く武器を模索していた。
弓は訓練が必要で、ハンマーは投げつけても性に合わず、斧も投げるのはしっくり来ない、槍は悪くなかったけど斧と同時に扱うのが難しかったので、ボツ。
『振るだけでいいもの』というりうさんのアドバイスも念頭に入れつつ、たどり着いたのが──。
「それにしても、なんか冬美さんに似合ってます」
「……助けられたと仰っていましたが、もしや、羽前組長に憧れて?」
「……えへへ……」
──鎖だ。
……鎖を握り、刀を振るって戦う京香さんへの憧れがあるのは間違いなく事実だ。
(……実は密かに木刀で素振りもやっている)
けど、鎖というのは以外と扱いやすかった。
まず、武器として使うなら振って叩き付けるだけでいい。
叩き付けるだけなら軌道の操り方も【内裏】で身に付けられる範疇だった。
更に金属製で能力も使って作られた鎖だから言うまでもなく頑丈だ。
魔都の岩場に叩き付けようと、醜鬼にぶつけようと砕けない。
そして、輪が連なって形作られるのが鎖であるが故に柔軟でもある。
【震動】→【光】でひるませた醜鬼を更に縛り上げたり、腕に巻いて防具や打撃強化にも使える。
斧と同時に持って行って、同時に扱うにも槍ほどには苦労しない。
──そして鎖の長さは私にも距離を与えてくれた。
距離は【震動】では稼げない能力発動までの時間を稼ぎ、──初めて実戦で【大山援姿】を使えた。
魂に支えられた力は高速で鎖を振り、一発で醜鬼を倒す事ができた!
鎖の『武器としては重さも鋭さも足りない』という欠点も補えちゃったのだ!
「──鎖って、いいものですよ」
「は、はぁ……」
万感の思いを込めて小粋ちゃんに口にした感慨は微妙にスルーされちゃったけど、そこは個人の好みだし仕方ない。
ただ一つ、端っこに付いた分銅は振る時にしっくり来なかったし、鎖の長さをめいっぱい使って振る時に握るのにも合わなかったので、今度整備部で握れるくらいの大きさの輪っかに替えてもらおうと思う。
「ベルちゃんもなんかいい感じだね、
「そ、そうですか?」
「あいまいだなアンタ。……ま、確かに分からなくはないけど」
「なんか雰囲気が締まった感じしますよねー」
「──じゃあ試し撃ちしてみよっか」
「はい!」
そして、ベルちゃんにも装備手当を利用してもらった。
それによって今日三番組寮に届いたのが、──ベルちゃんが腕で抱える
ベルちゃんの能力は近距離向けで、それ以外の肥後ちゃん・小粋ちゃん・上総ちゃんの全員が中遠距離向けの能力。
……これでは足並みが揃わない方が当然だろう。
前に想像した『ベルちゃんを三人で囲う』、そして『ベルちゃんに足並みを揃えて動く』というのも迅速に現場へ到達できるという利点が惜しいし、杞憂に終わったけど『今まで自己判断で好きに動けてた三人が、スタイルを変えるのに協力してくれない』という可能性もあった。
──後で確かめたら全員近接戦が怪しいので近距離に合わせると弱くなるかも、と判明してしまう。
そこで考えたのが『ベルちゃんにも遠距離攻撃能力を獲得してもらって三人を支援、あるいは同時攻撃ができるようにする』というやり方だ。
『
そして肝心の攻撃能力は、『命』をどうにか使えなかった場合に備えて装備で補う事も視野に入れていた。
弓は意外と身体能力が必要な武器だったので、使用するのは銃火器を想定する事にした。
魔都用の装備は能力者の手作りだから、弾数を揃える前提の自動小銃やマシンガンは魔防隊で入手できる装備の中には無い。
だけど銃火器が魔防隊の装備に無いという訳ではなく、拳銃やグレネードランチャー、
……しかしそれらでは1km2kmと動くのが当たり前の魔都で、あっという間に飛んでいけちゃうみんなを支援するには射程が足りない。
と、なると選択肢は狙撃銃一つしか無かった訳だけど、ベルちゃんが上手く扱えるかは分からない。
片手で撃つ人だって普通にいて(比較的)近距離を目視で狙う拳銃と、両手で保持しスコープ越しに遠距離を狙う狙撃銃とでは全くの別物と言っていい。
専門家の教導だって受けた方がいい──これは後に風向きとか銃弾の回転とか知ってより強く思った──けどそれだってもちろん時間は使う。
そもそも『遠距離攻撃能力を獲得する』というのが、ベルちゃんにとって『強くなる』事に当てはまるかどうかも気になったからやってみるか、はその都度ちゃんと確認した。
『──……不安ですけど、やってみます……!やって、みる事にします!』
──いつだってベルちゃんの目には、意志があった。
……そんな訳で申請し、受理され、マニュアルが届き、できる限りの練習を積み、標準使用距離に的を設置して今日初めて実銃の引き金を引いた、その結果は……。
「──当たりましたね」
「……当たっただけ、でしたね」
……地面に伏せ、長い銃身は二脚で支える『
……ただし的の中に描かれた同心円の目標ではなく、端っこの方を撃ち抜いただけだからベルちゃんが落ち込むのも分かる。
「……でもアタシらにできる?」
「あたしは誘導装置と弾数頼りなんで。少なくとも『
「じゃあ試してみよっか」
という訳で『私達が使う可能性もある』という名目で、私達も狙撃を試してみる。
私、大きく外れる。
肥後ちゃん、そこそこ外れる。
小粋ちゃん、そこそこ外れる。
上総ちゃん、ギリギリ外れる。
二回目のベルちゃん、
──同心円の中、中心と縁の間くらいのとこに当てる。
「は、ぁ、ふー……」
「おっと、大丈夫?ベルちゃん?」
「はい……」
ただしそれと引き換えに深く、長く息を吐いたベルちゃんはぱたり、と持ち上げていた胸から顔も倒してしまう。
すごく集中した結果みたいだけど……。
「……二発目でこれ、ってすごくない?」
「すごいわ」
「ねー」
「……其れはそうと……、大丈夫ですか、組長?」
「すごく集中力使って……、しばらく休まないと当たる気がしません……」
「じゃあしばらく休憩かな?おつかれ、ベルちゃん」
「はいぃ……」
『これを普通にできるようになるか』、はまだ分からないけど、
上々の結果を出せたんじゃないだろうか。
とりあえずベルちゃんは休憩だ。
「じゃーあたしと戦りましょうよ、冬美さん」
「おっけー、やろっか」
そういう訳で今度は私と上総ちゃんとの組み手だ。
……最近、みんなの事が少しずつ分かってきた。
肥後ちゃんは意外と負けず嫌いで、小粋ちゃんは奥手気味だけど優しい。
上総ちゃんはノリが明るくて──かつ、負けず嫌いでまぁまぁ好戦的だ。
──既に準備も済ませてある。
「そんじゃ、行きますよ‼︎」
その右腕は、硬質な外板の手甲で覆われ三回り以上は大きくなっていた。
エンジンを噴かして突撃して来る巨大手甲の正体は──『
本来腰に着けて飛行に使うのが『
そしてこれは、その応用。
車の荷台に乗せてみんなでモニターとして見れるようにしたのと同じように、上総ちゃんの意思を噛ませる事でより大きく変形させた【重近接戦仕様】だ。
「──来い、っ!」
まともに当たれば醜鬼でもぶっ飛ばされるその
……『【震動】→【光】』の牽制コンボは新たな、そして改めての気付きだった。
『最大だけが全てじゃない』。
【光】のチャージを減らして牽制技にしたように、最大限の力を発揮すると激痛に襲われる【援姿】も一・三倍の上乗せくらいなら平気なように。
魂の大きさのままに使っても脆く弱くなるだけの【悠景】も、
……魂を解き放ちつつ、大きさを抑える。
その加減には練習が必要だった。
凄まじい勢いで膨らもうとする魂を引き締め、繋ぎ止める。
魂を収める身体の一番外側に力を込め、支え上げる。
「くぅ……!」
私の両腕は上総ちゃんの翼甲の勢いを完全に殺し、受け止められた。
──【大山悠景】の大きさを絞る事で魂に力が入り、その表面は【大山援姿】を発動しているのと同じ、魂の守りを得た。
そして【悠景】を解除し元の大きさに戻すのをクッション代わりに使いながら全身での【援姿】に移行すれば、ジェットエンジンによる突撃ですらピクリとも動かない。
この防御を私は【
……ただし、欠点が幾つか。
「らぁ!」
「‼︎」
今上総ちゃんが翼甲の逆噴射で逃げるのを止められなかったように、そもそも【援姿】は動きを固めてしまう。
パワーを上乗せすればそれ以外の方向には動かせず、守りを上乗せすれば動けない。
「
「っ‼︎」
それは次の動作の遅れを意味し、今上総ちゃんが翼甲から撃ったミサイルみたいに相手が即座に出せる攻撃を持っていたら【援姿】の発動を続けざるを得なくなり、動きを封じられてしまう。
「
「〜〜〜〜ーーっ」
向こうが翼甲から展開した機銃みたいな、【援姿】でなければ耐えられない攻撃を連続できる場合なんて最悪。
ほとんど身動きが取れなくなってしまう。
……上総ちゃんの狙いはなんとなく分かった。
機銃で牽制しつつ近付いて、今度こそ殴り飛ばすつもりだろう。
……実際、そうされると【防段層殺】は発動できない。
スペースを確保しないで【悠景】を発動すると私が押し潰されて、【悠景】の解除をクッション代わりにできなくなってしまう。
……ただしそれは、『私が攻めない』という前提あってだ。
じりじり、と、【援姿】を掃射が当たる面に集中させて、体勢を右腕を隠すようものに変える。
右手は握って、【光】をチャージ。
「‼︎」
「
──親指を外に握った拳の、畳んだ中指だけ動かす事で【光】を機関銃みたいに連射して私も撃ち合う。
「くっ、‼︎わあっ⁈」
『
最悪誘爆する事もあるから回避に専念する事は分かってた、だからすかさず【震動】。
「よっ、!」
「わっ!……っ!」
更に鎖を引っ掛けるか絡めようとしたけど、避けられて──空中へと逃げられた。
右腕一本で翼甲にぶら下がるすごく肩とかに悪そうな姿勢だけど、元々『
……それでも上総ちゃんが悔しそうな顔してるのは、地に足着けて決着付けたかったからで……、
「──っ」
……自分が有利になってしまっても勝ちたい、その
「上総さん、冬美さん。──まだ、やりますか?」
その気持ちを汲み、選択を提示するのもまた、上司の仕事の一つだろう。
「ベル組長……」
「私は続けていいよ、
「……じゃーあ、お言葉に甘えて!今のはあたしの反則負けで!」
コミュニケーションの通りが良くなった事で、『裁定を下す』というトップの重要な仕事も少しずつできるようになって来ているベルちゃんの成長にニッコリする。
「其れが妥当かと」
「近接戦に慣れとくってコンセプトだったからね」
「ベル達も目を慣らさないといけませんからね。…………」
ニッコリしながら、
……手に持っていた鎖をするりとこっそり腕に巻き、両手は空間を作るように指を動かす。
……黙っていてくれるベルちゃんには感謝だ。
「じゃー、行きますよっ!「【花閃】」ちょわっ⁉︎」
再開と同時に【花閃】で奇襲を仕掛けるも避けられる。
ちっ。
まぁ上空にいる上総ちゃんが使える落下の勢いも加えた鉄拳+内蔵火器の接射という最大限の【援姿】でも足元が崩され、【防段層殺】も合わせられない強攻の出鼻を潰せたのでよし、
「にっ」
「えっ」
『
【悠景】を足に使っての膨張に【勢動】で身体を引っ張る事での加速を加えて上空に急接近する。
『ぎゃーっ⁉︎』
「まだまだ♪」
ラリアットで吹っ飛ばされた上総ちゃんを更に追撃する。
今度は肩から肘までの上腕を【悠景】で薄く、広く膨らませてパラシュート代わりにゆるゆる落下速度を抑えつつ、掌は合掌し──再びの【花閃】。
『ぬわーっ‼︎』
どーん、と魂の光が魔都の大地を震わせる。
……もちろん組み手だからどれもかなり威力は抑えたけど……。
「上総ちゃん大丈夫〜⁈」
『……冬美さんの鬼!悪魔!総組長〜!』
呼びかけたら上総ちゃんの恨み言が風に乗ってさまよって来た。
そんだけ言えるんなら大丈夫だよね、ヨシ!
『……やっぱえげつねーわ、あの人……。初見の使い方で一気に決めて来た……』
『まぁ、体力切れを狙わないと上総ちゃん相手だと冬美さんが不利ですし……』
『【花閃】も対空では取り回しの悪さが否めませんからね』
……なんか下で言われてる気はするけど、なんの事はない、『私も負けず嫌いだった』というだけだ。
やる以上は負けたくないし、勝ちが決まるまでは終わらせない。
それだけの事。
……えげつない、えげつない言われまくってる気がするのはちょっと不満だけど。
普通に戦ってるし、寝込み襲ったりしてないんだから大丈夫じゃない、……の?
『……てか最初、いつの間に
『……恐らく私達が組長と上総さんに気を取られていた隙に。……ですが、一切不審に見えなかった……」
「マジックでもやってたんでしょうか……?」
……なぜバレた。
……いや、昔の事だしあんまり上手くならなかった一つだけど……。
「……いやアンタ気付いてなかった、組長?「誰か上総ちゃん迎えに行くの付いて来てくれないですかー⁈」……おっと、そうだったわ」
「え、っ。あっ、はい!」
「では私が。……ああ、黙っていたのは外野である以上、口にしないのが公平性の観点から見て妥当かと。しかし決着は付いたのでもう大丈夫でしょう、組長」
プシュゥ、とスモークグレネードから煙を起こして、身体を持ち上げさせた小粋ちゃんが浮かび上がって来る。
それを確認して、今度は肘と手首の間の前腕に【悠景】を太さを抑えて発動する事で手首を撃ち出し、上総ちゃんのいる辺りの岩を掴む。
「まぁそれもそうだわ。……それはそうと絶対ドSだよねあの人、恋人とか居たの?──』
『そういう話は聞いてないですけど……。……ドSって言った事は冬美さんには黙っておきますね……』
「──日ノ出さんが容赦無いのは事実ですが、自分に何が出来るかを把握して、如何に活かすかを発想して、やれる事を増やそうとするその姿勢は見習いたいものです」
「そうかなぁ?」
あとは凧を巻き取るみたいな要領で前腕を戻しつつ、すぼめるように上腕も戻す事で上総ちゃんに近付きつつ、軟着陸を目指す。
ベルちゃん肥後ちゃんの会話を後ろに流し去りながら、その間小粋ちゃんと会話する。
「はい。……恥ずかしながら、私はそういった意欲に満ちた方ではなかったので……。……あのやり方が負担になっていると分かりながら、惰性を抜けられず、慣れたやり方を続けていた面が有ります。貴方が来なければ変わらなかったかもしれません。感謝を」
「……うん、ありがとう」
……私は自分自身をまだまだだと思うけど、まだまだな私に向けられた事を、素直に受け止めてみる事にした。
……まだまだだと思うけど。
……まだまだだと思うけど!
「そーっすよー、冬美さんはもっと自分がすごいことを理解するべきっすよー、ずっこいっすよー、色々できてー」
「……上総さん、『色々できて』は
「うん、それはそうだよ」
「ぶー、ぶー」
……ぶーたれる
『光ったり震えたりできるのはなぜなのか』。
『神と互角のものを収める肉体は本当に無事なのか』。
『そもそも水みたいに動くのに光に変わり、しかし膨らませた様は空気のようでもあるこれはなんなのか。もしくは何が近いのか』。
『魂とはなんなのか』、
私はまだはっきりと掴んではいない。
△
「──【
『魂とはなんなのか』。
東日万凛はそれを掴んではいない。
「──……っ」
それを解決する為に眼前の厳かなる霊廟を展開して貰ったのだが……。
……日万凛が特別感じ取れるものは何も、無かった。
「分かる事はなかったみたいだね、それじゃあ行くよ」
「……お願いします!」
内心のもどかしさ、歯痒さを吹き飛ばすように声を上げた、
──次の瞬間、斬線が首元をすれすれを抜けた。
「っ⁈」
……遅れてギギギィ……、と霊廟の扉が軋み、開く音が届く。
殆ど本能で躱しながらも内心は驚愕で彩られ、そしてそんな中でも日万凛は能力を発動した。
「ぐっ……‼︎」
「…………」
『
身体を武器に変えるこの能力は『
──しかし、使い慣れた力を以ってしても右腕を変えた刀を使っての鍔迫り合いで、押されている。
「っ、‼︎」
止むを得ず、押し込む力を利用して後ろに飛び下がろう
──とした所を更に利用され、恐ろしいまでに滑らかに押し込まれた太刀筋が靡いた前髪の、ほんの数mm手前を行き過ぎる。
「……!ぐあっ‼︎」
──間を置かず、背後から拳が迫る。
日万凛はそれをちゃんと把握していたが、辛うじて刀から盾に変形させた腕を割り込ませただけで、大きく姿勢を崩された。
「──正面以外への警戒も怠らなかったようだね。だけど、身体の使い方が甘い。
「はいっ!」
一呼吸置いて、今しがた拳を入れて来た相手──冥加りうからの指導が入る。
その教えを日万凛はしっかり脳裏に書き記す。
「やっぱ、すっご……」
一連の攻防を京香の隣で見学していた七番組組員・
しかし残念ながら、それは日万凛がレベルの高い攻防を行なったからではない。
「…………」
「
「師匠の能力で強化されてもいるが、そもそも
腰の鞘に納刀している刀で凄まじい技量の一端を見せた、厳めしい顔つきで白装束の老爺は
りうの夫であり、──【白の霊廟】で使役される死者でもある。
現在魔防隊の七番組は一番組組員寮まで赴き、寮に併設された道場で一番組と合同訓練中だ。
目的はベテランの武道家である副組長のりうからの指導を受けてのレベルアップを図る事と──、──日万凛はそれに加えてコピーしている『
(ちなみに日万凛自身では死者の使役を上手く発動できなかった)
「でも魂の事については分からなかったですね……」
「そりゃあそうだ。能力でできる事だからと言って、それを解析できるとは限らない。アタシも死者蘇生に繋がるんじゃないか、って熱心に研究に呼ばれたけど芳しい結果にはならなかったね」
仲間の検証が上手く行かず、幼さを残す声音で落ち込む七番組索敵係の
魔都の桃は人知を超えた力を人類──……の女性──に齎したが、人知を超えているが故にその力を桃が関わらない技術でも扱えるようにする試みはそれ程成果を挙げていない。
例えば六番組組長・出雲天花は空間を操れるが、それを解析して一般社会でも離れた地点を空間移動出来るようになった……などと言う事は無く、能力が絡まない長距離移動手段は内燃機関やモーターで駆ける電車・自動車・飛行機・船舶などだ。
桃でしか扱えてない存在の中では空間系はまだ成果が出ている方であり、十年以内には天文分野でのブラックホールなどの高重力が空間に与える影響をより克明に観測出来るようになるとされているが……、……残念ながら一般社会への広い影響は無く、人類(より正確には日本在住・滞在者)は
六番組副組長・
不可逆の最たるものであった筈の時間が巻き戻されるなど、そもそも桃が齎されて数十年経つ現在ですら成立させる理論の裏付けは無い上に、モデルケースとなる能力も希少に過ぎてまず報告に上がらず、当然の事ながら時間の逆行を観測出来る機器なども無ければ、それに近い現象は起き得るとされる時間の停止すら機械的な認知は出来ていない──莫大な質量で特異点となるブラックホールなら起き得る現象を体力の消費程度で起こすな!、と名門・東のガードに阻まれ歯噛みする物理・天文学者達が叫んだと言う噂が有る──。
ともあれ日万凛もまた『
その道を共に歩む者と同じ組織に属し、やり取りが出来るのだから。
「まぁ、日ノ出さんも居るから大丈夫よ。……………………」
「……ひまりん思い出してるの、もしかして
……ただし、幸運が歩み易い道であるとは限らない。
「……あれは凄かったな……」
「はい……」
そもそも日万凛が魂について検証する原因となった、大山たる魂の持ち主である日ノ出冬美。
つい先頃正式な魔防隊組員となった冬美は日万凛との『魂について判明した事を共有する』と言う約定を、日万凛宛に判明した事を記した書面を送る事で果たしていた。
……いたの、だが……。
『東日万凛様。
最初に、以下の記述は
魂が未解明のものである以上、貴方の魂では異なる結果となる可能性も一考に入れて頂けると幸いです。
⓪そもそも魂とは?
生物の体内に有って、生命活動の根源となっている存在。
近年、その存在が実証された。
ただし、その存在には未解明な点が多い。
→私が自分の魂を感知した限りでは、体内の魂は平常時ではガムシロップ程度の粘度がある液体のように、後述する魂の膨張時には気体のように感じます。
また、度々発光する様子も目撃され、後述する外展開時には発光体として目撃されます。
ただしこのような感触は能力による増強の影響が多大であると思われます。
増強を受けない魂が如何なるものであるのかは不明です。
そもそも魂がどういう現象の元成り立つものであるのかもまた、不明です。
①魂の位置付け
→魂は肉体の内部に保持されます。
皮膚より外に出そうとすると、壁に当たったかのように動かなくなります。
これは閉じた状態の口腔内部など、呼吸器・消化器官の内壁でも同様でした。
しかし私の能力で新たに増殖させる場合は、若干量が外部に放出され、発光現象として目撃されました。
(別添えの注釈①-1に目撃の証言者を記載します)
ただし、その場合の放出量は極めて少量です。
これは後述する魂の霧散が関係するのではないかと見られます。
事実、皮膚表面や内壁に囲われた空間内ではそれを大きく上回る量の魂の増殖が出来ました。
魂が肉体外部に出た場合、その魂は霧散し、消失します。
恐らく、肉体は魂の保護殻としての機能があると思われます。
霧散した魂を元の魂に戻す方法は現時点で見つかっていません。
検証の際はくれぐれも魂の全てを体外に放出しないでください。
そうした場合、死亡する恐れがあります。
魂はまた──』
…………魔防隊員にとっては魔防隊隊規並みに兎に角事細かに判明した事を記した書面が厚めの束になって届いたのだ。
その情報量に日万凛は硬直し、覗き見した朱々も硬直し、様子を見に来た優希も硬直し、小学生離れした優秀さの寧からも年相応の戸惑いが引き出され、京香でさえ圧倒された。
そんな組長でさえ驚かせる情報量だったが……、……
休憩時間や非番の合間に書き進め……、……しかもそれで仕事が滞る事は無く、むしろ期待の新人として十番組組員達の信頼と好意を勝ち取れる程に醜鬼討伐や事務処理を熟していたのだ──後に執筆を目撃された回数や怠られてはいない他の組員との交流・そして執筆はむしろ少なめであった余暇の使い方から、……速筆である事も、浮かび上がる……──。
……
新しい発見やデータの蓄積がある度、補遺や修正が日万凛の元に送り付けられるのだ──正式な組員になるまでに書き溜めたものが溜まっていただけだった初回より多い枚数はもう、無い。
……無い、が……。
副組長の職責があり、魂を扱う上での初歩技能である『体内の魂の感知』や『意思による魂の操作』を身に着けられていないとは言え、一切検証が進んでいない──……魔防隊では先輩であるのに、冬美の検証量を前にしてはカスのような検証しか出来ていない──日万凛が申し訳なくなる程度の量は送られて来ている。
しかも何やら三番組を助け、時折十番組に戻り、もちろん業務も熟しながらだ。
今や七番組の面々の中で冬美は満場一致でヤバい奴扱いだ。
「…………自覚は育っていないようだ。……となると相当根深いねえ。周りにとんでもない才能ばかりが居た口かもしれないね」
「……とんでもないって、どんななんです?冥加さん?」
りうもまた、指導した時間は短くとも生徒である者のその後に微妙な顔をする。
長年の経験で感じ取った彼女の自分自身への認識に対する歪さ……、……否、
「三番組や十番組との合同訓練もあるだろう、自分で聞きな。気が逸れたけど、今は訓練だ。あんたの番だよ、朱々」
「あっ、はい!」
ただ、如何に冬美がおかしくあれど、
此処は魔都で、自分達は魔防隊、対処する力が無ければ押し負けてしまう。
「あんたは色々甘いからね、容赦無く行くよ」
「ひぃっ……、ヨロシクタノンマス……」
「固くなるなよ、朱々‼︎日万凛は課題の改善ができているようだな、その調子だ」
「ありがとうございます、組長。……八雷神に備えて、自分ももっと強くならないと」
八雷神という大敵との戦いも、何時、何処で起きるか分からないのだ。
魔防隊としては、備えておかねばならない。
「寧も応援します‼︎頑張ってくださいっ!」
「ありがと、寧『ただ今戻りました!』『も、戻りました……ぁ……!』……やっと帰って来たわね」
「もう一巡終わったら一度休憩だな、次は木乃実も加えてになるぞ」
「はい!」
力を高め、英気を養い、また力を高める……。
その繰り返しを積み重ねるのみ、だ。
△
……英気がゴリゴリに削られる……。
……【防段層殺】は使い所を選ぶけど、そもそも【大山援姿】が攻防に使えるけど色々難点のある技だったりする……。
……元の能力を超える負荷がかかると激痛に襲われるというのは痛みに慣れればいいとして……(──痛みを無くす、まで行くつもりは無い……)、…………負荷を抑えても筋肉痛は抑えられないしだるくて疲れる……。
……魂で身体を支えるという事は、身体が動かなくなるのと同義で……、……どうも血行なんかが悪くなってるっぽい……。
……大丈夫なのか?と思わざるを得ない解除した時のギャップが悪影響をもたらし、図らずも『何故全身に均等に魂を広げず、一つの塊にしているのか?』という疑問に『身体機能に悪影響を与えない為』という答えが出た……。
……だからって心臓とか肺のある胸の中にまとめるのはどうかと思うけど……、……でも脳があるから頭はもっとダメだし、手足がこわばるのも不便、腹は色々詰まり過ぎて……、……消去法で胸?
……個人差は……あぁ、これも日万凛さんに送らなきゃだ「──冬美さん?」
「……なぁに、ベルちゃん?」
「大丈夫ですか?座ったまま止まってましたけど……」
「……疲れ過ぎじゃない?」
目の前にはベルちゃんと肥後ちゃん。
……心配そうな顔をしている。
……ああ、そうだ、訓練終わって寮に戻って来たんだ……。
「……ごめん、話聞いてなかったかも」
「今は新粥さんがメインのローテです。上総さんが補佐で、ベル達は休憩です。……冬美さん、お風呂入りませんか?」
「えっ?」
現況を教えてくれるベルちゃんから、……唐突な提案を受ける。
「……言われてみれば、確かにあのお風呂場が怖いのも分かりますけど、その、組長として今の冬美さんの疲れを放っておくわけには……」
「そーそー、なんか死臭?って程じゃないけどうっすら『死』って感じがするよアンタ?」
「そう、そうです‼︎」
「……そんなに?」
……そんな必死に言われる程、ヤバいの?私……。
「そうです!えっと……、……ベルも一緒に入って、冬美さんを守りますから‼︎」
「──」
「ウチも一緒に行くよ、……まぁ水辺だけどさ。
「ベルちゃん、肥後ちゃん……」
……なんだろう、この気持ち。
「溝畑さんに頼んでご飯も用意してもらうし……。……魔防隊歴、もう一ヶ月になんでしょ?疲れも溜まってんじゃない?」
「そうです!ベル達を手伝って、助けてくれて、醜鬼を倒して、仕事もやって、トレーニングも武器の練習もして、書き物もして、十番組にも行って、たまに溝畑さんも手伝って……。……一度、休んでみませんか?」
「……てかよく考えなくてもアンタ働き過ぎだろ。大丈夫か?労働意識?前居た会社が基準?」
「『
……でも、まあ。
「…………うん?『
「休んで、みようかな」
……うん、そうだね。
予告も心構えも無くいきなり環境も職種も生活も変化したし……、確かに疲れが溜まってるかも。
ここらでしっかり休もう。
「じゃあよろしくね、ベルちゃん、肥後ちゃん」
「はい‼︎」
「……了かーい。じゃ、また後でね」
そういう訳で靴を脱ぎ、ベルちゃんとお風呂場もとい浴場へ。
「えーと、よっ、と」
「……」
結び、持ち上げて畳んでいた髪を下ろし、髪紐を手首に巻いておく。
何も無いよりはマシだろう。
「もしかして髪も何かに使うつもりですか?」
「おぉ、その通りだよー。頑張れば死んだ細胞の爪や髪にも魂通せないかな?ってね?」
ベルちゃんも左右でくくった髪をほどく、……けど癖になってるのかほどいても横にぴょぴょんと髪がまとまりになってる。
かわいい。
……けどそういえば小さい頃からずっとこの髪型だなー、ベルちゃん。
……なんかいじって新しい一面見たくなってきたなー。
「……ねぇ、ベルちゃん。今度髪型とかメイクいじらせてくれない?」
「えっ⁈いいですけど、いいんですか?」
「まぁプロ並みの腕とは行かないけどね──」
──そんなこんなで、体にタオルを巻いて湯煙の中へ。
「……」
目が覚めた。
「……」
昨日はお風呂入って、溝畑さんが作ってくれたとろとろ卵の親子丼を食べて、ストレッチして、【内裏】で一日の延長もしないで寝た。
「……」
窓からカーテン越しに射す光は清涼な朝のように、青白くって。
「…………」
……なんだかすっごく、
「…………‼︎」
調子がいい……‼︎
「なんかすっごく調子いいですね冬美さん⁈」
「そうかなぁ⁈そうだねっ!」
『ガァッ⁈』
『ギィッ……⁉︎』
視界が澄んでる!
身体が軽い!
片手で斧を振りながらもう片手で銃を撃つ!そんな海賊スタイルもこなせちゃう!
「冬美さん、すごいっ……!」
「……まだまだでしたね、私達は……!」
適宜小粋ちゃんが煙の柱を足元から飛び出させて醜鬼を妨害し、隣でベルちゃんの拳銃射撃が数を減らしてるからでもあるけど……、……今までとは比べ物にならない!
『グオッ……⁉︎』
「ベルちゃん‼︎」
「はいっ!」
最後のやや大柄な一匹の首に鎖を掛け、
「──…………ふぅ〜っ……」
『ァ……』
──すれ違いざまベルちゃんに『命』を抜かれ、醜鬼は灰と散った。
これで見える範囲の醜鬼は全滅だ。
「【震動】っと。……近くにはいないね、お疲れ!ベルちゃん、小粋ちゃん‼︎」
「そうみたいですね、お疲れ様です!すごかったです‼︎」
「素晴らしいポテンシャルでした、冬美さん」
「えへへ……」
えへへ……。
「ベルちゃんもできるようになって来たね!『早いものから『命』を抜き取る』!」
「まだ、皆さんのサポート有りでですけど……!」
「それでも大いなる前進です。胸に刻んでよい事です」
「ありがとうございます、新粥さん!」
──今日のパトロールは
『異変が無い限り、遭遇した醜鬼をできるだけ素早く倒す事』と、『ベルちゃんの『攻め』の練度を高める事』の二つ。
このうち『『攻め』の練度上げ』も軌道に乗って来た。
……ベルちゃんの『攻め』は、厳密に言うと『光らせたものに触れて、光球となった『命』を掴み、引っ張り出して、抜き取る』、この手順を守らないと命が離れず、灰にできない。
……この『引っ張り出す』のもまぁまぁ力が要る(ベルちゃん曰く『お芋掘りでお芋のツタを引っ張るよりちょっと弱いくらいです』)し、一連の手順もそんなに早くない。
車やバイクに乗ったり、私や肥後ちゃん・新粥ちゃんが抱えても(上総ちゃんの『
それに足止めができずに、動く敵に決めなきゃいけない場面も想定しなくちゃいけない。
だからちょっとずつ練習してきた。
その辺の岩山を砕いて作った岩を、まずは私や新粥ちゃんがゆっくり動かして、だんだん早歩き、走りと速度を速め、肥後ちゃん上総ちゃんも加えて爆炎やらブースターやら【援姿】使っての走りやらで、ベルちゃんが全速力出さなくちゃいけない速度で動かしながら。
──もちろん敵意をもって動く存在にもできるようにならなくちゃいけない。
岩も半分くらい灰になり、『命』を抜き切れない時もあるけど動くものには十分慣れて来たので今日、醜鬼相手でも試す事にした。
私の鎖や新粥ちゃんの煙で動きを抑えながら、まずは必ず光らせる所から始める。
……流石に敵意むき出しの醜鬼が迫るのにはベルちゃんもひるんでたけど、だんだんおびえも取れて、すれ違いざまに『命』を抜き取るのを試しだし……。
……成功するようになってきた!
……今更ながら、魔防隊がプロフェッショナルである理由が分かってきた。
『魔都』という
そしてそれだけ過酷な環境でありながら、各寮内部で固定された
世界中でここしか無い『前線と後方の一体化』が精兵を育む土壌なのだろう。
「これで、ベル達は、勝てる…………でしょうか」
……
それぞれの連携も、武器の扱いも、能力の磨き上げも、まだ始まったばかりだと言っていい。
……多分、醜鬼相手なら巨大醜鬼や特殊醜鬼が混ざってても大丈夫だけど……、もっともっと鍛えないと八雷神相手には……、……まだ心もとない。
「……どれだけ鍛えたって、想定外をぶつけられるかもしれないし、単純に上回られてるかもしれない」
……それでも。
「──
それでも、
魔都防衛の戦列に立った以上は、その職責を果たす。
「……。そうですね、ベルも……、……魔防隊の一員、ですから……!」
「──鍛練ならば『
「あっ、冬美さんは知ってますか?桃源郷……、って十番組なら知ってますよね」
「ウン」
……桃の能力とは恐ろしいもの、
……まだ機密だけど、
……ただ、それが使えるようになるまで八雷神が何もしてこないなんて保障は、
「差し当たっては出来る事をしましょう。そろそろ上総さんの待機時間です。三番組であの人以上に
「はい、見つけた醜鬼はみんな倒しちゃいましたからね」
「うん、それがいいね。──じゃあ、帰ろっか」
……三番組共通の弱点の一つ、
それは『速さに欠ける』事……、……いや、『速さに対処する反射神経も技も足りない』と言うべきだろうか。
ベルちゃん、肥後ちゃん、小粋ちゃん、私、みんないまいち不安が残る。
だから速さに慣れる、最低でも目を慣らす事は常に訓練の中にあったし、どうしてもってなったら
「…………」
……だけどそれは上総ちゃんを越える速さに来られたらいよいよマズいという事でもあるし……。
……もし、『上総ちゃんより早く飛べる敵』なんて来たら最悪だ。
……私達の、全滅すらありえる。
△
……魔都の闇の奥。
「──お歴々の要望も固まった。『組長以外で動きのいい奴』、『あからさまに新入りな奴』だとさ。ブチ殺せば更なる力、生け捕りにできたらその時点で
「……お前が仕切ってんじゃないよ、
「
其処は八雷神の領域。
……しかし、殺されず居る人間達が居る。
彼女達は『
神に与えられた力で人を超えた者。
神の兵隊として働く、……人類を裏切った者。
「なんだ?今ここで
「言ってくれるな……!」
「消えるのはお前からだ!」
此処に居る者達は八雷神という存在を自ら嗅ぎ付けるか、或いはスカウトされた者。
……そして陽の当たらぬ所に居た者が多い。
犯罪者、用心棒、暗殺者、傭兵、暴力団、魔防隊の元組長まで。
血の気が多く、人の殺傷に躊躇いなど覚えない者達だ。
「はっ、小物が騒がしいわね」
「誰が仕切るかなど自ずと決まるもの……、……その強さを知り振り仰ぐ事によってな」
「魔防隊など敵ではない、あとはどれだけ手柄を立てるかだ」
……それでも一応は秩序が有る。
一つは彼女等を従える神の統制。
「……ちっ」
「今に見てろ……」
もう一つは裏でも名の知れた強者の存在。
その筆頭は羽前京香の前任であった、元魔防隊七番組組長・
……だが、下村以外にも重石となる強者は居る。
「ずいぶん自信家な事だ、ババア共」
「減らず口を、ハズレの能力に負けたと聞いているぞ?」
「それで配置に変更は無いんでしょうね?足りない頭で覚えていられたかしら?」
「ああ、そこは全員無いさ」
「──アンタらの相手は三番組、魔防隊で一番弱い組だ」
「まぁアンタら次第じゃ、その最弱の組にすら負けるかもしれないけどね?」
「なんだ?お前が負けた時の為の言い訳か?──我ら三姉妹こそ最強の神奉者だと証明してやろう」
神の尖兵。
その悪意の矛先は当然、魔防隊だ。
……すいませんがR-18との境界線を図りかねてるのでお風呂描写は抑えめで……。
……ところでどちらと戦うにしろ、そのバトルオーダー相性悪くない?
飛べる奴と速そうな奴って……(詳しくは原作最新話を参照)
※色々※
・三番組
…紫黒戦でのやられ方は想像、オリ設定です。
弱点偏りすぎじゃない?ってくらい弱点が被ってるけど、強力に連携もできそうな能力の持ち主達。
炎と煙だけでも火事の最も危険な状況を押し付けられるのに……。
……けどそんなもったいない状況も改善が見られ始めてる。
……その結果やいかに。
・装備手当
…オリ設定。
まぁこれくらいはあってもおかしくないだろうな、って。
……制服改造は魔防隊被服部なんかがあって無償なのか、被服手当みたいなのがあるのか……。
・魔防隊銃火器事情
…オリ設定かつ妄想。
……そもそも魔防隊では覚えてる限りで三人しか使ってないけど、対醜鬼用の銃がピストルしか出ないのに『……自動小銃どころか散弾銃でもなくなんでピストル?』と思い、おおまかに『手作業だから』と理由付け。
……醜鬼相手に通用するものをつくるのにどの程度の手間がかかるのか分からないけど、『速めのベルトコンベアを流れる銃弾に手をかざし続ける』くらいであってもずっと立ち続けるのはモチベーションに響きそうだし……。
……それならいっそ全部手作業のがモチベーション保てそうな気も……。
ともあれ『基本的に魔防隊で手に入れられる魔都用の銃器には弾数少なめのものしか無いけど一応バリエーションはある』ものとしてます。
『……じゃあ何故魔防隊で銃使う人は全員拳銃なのか』という疑問には八千穂は能力の条件との兼ね合い、日万凛は副武器ないし非常用武器とみなしているから携帯性・取り回し重視、ベルはそもそも装備変更・追加に目を向ける余裕が無かったから、と位置付けときます。
ご容赦ください。
・スレイブ世界の技術発展
…オリ設定。
作中にて描かれる世界の物品に桃の能力が影響しているように見えるものが無かった事から判断しました。
……もしかしたら傍目には分からないだけで、どこぞの研究所の奥深くにはすごい試作品があるのかもしれないし、車のエンジンが能力で強化されてるのかもしれないし、政府上層部しか使えないワープゲートとか作られてるのかもしれない。
あと時間の巻き戻しについてどこかの発表で『理論的には可能』だとか言われてたら作者のサーチ不足です、そうだったらすいません。
……ただし量子うんぬんはとりあえず除いとく。
・精兵の土壌
…隣り合わせの前線と後方、しかしその間は世界という壁で区切られて後方は遮られてるなんて稀有すぎて他に見当たらないと思う。
だから魔防隊が魔都精兵と呼ばれるくらい練度が高くても何もおかしくないと、そう思う。
(ちなみに原作では風舞希さんが魔防隊を精兵と評してるくらいでひとつながりの『魔都精兵』という単語はまだ出て来ていない、はず)
:冬美
…三番組にも馴染んできた。
ヤバい。
まだまだ成長中。
……けどなんの疲労や気疲れもしないという訳ではない。
一ヶ月余りで溜まり、訓練で一時的に顕在化した疲労を洗い流して、すごく元気になった。
昔マジックを練習した事がある。
前の勤め先は横浜に本社を構える『
ちなみに今の髪型は……、……一番近いのは調べたら『ハルキゲニアアップサイドリバース』なる名前が出て来た奴だけど、毛先が垂れてるのでそれとも違う。
・【
…【大山悠景】【大山援姿】を応用した防御技。
巨大醜鬼の一撃すらピタリ、と止められる。
だが発動には時間とスペースが必要なので、山城恋との対峙では使わなかった。
・【援姿】
…防御面ではだいたいONE PIECEの『鉄塊』。
攻防に便利な技と見えて色々難がある。
・【光】
…新たな撃ち方を見つけ、速射・連射ができるようになった。
ただしこの撃ち方は射程・威力が大分下がる。
【花閃】も大分スムーズに。
・【悠景】
…大きさを絞る事で、腕を伸ばしたり手を広げたりといった使い道が生まれた。
・鎖
…冬美の新たな武器。
汎用性が高く、『
・『えげつない』
…Q.『笑う寿老人』でどんな戦法考えてましたか?
A.「空気を分解して窒息。
足場を奪って行動の阻害。
……あぁー、転落死もいいかも?
叩くだけでいいならバイクで通り魔。
あと灰で目潰しも。
空気が分解できるなら水素爆発もできるかな?
それに─(以下略)」
……己にできる事を己なりに追求する
……倫理観あっても『寝込みを襲う(傷害方向)』なんて選択肢が出る人でもありますけど……。
:ベル
…一歩一歩、進んでいる。
組内の人間関係を恐れなくなり、できる事が増えた。
冬美を休ませようとしたのは、魔防隊入る前最後に会った時の様子を思い出して焦ったからでもある。
……横髪は二つ結びにしてるのに、後ろ髪は伸ばしっぱなしという『なんかいびつじゃない……?』という髪型。
……回想を見ると小学生の頃から横に結んだ同じ髪型。
……で、『……ひょっとして親に適当にされた髪型しか知らなくって、今に至るまで髪型を変えられてないんじゃ……』という新たな月夜野家の闇疑惑が浮かんで来たのですが……。
……ところで16巻の表紙見直したら、『髪飾りの艶の表現かな?』と思ってたのが『髪飾り表面に描かれた三日月と星』で『あの髪飾りは三日月と星の夜空をデザインしたもの』だったんですが……。
・『笑う寿老人』
…原作では『攻め』で光らせた敵は、『命』を抜かれずともフェードアウトするまでずっと光ってた。
……けどその射程距離は完全にオリ設定。
抜くのに身体に力込めてんのは103話で見られるけど、これが『攻め』を使い慣れたり身体能力が向上すればもっとあっさりできるのかは不明。
・狙撃銃
…拳銃扱えてたから安易に扱えるものとした側面はある。
:紅葉
…ややぶっきらぼうで無愛想な感じだけど、ちゃんと優しさ、そして『熱さ』を持っている。
冬美が来た当初は『またか……』と思ってた、……と同時に心の奥底でチリチリと戦意を疼かせてた。
・『不知火』
…副組長に相応しい火力を誇り、コスパにも優れる。
ただしコスパがいい分、即座には使えない。
雨程度はものともしないがそれでも水場は避け……、たかったが何やら対処法が見つかった模様。
技のネーミングは基本【○
・【
…ある程度広い一ヶ所に炎を留める技。
・【
…手足に炎を纏い格闘を強化する……、……未完成技。
紫黒に敗れた反省を元に、復帰してから作っているが『手足と炎を合わせるタイミングが難しい』『タイミングに集中すると出力の制御がおざなりになる』など数多の問題がある。
紅葉いわく「……飛ぶ方が楽」とも。
:鞠
…三番組の中ではノリが明るい方。
……夜雲さんには敵わないが。
……ただしそれは単純に断りも無く尻やら胸やら触ってくる夜雲さんが苦手だからなのもあるが。
冬美が来た当初は
・『N.A.R.I.T.A.』
…飛ぶ速さなら夜雲さんも上回る。
(『???(まだ出てないので伏せる)』夜雲さん>鞠≧通常夜雲さんくらい)
火力や機能の多様性でも上回る。
……最大火力・攻撃範囲・防御力・ついでに生身の格闘能力など、それ以外の全てで負けているが。
特に持久力は飛行や武装展開ごとに体力を消費するので顕著に下回る。
……あんまガチャガチャ変えるとあっという間にガス欠なのと、通常醜鬼なら目視からの機銃掃射で十分なのでせっかくの多機能・多様火力もほとんど使ってなかった。
・【重近接戦仕様】
…ユニットを巨大手甲型に変形させた仕様。
殴打が強いが機銃・ミサイルで遠距離にも対応できる。
通常時より旋回能力などで劣るけど、一応飛べもする。
イメージはガンダムSEED DESTINY ASTRAYに出て来るテスタメントのディバインストライカー。
もしくはシンフォギアで響がガングニールでよくやってるやつ。
:小粋
…表情の変化に乏しく、『全組員が選んだ!魔防隊無口ランキング』があればトップ3に入ってしまうくらい何も無ければ喋らない。
その為、三番組の他の面々と大分隔意があった。
だが必要ならば普通に喋るし、性根は優しい。
・『煙を掴む物語』
…物を掴んだり持ち上げたりできるが、例えば巨大醜鬼を持ち上げるような力は無い。
あとこれも即座には使えない。
……それでも操作範囲も広く、十二分に厄介な能力。
:日万凛
…まだまだ魂は分からない発展途上。
……うん、発展途上。
……ところでお気付きだろうか。
:りう
…魂に関わりそうな能力だったので技を披露。
冬美がどのような人間関係の中にいたのか、うっすらと察している。
・【
…死者蘇生じゃねーかっ⁈
ってなりそうな技。
常時発動してないからにはなにかしら制約があるんだろうけど。
:
…この人はどんな人生を送ったのだろう。
……あと原作で喋らなかったのは【霊廟】の制約なのか、それとも単に無口だからだろうか?
:
…話題に出す機会すらなかったので
ゴメンネ。
:京香
…今回は日万凛の前に組み手を終え、訓練の副監督的役割。
……この人の学術的な面での『かしこさ』はいかほどだろう?
:
…我等が寧先輩。
二回ほど話題には出てたが、この度ようやく登場。
……その昔この子の苗字を『大村川』と間違えた気がする。
:東八千穂
…今話には直接どころか回想のセリフですら出ていません。
……出ていません、が……。
……ドラえもんでタンマウォッチが出た回の「世界の全てが止まってる」説明のスケールが実に大きかったとか、ブラックホールと時間の関係とか、色々あって『周りの時間を止める』系はマジでヤバいと思ってます。
……範囲が限定されてたら動く周りが突っ込んで来るし、同じ時間を歩む宇宙なり世界なりの全てが止まるなら能力一つでそれをやってる事になる。
……小説版によれば海桐花氏は自分の血筋に『時を止めるとかのデンジャラスな能力』を望んでいたそうですが……。
……マジでデンジャラスですよそれ。
:神奉者達および
…夢路以外の出自は想像。
あと内部の人間関係も。