カタストロフィ・メシア 作:汐海朔夜
「ふぅ……」
セレアに襲われたところとは別のアジト(凄いお粗末)で、メシアは息を吐いていた。
「疲れたな……」
「同感。休みましょう」
ソファーに座り、メシアとアインはリラックスした体制でだらりと座る。
「姫様ー、お茶、水、牛乳、オレンジジュース、コーラの中で何がいいっすか?」
そこに何故かメイド服を来たユキがやって来た。
「……私はコーラがいいな」
「りょーかいっす! えっと、アインさんも飲むっすか? ……というか、飲める?」
「肯定。飲めます。当機もコーラをお願いします」
「はい、お任せっす」
ユキはキッチンへと歩いていき、そこでコポポポ……と3つのコップにコーラを注ぐ。
そしてお盆にコップを載せて、目の前のテーブルに並べ始めた。
「……ユキ? どうして3つあるんだ?」
「私の分っす」
「ああ、そういうことか」
ユキは何処からかイスをメシアの隣にまで持ってきて、そこにゆったりと座った。
そこで、メシアはずっと思っていたことを口に出した。
「なぁ、ユキ」
「んー? なんすかー?」
「どうしてお前以外のメンバーが居ないんだ? 遊びにでも行ったのか?」
「あー、それっすか。いーや、ただクソ蓮華の目撃情報があったらしくて、それを潰しに行ってるだけっす」
「…………私、聞いてないんだが?」
「言ってないっすからね。ヘクタとかいうハゲのせいで姫様忙しかったようですし、気を遣ったんじゃ?」
別にヘクタはハゲではないのだが、わざわざソコを突っ込む者はここにはいない。
「そうか……もっと私のことを皆に頼ってほしいんだがな」
しょぼん……とメシアが落ち込んだような顔をすると、ユキが焦ったように大声を出した。
「いやいや!? あいつらだって姫様のコトすっげー頼りになるって思ってるっすよ!? ただ、訳わからないほど私達が過保護なだけっす! だからそんなに落ち込まなくても──」
と、必死にユキがフォローしていると。
──ピンポーン
ボロボロアジトの、呼び鈴がなった。
「ッ!」
その瞬間、その場にいた3人の思考が戦闘へ切り替わる。
「……私が行く。下がっててくれ」
メシアがソファーから立ち上がり懐にある銃を右手で握り、左手でドアノブに手をかける。
そして、開けた先で──
「──やっと、会えた」
「……君、は?」
メシアはその少女に、見覚えがあった。
メシアたちがヘクタと戦ったときに近くに居た、生き残りの人物。
「自己紹介がまだだったよね。わたしは黒福フェリ。よろしく、わたしの運命の人」
黒福フェリが、そこに居た。
……訳の分からない言葉とともに。
「う、運命……?」
「そう……運命。わたしはね、《福運の幾幣》という
メシアは複雑な表情を浮かべる。
当然だ。いきなりやって来た少女が、いきなり自分のことを運命とか言い始めてトリップしてるのだ。反応に困る。
「そ、そうか……それよりも、どうして此処を知ってるんだ?」
気を取り直し、此処を知っているはずがないということからフェリという少女への警戒を高め。
「"幸運"だから」
「え?」
警戒が吹っ飛ぶほどの混乱に襲われた。
「それはどういう……?」
「あれから休暇を貰ったわたしは、偶々この街に散歩に来て、偶々この辺りに辿り着いて、この家の戸を叩いたら偶然にもあなたのアジトだった……ということ。あんな絶望的な状況から生き延びられて、もう一度あなたに会えた……やっぱり、これは運命」
「そう、か……???」
メシアは心から訳が分からなくなった。"幸運"とかいうレベルじゃないが!?という言葉を喉で抑えて、今の状況を考える。
おそらく、この"幸運"というのは
つまり、フェリという少女は《福運の幾幣》の"幸運"という曖昧なものを信じてここまで来たのだ。
そこまでして、フェリがメシアに会いたかった理由。
それは。
「お願いが、あるの」
「願い……?」
「そう。──わたしと一緒に、神秘の到達者《
謎の解説役「フェリさんが持っている《福運の幾幣》は願いを叶える幸運の徽章と言われています。その能力は四つあり、絶え間ない幸運を