俺がお兄ちゃん属性なのはまちがっていない。   作:八重垣八雲

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4-2 ツインテール・ディサイシヴバトル

 開けて翌日、俺は秘密基地で一人モニターに向かっている。特に理由があってというわけではなく、様は暇つぶしである。

 

 この基地が出来て以来、かなりの頻度で入浸っている。漢の浪漫だから仕方ない。

 

 時折トゥアールが何かを発明しに来るが、その際に開発室にもお邪魔している。流石天才科学者を自称するだけあって、実に弄り甲斐のある面白い物を作っている。そういった物の中で危険度の低い物をこっそり戴いたりしている。ゾーンメモリ(仮)とかな。

 

 勿論、タダというわけではない。対価はしっかりと払っている。俺はお兄ちゃんとして養う気はあるが、施しを受ける気はないからな。

 

 この間も、対愛香用の発明品の性能テストを手伝ったりした。開発室で見つけたロボットみたいな奴とかのな。

 

 妹分に危害を加える発明に手を貸すのか、って?それこそ俺が矢面に立ってダメ出ししまくれば、愛香に向かうことはないからな。トゥアールも返り討ちに遭うこともないしWIN WINって奴だ。

 

 それに中々どうして面白い物ばかりで、これがいい特訓になる。日々積み重ねの鍛錬も重要だが、アルティメギルを相手取るなら想定外への対策もいい修行になるからな。まぁ、今のところどれもこれも愛香どころか俺にすら届いていないがな。精々、雑魚戦闘員レベルだな。

 

 一通りぶっ壊した(評価試験)した後トゥアールを見てみれば「え?なんで金属製のロボットを蹴り飛ばせるんですか?熱線銃も当たり前の様に避けられますし。つまり愛香さんはコレ以上?こわ………地球人、こわ………」と、ぶつぶつ言っていた。コレ呼ばわりとは失礼な奴だ。

 

 

 不意にエレベーターの稼働音が聞こえてくる。誰かが来たようだな。程なくして扉が開かれる。

 

 「おう、総二か」

 

 振り向かずに答える。

 

 「よくわかったな」

 

 驚いたように返事をする総二。

 

 「お兄ちゃんだからな、弟分の気配ぐらいわかる………って、冗談だ。入口んとこの監視カメラで見たんだよ」

 

 誰かがいるぐらいならわかるが、流石に個人を特定するまで気配は読めない。作業をしながら監視モニターに映った画像を見ただけだ。地下奥深くにある身内しか入れない秘密基地に監視カメラがいるのか不明だが………

 

 「なんだ、冗談かよ……。八兄まで愛香みたいな事を言い出したかと思ったぞ」

 

 愛香は気配だけでなく、息遣いや足音から推測される歩幅で個人を特定してくるからな。戦闘民族かな?

 

 「んで?」

 

 総二がここに来た理由を短く問いかける。主語どころか省きまくりで二文字しか発していない。普通ならこんなんじゃ伝わらないが━━━

 

 「ああ、愛香とトゥアールがまた喧嘩始めたから、暇つぶしがてらこっちに避難」

 

 そこは弟分、欲しかった答えをしっかりと返してくる。

 

 つーか、あの二人また喧嘩してんのかよ。毎回飽きもせずようやるわ。まぁ、喧嘩というか愛香による一方的な虐殺だけどな………

 

 「そんで、八兄はさっきから何やってたんだ」

 

 「ん?ああ、今まで倒したエレメリアンの情報を纏めてんだ」

 

 身体をずらしてさっきまで作業をしていた画面を見せる。そこにはエレメリアンどもが、ライダー公式サイト宜しく図鑑状にまとめてある。私の趣味だ。いいだろう?

 

 「へぇ、凄く凝ってるな。でもなんでまたこんなもん作ってたんだ?」

 

 「あの変態どもが再生怪人宜しく復活しんと限らんからな。覚え書き様に作った」

 

 最近では少ないとはいえ、特撮あるあるだからな。特に変態はしぶといし、用心するに越した事はない。

 

 「覚え書きってレベルじゃないだろ……。そもそも身長なんてどうやって調べたんだよ」

 

 「そんなもん129cm(お前の身長)からの対比で計算しただけだ」

 

 単純だが効果的なやり方だ。数学が苦手?最強のお兄ちゃんたる俺に苦手なものはないんだよ。………人付き合い以外。

 

 「属性力(エレメーラ)の詳細まであるし、相変わらず多才だな」

 

 「お前らのお兄ちゃんを名乗ってんだ。こんくらい出来んと格好がつかん」

 

 「そんなもんか?」

 

 「そんなもんだ」

 

 幼馴染みの中でも唯一の同性。変に気を使わなくていい分楽に話せる。

 

 そんな中、鳴り響くアラート。急いでコンソールをいじり画面を切り替える。

 

 「エレメリアンの出現を確認。場所は………随分と山奥だな」

 

 日本国内ではあるが、随分と辺鄙━━━それこそ人っ子一人もいないような僻地へと現れた。そんな場所じゃツインテールもいないだろうに、何が狙いだ?

 

 「先行する!八兄は転送を頼んだ!」

 

 総二はテイルレッドに変身すると、転送装着へと駆けて行く。

 

 「総二、奴らの狙いが分からん!十分に気をつけろ!愛香が来たらすぐに送る!」

 

 転送の準備をしながらも、注意を促す。最近は作業ゲー宜しくあっさりと片付けていたが、狐野郎みたく搦手で来るかもしれん。

 

 「分かった!何があってもいいよう油断しない!」

 

 強く頷くと共に極彩色の光に包まれ現場へと飛んでいった。

 

 レッドを見送り改めてモニターに目を向ける。現れたエレメリアンにフォーカスを合わせつつも、別アングルでは周囲に変化がないか確認する。レッドに油断するなと言ったんだ、こっちでも異常を見逃さない様にバックアップをする。そんな決意を胸にコンソールへ向かう。

 

 

 

 ━━━この時はまさかあんな激闘が起きるとは知る由もなかった。

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