全てが狂っている世界に転生したから死ぬるのは嫌でござる   作:砂漠のタヌキ

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大晦日に自我が吹き出した
俺は悪くない


何もかもがおかしい混合世界で悪役に出会った。

突然だが、俺は転生した。

 

歩道橋を歩いていたら、階段でバナナの皮を踏んで滑って、落下の勢いで下に立っていた門松にパイクめいて頭から突き刺さったのだ。

 

大晦日の惨事!Oh!みそかぁ!

 

とか叫ぶ余裕もなく、左の眼球から大して詰まってない脳みそを破壊しつつ右の後頭部に抜けた竹槍的物体により、俺は絶命した。

 

と思ったらどっかの惑星上に赤子になって放り出されていたのだ。

 

以上、説明終わり…

 

なのだが、問題がある。

 

というか問題しかない。

 

まず前述の通り俺は赤子である。

 

なんなら全裸で臍の緒がついている。

 

しかるに俺の母親と思しき女性が、俺の数メートル向こうに、凄まじい断末魔の形相を見せ、引き裂かれた腹から内臓を悉く飛び出させてくたばっている。

 

というか、他にも同様の惨死体が転がりまくっている。

 

これ詰んでませんか?

 

まさかの転生即死RTA?

 

くだらないことを考えながら、俺は全身の寒気を感じつつ急速に意識を失っていき…

 

次に目を覚ました時には、5歳ぐらいになっていた。

 

世紀末救世主伝説で様々な断末魔を奏でながら爆発四散してそうな一山いくらの棘のついた革ジャン着たモヒカン頭のチンピラにどつかれたショックで、転生者としての意識を取り戻したらしい。

 

「おら〜っ!ぼさっとしてんじゃね〜!なんかの仕掛けを死ぬまで回すんだよ〜っ!」

 

俺をどついたらしい棍棒をブンブン振り回してモヒカンがいうので、とりあえず俺は、自分の顔ぐらいの高さにある丸太を押し、なんかの仕掛けとやらを回す作業に入った。

 

入ったのはいいが、ダメだ。力が入らない。

 

またモヒカンの棍棒が飛ぶ。今度は連打だ。

 

頭、背中、庇った腕、どこと言わずメチャクチャにリズミカルにどつき回している。

 

「いっち♪にぃ♪さーんっ!にーい♪にっ♪さーん!いっち♪にぃ♪さーんっ!」

3回ごとに力を込める弱弱強の三連コンボ。

 

だんだん体に力が入らなくなってきた。

 

打撃も頭に集中してきた。

 

あ、これ死ぬわ。

 

結局なんのために転生したん…?

 

走馬灯が回り始めたとき、

 

俺は真実と合一した。

 

 

造物主が作った宇宙は、もともと不安定な存在だった。

 

不安定であるが故に、宇宙に可能性が生まれるたびに、勝手に分裂して並行世界が生み出される。

 

そして宇宙の一つに生命が生まれ、生命が進化し、文明を生み出すようになると、並行世界の可能性は暴走的に加速していく。

 

増え続ける並行世界を管理しきれなくなった造物主は、妙案を思いついた。

 

並行世界1つにつき1体、象徴存在を生み出す。

 

象徴存在は並行世界の住民によって操縦され、他の世界の象徴存在と殺し合いを行う。

 

象徴存在が破壊されたら、並行世界は綺麗さっぱり消滅する。

 

そして殺し合いが終わるごとに象徴存在の操縦者は死に、次の操縦者が強制的に選ばれる。

 

ぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこぽこ増えて鬱陶しいことこの上ない並行世界が絶望しながら殺し合う様を特等席で眺められる妙案を思いつき上機嫌になった造物主はほおおええやあええやあと歌いながら作業にかかったが、その時サニョラバンが現れた。

 

サニョラバンは、造物主に「ゲータレードをください」と頼んだ。

 

造物主は「ふざけんなボケ」と叫んで下駄でサニョラバンの頭を張り飛ばした。

 

サニョラバンは深く深く頷くと、造物主に死神キックを見舞い、腹部をぶち抜かれて真っ二つになった造物主は、断面から内臓と血を撒き散らし苦悶のうちに死んだ。

 

いま俺がいるこの世界は、その造物主の死骸にわいて、肛門にこびりついた糞を食って存在の階梯を上げた虐殺と自傷行為に伴う快楽の神・ブタガルホザナキが作った、他の世界から無かったことにされたもの/必要性を失ったもの/要らないので廃棄されたものばかりが流れ着く狂気宇宙であり、世界の創り主の趣味によって、無意味な破壊と殺戮を撒き散らせば撒き散らすほど残虐行為手当がもたらされ、最終的に無理やりブタガルホザナキと一体化するのだ。

 

真実の全てを叩き込まれた俺はショックのあまりいきなり15歳ぐらいに成長し、次の瞬間

 

「ば」「び」「ぶ」「べ」「ぼおっ」

 

俺以外の仕掛けを回すことを強いられていた人とモヒカンが、飛んできたボウガンの矢に頭を抜かれてくたばった。

 

「な、なにがおきているの?!」

 

世界の強制力による台詞をはかされた俺の目の前に…

 

周りにボウガンを浮かばせた、オレンジ色の魔導士っぽいローブを纏ったミイラが、浮遊しながら迫ってきた。

 

「あ…あ…」

 

言葉を発そうとした俺を見下ろし、歪んだ笑みを浮かべるミイラに俺は。

 

「あんた、ショット・ウェポンだろ?!なんでこんなとこにいるんだよ!!!」

 

と絶叫。

 

ミイラ…推定ショット・ウェポンは、ニヤケヅラを驚愕に歪めて固まった。




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