全てが狂っている世界に転生したから死ぬるのは嫌でござる 作:砂漠のタヌキ
Q.どこが説明回やねん
A.作者の精神状態の説明回です。
モノソクリペペルを陥落させて凱旋した俺たちだが、シトオゲア村の住民たちに歓呼の声で出迎えられた後、あることが気になって、村の責任者を呼び集めることにした。
聞き取り調査の結果、この村には、眼鏡屋があってまともな値段で(それこそモヒカンが持ち歩いていた程度の金額で)眼鏡を買える程度には文明が発達している。
ガラス窓の家も普通に存在しているし、主な大型交通手段は馬車っぽい。
しかし、テレビ、ラジオ、電話などの通信機器は存在しないことが分かった。
また、地下水源から水を引いているらしい井戸や上水道、原始的な石造りの下水道はあったが、とくに魔法的な力で運営されているわけではないという。
そして武器らしいものは何もない。猟師もおらず、火縄銃の一丁どころか弓矢すら存在していなかった。
これはモヒカンに蹂躙されるためだけに沸いてくる存在だから、わざと一切の自衛戦力を持たないようになっているのだろう。
おおむね産業革命以前の生活水準、ただし一部に逸脱や欠損ありだろうとあたりを付けた俺たちは、村の代表者を読んで、いろいろ聞いてみることにした。
「集まってもらって感謝する。さて、まず最初に確認しておきたい。予はここを拠点に新しい国を興し国盗りをやっていくと宣言したが、この辺を統治している国家はないのだな?」
「はい、一切ございませんですコラム王様。王様たちがいらっしゃるまでは、近場でモヒカンに滅ぼされた村の住民たちがここに逃げてくることはありましたが、この辺を統一している国というのは聞いたこともありません」
「この村は、予がかつて過ごしたイシュカークよりは進んだ文明に基づいて作られているように見える。が、その文明を維持できるような技術者はいるのか?」
「はい王様、大工も職人もおりますれば、村の建物や、道路や水道などの公共物は直せると思います。人口が少ないから総出にはなりますが」
「そうか。いや実はな、予の信頼する家臣の一人、そこなギガースが神託を受けたというのだ。この村を襲ってくるような無法者たちは、無法なことをすればするほどどんどん強い戦力が邪神から供給され、手に負えなくなっていくと。無限の補給を約束されている相手に対抗するには、戦力は我々が提供するにせよ、少なくとも生活基盤を安定して持てなければどうしようもなかったから確認がしたかったのだ。とりあえずは安心したぞ」
その後村の人口とか生産力とか食料の備蓄とかをいろいろと聞いて、後日まとめて提出するように申し付けて代表者たちを下がらせると……
俺たちはいっせいに、ため息をついた。
「……足りねえな」
「ああ、何もかも絶望的に足りん。この前のモノソクリペペルの戦いでも、ギガースが神託を受けて奇跡が起こらなければ、我々は帰ってこられなかったぞ」
といっても、できることは少ない。
将来的な目標として、操兵の仮面は作る方法がわからないし職人もいないのでオーラマシンを製造できる設備の獲得を目指す。
それまではとりあえず地道に、村人の誘致と戦力強化に努めるしかないということになった。
それから3か月ほど、俺たちは内政にまい進した。
人口増加と防衛戦力強化については、一つ大きい進歩があった。
モノソクリペペルを構成していた4隻のオーラシップのうち、ナムワンについては、職人を総動員してモノソクリペペル跡地まで赴いて2隻の使える部品を合わせて共食い整備をすることで、1隻を運航できるようになったのだ。
かつてオーラシップを運用していた経験者であるショットが音頭を取って、戦闘は無理でも飛行と日常整備は行えるようにしたうえで、俺たちはナムワンで定期的に巡回を始めた。
西に沸いてきた村あれば、モヒカンが来る前に住民を回収し、東にモヒカンに襲われている村があれば、行って撃退して生き残りを連れ帰り、北からモヒカンの軍団が来れば、行って殲滅する、そんな生活を繰り返していると。
「できちゃったよ……西方工呪会王国支部……。」
頭を抱える俺の目の前で、新しい建物が鎮座している。
なんでも普段のモヒカンとは一味違うニンジャっぽい集団が山奥の職人工房みたいなのを襲撃して惨殺事件を起こそうとしていたので、ディグでタンデムツーリング中だったコラムとオフィーリアが突撃。
ニンジャを全員ビラルケマ・レーザーマシンガンで射殺して職人を救済したところ、西方工呪会の仮面制作集団だったというのだ。
「世界の強制力かわからねえけど、ちょっと都合よすぎねえか?正直こっちの加護ってよりは邪神の残虐行為手当っぽくて怖いんだけど。」
ため息をつく俺をショットが邪悪に嗤う。
「ククク、機械の館を建設したのだから今更だとあきらめるんだな」
そう、俺たちがナムワンを使って襲撃される村を救うようになると、今まではほぼヒャッハーしか出てこなかった敵の質が少しずつ変わり始めた。
ぶっちゃけいうと、仲間の故郷に縁がある連中が出るようになったのだ。
おそらくコラムとオフィーリアがデート中に助けた西方工呪会の仮面職人の皆さんは、ワースブレイドで語られていた、「どっかのお偉いさんが仮面を独占しようと製造攻防を突き止めたら、工房は全部ぶっ壊されて職人も暗殺されていた」という胸糞エピソードに語られる犠牲者であろう。
暗殺に来たおそらく工呪会の暗部のニンジャ連中ともども、こんな世界に落とされたのは因縁の力か。
そして、ショットがらみで出てくる敵は、さらに手ごわくなっていた。
モヒカンではなく、ガロウ・ランが出るようになったのだ。
それも強獣に乗って。
それでね。こいつらをぶち殺しまくってたら、建設されちゃったんですよ。機械の館が。
「聖戦士ダンバイン」作中一番のトンチキポイントである「ICが発掘される鉱山」を襲撃した、ガロウ・ランに操られたガッダーの群れを殲滅してしまったもんだから……
その死体を使って作られた、俺が大好きな割にプラモのリニューアルに恵まれない機体ドラムロが量産されてしまったのだ。
量産といっても一個小隊3機だが、かき集めるだけかき集めてあぶれ始めていたよその村の住民を機械の館で働くようにした。
さらにパイロットを選抜して(ちなみに俺が外しているすきにブロンズ・アケロンでロシアンルーレット式選抜をやろうとしたのでショットに天罰が下りかけた)、編成されたドラムロ部隊……はまあ、今は土木工事に使われている。
なぜか最初からそれなりに戦えた俺と違い、戦闘のせの字も知らなかったので、オーラバトラーの操手となるには圧倒的に経験が不足しているのだ。
現状俺が訓練の相手を務めているが、前線に出られるにはまだしばらくかかるだろう。
さらに「生物の筋肉や血液を処理してロボットの動力源に使う」共通点に着目したショットが操兵の機体部分の製造するようになり、仮面担当鍛冶と合わせて操兵を量産し始めたのだが……
「あの。コラム王よ。もしかしてこの機体も、西方で量産されてました?」
「ああデュラスか。そうだぞ?バランスが良くパワーもあるといって、市井の傭兵などにはなかなか重宝されているようだな」
「また真・聖刻……なんでもないです」
うん。TRPGの公式シナリオ衆に出てきた個人の専用機体をゲームに流用したがために、「本当に西方にあったことになりました」ってのは、ウェル・カーシムがまさに証明してくれたやないの……
ううん。アイデアが出てこないで毎日投稿が途切れてしまった。労働は毒だ