全てが狂っている世界に転生したから死ぬるのは嫌でござる   作:砂漠のタヌキ

8 / 13
実はこの作品、「登場シーンを読んだり視聴したことのある版権キャラしか出さない」縛りをかけています。
おかげでサイボーグ009を探してずいぶんさまよいました(容赦なくネタバレしていくスタイル)


戦鬼といへ、地獄の使者といへ、勝つことが本にて候

(前回までのあらすじ)

 

内政完了、と思ったら、聖刻シリーズとファイブスター物語の悪役が極悪タッグを組んだことを知ってしまったギガース。

 

相手の性格上絶対に業を積み上げて世界に終わりを導くし、その過程でせっかく成立したフレム・リュード王国も消し飛ばされると危惧するギガースは、モヒカンとガロウランの砦を襲いまくる暴挙に出る。

 

そこまでして溜めた残虐行為手当てでやってきた謎のロボットの正体とは……?

 

(ここから本編)

 

俺が思いだせずに悩んでいると、シンプルロボは地割れを起こし、地中に潜り始めた!

 

「あ!あれは……サイボーグ009のサーティーンロボか!」

 

原作では009たちを始末しに来た刺客の一人、0013が操る巨大ロボットだ。

 

0013は009と友達になりたかったのに、ブラックゴーストを裏切ったばかりにロボが自爆して死んでしまった可哀そうな奴である。

 

まあその前にブラックゴーストの作戦に従って暴れていたので死者を出しまくっていたからなあ……

 

それはともかく、このまま奴が暴れまくると、フレム・リュードの城塞都市が壊滅させられてしまう。

 

俺はとりあえず説得を試みるべく、格納庫へ走るとブロンズ・アケロン……ではなく、グライウイングで空中へ飛び出した。

 

「おーい!そこのロボット―!てか0013ー!話を聞いてくれー!」

 

見も知らない人間がいきなりグライダーで飛び出してきてメガホンで叫ぶのを聞いてびっくりしたのか。

 

半分地中に潜りかけていたサーティーンロボは動きを止めた。

 

『だ……誰だお前……ブラックゴーストの人間でもサイボーグでもなさそうだが、ギルモア博士の仲間なのか……?』

 

とりあえずいきなり攻撃の意思はないようだ。

 

「その辺も含めて全部説明するー!とりあえず、いったんロボから降りてくれー!」

 

『だ……ダメだ……おいらはロボから降りると話ができなくなる……!』

 

そうだった、0013には「言語障害があってしゃべれないが、サーティーンロボに乗り込んでいれば、ロボに備わった装置が彼の思考を読み取って声を出す」という難儀極まりない設定があったのだ。

 

どうすべえか……ええい、出たとこ勝負じゃ!

 

「話ができないなら最悪筆談でもかまわーん!とにかく一度降りてくれ!悪いようにはしないし、もし悪いようにしても、加速装置のある君なら大丈夫だろ―!?」

 

『……わかった。そこまで知っているなら、話を聞こう。ただし、裏切ったら容赦はしない……!』

 

ロボの首がずれて、出てきたのは、俺が予想していた通りのぼさぼさ頭で団子鼻の太った少年。

 

サイボーグ0013だ。

 

0013は警戒しながらもロボから地面に降り立つ。

 

俺もグライウイングを着陸させると……

 

いつものように、目の前に現れたかき氷をキャッチ。一気食いする。

 

「うう……!?おおおっ!?」

 

0013が驚愕するが、驚くのは早いよ。

 

俺がアイスクリーム頭痛にのたうつと雲間から光が差し、いつものぶっさいくな羽の生えたガキが現れて、マッハ3で逃げようとした0013にぴったり横付けすると真実をささやく。

 

「よもやよもやーっ!?」

 

鬼●の刃みたいな画風になった(画風ってなんだ)0013、目ん玉飛び出して腰抜かして古谷徹ボイスで絶叫。

 

あ、こいつ昭和カラ―アニメ版か……

 

「まあ、これで理解できただろうか……ってか普通にしゃべってるな?」

 

「あ、あおお……そ、そういえば……そうだな!しゃべれる!おいらしゃべれるぞ!やったーっ!」

 

笑顔で跳ね回る0013。

 

コラム主従の時も思ったが、原作で悲劇的な最期を遂げたキャラが救われるのはいいものだ。

 

うんうんとうなずいていた俺だが、続いて不穏な言葉を聞くことになる。

 

「敵襲!敵襲!所属不明の巨大なえー……狩猟機らしきもの、急速に接近しています!」

 

急いでスプリガンに戻ろうとした俺に、0013が声をかける。

 

「お前のおかげでしゃべれるようになった。借りは返す。敵が攻めてきているんだろう?」

 

「悪い、恩に着る!まだ敵だとは確定してないが、その公算がものすごく高い。協力してくれたら非常に助かる!だが無理はしないでくれ!」

 

見張りが巨大な狩猟機というからには、狩猟機に見えるロボットで……しかも巨大。

 

これはさっそくモーターヘッドのお出ましか!

 

一応、サーティーンロボはマッハ1まで加速できるから、音速での戦いに対応はできなくもないのだが……

 

モーターヘッドの攻撃に耐えられるかは、はなはだ心もとないといわざるを得ないだろう。

 

仲間になって早々に死んでほしくはないのでいざとなったら逃げて呉れて構わないという意思を示しつつ、俺は改めて機体を取りに戻るのだった。

 

 

 

荒野の向こうから迫ってくる敵機を見て俺は冷や汗を垂らす。

 

「えー……ザカーかよ……さっきいなかったやつじゃん……」

 

主人公サイドのかませ犬として2回にわたってぶっ飛ばされたとはいえ、設定上、騎士であるメイユ・スカが国費を使いこんで極限までカスタマイズして作った高級機である。

 

先ほど敵陣にいた量産型モーターヘッドのデボンシャとヘルマイネより、はっきり言って強い。

 

パイロットもかませ犬めいたやられ方をしただけで、実力が不足しているわけではない。

 

不足していたら別陣営に再雇用はしてもらえんだろう。

 

とりあえず俺は型通りに、警告を発する。

 

「あ~~~そこのモーターヘッド、あなたは我が国の領土を侵犯しつつあるので止まってください。止まらない場合……だおわっ!!!!」

 

警告の途中で容赦なくレーザーを撃ってきやがった!こいつやる気だ!

 

「くそ、0013!こいつやる気だ!マッハで突っ込んで顎の下に一発入れろ!」

 

「おうっ、わかった!」

 

サーティーンロボが突っこむ、のを盾を掲げて止めるザカー!

 

ダメか!こうなったら……ん?

 

攻撃を止めたザカーだが、反撃を繰り出してこない……!

 

戸惑っていると、サーティーンロボから通信が入る!

 

「おい、こいつパイロットがめちゃくちゃ弱ってるぞ!どうする、このまま倒していいのか!?」

 

弱っている……?理由は分からんがチャンスか!?これは!

 

「待ってくれ!接触回線で通信を試みるから!」

 

そういうと俺はショットクローをザカーに撃ち込む。

 

突き刺さるわけはないが……かわすこともできず、なすがままにクローが機体に巻き付く。

 

「失礼!そちらはメイユ・スカ殿とお見受けする!ここはジョーカー太陽系ではないが、あなたの名前はこの国にも鳴り響いている!どうかファティマのリンザ殿も併せて話を聞いてほしい!」

 

おもにかませ犬としての悪名で、理解してるのは俺だけだけどな。

 

皮肉を口に出すのをぐっとこらえて、俺は呼びかける。

 

特権階級気取りの嫌みな小悪党って印象だったから持ち上げておけば乗ってくると思ったがどうだ……?

 

「う……なんだ、敵……ではないのか……?り、リンザ……の……メンテナンス……と……私の食事を……要求……」

 

無補給でさまよってたのか。これ割りとやばそうだな。

 

人造人間であるファティマは、なんかドラゴン●ールのメディカルまシンみたいなのに入ってメンテナンスを受けないと衰弱して死んでしまうということを俺はうろ覚えている。

 

で、なんで騎士であるスカまで衰弱しておるのかというと、どうやら単純に飢えているらしい。

 

おおかた食うもんもなしにリンザと二人、ザカーに乗ったままで荒野にでも転移してきたか。

 

(ご都合主義ってこえーな……いや、俺が業を積んだんだからこんぐらいはあってもいいでしょ……)

 

都合のいいことを考えながら、俺はザカーを誘導し、そのままモータードーリーに収容されるのを眺めていた。

 

 

 

あとから知ったのだが、残虐行為手当の一環として城塞都市に出現したモータードーリーは、無人でモーターヘッドも積んでいなかったらしい。

 

あまりの高度科学の産物の上に科学で考えると理屈に合わない要素がたっぷりあるので困っていたところ、戻ってきたショットが俺たちがザカーに対応している間に使い方を理解してしまった。

 

たしかファイブスター物語の世界のSFメカやらファティマやらは、マイトと呼ばれる製作技術者が、無意識のうちに魔法を行使しながら作っているので、物理法則を無視して仕上がるのだという設定だったはず。

 

であれば、元ロボット工学者で、バイストン・ウェルでは強獣を切り刻んで生体ロボットをこしらえ、怨霊になってからは妙な念力も扱えるようになったショットがマイトとしての適性を持つのもむべなるかな。

 

怪しさは大爆発だが、とりあえずファティマのメンテナンス機器を取り扱えるようになったので、リンザの世話はショットに任せる。

 

そしてメイユ・スカはあまりにボロボロだったのでとりあえず点滴ブッ刺して寝込んでもらうことになった。

 

敵軍が来るまでに、あるいは業が向こうにたまり過ぎるまでに、復活してくれることを祈ろう……

 

 

 

 

こっちのモーターヘッドが戦力になるまでの間、できる強化をやろうということで。

 

俺はまず、サーティーンロボにしかけられていた自爆装置を取り除いてもらった。

 

この世界にブラックゴーストが来ていたとしたら、最悪なんかの拍子にドカン!である。

 

心配を断ったうえで、土を掘るための振動波と姿を隠すステルス迷彩機能意外に武器がないのをどうにかしてもらうことにした。

 

「といってもな。オーラ力で動く体の奴は装備しても使えんだろう」

 

「サイボーグも人間だからどうにかなると思ったがうーむ」

 

「ギガース……すまない……」

 

「なに気にすんなツトム。手はいくらでもあると思うぞ多分」

 

0013……いや、俺は友達になり、本名であるツトムと呼ぶことにした……はサイボーグとして改造されているせいか、オーラ力で作動する体の機器を扱えなかった。

 

オーラによって威力を増す特性がなければ、ショットが製造できるオーラバトラー系の武装はただの旧式の機銃や大砲になりさがってしまう。

 

とりあえずはモーターヘッドに搭載されている各種武装を転用できないものかどうか、試してみることにしようか。




敵のゼロゼロナンバーはみんな悲劇的な最期を遂げてるんだよな。

同情の余地がないのって0012ぐらいだと思う(小並感)
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